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作品名:ファンタシーサガ ○リキュア・しょの2 作者:ジン 竜珠

第7回  
 爆散したゼツボーグから、ひび割れた鈍色の球体がコードックの元に戻ってきた。
「……役に立ったのか、どうなのか」
 そして、姿を消した。

 曲がり角のところでへたり込んでいた女性……るり子の頭上でエクスクラメーションマークが光った。その瞬間。
「……そうなんだわ。体調が悪いのに、無理をして計算したから、計算間違いしてた。大事な仕事なんだもの、体調万全で臨まないと!」
 その時、小崎がやってきた。
「先輩! どうしてここに!?」
 小崎はバツが悪そうに言った。
「あ、いや……」
 そして。
「すまない、さっきは言いすぎた。体調が悪いのに無理して、細心の注意が必要な仕事をやって、ミスをして。そんなことをするぐらいなら、僕たちに頼ればいいのに……、休んでればいいのにって思ってしまって。……実は、今回の主任人事、君を推薦したのは、僕なんだ」
「……え?」
 小崎は右手の人差し指で頬をかきながら言った。
「君が、ものすごく頑張ってたの、見てたし、君の方が計算は早くて正確だし、君が主任なら、チームもまとまると思ったし。それに……。君を補佐する、そういう位置にいたかったんだ、僕」
「先輩……」
 なんとも言えない感慨が胸にあふれてきた。

 それを見ながら、夢華たちはそれぞれ、安堵の息を漏らしていたが。
 愛望はコードックがいた辺りを見て思った。

 コードック、あの時、あなたが流した涙、私をかばって負った傷の痛みなんかじゃないのは、あの時わかってた。アイ・スクリームから話を聞いた今ならわかる。あの涙はきっと、あなた自身が抱えていた心の傷なんでしょ? 国を守れなかったのに、敵である私を守ってしまった、その矛盾が、あなたの涙となって流れた。そうよね?


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