翌日の午前中、俺たちは学校に入れてもらって、いろいろ調べてた。図書室の資料だけじゃ無理なんで、生徒会室、さらには、職員室。休日出勤してきた先生方の迷惑にならないように、資料類は、生徒会室で確認した。 猿橋が卒業アルバムを見ながら言った。 「君らを信用しないわけじゃないが、本当にその手で潰せるのか? 生ぬるいように思えるが?」 志勇吾が反論する。 「九年前のケースもあるし、これまでも、あっただろ? 力ずくばかりが、能じゃないさ」 そして、手にした資料を閉じ、別の資料を見る。 俺が違う資料に目を通し、メモを取っていると、部活動連絡会本部で資料を確認していた璃依と鮎見が戻ってきた。 璃依が一冊の小冊子を見せながら、言った。 「とりあえず、これがいいんじゃないかな、って思うの。あと、詠見ちゃんがね」 と、鮎見の方を見る。 鮎見が頷く。 「『時間制限』のことを考えたら、これがいいと思うわ」 と、また一冊の資料を見せる。璃依の持っている小冊子と、鮎見の持っている資料を見比べた志勇吾が、テーブルの上に置いた資料の山から、何かを探し出し、ニヤリとした。 「よし! それで決定だな!」 猿橋がそれを見て、鼻を鳴らした。 「そうか? かえってトラウマになってたりしないか?」 こいつ、本当に赤い血が流れてんのか? 俺がジトッと見てたからだろう、猿橋が反論めいたことを言った。だが、俺……いや、俺たちは速攻で却下した。 小さく呻き、ちょっとだけ天井を仰ぐと、猿橋は言った。 「わかった。それでいこう。連絡に関しては、僕が生徒会役員を動員して、責任を持つ。ただし、人数やメンバーについては責任は持てない」 俺は答えた。 「構わねえよ」 決行は……。
三日後……連休最終日の前日となった。
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