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作品名:FACELESS−生徒会特務執行部 Special Edition 作者:ジン 竜珠

最終回   あとがき・2
 おまけ、ていうか解説っていうか。
 CASE6・6で摩穂が「なんてことするんですか! あなたたちは、ひと一人の人生を狂わせたかも知れないんですよ!?」って言うに至った辺り。こんなやりとりがあったと思っていただければ。

「ねえ、紫緒夢ちゃん、今日、模試があったんだよね? どうだった? まあ、紫緒夢ちゃんだから、パーフェクトだと思うけど」
『それがね? それどころじゃなくて……。欠席しちゃったの』
「え? どういうこと?」
『摩穂に、人工精霊の「鍵」の設置、お願いしたよね? この間、人工精霊に意識を乗せたんだけど、それが破壊されちゃって……』
「え!? 大丈夫だったの!?」
『うん。精神に深刻なダメージがくるようなものじゃないから。ただ、それでも思考の集中ができないとか、体がだるさにむしばまれるとか、あるんだけど』
「……誰、そんなことしたの……?」
『えっとねえ。タイガくん、っていう、春瀬くんじゃない方の男の子と、リィちゃんっていう、眼鏡かけてない方の女の子』
「……そう。いつもつるんでるのよね、FACELESSの四人って?」
『多分。……ねえ、摩穂、どうするつも……』
「私、抗議してやる!」
『ちょ、ちょっと待って! 電話切らないで、摩穂……!』

 翌日、屋上へ行った。例の四人がいる。春瀬志勇吾は面識があるからわかる。そっちじゃない方の男子。そして、眼鏡をかけてない方の女子。……あの時、インタビューかましてきた、放送部の女子だ。そういえば、あの時のインタビュー、妙に慣れた感じだったが、失礼な物の言い方が気に障った。そのことも一緒に抗議してやろうか?
 いや、とりあえず、紫緒夢のことを……。
 しかし、ここへ来て、はっきりと言うのも、おかしいことに気づいた。FACELESSは、秘密の組織なのだ。転校して間もない自分が知っていてはおかしい。でも、抗議せずにはいられない。
 だったら、曖昧な表現に終始させれば? あの放送部女子がいるから、「インタビューで失礼なことがあった」と、勘違いしてくれるだろう。事実、そのように思える質問もあったのだから。
 ズカズカと近づくと、四人が気がつき、こちらを見た。なにかこちらに向いて、喋っているが、無視して摩穂は言った。
「なんてことするんですか! あなたたちは、ひと一人の人生を狂わせたかも知れないんですよ!?」

 アクセサリーショップ「BiShop」の名前の由来。プロテスタントで「監督者」を意味する「bishop」(「顧問」という意味合いも持たせています)。あともう一つ。ものすごく強引なんですが「Beauty items Shop」だったりします。

「CASE6・4」での「十五年ごとの半身、あるいは、契約更新時の『生命力』は『血縁者に限る』、だったな」と「CASE8・2」の「最終日前々日まで、その人物に所有権を譲」ったことにしておいた。結果、その社員は、結婚して間もない妻を、事故で亡くした。」の部分。ぶっちゃけます。うっかりしてました(笑)! なので、こういう解釈をしていただければ。「同じ『籍』に入ることで『family』扱いとなり、また性交によって、体液が相手の女性の体内に入る。体液は血液の変化したもの。霊的には血が繋がりを持つのと同じ」。強引かつR18な解釈ですが、ご容赦!

 アイテムの「互換性」について。太牙は生命エネルギーの実体化、璃依は、生命エネルギーを戦闘力に変換、詠見は情報を探る、志勇吾は情報を読む。ですが、太牙と璃依は「読経」の修練等を昔から続けているので、喉……「言葉」に関係する詠見のアイテムを使えます。詠見は「言霊」の力がありますが、一方で「絵を描く」という、ある意味で「何かを形にする」という技能も持っています。なので太牙のガントレットも、ある程度までですが、使えます。ただし、志勇吾だけは透視能力に特化しているので、太牙のガントレットも、璃依のアイテム(もっとも戦闘力ではなく、純粋に筋力アップ程度になら使えるかも知れません)も、詠見のチョーカーも使えません。ただし、彼の透視能力のすごさは、描写したつもりです。

「CASE4・4」の「さっきの生け贄の話だが。その被害者……もっとも、すべてが実際に死んだ数ではないが……それをよく見て欲しい」という零斗のセリフ、この「すべてが実際に……」の部分ですが。いうまでもなく猿橋の側で調べることが出来るのは乾の関係者(あるいは血縁者)のみ。だから、もし、ある時点での十五年目で、その時の所有者が、指輪等の所有権を第三者に一時譲渡していたら、そこで死者が出ていても確認の取りようがありません。

 FACELESS四人の簡単な「過去」です。太牙と璃依は、久能木の婆さまに見いだされ、小さい頃から修行をしています。手伝いのようなものもしたことがあるので、近隣では名前が知られています。志勇吾は小さい頃、「あの人、もうすぐ死ぬよ」みたいなことを言っていて、一部で有名でした。親がそれを嫌い、小学校高学年の頃には普通の子どもの振りをしていましたが、能力は磨かれていきました。詠見もやはり小さい頃、ある事件現場に来た時、偶然手に持っていた百人一首の札を取って、事件の背後にあるものに言及。それを警察官が聞いていましたが、後に真相と一致していたことが判明したことから、時折、秘密裡に事件解決の協力を依頼されていました。

「FINAL CASE・15」の「王国の威光、我が左足と右手に在れ、栄光と久遠(くおん)、我が肩に宿りて、我に勝利を! 慈悲と正義……」という呪文は、「ソロモンの祈念文」と呼ばれる呪文の一節をもじったものです。


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