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作品名:FACELESS−生徒会特務執行部 Special Edition 作者:ジン 竜珠

第112回   あとがき・1
 読了いただいた皆様、おつきあいいただいて誠に有り難うございました。
 本編に出てきた悪魔の名前は、ちょっと変えてありますし、終盤の「七不思議」と、「動物・虫」と「花」の関係性についても、触れずにおきます。
 調べれば、すぐにわかることですので(ややこしい連想は入れてません)。
 当初考えていた「オチ」というか「ネタ」というか、それを主軸に肉付けした結果、実は予定していた(というか「単発ネタ」時点で、漠然と考えていた)ラストとは、まったく違うものになったんですが、こっちの方が良かったと、真剣に思っています。
 有り難うございました。おつきあいくださった皆様、本当に有り難うございます。ラストまで来られたのは、あなた方のおかげです!

 実は、「七不思議解決もの」は、随分前にも、着想してたんです。何年前かは、明確にはわかりませんが。
 こんな感じです。

・主人公は、女子校に通う高校三年の三人娘。
・特殊能力は、なし(ただし、一人は霊感が強いことにしてました)。
・全七話。最初の二話は、もろにエロ。三話目からは、割と普通(二話と三話の間に、結構な時間、あいています。一年はなかったと思うけど、それに準じるぐらいはあったかな? その間にいろいろと考え方とか、変わりました。例えば「どこかへの応募用に、ちゃんと組み直そう」とか。ただし、いろいろと忙しくて、そのままになりました)。
・全七話は次のような構成。

1.通年。
  新品のノートに理想の恋人について記入し、放課後(もちろん、無人であることが条件)、そのノートを自分の所属とは別のクラスの自分の机と同じ位置の机に入れる。そして、一度その教室を出て、もう一度、入り、そのノートを手に取ると、理想の恋人の姿を見ることができる。→実は、その正体は淫魔。で、その女子は淫魔に……。みたいなお話。

2.七月、野外学習がらみにて。
  野外学習で行った先の高原で、あるクラスメイトが見たこともない珍しい花を見つけ、持って帰る。ところがその花はある邪悪な精霊が封印された花だった。花は一夜にして実をつけ、種子を作って、その女子に種を植え付ける。種に操られるまま、その女子は次々とクラスメイトを襲って……。→種を植え付ける場所は……(いやぁん)。

3.九月、体育祭を控えて。
  この高校の体育祭には、女子校ながら騎馬戦がある。ある女子は、毎年、三人娘が組む騎馬に勝てないでいた。最後の体育祭、ということで、今年こそは!と闘志に燃えるその女子。ある練習日、その女子は、裏庭に奇妙な「もの」を見つける。実はそれは武将の魂を宿した「もの」だった。その「もの」が女子の闘志に反応し、さらに、ほかの武将も引き寄せられ、その日の騎馬戦のシミュレーションが、なぜか本物の合戦になってしまい、大騒動に。

4.十一月、文化祭にて。
  合唱部のヘルプを頼まれた三人娘。練習を終えた放課後、ふと忘れ物に気づいた三人のうちの一人は、音楽室で一人歌う少女の幻を見る。音楽部顧問の話で、過去に文化祭を前に病気で亡くなった女生徒のことを聞く三人娘、次の日も、その幻は音楽室で一人歌っていた。そこで三人は音楽部と相談し、彼女のためのコンサートを企画する。
(今回、4を流用いたしました)

5.十二月、クリスマスイブを控えて。
  学校の先生に内緒で、近くの公民館を借りてクリスマスパーティーを開くことにした三人娘とクラスメイトたち。プレゼント交換の品を買いに行く三人娘。実は三人のうちの一人は、中学生三年のクリスマスイブを控えた頃に、両親が離婚していた。品定めをしているときに白髪白髪の老人に出会い、自分の手伝いをしてくれたら、生徒だけによるクリスマスパーティーのことは学校に内緒にすると言われる(実は彼女の知らないところで、すでにパーティーのことは学校にバレていて、先生参加による「行事」となっていた)。老人の言うとおりに行動する彼女。そして、最後、老人から「ごほうび」としてもらった箱。その中には、三年前、離婚する前に父親が用意していて渡せなかったクリスマスプレゼントが入っていた。老人の正体は……。

6.二月。バレンタインデーにて。
 三人娘の一人には、友達以上恋人未満のカレシがいた。だが、その彼は一年前のバレンタインの前日に、病気で亡くなってしまった。その頃、学校で「絶対、両想いになれるチョコのラッピングアイテム」のことが話題になっていた。しかし、どこに行けば手に入るのか、不明。そんなとき、その女生徒が図書室で不思議なリボンを拾うも、転倒し、気絶してしまう。目を覚ました彼女は、家路につくが、どこか街の様子がおかしい。そして、どうやら自分がいるのが一年前のバレンタイン前日だということに気づいた彼女は、元の時間に戻る前に、ある行動をとる。

7.三月、卒業式。
  卒業を控え、三人は寂しさを抱えていた。卒業したら、みんなバラバラになってしまう。どんなに約束をしても、いずれは離ればなれ。卒業式の前日の夕方。申し合わせた訳でもないのに、無人の学校に集まる三人。そして、校舎に不思議な人影があるのを見つけ、正体を突き止めようと、三人は、学校に入る。いつの間にかバラバラになってしまった三人の前に現れる初老の上品な女性。女性に導かれるまま、三人はそれぞれが思い出の場所をたどる。やがて、三人は一つの部屋の前で集まった。そこは校長室。ドアを開けた三人は、その壁に掛かっている、初代校長の肖像画を見る。そして……。

 で、実は七話に絞り込む段階で、三本、プロットを落としてるんです。先日、当時のメモを見つけてました(今、持ってる記憶と若干違ってたりしたんですが)。

 以下の三本。
T・写真部の女子が、アンティークショップで、異常に安いカメラを入手。実はそのカメラには……。
U・三人娘の一人に、ラブレターが届く。しかし、その差出人は一年前に病死していた。
V・三人娘が住む街にある洋館。そこに、少女の幽霊が出る、という噂があって……。

 Tは上記の1、2寄りのエロ話。カメラに取り憑いている精霊が、自分の気に入った女の子を撮すときには、写真がヌードになっちゃって。そのうち、エスカレートして……みたいな話。Uは、いろいろいじくった結果、上記の「バレンタイン話」にくっつけました(もともとのバレンタイン話は違いました)。Vも組み込もうとは思ったんですが、「舞台は学校(または学校行事・季節イベント)だけに限定しよう」と決めたので、ボツに。実は、CASE−EXはVをもとにしたんですが、いろいろいじって、まったくの別物になりました。

「FINAL CASE・18」で太牙が唱えた御真言について。「大火焔〜」の部分は「佛説聖不動経」の一節を読み下したもの、「帰命す〜」は「慈救呪」を訳したもの、「ナマハ〜」は不動小呪の原文(梵文)。「オーム・アジャラーダ〜」は、「不動迫撃呪」と呼ばれる呪術で使われる御真言をもじったもの。
 ちなみに「アジャラーダ」は、おそらく原文では「アチャラ・ナータ」。「アチャラ・ナータ」というのは不動尊の梵(サンスクリット)名。普通、この「アチャラ・ナータ」は「あしゃのうた」と音訳されるらしいんですが、文献によっては「あじゃらやた」となっているようです。
 余談。「アチャラ・ナータ」の「アチャラ」は、ヒンドゥー教のシヴァ大神の別名だそうです。ここから「不動尊の原型はシヴァ神」という説があるんですが、実際、シヴァ大神と不動尊には共通点があるんです。ただ「墓場をうろついているような不吉な神と、不動尊が同じなわけはない」という見解も多くて。
 私個人は、やっぱり「シヴァ大神が密教で不動尊の原型となった」と思っていますが、その根拠については、興味をお持ちの方もいらっしゃらないと思いますので、触れません。御了承のほどを。
 なお、「アチャラ・ナータ」という名前は「不動なる尊者」ぐらいの意味になるそうで、ここから弘法大師(「お大師様」)は、原義に忠実に「不動尊」と訳されたそうです。

 着想時には「ゲーティア」は出てこなくて、単純に「アーク=悪魔との契約書」でした。七不思議を全部潰したら、アークが出現する、みたいな感じだったんです。で、猿橋が「こんな物を公開したところで、こちらが物笑いの種になるだけだ」って言って契約書を燃やす。すると、同じ頃、理事長が奇声を上げて発狂、みたいな流れだったんです。
 変更して(というか、変わってくれて)、本当によかった、って思います。

「磨楠(まぐす)紫緒夢(しおん)」の名前は、聖書に登場する魔術師「シモン・マグス」から。「シモン・マグス」がサマリア人(びと)であることから「善(よ)きサマリア人(びと)」の逸話にちなみ、彼女に「医者志望」というプロフィールを与えました。

 いろいろと書き漏らしてます(苦笑)。まず太牙たちのアイテム。一度インジケーターがオフになったら、次にオンに出来るのは、十二時間後という回路が組み込んであります。もっとも、アイテムはボタン電池が電源なので、そんな回路、電池を入れ替えたら無視出来るんですが(苦笑)。CASE9・4の「月初めに、県央部の銀行まで出金に行かせて」の部分は、かえました。申し訳ねッス。

 アイテムの電源について。「バッテリ充電」に解釈を変えてください。で、充電池を外して挿し直したら、リセットされる、ということで。



「FINAL CASE・14」での「キッチン側には、食器棚があるから、無理だろう」と太牙が考えた理由。書くまでもないと思ったのですが、念のため。警察が来た時、一応、食器棚の下の扉も開けたりします。その時、食器類がまったくなかったら、怪しまれますし、埃が積もってなかったら(ついでに何かが這ったようなあとでもあったら)、ますます「おかしい」となる。
 これが前提となっています。本作において、警察は決して無能ではありません。


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