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作品名:帝都、貫く、浄魔の拳 作者:ジン 竜珠

最終回   あとがき・3
 実は、結構、落としたキャラとかいるんです。そのうちの、何人かを。

・刑部 英峰(おさかべ ひでみね)
 大正十二年界の刑事。そこで「護世士」ていうか、浄警の事情を知っている唯一の存在で、いろいろと情報を提供してくれたり、便宜を図ってくれるキャラでした。大正十二年界の意義を変えたので、消滅。

・安岡 卯月(やすおか うづき)
 心のアパートの近所に住んでる女子大学生。実は、心と天夢と彼女とのトライアングルも想定していたんですが、千紗が前面の方に出てきたり、思った以上に大正十二年界がメインになったりしたんで、消滅。

・島田菜苗(しまだ ななえ)、紫依果(しいか)
 このキャラは、いろいろと変遷を経たキャラですが、最終的に「江崎の、別れた奥さんと娘」になりました。実は、江崎は千紗と「いい仲」になる、っていう設定があって、それに伴い、菜苗が再婚する、とか、反発して紫依果が江崎のアパートに転がり込む、とか、紫依果が千紗のことを知って、応援しようとするとか、あったりしたんですが。
 余裕なくなってしまって……。

・名称未定、太乙真那(たいき まな)
 第二、三稿の時ですが、途中加入のメンバーが二人、いました。「名称未定」キャラは、外国人で、自分の国にある冥空裏界に歪みがあって、その原因が大正十二年界にあることを知り、来日。テイボウに加入する、って感じでした。アタッキングツールは特に「これ」とは、決めてませんでした。漠然と「スリング(投石器の一種です)」みたいなもの、ぐらい。太乙は、女性キャラで、千紗の昔なじみ。千紗の危機(=魔物化)を知り、駆けつける、みたいな感じでした。アタッキングツールは火尖槍(かせんそう)という、火を噴く槍。名前は封神演義の「太乙真人」から。
 いたずらにキャラが増えても、混乱するだけなので。


その他のキャラ

・阿良川夏彦
 当初、彼もディザイアになる予定でした。オートマチックの使い手で、紫雲英とバトる、ってこと、さらに、伊佐木はこいつに殺されるってことを考えていたんですが。「伊佐木の仇は心に取らせたい」っていうのと、実際に動かしたら「こいつは、絶対にディザイアには、ならねえなあ」ていうことで。

・梅野一枝(梅野二枝)
 大正十二年界での天夢の友人。そこで「大町一平」のことを知る人物で、心にそのことを話す、とか、大正十二年界での天夢を描写するってことだったんですが。大正十二年界の意義を変えたんで、彼女の役目も消滅。

・大町一平
 当初、彼は「死んだ」ことになる予定でした。実は伊佐木と親友で、オマケに心と、うり二つで、こいつが死んだ(ことになった)あとで心がテイボウ入りしたんで、伊佐木から「一平の生まれ変わり」みたいに言われるっていうのがありました。大正十二年界の意義を変えたので、消滅。

・神室冬樹
 具体的には書きませんが、当初は天夢とは、もっとドロドロっていうか、ぶっちゃけ一線を越えたキャラでした。で、実は「大町一平」と繋がっていて「天夢と、こんな関係になっちゃいけない」とかっていう思いが、一平の方に反映されてて、っていう設定があったんですが。ああいう形に変えたんで、「一平」の方もかわり、さらに大正十二年界の意義が変わったことにより、ゴッソリ変わりました。


ラスボスについて

「魔災へのカウントダウン」ですが、第二稿では、九から減っていっていました。
九→九本首の毒蛇・「ヒュドラ」。八→八本首の「八岐大蛇」。七→七本首の「バビロンの大淫婦」。六→六道輪廻を象徴する「魔物」。五→邪悪を象徴する「逆五芒星形をした、幾何学的な魔物」。四→闇の「四神獣(黒龍、黒鷲、黒虎、黒亀)」。三からは本編のオリジナル。三→三魔人。二→男女一対の魔人。一→混沌の魔女。で、この「混沌の魔女」が、魔物化した千紗の体を使って顕現する、みたいなことを考えてたんですが。
 なんか、抵抗感があったのと、何より「数が多くて、めんどくさい」ていうのが先に立ってしまって。


 タイトルは以下のダブルミーニングです。
「『帝都、』(大正十二年界)が選んだ主人公が、魔を『貫く、』、心の『浄魔の拳』」
「『帝都、』(大正十二年界=ディザイア)を、『貫く、』、心の『浄魔の拳』」


「玖の六」のところで修司が「どれだけの額に上ると思う!?」と、激高してますが。あの部分、ちょっとだけ解説を。有名インダストリアルデザイナーに、コンセプトデザインとか、設計とか、もろもろ依頼していますが、その人物には、もともと海外での仕事があり、それをキャンセルさせています。その際の、相手方に対するキャンセル料、本来のギャランティーに加え、何らかのシステムが動いていたので、それに対する費用、及び、キャンセルによる信用回復費など、二千万近くいっています。さらに、実際に工事等に着手したときに資材がなかったら、シャレにならないので、それらを押さえていますが、まあ「鉄骨十本、まとめ買い」なんてものじゃありませんし、それに対する手付けとか、実際に既に仕入れていたときの仕入れ費とか、キャンセルする場合の違約金とか、もろもろです。それらが累積すれば……。まあ、億単位になりますわなあ。


 拾の六、「もともとは、関東大震災の復興に携わった工務店だったらしい。大震災の後に、本格的に『帝星建設』として、名乗りを上げたという。ということは、どんなに考えても、大正十二年の八月時点で、ここに存在するはずがないんだ」の部分。「可能性、という問題なら、この時点でも『アリ』じゃないの?」とお思いの方もいらっしゃるかも知れないので。「これは、人道上、どうかな?」と思ったので、描写してませんが(まあ、お気づきとは思いますが)、「関東大震災」が起きなければ、この工務店(設定名は「野蔵建設」、在京企業ではありません)は、「帝都の星になるぞ!」という思いを抱くことはなく、「帝星建設」という名前は生まれませんでした。


「拾の二十」で、心が手にしたのは「堕胎符」。新が手にしたのは、設定上「選命符(せんみょうふ)」といいます(描写するタイミングをうまく見つけられませんでした)。この「選命符」は「二人の人間がいて、どちらも瀕死の時、片方の命を片方に注いで救う=命を選ぶ」という符です。これには、モデルがあります。安倍晴明公が用いた「泰山府君の祭」です。これについてはいくつか伝説がありますが、有名なものを簡単に。
「三井寺の僧が、病になった。寿命のため、救うことが出来ない。ある弟子が身替わりになることを申し出て、晴明が泰山府君の祭を行って、僧と弟子の命を差し替えた。弟子の心に感じ入った不動尊の力によって、弟子の命も救われた」


 あくまで感覚的なものですが(そもそも数値化するのはおかしいんですが)。禍津邪妄の力を〇・五とすると、ディザイアは〇・七〜一・二ぐらい、そして勾玉は一・五です。つまり、本来は勾玉一つ(=護世士一人)で、禍津邪妄もディザイアも余裕なんです(ただし、本来持っている霊力・技量・熟練度に左右されるので、必ず一人で倒せるわけではありません。その点、新や千紗は、熟練に加えて、本来の霊力・技量も頭抜けているので、「最強」なんです)。しかし、ムラマサの場合、鎧武者のディザイア(一・二)プラス妖刀の禍津邪妄(〇・五)なので、合わせて一・七、護世士一人、つまり一対一だと、ちょっと厳しい(天夢と紫雲英が対したときは、あくまで個別攻撃でした。例えば、紫雲英の銃弾を天夢の剣にミックスして、ぶつければ、あるいは、優位に立てたかも知れませんが、二人とも熟練度は、まだまだです)。これが太極図になると、勾玉二つ分なので、あくまで数字上は三ですが、実際には、もっと大きくなります。余裕です。

「帝星建設事件」の前半、佐溝殺しと矢南殺し、警察の推理は、あさっての方を向いています。これは「この状況では、どうやっても警察は核心を掴むことが出来ない」って、私が思ってしまったこともありますが(苦笑)、「必ず『周辺』に証拠は散らばってるはずだし、それを集めれば、真相にたどり着けるはず」っていうのを書きたかったからでもあります。でも「真相」には、たどり着いてないッスなあ(笑)。

 初期の結論は「十人全員を救う≒十人全員救われない≒大正十二年界の破壊が最善」だったんですが、「それじゃあペシミズムに走りすぎかなあ?」ってことで、あのように変えました。

「漆の五」で、ツールを使ってPCのデータ削除を行ったわけ。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、大体においてPCの機能にある初期化は「論理削除」なので、復元可能なんです。専用ツールの場合(ものにもよりますが)、復元困難あるいは不可能な『状態に出来るそうです。一番いいのは「物理破壊」。

 この作品の設定説明については、一度に書くには、かなりの気力とか「整理」が必要だったりします。
 なので、このぐらいで。

 私、自分の作品間でキャラクターが共演する、いわゆる「クロスワールド」とか「クロスオーヴァー」とかは、あまりしないんです。なんか混乱するし、それぞれの作品に思い入れもあるし。ただ、「設定的な物や世界観が似通っていて、別作品にするとかえって混乱する」という理由で、または「もともと一つの作品を二つに分けた」などの理由でクロスさせているものが、いくつかあります。
「神氣学園saga」と「帝都浄魔」も、クロスしています。ただし「擬似的同一平面」。「擬似的」なので、世界的には同じだけど、両作品のキャラがなんかの作品で共演するっていうことは、番外編とか「おちゃらけた」「お祭り的な」お話以外では、ないと思います。「位置的」には「天宮流神仙道第三代宗師・天宮竜凱(あまみやりゅうがい)の高弟・白倉実継(はくらさねつぐ)が、印可を与えられて一家(いっか)を立てたものが白倉流神道」です(☆)。
 なので、両作品の主要キャラクター、その力関係(「プレッシャーを与える」とかいう「力関係」じゃなく、道力)としては次のようになります。※神氣学園のキャラは「今日も杏とて・継」終了時、帝都浄魔は本編終了時。

天宮杏>天宮竜輝>覚醒・救世心>鬼城珠璃=白倉新>千宝寺千紗>響堂零司≧神室天夢≧梓川貴織(天夢は、太極図の時は零司と、勾玉だけの時は貴織とほぼ同等)≧佐久田鷹尋=橘麻雅祢(鷹尋も麻雅祢も、パワー的なものは貴織よりも上ですが、ベクトルが偏っています。貴織はある意味で、汎用性が高く、様々な状況に対応できるので)≒浅黄比呂樹>伊達紫雲英(紫雲英は、まだ呪力のチャージに時間がかかるため)

「杏さんサイコー!!」ってことで(笑)。

☆一家を立てることが出来るのは天宮宗家の分家、または当代の宗師から認められた高弟。別津五大高弟は、宗家の霊的補佐の特別の任があるということで、一家を立てることは許されていません。想像がつくと思いますが、そういう家が一家を立てると、変な派閥が出来たり、内部がおかしくなったり、ろくな事にならないので。そういう意味で、天宮の分家でも一家を立てることが許されないところ(珠璃の鬼城家もその一つ。杏の家も、そう。杏の祖父は関西地区惣領家であり、「天宮流神仙道○○派」のような一家を立てているわけではありません)は、霊的に重要な家柄ということになります。

 このあとがきは、ぼちぼち更新いたしますが。

 ここらで、区切りをつけます。
 有り難うございました。もし私の命があるようでしたら、次の作品にもおつきあいいただけましたら!


ジン 竜珠


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