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作品名:帝都、貫く、浄魔の拳 作者:ジン 竜珠

第287回   あとがき・2
・救世心
 初稿では、本当にただの書生。ただ、猿太閤と対等に闘いうるアイテム(孫悟空が頭につけてる「キンコジ環」という輪っか。主人公はそれを「腕輪=ブレスレット」にしています)を手にしたことから、浄警に入ることになります。
 第二稿では、有志連合の一員という性質上、最初から強いキャラに。
 第三稿で、「成長する姿もいいかな」っていうことで、初稿よりは強いキャラになりました。

 名前の由来は、ある方から頂戴したメッセージの「信の一字を打ち立てろ」です。で、「しん」という音の名前にどの字を当てるか、ってことになって、最終的に「心」という字を当てました。

 なお、何の「後悔」も持っていない心が大正十二年界に呼ばれた理由については、「終結の部の二十二」での、彼の成長から推測していただければ。
 ちなみに、これについては、当初、「へこんだ心を、それとなく諭す人物が現れる。その人物は、最終会議に顔を出した御苑生蓮一だった」っていうのを予定していたんですが、できませんでした。


・神室天夢
 初稿では、実は「関東大震災を防げなかった」という後悔を抱えたキャラでした。ただ、重すぎるなあ、ということで、第二稿以降、変更。また、心の恋人、ということにしてたんですが、第二稿で、ダブルヒロインの片方のようになって、影が薄くなりました。第三稿からそれを盛り返そうとしたんですが、決定稿で見事に失敗。

 名前の由来はフランス語の「amoureux=恋人」から。


・千宝寺千紗
 初稿では「神楽貴織(かぐら きおり)」「千宝寺紗姫(せんぽうじ さき)」という二人の女性キャラでした。「神楽貴織」は、浄警の冷徹な副頭、「千宝寺紗姫」は、最強なんで、他のメンバー、特にただの書生である心を見下している、そんなキャラでした。しかし、第二稿で浄警の設定が消えたことにより、「神楽貴織」が消滅。そのクールキャラが「千宝寺紗姫」に引き継がれました。その時、「紗姫」の方も名前を変更。「千」の字を入れたのは、苗字とあわせて「千」を重ねることにより、「最強感」を出したかったから。
 ちなみに、彼女にはいろいろと細かい設定がありました。例えば、第二、三稿で「大空震の歪みを、顕空で引き受ける『業』を背負っている。そのため、『大空震』が起きるときに大正十二年界にいることができない」ということで、ある種「最強封じ」をしたり、「歪みを引き受けることにより、肉体に変化が及び右目の色が変化している(だから、右目を隠すような髪型をしている)。その変化により、彼女は『魔物化』していくので、それまでに事件(=ストーリー全編)を解決しなければならない」とか。そのため、彼女もヒロインとなり、第二稿では天夢とともにダブルヒロインになりました。

 ちなみに「右目が変化」の理由ですが。右は一部の霊学で「身(ミ)」とされます。左は「霊(ヒ)」。なので「まず体から変化し、心まで魔物になっていく」です。


・伊達紫雲英
 第二稿までは、リボルバー、オートマチックに関係なく、ガンマニア。それこそ、拳銃なら、モデルガン、水鉄砲、ライター、果ては「ロボットに変形するホビー」まで集めている、っていうのがありました。
 ちなみに彼女が使う銃弾は、第三稿までは「式弾」。式神の力が込めてあり、その弾丸で、自分や誰かを撃つと、銃弾を受けた者は「式神装甲」をまとって、式神の力を使える、っていうことだったんですが。某特撮番組で、「銃弾で変身する」っていうのを見て、あと、「式神装甲」自体、他の作品(現在、構想中)で使うことになりそうだったので……。
 実は第三稿の終わり頃で、彼女、一度、消えました。
 飛び道具が欲しいなっていうことで、第四稿の、ギリギリの、本当にギリギリのタイミングで復活。

 名前の由来は。彼女、中華屋の娘なので。


・梓川貴織
 過剰に使命感を抱いている千紗の、アンチテーゼとして、登場……、だったんですが、大正十二年界の意義を変えたんで、第四稿で大幅に設定が変わったキャラです。それどころか、スタート後にも、水面下で、設定が変わっていきました。一番の変更点は、浅黄にホの字ってところ。もともとは、「素敵なお姉さん」キャラでした。なお、貴織がかけている眼鏡は、大正十二年界で調達したもの。
 彼女の「ヨロイ」が金の勾玉と銀の勾玉で異なっている理由は「目に見えて顕れていなくても、『ヨロイ』の防護力は働く」という描写をするため。その、いわば後付けの説明のために彼女には、こういう設定、というか、過去がありました。
「かつて派遣会社にいた頃、上司からレ○プ同然の性被害を受けた。そのときの格好が『仕事着』。その後、『私服』のときに、一度、殺意を抱いて、『物理的』に殺そうと思った(=念を集中した)ことがある」。
 なんか、いろいろ抵抗感があったので、結局、描かずに終わりました。

「神楽貴織」の名前は、彼女が引き継ぎましたね。


・浅黄比呂樹
 初稿では、「神楽貴織」と同様、クールキャラ。しかし、「被るなあ」って思ってて。第二稿で「神楽貴織」が消えたけど、でも、それは千紗が受け継いで。そこで第三稿で、気のいいアニキ、に。
 でも、思ったほど、「頼れるアニキ」には、なりませんでしたねえ。


・白倉新
 アタッキングメンバーの中に一人、「超越者」を入れようと思って設定。そうしたら、思った以上に「何でも出来る」キャラになってしまい、終盤、「猿太閤対策」で、あまり大正十二年界へ行けないっていう描写を入れました。
 彼女が誕生した時点で、実はあらかた、他のキャラクターが出来てたんで、彼女のキャラについては、実は迷走しました。なので、最終的に「神氣学園以外では出すまい、と決めていた『ボクッ娘』」、「雰囲気・バランス・世界観ぶち壊しになるので、出すまい、と決めていた『ヅカキャラ』『百合ッ娘』」ということに。

 名前の由来。本作のテーマの一つは「白川神道」です。この白川神道の門流である(と自称する)鬼倉氏とあわせ「白倉」に。主人公である心、「歪みを引き受ける」という、ある意味でキーパーソンであった千紗は別にして、他のアタッキングメンバーの苗字は「あ」の段から始まる、と決めていたので、「白倉」の読み方を「はくら」に。また、白川神道の継承者の中に、「新子さん」という方がいらっしゃいました。なので、「新」の字をいただいて、「あらた」としました。


・高谷清嘉
 名前は「さやか」ですが、新は「キヨカちゃん」と呼んでいます。
 最初は、もっと、動くキャラでしたが。
 全然、動きませんでした。

 名前の由来は。易聖・高島嘉右衛門の名前と、古神道研究家・水谷清氏の名前を組み合わせました。


・佐之尾常国
 頼れる主頭。第三稿終盤で、紫雲英が消えたとき、彼がアタッキングメンバーの一人に(アタッキングメンバーは七人、っていうのがあったので、数を揃えました)。得物はスターム・ルガーの「スーパー・レッドホーク」……リボルバーです。単純に「物理的破壊力」と「咒力的破壊力」の二種をイメージしていました。ただ、「『表』の帝星建設事件で、大正十二年界どころじゃなくなるはず」ってことで、どうしようと思ってて、あと、「物理」「咒力」の二種が、ヒネりも何にもなくて、面白くなくて、で、彼を外し、一時、新キャラとか、無謀なことも考えたりしたんですが(「あとがき・3」の、第三稿の「名称未定キャラ」です)、「それなら、紫雲英復活の方がいいじゃん!」ってことで。
 なお、彼の「後悔」は、こんな感じ。
「かつて、判断ミス(一人を見殺しにして、九人を救うようなものだった)で、ある籠城犯が、お腹の子どももろとも妊婦さんを殺してしまった」。
 それに伴い、第拾部後半(に相当するエピソード。正確には、その原型)では、実は彼が出てくることにしてました。
 重すぎるので、カット。


・面河児朗
 最初は、彼も「超越者」でした。ていうか、白倉神道・白倉本家で、秘奥義を極めた重鎮で、テイボウの影の総帥みたいな感じだったんです。だから、滅多なことでは表に名前も顔も出せない、みたいな感じでしたが。本編では、随分とかわりましたねえ。

 名前の由来。白川神道とは直接の関係はありませんが、古神道の大家・川面凡児翁にちなんでいます。

 余談。3/10の「科捜研の女」で、「細胞に記憶物質がある」といったセルメモリー仮説が紹介されました。上述の川面凡児翁が展開した理論に、「全身に魂が宿る」というものがあります。不勉強ですのでどこかに誤りがあるかも知れませんが(もしそうだったら、申し訳ない)。大雑把に説明させていただくと、「全身に八千魂というものがあり、それぞれに全体としての直霊(なおひ)と同じ性質の直霊を宿している」というもの。つまり、セルメモリー仮説のように、腎臓には腎臓の魂があると同時にその人の全体の情報をも持っている、のような説です。ちょっとニュアンスは違いますが、セルメモリー仮説を先取りしているように思います。……いや、まあ、難解な書き方がされてるので、読み間違いしてるのかも知れませんが。


・結城亜紋
「欲しいよね、医者キャラ」ってことで(苦笑)。最初は、ていうか、第二稿の段階では、「あとがき・3」でご紹介する「刑部刑事」同様、浄警の事情を知っている存在で(ただし、直接知っているわけではなく、刑部刑事の知り合いなので、間接的に「こちらの世界の住人ではない」と感じている程度)、メンバーが怪我をしたときなど、手当てをしてくれる、とか、「奇病」や「おかしな傷病者」の調査、「事件で殺された人の検分を行うキャラ」でした。第三稿で「こちらとアチラの両方に、同時に存在している」という、かなり特殊な設定を導入したりしたんですが、ややこしくなるし、大正十二年界の意義を変えたんで、こちら側のキャラに。


・御苑生蓮一
 初稿では、彼が主頭でした。第二稿で「有志連合を招集・組織した影の存在」になって、第三稿で、「オーナー」に。ただ、この時点でも、しょっちゅうではないにせよ、何らかの形で出てくることにしてたんですが、実は、キャラが多くて、いい加減、収拾がつかなくなりそうだったので(苦笑)、「悩む心を諭す。最終会議にのみ、顔を出す」キャラにしたんですが……。ちなみに、俳優の尾美としのり氏を、イメージさせていただいていました。


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