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作品名:歪で歪んだ物語。 作者:ジン 竜珠

第96回   狼と七匹の子山羊の物語。5
 メッセンジャーは言います。
「全ては痕跡から判断する限りだが。それにもツヴァイハンダー、銃器使い、トラップメイカーが絡んでいると思われる。用心して欲しい」
 それを聞き、ヴォルフリンデは答えました。
「フレドリカの『うすのろ』のような、ヘマはしません。あいつとは、基本スペックが違います。お任せを」
 ヴォルフリンデは胸を張って請け負いました。
「よろしい、君に任せる。だが、守って欲しいことがある」
「守って欲しいこと?」
「うむ。カイか、ゲルダか、ジェニファーか、それとも仲間の誰かか、それはわからぬ。しかし、彼女らの誰かが『あるもの』を持っていると思われる。その所在がわかるまでは、殺すことはならぬ」

 察するに、三人のうち、誰かが組織にとって都合の悪い物を持っているようです。それを取り返したいということでしょう。それに。
「脱走者……。いったい、何者かしら?」
 その人物は、粛清者(グリム)から逃げおおせた者の一人でしょう。そして組織はフレドリカを使って追わせた。あるいは、ゲルダ辺りが、居場所の見当をつけたのかも知れません。やはり組織から逃げるのは至難の業のようです。となると、もうこのまま組織の中で、突っ走るしかないのでしょう。


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