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作品名:浜辺恋愛 作者:konyuu

第5回   桜の木
希は病室にいた。ベットの側には真新しいランドセルが置いてあった。爽真は普通ならこのランドセルをからい入学式に出ているはずだった。
両親と希は少しおめかしをして病院へ来ていた。

「爽真、1年生だぞ。ランドセルからって学校へ行くんだよ。早く起きなきゃ。」父親は爽真の髪を撫でながら言った。

「爽真、おめでとう。1年生だね、お母さんランドセルからった爽真を早くみたいわ、だから目を覚まして。」と頬を撫でながら言った。

希は外を眺めていた。病室の窓からは桜の木がよく見えた。

「兄たん、お花綺麗。」「早く見て」希がそう言った。父 母 希が窓に目をやった瞬間爽真の口元が動いた。少し笑っているようにも見えた。
3人が爽真に目を向けるといつものままだったが希は
「兄たん嬉しそうだね。」と言った。希は爽真をみつめた。

希はまだ4歳。病室に長くは居られない。母は中庭へ連れ出した。

「お母さん、兄たんまだ起きないの?」希が言った。

「そうねきっと楽しい夢を見ているのかもね。だから起きたくないんだよ。」母はそう言うしかなかった。

「お母さんお家に帰ろうよ〜」「じいじばあばの所にかえろうよ〜」希が珍しくだだをこねたので帰ることにした。

その頃病室では看護婦が慌てていた。優也の目から涙が流れていたのだ。先生たちが病室に入ると涙は消えていた。脳波にも特に変わったところはなく看護婦の見間違いだろう。
と部屋から出ていった。看護婦は不思議そうに爽真を見つめた。やっぱり見間違いだったのだろうか?もう一度爽真の顔を見ていれば謎は解決していたのに。
爽真は涙を流したのだ。その跡が残っていたのに。


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