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作品名:浜辺恋愛 作者:konyuu

第4回   おじさんの家
優也の父親の兄。おじさん夫婦には子供がなく一人になった優也をすぐ引き取った。養子にすることも考えたがあえてしなかった。あくまで優也は弟の子供。
産まれてきたことをとても喜びとても可愛がった。実の子のように。自分たちもこんな子が欲しかった。その思いは叶わなかったが・・・

幼稚園の休みにはいつも預かった。何処かへ連れて行くわけでもなかったが、家に子供がいる生活を楽しみたかった。優也もおじさん夫婦によく馴染み家に帰りたくないとわがままを言った事もあった。
そして,弟夫婦の事故死。
優也はまだ4歳だったが親が死んでしまった事はわかっていた。もう二度と抱きしめてはもらえない事を。

「優也,今日からここで暮らすんだ。」
「もう家には帰らないよ。わかるな。」
優也は黙って頷いた。いつもは休みが終わると両親が迎えに来る。それがもうない。ずっとここで暮らす。
部屋を用意していてくれていた。一人部屋にいると思わず泣き出してしまった。「お家に帰りたい。帰りたい。」
廊下で優也の泣き声を聞いていたおじさんは
「今の内に沢山泣いておけ。涙が枯れるまで泣いておけ。」そう心で思い,工場へ戻った。
工場の従業員にはいつもどおりに接してくれるように頼んでいた。親の死を忘れることはないがいつまでも悲しんでばかりではいられない。まだ4歳の優也にはわからないだろうが決して一人ではないと言う事を感じて欲しかった,





1週間 1ヵ月と過ぎ従業員達からからかわれたり,叱られたりし優也も泣いたり笑ったり拗ねたりと少しずつではあるがいつもの日々の生活に戻りつつあった。

「ゆうや〜」 正樹が呼んだ。優也は笑顔で駆け寄った。「ま〜ちゃん」優也はま・さ・き・と上手く呼べず「ま〜ちゃん」と呼んでいた。その為か工場内でも皆から「ま〜ちゃん」
と呼ばれるようになってしまった。
「ゆうま〜、いい加減まさ兄って呼べよ!」
「お前が呼ぶからおやっさん達まで呼んでるじゃねぇかよ!」

呼ばれて喜んでいた優也は叱られて泣きべそになりながら「ま〜ちゃん」と呼んだ。工場内は笑いに包まれた。

その様子を見ていたおじさんは頷いていた。優也を正樹に任せてみようか と・・・・
改めて言うことでもないなとは思いながらも・・


優也  小学校入学。
おじさん夫婦に加え正樹も式に来ていた。校門で4人写真を撮った。どこにでもある家族写真の様に。本当の家族の様な笑顔で。





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