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作品名:存在論について 作者:高木紀久

最終回   2
存在論について 第一回

MAIN TITLE:存在論について

SUB TITLE:哲学と仏教と、形而上学と科学と。

主な登場人物…ディラック、マッハ、ハイゼンベルク、仏教の賢籍...。

存在論について 第二回

おもな登場人物_総覧

ディラック…黒体放射に関する研究で有名な科学者。

マッハ…人間中心主義で有名な科学者/哲学者。

ハイゼンベルク…不確定性原理を創唱した量子物理学者。

仏教の賢籍…数々の形而上学を網羅した宗教家/僧籍。ゴータマ=ブッダ、アナンダなど。

存在論について 第三回

ブライアン=ラファティの小説の一つに、黒体放射に関するテーマのものがある。ディラック(ポール=ディラック)の研究(黒体放射に関する研究)に着想を得たものと思われる小説であるが、この小説の中で、ラファティは、“影の宇宙”(Shadow Space)というものについて書いている。この小説はSF小説である。“影の宇宙”とは何か?(第四回につづく)

存在論について 第四回

“影の宇宙”(Shadow Space)とは、黒体放射後の宇宙である。では、“黒体放射後の宇宙”とは何か?“黒体放射後の宇宙”とは、即ち“終わった宇宙”のことである。“終わった宇宙”とは、つまり“存在消滅後の宇宙”である。宇宙消滅後の世界である。“死後の宇宙”である。“死後の世界”である。つまり、われわれのいまいる宇宙とは、かつては存在していた宇宙の残照にすぎないということである。ホログラムのようなものである。VR(ヴァーチャル・リアリティ/Virtual Reality)のようなものである。これが、“影の宇宙”論である。われわれ人間もまたかつては存在したものの、現在は存在しない、非在の人物である。幽霊のようなものである。心霊学における幽霊とはちがうかもしれないが。死んで、肉体を失い、幽霊となった人とはちがうかもしれないが、現在は、厳密には存在していないのである。そういう意味では、心霊学上の幽霊以上にその非実在性(というか非実体性)は高いと言えるだろう。かつてはたしかに存在していたものの、現在はもう存在していない、過去の存在ということである。

存在論について 第五回

黒体放射。黒体放射とは熱力学の一分野である。水の入ったやかんをガスコンロにかけておいてもただそれだけではやかんの中の水は沸騰しないということを言っている。ガスコンロのスイッチ(レバー)を入れて着火しないことにはやかんの中の水は沸騰しないのである。このことは“エントロピー”とも密接に関わり合っている。(つづく)

存在論について 第六回

エントロピーとは状態の無秩序さをあらわす指数である。やかんの水はそのままではエントロピーがマックスの状態なので沸騰することはない。ガスコンロのスイッチを入れることによって、エントロピーが抑えられ、沸騰することとなるのである。影の宇宙とは、死んだ宇宙の残照である。死んだ宇宙とは、エントロピーがマックスの状態に達した宇宙である。熱的平衡状態に達した宇宙である。全ての運動が静止した絶対零度の世界である。絶対零度とは、ケ氏温度でØ度、セ氏温度で−273度である。エントロピーとは、また、統計と確率の理論とも関係がある。外出する人に対して、その時の降水確率が100%の時には、普通の傘を渡すが、この時、降水確率が80%の時には、先端部分のナイロンがはがされた傘を渡し、降水確率が20%の時には、ナイロンが下端部分のみの、ほとんど骨組みだけの傘を渡す…。このようなアメリカン・ジョークがあったと思います。たしか。(こんなアメリカン・ジョークはなかったかもしれませんが。)アメリカン・ジョークは高度で難解です。

存在論について 第七回

存在論とは、なにか。

存在論について。 第八回

ハイゼンベルク。理論物理学者。不確定性原理で有名。量子力学の誕生に絶大な貢献をした。関連するキーパーソンは、ボーア、ディラック、プランク、シュレーディンガー、オッペンハイマーetc...。ミュンヘン大学で学んだ。同僚の多くが国を去る中で、彼(ハイゼンベルク)は、ドイツに残って仕事を続けた。軍政府からの、重水炉およびウラン爆弾の研究開発の要請を受け、任務に着くが、彼は、それらの計画に対してそれほど積極的ではなかった。その結果として彼は、ドイツの時の政権と政権サイドの科学者達と、経緯を知らないアメリカの双局から、疎まれたり、睨まれたりするのだった。結局、彼は、そうした“あまり熱心でない研究態度”(意図的なものだったが)のおかげで、ウラン爆弾の開発を、別人に先を越されることとなったのであった。結果として彼は、“原子爆弾の父”とならずに済んだのであった。ハイゼンベルクの不確定性原理は、“シュレーディンガーの波動方程式”、“アインシュタインの特殊相対性理論と一般相対性理論の二つの重力理論”、そして、“超弦理論”とともに、近代の科学上の“四大理論”の一つとなった。不確定性原理は、科学の理論であるが、デカルト以来の、形而上学上の“存在論”にも一石を投じることとなったのである。

存在論について 第九回

不確定性原理。不確定性原理とは、未来を正確に予測することはできないとする原理である。電子などの素粒子の状態を正確に観測することができれば、未来に起こる出来事を正確に予測することが可能であるという。しかしながら、素粒子の状態を観測しようとすると、素粒子の状態を観測しようとする、その行為によって、素粒子は、その状態を遷移させてしまうのである。したがって、素粒子の状態を観測することはできない。したがって、未来を予測することはできないのである。ラプラスが、このことについて述べている。ラプラス(ピエール・サイモン・ド=ラプラス)は、中世フランスの数学者、天文学者、哲学者、錬金術師。通称“ラプラスの悪魔”と呼ばれる変換式(ラプラス関数ともいう)において、このことを提唱している。この式は、前述の、〜物体を形成する素粒子の状態を観測することによって未来を予測できる〜ことを述べているのである。しかし、素粒子は、いくつかのパラメタ(回転数、角速度、質量、ヴェクトル等)を持っており、観測者の観測という行為によってそれらのパラメタは、変化してしまうのであり、このため正確に未来を予測することはできないのである。ラプラスの変換式は、のちのハイゼンベルクの不確定性原理によって否定されたのである。

存在論について。 第十回

行列力学。行列力学とは、量子力学理論を数値的、数量的、また、視覚的に表現した力学系である。

存在論について 第十一回

マッハの原理。マッハの原理とは、“人間中心主義”に基づいた原理である。

存在論について 第十二回

ブッダの存在論

色即是空

空即是色

色(しき)とは物。空(くう)とは虚である。即ち、「物とは虚なり。虚とは物なり。」ということである。

存在論について 第十三回

アーナンダ(アナンダ,アナンダー,アーナンダー,Ananda)。ブッダの十大弟子の一人。ブッダの意思に反して、世界で最初に仏式の葬儀を執行した人物。彼(アーナンダ)は、師(ブッダ)の入滅に際して、声を放って泣き、師を哭葬に付した。ブッダの葬式(火葬)を
営んだ後、宝塔(ストゥーパ)に、ブッダの遺骨(仏舎利,サンスカール=ブッディ・シャーリラ)を安置した。

アーナンダの存在論
ブッダが魂の永遠性に対して懐疑的だったのに対し、アーナンダは、魂の永遠性に対してわりとリベラルだった。ブッダが、色(存在)=空であると説いたのに対し、アーナンダは、存在(=色)の実存性に関してわりとリベラルなスタンスだった。


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