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作品名:邪目の毒麦 作者:dokumugi

第2回   私はレイコ
私は典型的な女子大生レイコ、よくJホラーで霊に祟られるタイプ。
具体的にいうと90年代の馬鹿人間のようなオカルト趣味を持つ、そう、それはまるで、架空の存在じみた、女性。

ここんとこ、変態がアパートの周りに出現するらしい。

私はまだ目撃してないんだけど、著しく醜い風体の獣のようなにんげんが、ランダムにドアをノックしまくるんだって。

とっても怖い。

Jホラーで霊に祟られるタイプの私レイコは、変態を呼び寄せやすいんだ。




きっと変態は私の個室を探してるんだと思う。

警察は相手にしてくれない。

だってその著しく醜い獣のような生き物は、感性がするどい一部の人間にしか感知できないから。

カメラには、ほんの影しか映らない。

やつらの存在が仄めかされるのは、やつらに食い散らかされた遺体が見つかったときだけ。



警察はやつらに食い散らかされた遺体をちくちくクチュクチュ調べて、でも何も見つかるわけないわ。

指紋も足跡もない。


あの獣たちの名は毒麦。





私は毒麦共が恐ろしくてたまらない。


美しく、陶磁器のように白く、処女である私の体。

毒麦共が私に狙いを定めている。

若くかがやいている女性を順番に引き裂いて、私にたどり着こうとしているのだ。


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