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作品名:一日の黄昏 作者:西見せき

第6回   鏡花水月6
2018年12月12日 水曜日



▽澄明な月の出たある夜に湯船に浸かりながら



 霞行け湯気が辿りて這いし濡れ空のその向こうにも朧月



▽晴れた日の道端に何故か焼け焦げた石が転がっていたので



 晴天のいつかどこかの落雷が生みし落とし子のよう



▽どこかの家の主のいない犬小屋を見て



 破けし空き小屋さんざ伸びた草叢に籠もりただ冬月に照る



小話 黒い人形



 ある噂がございます。それと言うのは、真っ黒な人形がどことはなく置かれていて、それを拾うと幸運になるというものでございます。ある人はその人形を持ってから人間関係に煩わされる事がなくなったとか、また別のある人はお金に困る事がなくなったとか、憚る事なく言い触らして居りました。所で、その人形は時々色が落ちるというのですが、誰もそんな人形を見た者は居りません。


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