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作品名:一日の黄昏 作者:西見せき

第11回   11
▽階段を昇っていて



 段々と軋みの長くなりき階きざはし



▽階段を降りていて



 そろそろと静かに降りし我が足



小話 



 ある地方に纏わる話。その地には神代となる木々が祀らわていて、毎年冬の時期にその一部を薪にして火に焚べ、天高く燃ゆる炎と煙に一年の終わりと感謝を伝える行事があります。高く高く昇っていく煙に人々は様々な思いと姿を見るらしく、天女を見る人もいれば、身近な人を見たという人もいて、寒空に吸い込まれる神の化身に全てのものが見入るのだそうです。


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