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作品名:きゅうとジュウ 作者:織田 久

最終回   第5話 30年
ある日、ジュウが車にはねられました
きゅうちゃんの友達がジュウを見つけました
近寄ると「フッー」と怒って、自分の身体に触れさせません
「きゅうちゃん大変だ、ジュウが車にはねられた」
「早く病院に連れていかないと死んじゃうよ〜」
きゅうちゃんが近寄っても「フゥー」と怒っています
片目は血で真っ赤です。綺麗な毛並みにも血がべったりと付いています
「ジュウ」とそっと呼んでみました
「フゥー」と唸っていたのを止めました
「ジュウ」もう一回呼ぶと、「ニャン」と小さく答えました
きゅうちゃんが抱きかかえると、じっとされるままになりました
もうぐったりしていました

すぐ近くに動物病院がありました。ジュウを抱いたまま急いで歩きました
友達が走って知らせると、先生がドアを開けて待っていました
診察台にジュウを乗せると黒かったジュウの目がスーと灰色になりました
先生がジュウを触ると首を横に振りました
「ジュウが死んじゃった」友達が泣き出しました
きゅうちゃんはジュウの死が信じられず立ちすくんでいました

ジュウがいなくなって、友達はひさし君と呼ぶようになりました
九と言うと十を連想するからです

あれから30年経ちました
久は、まだ次の猫を飼う気になれません


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