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作品名:続編 小説「ボラカイ島」 作者:南 右近

第73回   一発の銃弾
一発の銃弾

 プロローグをお読みになった賢明な読者諸君には分かっていたことだが、撃たれたのは正樹ではなかった。暗闇から発射された一発の銃弾は片足の老人の右胸を貫通した。老人が右手に持っていた拳銃はあっけなく地面に落ちてしまった。正樹はその拳銃を素早く拾い上げて自分のポケットに入れた。次に自分のことを撃とうとした、そのゲリラの老人を抱えあげて歩き出した。一心不乱に診療所に向かって山道を下って行った。老人の意識はまだしっかりしていた。
「何故だ。わしはあんたを殺そうとした人間だぞ。どうして助けようとするんだ。」
「私は医者だよ。目の前に倒れている人がいれば、誰であろうと助けるのが、わたしの仕事だよ。」
 老人の目からは涙が零れていた。老人は自分を撃ったのが、誰であるのかを知っていたが、そのことを正樹にしゃべることはなかった。正樹もこの老人を消そうとした人物はもう分かっていた。老人は自分の死が近づいていることを悟った。
「先生、ジャネットの母親はまだ生きておるよ。わしが生まれたバタンガスのルンバンの村で生きておる。ただ頭をやられてしまっていて、自分が誰なのかも分からない状態だ。」
「あの日本軍による虐殺があった村ですね。」
「ああ、そうだ。ジャネットはそのことを知らないんだ。」
老人は苦しそうに正樹に何十年も前のことを語り始めた。
「まだ、わしも若かったよ。この足を切られ、妻も子供も日本兵に殺されて、誰よりも日本人を憎んでいた。あの時は、わしはルソン島北部のバナウエというところにいた。ライス・テラスで有名な村だよ。わしは当時のわしらのリーダーに呼ばれて、日本政府は交渉を打ち切ったから、誘拐してきた日本人の親子を処分しろと命令された。日本大使館の真田徳馬の奥さんと生まれたばかりの赤ん坊の処理をまかされた。その赤ん坊がジャネットだよ。わしはルンバンの村に連れて行って、自分の妻や子供が殺されたように、二人を銃剣で刺してルンバンの川に投げ捨てるつもりだった。でも、結局、出来なかったよ。それからわしはジャネットをわしの娘として育てた。母親は気が狂ってしまってな、まあ、その方が彼女にとっては良かったのかもしれないが、神様はまだ彼女に天国の門を開いてはいないよ。どうやら、わしの方が先に地獄へ行くことになったみたいだな。」
傷口の出血がひどく、何度も地面に下ろして止血の応急処置をした。そしてまた抱え上げては診療所へ急いだ。その繰り返しをしていると、やっと、遠くからトライシクルのヘッドライトが近づいて来た。正樹は道の中央に出て大きく手を振った。トライシクルには家族連れが乗っていたが、理由を話し、トライシクルを譲ってもらった。老人の衰弱は激しく、診療所に到着した時にはもう意識は完全になかった。ヨシオと二人で懸命に片足の老人の命を救おうとしたが、深夜遅くに、老人は呼吸をするのを止めてしまった。
 夜が明けてから、朝一番で島の警察に殺人事件があったことを知らせた。昨夜、何者かに暗闇で撃たれたことだけを正樹は警察に報告した。自分が狙われたことや、この事件に岬の家にいるジャネットが絡んでいることは明白だったが、正樹はそのことは一切警察には言わなかった。取調べが済んで診療所に戻った正樹はポケットから片足の老人が持っていた拳銃を取り出し、自分の机の引き出しの奥の方にそれを隠した。やはり、それを警察に届けることは出来なかった。後で誰にも気づかれないように処分するつもりだった。しっかりと引き出しのカギを閉め、正樹はベッドに横になった。一睡もしていなかった正樹はすぐに深い眠りに落ちてしまった。
 何時間眠ったのだろうか、ヨシオが診療所に来てから正樹はこうして長い睡眠をとることが出来るようになった。今や、診療所はヨシオが中心になって運営されていたからだ。正樹はベッドに横になったまま天井を見つめながら色々なことを考えていた。ジャネットは一筋縄ではいく相手ではなかった。うまい解決策があるのかといえば、皆無に等しかった。しかし、これからもずっと、この小さな島で逃げ回っていても仕方がなかった。彼女と会って話をしなくてはならないと正樹はおもった。彼女が片足の老人を撃ったのかどうかはまだ分からないが、あの時、確かに、誰かがあの老人を撃たなければ自分はもうこの世には存在していないのだから、そうおもうと、岬の家に行ってジャネットとちゃんと向かい合って、彼女の真意がどこにあるのかをしっかりと見極めなければならなかった。片足の老人が言い残していった、彼女の母親のこともあるので、正樹は重い腰を上げて、岬の家に行くことを決心した。午後の岬の家の往診に久しぶりに正樹が行くことになり、その準備をしていると、島の警官が一人、診療所にやって来て言った。
「あ、先生。あの片足の男ですけれど、どうやらゲリラと関係がありそうなのです。それでマニラから専門の捜査官が来ることになりましてね。捜査が混乱しないように、誰にもあの男のことは口外しないようにと上からの命令がありました。どうか、ひとつお願いします。あの男が死んだことを知っているのは正樹先生とヨシオ先生だけですよね。」
「ええ、僕ら二人だけですよ。」
「それは良かった。どうか、もう誰にも言わないようにして下さい。」
「分かりました。ヨシオにも僕の方からよく言っておきましょう。ご苦労様でした。」
 用件だけ済ますと警官はさっさと帰って行ってしまった。

 正樹はいつものように白くて長い浜を歩き、岬の豪邸に着いた。階段を登って邸内に入った。ディーンとの思い出がいっぱい詰まったテラスに立ち、しばし浜を見下ろしていた。懐かしい思い出が走馬灯のように流れていった。午後になるとこのあたりは風が強くなるようで、天然のエアコンといったところだろうか、まさに絶妙な場所に豪邸を建てたものだといつも正樹は感心させられていた。突然、正樹の後ろから声がした。すぐにその声の主がジャネットであることが分かった。
「正樹先生、お久しぶりです。あなたにはお礼を言わなくてはなりませんね。私がゲリラだということを先生は誰にも言っていないようだ。」
「ええ、誰にも言っていませんよ。」
「すると、この島でそのことを知っているのは私たち二人だけになってしまったということですね。」
 その言葉で正樹はジャネットが片足の老人を撃ったと確信した。あの老人の死を知っているのは島の警察と犯人だけだからである。正樹は怯まずに言った。
「私もあなたにお礼を言わなくてはならないようだ。命を救ってもらったお礼をしなくてはなりませんね。」
ジャネットは答える代わりにまつげを伏せた。確かにあの時、誰かがあの老人を撃たなければ自分は死んでいたのだ。それは紛れもない事実なのだが、一人の人間が命を失ったのである。正樹は平然としてはいられなかった。でも、その心をすべて伏せて言った。
「どうです、ボラカイ島はすばらしいところでしょう。この雄大な景色を見ていると今まであなたが歩んできた道が馬鹿らしくなってはきませんか?」
「確かに、先生のおっしゃる通りだ。この家に来て良かったとおもっていますよ。私の弟がここを造ったとおもうだけで、それだけで心が温かくなります。子供たちも一生懸命に自分に与えられた定めと、逃げずに向かい合って生きている。ここに来てまだわずかですが、すでに色々なことを学んだような気がしますよ。」
 ジャネットは深い溜め息をついてから続けた。
「正樹先生、私はもう戦うのが疲れましたよ。私のこれまでは、まさに坂道を転がり落ちる小石のようなものだった。自分の意思では止めることが出来なかったのですよ。邪悪なものを断ち切ることも出来なかった。それで、昨夜、区切りをつけたんです。」
 正樹はジャネットが本気でそう言っているのかどうかを確かめたかった。
「ジャネット、あなたのおかあさんは生きているそうですよ。」
 ジャネットはテラスの手摺りから離れて、大理石でできた椅子の上に座り込んでしまった。頬に手をあてて、自分がどういう表情をしたらいいのか迷っているようだった。
「誰からそれを聞いたのですか?あいつですか?」
 正樹は答えなかった。ジャネットが続ける。
「あいつは私の父親代わりだった。でも、先生がね、私がゲリラであることを知っていると聞いた途端、あいつはその秘密を守るために、先生を抹殺すると言い出した。私を守ろうとしたのですよ。正直に言いますと、私のことを本当に愛してくれたのはあいつだけだったかもしれない。おそらく、あいつは私と私の母の命を救ってくれたのでしょう。だけど、いっその事、殺してくれれば良かったのですよ。私をゲリラとして育てあげることで、あいつが憎んでいた者たちへの復讐をしていたんだ。そんな不条理なことがありますか?」
 しばらく涙を流してから、真っ赤な目で正樹のことを見ながら、ジャネットが続けた。
「何と、不思議な島なのでしょうか。このボラカイ島は! すべてが変わってしまいましたよ。何もかも変わってしまった。これまで歩んできた私の人生そのものが、まるでシャボン玉のようにはじけて消えてしまった。これまでの戦いは、いったい何だったのでしょうか。」
「確かに、このボラカイ島は不思議な島ですよ。僕もここに来て、たくさんの奇跡を目にしてきましたよ。そして今、また、新たな奇跡を見たような気がします。あなたと血を分けた家族もこの島ですくすくと育っていた。そうでしょう?」
「ええ、とてもかわいい子ですよ。私のことをティタ(おば)と呼んでくれて、私の弟の子供なんですよね。本当に可愛い!あの子の為なら、ちっともこの命惜しくはありませんよ。私にも家族がいたのですよ。先生、それだけで私にとっては奇跡なんですよ。分かりますか?」
「よく分かりますよ。」
 正樹は眼下に広がる大海原を見渡しながら言った。
「あなたのお母様をこのボラカイ島に連れて来なければいけませんね。ご病気のようですから、誰かがお世話をしなくてはいけない。この島ならば安心して暮らせるはずですよ。違いますか? もっとも、それはあなた次第ですがね。この平和な島を戦場に変えるつもりならば話は別だ。ここの子供たちを戦いに送り出すのがあなたの本当の目的だとしたら、何もしないほうが良い。お母様は今のままの方が幸せですからね。」
「先生、昨夜、あの暗闇の中で私の気持ちは決まりましたよ。もう、私の戦いは終わったのです。」

 三日後、ジャネットと正樹はバタンガスのルンバンの村にジャネットの母親を迎えに行った。彼女の若い頃を知る石原万作も二人に同行した。
 ジャネットの母親を捜すことはそれほど難しいことではなかった。村に向かうジプニーの中でそのことが分かった。一緒に同乗していた村人の口からはこんな言葉が返ってきたからだ。
「ああ、その人なら誰でも知っていますよ。教会へ行くといいですよ。夜になると、誰かが彼女を教会に連れていきますからね。かわいそうに、彼女は朝から晩まで、こうやって顎を突き出しながら、ブツブツ言って村中を歩き回っているんですよ。よほど悲しいことがあったんだろうね。頭が変になっちまったようだ。教会の神父様が彼女の面倒を見ていらっしゃる。」
 人当たりの良い石原万作が村人に訊ねた。
「その人は何と言いながら、村中を徘徊しているのですか。」
「わしらには何と言っているのかさっぱり分かりませんや。あっしにはナオとしか聞こえませんがね。顎をこうやって突き出しながら、一日中、ブツブツ言いながら歩き回っているんですよ。顔の表情はいつもニコニコしていて、とてもやさしい目つきをしていますがね、その姿を見ていると、何とも気の毒になってきましてね、おもわず、もらい泣きすることもありますよ。」
万作が静かに言った。
「ジャネット、あなたのお母さんに間違いありませんよ。ナオと言うのは、あなたの名前が直子だからですよ。」
 正樹が万作に聞いた。
「よく、そんな昔のこと、赤ん坊の名前を覚えていましたね。」
 万作がやわらかく答えた。
「いえ、昔のことではありませんよ。徳さんは亡くなるまで、二人のことを捜し続けていましたからね。直子が、直子がといつも私に言っていましたからね。しかし、ゲリラたちはまったくひどいことをしたものですよ。幸せな家族をばらばらにしただけでなく、徳さんの奥さんを・・・・・・こんなにも苦しめて、きっと、あまりの悲しみに精神がついていかなかったのでしょうね。でも、今でも自分の娘を捜し続けているのですよ。」
 ジャネットと正樹は石原万作の前ではゲリラの話は一切しなかった。正樹はジャネットに言った。
「教会に行って、まず、神父様と話をしましょうか。それからでないと、お母様をボラカイ島へお連れするわけにはいかないようだ。」
 万作が二人の五六歩先を歩いていた。ジャネットが正樹に小さな声で言った。
「母は頭を病んでいたのですか。そのことをご存知でしたか。」
「ええ、知っていました。かえって、その方が良かったのだとあの人は言っていましたよ。」
「あいつが、そんなことを、何て奴だ!」
「でも、お二人を殺すように命令されて、それが出来なかった。赤ん坊だったあなたを男手一つで育て上げたのも、あの爺さんですよ。」
 ジャネットは黙っていた。

 教会に着くと、いかにも暇そうな神父さまは話し相手ができたとばかりに大歓迎してくれた。こういった時の石原万作のふるまい方は実にうまかった。五分と経たないうちに、神父様と打ち解けて話を始めていた。三人が日本人だと知ると神父様はこう言った。
「あなたたちはこの村がどんな村なのかをご存知かな?」
 正樹が答えた。
「はい、片足の老人からそれは聞かされています。」
「ほう、あの老人をご存知だったのですね。彼は元気でやっていますか?」
 何も知らない石原万作が言った。
「ええ、元気でやっていますよ。」
「それはなによりです。時々、村にやって来ては、そのご婦人の為にと小銭を置いていかれます。彼も日本人によって片足を失った者なのに、日本人を恨んではいないようだ。すばらしいことです。この村の人たちも皆、今では彼女を暗くなるとここに連れて来てくれるようになった。初めの頃、彼女はよく血を流していましたが、今では、もう、そんなこともなくなった。ありがたいことですよ。これも神様のお導きです。 ここは戦時中、日本軍によって村人のほとんどが虐殺された村なんですよ。校庭に集められた村人たちは、通行証を渡すからと言われて順番に連れ出され、目隠しをされ、手も縛りあげられた後、殺されていった。校庭で順番を待っている人々に聞こえないように銃ではなくて、銃剣で後ろから刺して谷底にどんどん投げ捨てていったんです。」
 石原万作が深々と頭を下げて言った。
「それは知らなかった。そんなことがあったのですか。何と申し上げたらよいのか、返す言葉もありません。その史実はあまり日本人の間では知られていませんね。もっと多くの日本人が知らなければならないことだと私はおもいますよ。」
 神父様が言った。
「あなたのお名前は?」
「私は石原万作といいます。」
「万作さんですね。あなたはやさしいお人ですよ。神のご加護がどうぞありますように。」
 万作が何度も頭を下げながら言った。
「ありがとうございます。実は、彼女はこの子の母親なのです。この子が生まれて間もない頃、誘拐事件が起こりました。ゲリラたちは大使館員の妻子を交渉の道具として誘拐したのですが、その目論見は失敗しました。」
 ルンバンの村で生まれ育った、まだ若い神父様はすべてが分かったかのように言った。
「そうでしたか。子供を、それもまだ小さい赤子を奪い盗られた。そのショックは大きかったでしょう。かわいそうに、苦しかったとおもいますよ。しかも異国の地で家族をバラバラにされた悲しみは相当なものだったでしょう。時として、人はあまりのショックから身を守るために思考する回路を停止してしまうことがあります。彼女の場合も悲しみのあまり、考えることを停止してしまっているようだ。彼女はああやって毎日、自分の娘を捜し歩いているのですよ。彼女の時間は止まってしまっていますけれどね。そうですか、あなたが彼女の探し続けてきた娘さんですか。どうぞ、彼女に会ってやって下さい。でも、いいですか、気を落とさないように、心を強く持ってお会いなさい。」
 ジャネットはもう目が真っ赤だった。

 村人が言っていたように、日が暮れかかってきた夕刻、三人の子供たちがジャネットの母親の手を引いて教会に現われた。神父様がジャネットに向かって言った。
「もう、村人の心の中から、すっかり日本人に対する憎しみは消えてしまっています。以前はよく血を流してお母様は道端に倒れていましたが、今では、ああやって、村人たちはあたたかく彼女のことを見守ってくれています。」
 ジャネットの目からは大粒の涙が恥じらいもなく流れ出していた。教会の礼拝堂の一番後ろの席に子供たちはジャネットの母親を座らせると、さっさと帰って行ってしまった。ジャネットはまだブツブツ言い続けている母親に近づき、そっとやさしく抱きしめて言った。
「おかあさん、直子ですよ。 もう、捜さなくていいのよ。直子はここにいますから。」

 その様子を離れてみていた正樹が神父様に言った。
「私はボラカイ島で診療所をやっている者ですが、彼女のことを任せてもらえませんか。医者の私がこんなことを言うのはおかしいかもしれませんが、あの島には不思議なパワーがあるのですよ。彼女たちを探し続けたご主人のお墓もございますし、島でしばらく様子を見たいのですが、許してもらえないでしょうか。」
「許すもなにもありませんよ。ごらんなさい、あの二人を! あんなに幸せそうな表情をしたのは初めてですよ。きっと自分の娘に抱かれていることが分かるのですよ。良かった。本当に良かった。私も彼女が回復すると信じていますよ。離れ離れになってしまった親子がやっと会うことが出来たのですからね。喜んで彼女のことを先生にお任せしますよ。」
「ありがとうございます。」
 石原万作も感動のあまり、年甲斐もなく涙を流していた。教会の長椅子に身を隠すようにして、その涙を拭っていた。
 正樹は教会の電話を借りて、マニラ東警察署の署長に真田徳馬の奥さんが見つかったことを告げた。真田徳馬が死ぬ前に何度も一緒に妻子の捜索をした署長の喜びは大きなものだった。正樹はマスコミには知らせないように、付け加えて署長にお願いをした。
「それは了解した。誰にも言わないことにする。正樹君、それで今、どこにいるんだい?」
「バタンガスのルンバンと言う村です。教会からこの電話をしております。」
「よし、分かった。これから私もそこへ行くから待っていてくれ。一時間もあればいけるだろう。島へは帰るんだろう?」
「ええ。」
「よし、ボラカイ島までヘリで送ってやるよ。」
「それはありがたいですね。本当に署長には感謝のしっぱなしですよ。お礼の言葉がみつかりませんよ。」
「礼などいらんよ。じゃあ、すぐに出発出来るように待っていてくれ。」
「分かりました。本当にありがとうございます。」


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