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作品名:続編 小説「ボラカイ島」 作者:南 右近

第64回   衝撃
衝撃

 早苗が正樹の診療所に来てから半年が経った。島の人たちは正樹のことをドクター、早苗のことをシスターと呼ぶようになっていた。毎晩のように二人はあちらこちらの誕生日に招待されていた。診療費はただ同然だったので、やりくりはとても苦しかったが、毎日のように島の人たちからパーティーに招待され、そのおかげで食費とアルコール代は節約は出来た。市場の魚屋に嫁いだ千代菊からも三日に一度は魚の差し入れがあり、商売の売れ残りとはいえ、とても大助かりだった。千代菊の子供はもう歩き始めており、目が離せない大変な時期を迎えていた。菊千代は千代菊に岬の豪邸で一緒に暮らすことを望んでいたが、千代菊は亭主のハイドリッチとその家族と一緒に市場の近くの家で暮らしていた。正樹の診療所と同じような簡単なブロック造りの家だが、千代菊は島の人間になりきろうと一生懸命だった。早苗が正樹のところに来て喜んだのは正樹だけではなかった。日本語しか出来ない千代菊も話し相手が近所にやって来て大喜びだった。千代菊にはすでに二人目の子供がお腹におり、早苗がすぐそばにいてくれることがとても心強かった。そんなわけで早苗と千代菊の二人は自然と仲良くなっていった。
 そんな平和なある日、早苗と千代菊は子供を連れて岬の家に向かって歩いていた。すると一人の男が歩いてきた。その男は白いワイシャツにだぶだぶのズボンを穿いており、遠くから見ても、すぐに日本人であることが分かった。すると突然、早苗が後ろを振り返り千代菊に言った。
「千代ちゃん、あたしは忘れ物をしたから、とって来るわね。先に行っていて頂戴。すぐに行くから。ごめんね。」
 千代菊の返事も聞かずに早苗は足早に去って行ってしまった。千代菊は仕方なく子供と二人だけで岬の豪邸に行くことにした。日本人はどうも海外ですれ違っても、お互いに声を掛け合ったりはしないものだ。千代菊も近づいて来る男が明らかに日本人だと分かっても知らんふりをしてすれ違った。男は何か考えごとをしているらしく、まったく千代菊と子供には興味を示さなかった。
 早苗はかつての外交省の特別調査室の同僚である沢田が岬の家の方から歩いて来るのを見て、素早く振り返り、身を隠したのだった。沢田は早苗にはまったく気づかなかった。もうこの島の調査は終わっているはずなのに、いったいどうして沢田がこの島にいるのだろうか。早苗は次第に不安になってきた。診療所に戻ると、早苗は特別調査室の沢田とビーチロードで危うくすれ違うところだったと、正樹に話した。正樹の表情が曇った。
「もしかすると君を捜しに来たのかもしれないよ。」
「いえ、それはないとおもうな。だって、あたしは、誰にもこのボラカイ島に来ることを話さなかったわ。」
「するとまだ岬の家の調査が続いているということになるのかな?その沢田とかいう調査官は一人だった?」
「ええ、彼は一人で豪邸の方から歩いて来たわ。何だか難しい顔をしていました。」
「まあ、君は会わない方がいいな。変に誤解されるとまずいからね。しばらく診療所から出ない方がいいでしょう。」
「何だか、あたし、嫌な予感がするわ。何も無ければいいのだけれど。正樹さん、あたし、恐いわ。」
「心配ないよ。大丈夫だよ。」


 その二日後、ホワイトサンド・ビーチの白い砂が真っ赤な血の色で染まった。外交省の特別調査室の沢田が犬のような動物によって噛み殺されているのが発見された。平和なボラカイ島に衝撃がはしった。
 正樹がそのニュースを知った時、まず真っ先に岬の家のドーベルマンたちのことが頭に浮かんだ。
「早苗ちゃん、えらいことになったよ。沢田さんが殺されてしまったよ。」
「正樹さん、あたし、恐いわ。」
「浜で噛み殺されていたそうだよ。動物に噛まれた痕が見つかったそうだ。」
「犬かしら?」
「僕の想像が間違っていればいいのだが、こんなことになるなんて、・・・・・・。今は何も言うのはよそう。日本大使館からもマニラ警察からも大勢この島にやって来るだろうから、彼らが君を見たらやっかいだ。誤解されてしまう。だから外に出たら駄目だよ。いいね。僕は兎に角、岬の家に行ってみる。あれこれ考えていても、埒があかないからね。それに君が島にいることを誰にも言わないように口止めしてくる。」
「正樹さん、岬の家には行かないで下さい!一緒にここにいてくれませんか。あたし、恐いの!正樹さんがもう帰って来ないような気がしてなりません。ごめんなさいね、あたし、変なことばかり考えてしまって、どうか、このままあたしのそばにいてください!」
「いったい、どこの警察がこの事件を担当するのだろうか?日本の外交省の人間が殺されたんだ。ごめん。まだ殺されたとは決まっていなかったね。事故かもしれないものね。多分、マニラ東警察の署長の出番になるだろうね。」
「でも、署長さんは岬の家がなくなると困る人の一人でしょう。これからもどんどん保護されてくる日比混血児たちの置き場がなくなってしまうから。あら、ごめんなさい。あたしったら、まだこの事件と岬の家が関係があるなんて決まっていないのにね。何だか、悪い方に悪い方に考えてしまうわ。」
「僕だって、沢田さんが犬のような動物によって噛み殺されたと聞いて、すぐに岬の家のドーベルマンたちが頭に浮かんでしまったもの。沢田さんがこの島に来て一番困るのは岬の家の人々だからね。動機は十分にあると考えて当然だよ。」
「正樹さん、あたし、ボンボンが言っていた言葉が耳から離れないの。あの家は茂木さんに代わって彼がどんなことをしても守り抜くと言っていたわ。ごめんなさいね。こんなことを言えば言うほど、みんなが不幸になってしまうわね。」
「早苗ちゃん、やっぱり、僕、ちょっと岬の家に行って来るよ。憶測で話をしていても仕方がないからね。人が一人死んだんだ。やはりこのままではすまないからね。君はここにいて下さい。」

 正樹はいつものようにホワイトサンド・ビーチを歩いて岬の豪邸へむかった。この浜で沢田が死んでいたとはとても信じられない、海も空も澄んでいて、まったくいつもと変わりはなかった。豪邸の下のプライベート・ビーチに着いた。階段を登って豪邸へ入ろうとすると、正樹は階段の途中にある犬小屋がなくなっていることに気がついた。昨日、ここに往診に来た時には確かにあった。ドーベルマンのジョンに声をかけたのを覚えている。沢田の死とこの豪邸の犬小屋が急になくなっていることと関係があるのか正樹にはまだ判断が出来なかった。事件に巻き込まれるのを恐れたボンボンが犬小屋を屋敷の裏に移したとも考えられる。兎に角、何も知らないふりをして屋敷の中へ入ってみることにした。
 正樹が最上階のボンボンの書斎に入ると、ボンボンは机で書き物をしていた。正樹は窓のところへ行き、外を見渡した。抜けるような青い空にそそり立つ入道雲が重なり合っており、その下にはエメラルドブルーのボラカイの海が人間の営みとはまったく関係なく静かに広がっていた。正樹はボンボンから視線を外して、外の景色を見ながら言った。
「ボンボン、聞きましたか?日本人が浜で死んでいたそうですよ。」
「ああ、聞いたよ。」
 ボンボンは素っ気無く返事をしただけで、二人の間には鈍い沈黙が後に続いた。ボンボンは机に向かって、また書き物を続けている。正樹は窓の外を眺めたままで、ただ時間だけが過ぎていった。ノックをする音がして、リンダがコーヒーを二つ持って部屋に入って来た。正樹はリンダに尋ねてみた。
「リンダ、犬たちはどうした?」
 リンダは怯えた表情でボンボンの方を見た。ボンボンが鋭い視線を一瞬ではあったがリンダに送ったのを正樹は見逃さなかった。
「犬たちはもういないわよ。子供たちが危険だから、引き取ってもらったの。それに食費がバカにならないでしょう。」
 リンダはそう答えると、さっさと部屋から出て行ってしまった。リンダもボンボンも早苗が島に来てからは正樹とは距離を置くようになっていた。一つ屋根の下で正樹と早苗が一緒に生活していることが二人には面白くなかったのだ。
 しばらくすると、島で事務所を開いている弁護士が部屋に入って来た。正樹もよく道ですれ違う、その地元の弁護士にボンボンはさっきから書いていた書類を渡して、握手を求めた。二人は立ちながら、一言、二言、言葉を交わしながら部屋から出て行ってしまった。正樹一人だけが広い部屋に残されてしまった。屋敷全体に何やら重たい空気がたまっているように正樹には感じられた。茂木さんのいた頃とは大違いだった。正樹は天性のピエロ、ネトイをさがすことにした。豪邸の裏にある軍鶏たちの小屋へ行ってみたが、ネトイはそこにはいなかった。振り返り豪邸へ戻ろうとして、正樹は足を止めてしまった。明らかに何かを埋めたように地面を掘り返した跡があったからだ。ゴミをこんな場所に埋めることはないはずである。その真新しい地面の盛り上がりは正樹の悪い想像と一致してしまった。正樹は急にこの家で居場所がなくなってしまったような気がして、とても寂しくなった。仕方なく、豪邸の正面へまわってみると、さっきの弁護士が大きなカバンを抱えて、背中を「く」の字に丸めてゲートから出て行くのが見えた。弁護士がいったい何の用でボンボンと会っていたのだろうか?どんな用件だったのか正樹には知る由もなかったが、どうやら用件は済んだようであった。いつものように、子供たちを一回り診てから診療所に帰ることにした。正樹はいつの間にか、すっかり変わってしまった岬の家のことを本当に憂いていた。岬の家にとって、茂木さんの存在がいかに大きかったかということを浜を歩きながら感じていた。ボート・ステーション3まで来たところで海の方から声がした。だんだん近づいて来るボートの上から、再び自分の名前が呼ばれるのを聞いた。
「正樹さん、正樹さん。・・・・・・・」
 目を凝らして近づいて来るボートを見てみると、渡辺電設の佐藤が手を振りながら正樹の名前を何度も呼んでいた。その隣には渡辺社長の姿もあった。その風貌は相も変わらずでかい態度をしていた。あまり好きな連中ではなかったが、誰かと話がしたかったので、正樹はボートが浜に接岸するのをじっと待った。佐藤が荷物を頭に載せボートから降りてきた。膝まで浸かりながら海の中を歩いて、やっと小さな声でも聞こえる距離までやって来た。
「やあ、お久しぶりです。色々な事があったので、大変だったでしょう。」
 正樹は返答に困ってしまった。正樹の言葉を待たずに佐藤が再び言った。
「茂木さんのお母様がこちらへいらっしゃったそうで、あの京都の居酒屋の女将さんが彼のお母様だったとはびっくりしましたよ。・・・・・・・そうだ、正樹さん、僕も茂木さんのお墓に案内してくれませんか。お線香をあげたいのでお願いしますよ。」
「ええ、いいですよ。ご案内いたしましょう。でも、この国には線香はありませんよ。」
「そうでしたね。では、お花をどこかで買いたいのですが、花屋は近くにありますか?」
「ええ、ありますよ。墓地に行く途中にありますから、寄って行きましょう。」
 渡辺社長も海の中を歩いてやって来た。社長は一段と肥ったみたいで、息をハーハー切らせながら歩いて来た。しかし何故か、とても機嫌は良く、にこにこしながら正樹に向かって言った。
「いよお!お元気そうで何より。正樹さんもすっかりこの島の人間におなりになったようで、良かった良かった。君が島にいてくれるとわしも心強いよ。」
 何だかこの島が自分のものになったかのような言い方には正樹は少し嫌気がさしたが我慢して愛想良く答えた。
「社長もお元気そうで何よりです。しばらく島においでにならなかったから心配しておりました。」
「いや、すまんすまん、忙しくてな。でもこの島に来るとわしはほっとするよ。やはり、わしはここが一番だな。」
 正樹は社長を無視して、佐藤に向かって言った。
「佐藤さん、どうします。これから行かれますか?それとも後日、日を改めて・・・・・・?」
 佐藤は振り返り、渡辺社長に伺いを立てた。
「社長、私、ちょっと茂木さんのお墓に行ってきたいのですが、よろしいでしょうか?」
「ああ、行ってきなさい。わしは少し疲れたから先に岬の家に行くぞ。君の好きなようにしなさい。正樹君、ところでボンボンは岬の家におるだろうね?」
「ええ、今さっき、彼の書斎で会いましたから、まだいるとおもいますよ。」
「それじゃあ、正樹くん。わしはこれで失礼するよ。佐藤君、わしの分まで祈ってきてくれ、頼むぞ。茂木さんがいなければ、あの家もなかったわけだからな。」
 社長は自分の荷物を浜に置いたまま、ホワイトサンド・ビーチを岬の豪邸の方へさっさと歩き出してしまった。佐藤は両肩に社長の荷物も抱えてから正樹に言った。
「では、正樹さん、よろしくお願いします。まずは何を置いても、茂木さんにご挨拶がしたいので、墓地へ案内して下さい。」
「荷物を一つ、お持ちしましょうか。」
「いえ、結構です。そんなに重くはありませんから、ご親切、ありがとうございます。」
「共同墓地は丘の上にあって、少し距離がありますから、私の診療所にその荷物を置いてから行くことにしましょうか。」
「そうですか、では、そうしましょうか。」
 
二人が診療所に着くと、早苗が待ちくたびれたように中から飛び出て来た。
「あら、佐藤さん。いらっしゃい。お久しぶりです。」
「早苗さん、外交省のお役人が何で、また、ここに?・・・・・ナミさんもご一緒ですか?」
「いえ、私一人です。それからあたし、もう外交省を辞めましたのよ。」
 正樹がそこで助け船を出した。
「早苗ちゃん、これから、共同墓地へ行くけれど、君はどうする?」
「ええ、もちろん、一緒に行きますよ。」
 正樹が留守の間、早苗はずっと正樹のことを心配していたのだ。早苗の表情がとても厳しかったのを見て、正樹はそのことをすでに読み取っていた。
「それじゃあ、早苗ちゃん。話は道々することにして、出かけようか。」
「ええ。」
 早苗はぴったりと正樹の横について歩いた。三人は市場に寄って花束を幾つか買い、トライシクルで墓地へ向かった。

 丘の上の共同墓地には風がいつも吹いており、いつ訪れても正樹はとてもすがすがしい気持ちになった。自分も死んだらここに入りたいと、来る度におもった。出来ることなら、ディーンの墓の中で一緒に眠りたかった。
 丁寧な佐藤の態度には好感が持てる。墓の前で一礼する姿は実に絵になっている。とても自然で、それでいて、ちっとも嫌味がない。あたかも映画の一場面を観ているようであった。墓参りを終えると佐藤はゆっくりと二人に言った。
「実はね、社長と私が今回、突然、この島に来たのはね。ボンボンから依頼がありまして、あの豪邸をうちの会社で買い取ってくれないかと言われたものですから。」
 正樹と早苗はお互いの顔を見合わせてしまった。真っ先に頭に浮かんだことは子供たちのことだった。
「ボンボンがそう言ったのですか?・・・・・・あの家を売りたいと言ったのですか?」
「ええ。そうですよ。」
「では、あそこの子供たちはどうなるのですか?・・・・・・・・それでは茂木さんの死は無駄になってしまいますよ!」
「いや、あの岬の家の子供たちはそのまま、私たちが面倒をみることになっています。それは心配しないでください。私たちも全力で茂木さんの崇高な意思を守り続けるつもりですから。今も彼のお墓にそのことを誓ったところです。子供たちは私が守ります。」
「佐藤さんのことは僕も信用しますが、あの肥った・・・・・・・・。」
 早苗がすぐに正樹の袖を引っ張って、正樹の言葉を止めた。早苗が言った。
「それを聞いて、あたし、少し安心いたしました。でも、何でまた、ボンボンはあの大切な家を、突然、売る気になったのでしょうか。」
「それは私にもよく分かりません。」
「さっき、僕が岬の家に行った時には、彼は何も言っていませんでしたよ。そんな大切なことを何で言ってくれなかったのでしょうかね。まあ、訪問客がありましたからね。でも、その前に十分に時間はあった。彼はいったい何を考えているのでしょうかね。時々、ボンボンのような天才のすることが僕のような凡人には理解が出来なくなります。」
「彼はとても急いでいましたね。子供たちを追い出さないことが唯一の条件でかなりの破格な値段を提示してきましたよ。」
「それでいったい、幾らで話がまとまったのですか?」
「4億円です。あの豪邸ならば、10億円は下るまいと、役員会全員一致ですぐに会社の投資対象として決まりましたよ。即決でしたね。特に社長は大喜びですよ。」
「4億円ですか。・・・・・・・・・・・」
 正樹は茂木があの豪邸をホセ・チャンから5千万円で購入したことを知っている。その後、いろいろな経費や増築した費用を含めても1億円には達していないだろう。4億円でボンボンはあの豪邸を渡辺電設に売ろうとしている。4億円の大金をボンボンは黙って手にすることになる。いくら渡辺電設という会社が日比混血児たちの世話を引き継ぐとしてもだ。茂木さんが命をかけて残してくれた大切な子供たちの家を簡単に売り渡すとは、とても正樹には許せることではなかった。あの家の資産価値はさっきも佐藤さんが言っていた通りに10億円以上は間違いなくあるのだから、子供たちに残すべき資産をボンボンが勝手に売り渡すことはやはり許せることではなかった。正樹は頭が混乱してしまって、もうこれ以上、佐藤と話す余裕がなくなってしまった。共同墓地を出て通りに出ると、待たせてあったトライシクルがエンジンをスタートさせた。三人は診療所に向かった。途中、正樹は一言も口をきかなかった。診療所に着くと、佐藤の荷物をそのトライシクルに積み込み、正樹はドライバーに岬の家まで佐藤を運ぶように指示を出し、そのまま黙って診療所の中に入ってしまった。佐藤には墓参りのお礼すら言わずに引っ込んでしまった。早苗が正樹に代わって丁寧に佐藤にお礼を述べた。佐藤は早苗に墓参りのお礼を正樹に言ってくれるように頼んで、岬の家に向かって走り去っていった。
 診療所に入ってからも、正樹は早苗に対しても黙ったままだった。言葉がみつからなかったのだ。早苗がそっと温かいコーヒーを入れてやると、やっと正樹は落ち着きを取り戻した。
「早苗ちゃん、ボンボンは沢田さんを殺して大金を持って逃げるつもりなのだろうか?さっき岬の家に行った時に、僕は見つけたんだ!豪邸の裏庭に犬たちを埋めたような跡があった。」


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