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作品名:続編 小説「ボラカイ島」 作者:南 右近

第17回   逃避行 ・ 別世界
逃避行

「茂木はん、起きておくれやす。はよお、起きておくれやす。」
 千代菊と菊千代が茂木の部屋に飛び込んで来て、まだ寝ている茂木を揺り起こし始めた。
「茂木はん。えらいことどす。起きておくれやす。」
 茂木がゆっくりと目を見開いてみると、まだ化粧をしていない千代菊と菊千代の二人が枕元に神妙な顔をして座っていた。茂木はまだ完全には目が覚めていない。それでも何とか布団から上半身だけ起こして座ることが出来た。千代菊なのか菊千代なのか、まだ半分眠りの中にいる茂木には判断は出来なかったが、そのどちらだか判らない方が言った。
「東京にいるお父ちゃんから電話でな、何も聞かずに、兎に角早く、どこかに身を隠すようにと言われました。茂木さんと一緒にどこかへ隠れるようにと言われました。何だかよく分からないけれど、何も言わずにすぐに茂木さんとな、どこかへ逃げろときつく言われましたんえ。」
 茂木の父親は彼女たちの父親と同じ外交省のお役人だ。今は海外勤務に就いており日本にはいない。千代菊たちの父親は外交省の幹部で東京の霞ヶ関にいて、京都の家には年に数える程しか戻らなかった。そして茂木の父親の直属の上司でもあった。しばらく布団の上で座ったままじっと考えていた茂木だったが、さっと立ち上がり乱れたねまきを整えながら言った。
「千代ちゃん、菊ちゃん、パスポートは持っていますか?」
「いいえ、まだどす。うちら、京都から出たことあらしません。」
「では、今日、申請しますから、役所に行って、戸籍謄本か抄本、それに住民票ももらってきてくだい。写真も必要ですから、役所の帰りにでも撮っておいて下さい。あ、それから貯金はすべて現金に替えて持っているように。」
「へい、そうしますけど、いったい何があったんやろか?うち、恐いわ。」
「そのうちに、嫌でも耳に入ってきますよ。私にもまだ詳しいことは分かりませんが、いつかは、こうなるだろうと覚悟はしていました。いいですか、すべて内密のうちに事を運びますから、誰にも言わないようにね、いいですか。」
「お母さんは東京に行ってしまったきり、帰って来いしませんけど。お母さんはどうするのやろか?」
 茂木はすべてをあたかも把握したかのように言った。
「あなたたちとは別ですよ。お父さんと一緒に社会的責任をとることになるとおもいますよ。いずれこの家も処分されることになるでしょう。」
「お父ちゃん、何か悪いことしたん?お父ちゃんたちはどうなるんやろか?」
「しばらくすると、テレビも新聞もそのニュースで一色になるでしょうね。たくさんの記者たちがこの家にも押し寄せてきますよ。その前に私たちはどこかへ移動しなくてはなりません。」
「何か、うち、恐いわ。でも茂木はんが一緒なら平気やわ。」
「菊ちゃん、よー、言わんわ。」
 千代菊が菊千代を叱りつけた。
「けど、うち、茂木はんのこと好きやねん。」
「二年、いや三年ぐらいは日本を離れることになりますから、覚悟しておいて下さい。マスコミが嗅ぎ付けて来る前に、早く行動しないと、無事に日本から脱出が出来なくなるかもしれません。さっき言ったように、この事は誰にも言わないこと、いいですね。まずパスポートを取りますから、書類を準備しておいて下さい。そうだ、もう、この家には戻らない方がいいな。駅前のホテルに部屋をとりますから、パスポートが出来上がるまで、そこで待つことにしましょう。これから私もいろいろ準備がありますので、夕方、ホテルのロビーで会うことにしましょうか。」
 二人が部屋から去った後、茂木は自分の部屋の片付けをしながら考えていた。いつかはこうなることは分かっていた。きっと、外交省という大きな組織の歯車がどこかでかけ違ってしまって、自分の父親や千代菊たちの父親もその狂いだした歯車に巻き込まれてしまったのに違いない。今は千代ちゃんと菊ちゃんのことを自分が全力で守ってやらなくてはいけないとおもった。

 茂木は京都駅前にあるホテルの展望レストランで早苗とボンボンと昼食を共にしていた。
「早苗ちゃん、ボンボン、本当に申し訳ありません。私、急に用事が出来てしまいました。ゆっくりと京都を案内しようとおもっていたのに、それが出来なくなってしまいました。とても残念です。すみません。早苗ちゃん、また、いつか詩仙堂に行きましょうね。」
「ええ、きっとね。秋の紅葉に行きたいわ。きれいでしょうね。」
「今年の紅葉は無理かもしれませんね。でも、いつか、必ず行きましょう。」
「茂木さん、どこか、遠いところにでも行くのですか?何だかそんな言い方だわ。」
「いや、まだ分かりませんが、しばらく学会の手伝いで日本を離れることになるかもしれません。あ、そうだ、ボンボン、君の連絡先を教えてくれないか。東京の住所とフィリピンの連絡先も教えて下さい。」
「ええ、いいですよ。これが僕の名刺ですけれど、裏にマニラの住所と電話番号も書いておきますね。はい、どうぞ、これが向こうの連絡先です。」
「有り難う。必ず、連絡しますからね。ボンボン、本当にごめんなさい。誘っておいて、ちゃんと案内が出来ないで、申し訳ありません。」
「とんでもない、僕はもう十分に京都の良さを感じとることが出来ましたよ。戸隠で茂木さんに会えたことを神様に感謝しているのですよ。もし、茂木さんにあの時、声をかけられなければ、僕はまだ絶望のドン底にいたでしょうから。」
「何だか、照れくさいな、そんな言い方をされると。私はそんなに偉い人間じゃあ、ありませんよ。ボンボン、せっかく京都に来たんだから、まだしばらく京都を回ってみたらどうですか。そうだよ、早苗ちゃんと京都の休日を楽しんだらどうですか?」
 早苗が慌てて答えた。
「いえ、あたし、これから長野に帰ることにしたのです。さっきボンボンとも相談して、そうすることに決めましたの。家を急に飛び出して来ちゃったでしょう。みんなが心配しているといけないから。帰ることにしましたの。さっきここへ来る前に京都駅に寄って列車の切符も買ってきました。」
「そうですか、戸隠に帰ったら、どうぞおじさんによろしくお伝えください。しばらく私は戸隠には行けそうにないので、みなさんによろしく言っておいて下さい。ボンボンはどうするつもりですか?」
「僕は今晩、新大使の歓迎パーティーで知り合った渡辺社長と食事をすることになっています。お座敷に連れて行ってくれるそうで、とても楽しみにしていますよ。」
「そうですか、それはよかった。」
「僕も今夜、渡辺社長と食事をした後、最終列車で東京に帰ります。さっき早苗ちゃんと一緒に切符も買ってきました。京都の素敵なお庭を案内してくれてありがとうございました。茂木さん、それから、ちょっと聞きたいことがあるんですが。」
「何かね?」
「舞妓さんというのは娼婦ですか?」
「違う、違う、ボンボン、それは違いますよ。」
「でも彼女たちは置屋にいるでしょう。」
「舞妓さんは座敷で舞を踊ったり、唄を歌ったり、三味線を弾いたりして宴を盛り上げる人達だよ。芸事の言ってみればキャリアウーマンってとこかな。舞妓さんは若くないと出来ないから、中学を卒業してから仕込みと言って、屋形(芸者置屋)に所属して修行したり、その前に屋形から中学に通う子供たちもいるくらいですよ。渡辺社長がどんなお方か知りませんが、舞妓さんは京都を代表する顔ですから、プライドも教養も一流の人ばかりですよ。実は僕も君をお茶屋さんへ連れて行ってあげようとおもっていたのですがね。私の代わりにその社長さんが君を案内してくれると聞いて嬉しくおもいますよ。どうぞ、楽しんできて下さい。」
「茂木さん、あたし、そろそろ列車の時間だわ。必ず連絡して下さいね。それから詩仙堂の紅葉は約束ね。」
「うん、分かった。必ず行きましょうね。じゃあ、気をつけてね。おじさんにくれぐれもよろしく。」
「茂木さん、僕もこれで失礼します。駅まで早苗ちゃんを送って、タクシーに乗りますから。ここで失礼します。僕も連絡を待っていますよ。」
「ああ、わかりました。必ず連絡しますよ。ボンボンも体に気をつけて。最後に、舞妓さんは娼婦ではありませんからね。いいですか。娼婦ではありませんよ。」
 ボンボンと早苗がホテルのレストランから去って、一人残された茂木は窓の外の京都の景色を見つめていた。東寺の五重塔が涙で曇ってしまって、よく見えなかった。再び京都に戻れるのかどうか、今の自分にはそれすらも分からない。京都を追われ、日本も追われる自分の運命をどう結論づけろというのだ。違う、追われる前に逃げるのだ。そうだよ卑怯者だ。これから自分がしようとしていることは卑怯者の逃避行なんだよ。でも、千代ちゃんや菊ちゃんが日本中の人々から石を投げられるのを黙って見ているわけにはいかない。彼女たちを助けてあげなくてはいけない。彼女たちは何ひとつ悪いことはしていないのだから。男の涙は虫酸が走るけれど、でも涙がどうしても出てきてしまう。茂木は目に見えない大きな力に動かされている自分自身がなさけなかった。


別世界

 京都は千年の都、花の都として春夏秋冬、全国からたくさんの人々が訪れる今も昔も変わらない、日本人にとっての特別な場所だ。「花街」もその京都にやってくる人々をもてなすために都とともに発展してきた。「花街」の窓口として、あるいは案内所として、たくさんのお茶屋さんがある。基本的にお茶屋さんは自分のところで調理することはなく、すべて仕出しや出前を頼み、お茶屋さんはお座敷を貸してくれるところで「料亭」とはそこが少し違っている。
 祇園の繁華街を北に入り、そのネオン街をしばらく歩くと、あたりは一変してしまう。縦に細長い京格子の家々に混じって落ち着いた風情のあるお茶屋さんがたくさん並んでいるからだ。お茶屋さんにはやぼったい看板などは一切ない。格子戸の上に屋号を掲げてあるだけでとても奥ゆかしい。そして通りをさらに歩くと、その先には朱塗りの灯篭と橋が現われてくる。

ボンボンは早苗を送った後、渡辺社長との約束の時間まで独りで街をぶらぶら歩きながら時間を潰した。そして京都駅に戻り、渡辺社長に電話をした。渡辺社長は祇園にある何だか難しい名前の橋まで来るようにと言ってすぐ電話を切ってしまった。タクシーの運転手にその橋の名前を告げると、運転手は軽くうなずき車を発車させた。暮れかかった京都の町並みを車はゆっくりとすり抜けて、小さな橋の前で停まった。渡辺社長はもう来ていた。ボンボンを見ると近寄ってきて言った。
「いやあ、よく来ましたね。いらっしゃい。」
「突然、電話をしまして、すみませんでした。友人と京都を回っていたものですから。」
「まあまあ、とにかく、すぐそこだから、あがってからゆっくりと話をしましょうか。」
 東山のはずれのお茶屋さんに社長はボンボンを案内した。歳のわりには体型が崩れていない女将がよく打ち水のされた玄関に迎えに出て来て丁寧に挨拶をした。
「社長はん、おこしやす。」
 ボンボンは香の匂いを感じながら、玄関の正面に飾られた生け花に見とれていた。渡辺社長は大声で女将に尋ねた。
「千代菊と菊千代は、もう、来ているのか?」
「それが、社長はん、連絡がとれへんのやわ。おかしいわ。堪忍どっせ。」
「何でだ、今までそんなことは一度もなかったじゃないか。何とかならんのか?」
「堪忍どっせ、今夜はどうしても連絡、出来しませんね。ほんまにすんません。」
「まあ、いい。仕方がないな。すぐ他のでいいから呼んでくれんか。若いのがいいな、若いのが。」
 書院造庭園は決して派手なものではなく、いわゆる数奇屋風書院造庭園であって、茶庭と書院造庭園を合わせたようなものと考えればよい。わび茶が庶民の生活に浸透して京都の町屋の中にその様式が今でもひっそりと受け継がれている。社長がボンボンを連れて来たお茶屋さんはそんな造りになっていて、薄暗い廊下を抜けると、見事な庭が現われる。狭い空間を見事に生かして、あっと、驚かせる世界が目の前に広がるのだ。それは外からでは分からないもので、町屋の中にひっそりと別世界が存在しているのだ。
「ボンボン、お寺さんやお庭もいいが、どうだ、ここも京都の風情があるだろう。」
「ええ、社長、まったく自分たちの文化とは違う世界ですね。入り口からではまったく想像が出来ない別世界ですね、ここは。とてもすばらしいです。」 
 さらに奥へ二人は女将の後姿を見ながらついて行った。廊下を曲がったあたりから、それはまるでタイムスリップでもしてしまったかのような感覚にボンボンは落ちてしまった。丸窓で障子の落ち着いた座敷に通され、その錯覚は更に強くなってきた。
「なあ、ボンボン、仕事でな、ダメになりそうな話はここへもってくるんや、壊れそうな話も壊れずに済むこともよくある。わしは何度もそれで助かったよ。」
 煙草に火をつけながら、社長が続けた。
「しかし、残念だな、今夜はお前さんに今この街で一番人気のある双子の舞妓さんを紹介してやろうとおもっていたんだがな。実に残念だな。すまんな。」
「ありがとうございます。でも僕はここの町屋の雰囲気を味わうだけ、十分、満足しています。」
「なあ、ボンボン、話は違うがな、フィリピンって国はな、わしはな、これからだとおもうんだよ。わしは発展途上にある国にとても興味があってな、結構、フィリピンに関係する新聞の記事は注意して読んどるんだよ。一度、フィリピンに行ってな、この自分の目で見てみたいな。どうだろう、お前さんの国を案内してくれんか?」
「ええ、僕でよければ喜んで案内しますよ。どうぞ、社長の都合の良い時を言って下さい。私は社長に合わせますから。」
「そうか、ありがとう。まあ、まずは一杯飲んでくれたまえ。酒はいける口なんだろう?」
「いえ、そんなには飲めませんが、嫌いではありません。」
「そうか、じゃあ、いいから、まずは一杯。」
 その時だった、舞妓さんが座敷の外に現われた。なかなか、中には入らずに、何やら長い挨拶を一通り終えてから言った。
「よろしゅう、おたのもうします。」
 渡辺社長が手でかき込むように合図して言った。
「ああ、来たか、入れ入れ。さあ、早く入れ。」
 ボンボンはその場が急にやんわりとした雰囲気になるのを感じた。祇園は西陣の近くにあるだけあって、舞妓さんの着付けもすばらしく、彼女がいるだけで座敷の空気が一変したのが分かった。と同時に不思議な緊張感もボンボンは見逃さなかった。続いて少し遅れて、年配の芸妓さんが姿を現した。三味線を抱えて入って来た。
「おたのもうします。」
 さっきの舞妓さんとは違って、座敷に入る前の儀式は短かった。しかし最後の挨拶の言葉だけは同じで、どうやらそれが決まり文句なのだと、ボンボンはおもった。芸妓さんの方は社長と顔見知りのようで、部屋に入るといきなり話し出した。
「あら、社長はん、しばらくぶりどしたな。最近はお忙しくて、あたしのことはちいとも呼んでくれはらへん。千代菊と菊千代ばかりやさかいな。」
「お前の皮肉は、もういいよ。なあ、小菊、今日は大切なお客さんが外国から来ておるんだから、日本の伝統文化をたっぷり見せてやってくれんか。いいな。」
ボンボンが渡辺社長に質問した。
「舞妓さんや芸妓さんたちには何か組合のような組織があるのでしょうか。くだらない質問ですみません。ちょっと興味があるものですから。」
「ああ、あるよ。それにな、姉さんと妹の関係はな、つまりだ、ここにいるちょっと年期のはいったお人とそこの若くてかわいらしい舞妓さんの絆は実の兄弟姉妹以上のものがあるんだ。何だか恐いお兄さんたちの仁義みたいだよな。だから姉さんは自分の子供のように舞妓さんたちを守るんだな。わしから言わせると、余計なお世話なんだがな。」
 しばらくすると、渡辺社長と年期のはいった小菊ねえさんは何やらひそひそ話まで始めて、勝手に二人だけで盛り上がっていった。ただ舞妓さんが舞いを踊っている時だけは社長の顔はとても無邪気で、まだどことなくぎごちない舞妓さんの舞をひやひやしながら見守る社長の横顔は幼かった。舞が終わると、ほっとする舞妓さんであったが、それ以上にそれを見ていた渡辺社長の方がほっとして安堵する様子は実に滑稽であった。まだまだこの世界を理解するには時間がかかりそうだなとボンボンは感じた。それでも伝統文化のにおいはしっかりとつかみ取ることは出来た。茂木に言われた舞妓さんは娼婦とは違うということはハッキリと分かった。ボンボンは部屋の壁に団扇がたくさん飾ってあるのを見つけた。形はどれも同じだが舞妓さんたちの名前の他に所属している置屋さんの紋章らしきものが入っていたので、きっとそれは舞妓さんたちの名刺のようなものだとボンボンは勝手に解釈した。何もかもが珍しく新鮮であった。舞妓さんや小菊ねえさん、そして社長も入って四人で記念写真も撮った。料理も冷めてはいたがおいしかった。知らず知らずのうちに時間は流れていった。気がつくとボンボンが乗る東京行きの最終列車の時間が迫ってきていた。
「社長、僕はいつでも結構ですよ。社長の都合の良い時にマニラにお供しますから、どうぞ予定が決まったら連絡して下さい。なんだか、せかせかしてすみませんが、列車の時間がありますので、今日はこれで失礼させていただきます。本当に貴重な体験をさせてもらってありがとうございました。」
「そうか、もう、そんな時間か。ボンボン、またゆっくり飲もうな。マニラの案内はぜひ頼むよ。京都の遠回しなやり方もいいが、ちょっと別の世界も見てみたくなってな、仕事の都合がつき次第、連絡を入れさせてもらうよ。その時はすまんがよろしく頼みます。
 ちょっと、小菊、女将に車の手配を頼んでくれ。それから、お酒もな。」
 ボンボンは席を立ち上がりながら言った。
「では、社長。僕はこれで失礼します。」
 渡辺社長もよろよろと立ち上がりながら言った。
「ボンボン、今日はありがとう。わしは少し京都に飽きてしもうたよ。マニラ旅行を楽しみにしているよ。」
 玄関の外まで社長は見送ってくれた。花街のネオンが車の窓を幾つも幾つも横切って行った。京都の町は狭い。あっという間に京都駅に着いてしまった。ボンボンの京都旅行はこうして終わった。



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