欲望という生命力があれば死へ向かわないのかもしれない。 マセラティやアストンマーチンを見せびらかすとか、自家用ジェットでドバイに行くとか、若い女とヤリまくるとか、月へ行くとか、忖度される側になるとか、この際思い切って世界征服 とか、ね。
夢や希望という未来を創造(想像)できる人達は、光が射す方を向ける。 楽しみや安心出来る場所がある人達、それらを共有したいと思える人達も断然生きる派だろう。 誰かのためにとか、誰かを想う気持ちがある人も生きるパワーがある。
金も力もない、ましてや夢も希望も持てない人間は「息(生き)出来るだけでも有り難いと思え」「全ての人達に感謝しろ」「感謝が足りない、けしからん!」と、言われ続ける。 「自分を大切に出来ない人は他人からも大切にされない」 「自分を愛せない人は他人からも愛されない」 それらも、よく聞く言葉だ。
〔自殺〕 有名アーティストや賞を取った小説家なら美談にもなるけれど 中年女のなんて、ニュースにすらならない。 フォロワー数ゼロ。 インスタ映えもしない。
見栄すら張れない。もうそんなエネルギーは何処にも残っていない。
何かをやればやるほど絶望の海底へ沈んでいく。 全てが虚無になった。
加代子は思った。
だから『自殺プロジェクト』は成功したんだ、と。
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