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作品名:自殺プロジェクト 作者:天赦人

第5回   5
初めから祐一は加代子のことなど興味がなかったのだろう。
よくある『ワンチャン』『ヤリ目』『セフレ探し』だったのかもしれない。

男は浮気・不倫と家庭を完全に分けられる。
寧ろ「仕事が出来る俺」「家族を養っている俺」「女遊びも出来る(甲斐性のある)俺」
モテる男のトリプル3とばかりに栄誉なことなのだ。
たとえ浮気・不倫がバレても「経済力があれば問題なし」「俺の嫁は許す」
「妻にはEDだけど浮気相手には絶倫」…。
色んな意味で自信が付く既婚男性たち。


思い返せば 祐一の言動には引っかかるところが多かった。
最初に会った日の部屋案内にしろ、食事の内容にしろ、全て祐一が決めたものだった。「カコさんはどこへ行きたいの?」
「何が食べたいの?」など、こちらの要望を聞いてくれた事はなかった。
中でも悲しかったのは祐一の子供の話だった。
難関有名校に合格した優秀な息子と娘のこと。子供の自慢話なんて1ミリも楽しくない。
ペット自慢の方がまだマシだ。


私は大病をして子供が出来ない。そのことを夫や夫の親族からも責められた。
「この役立たず」と。
少し前に話題になった「生産性のない人間」とは、まさに私のことだと思った。

祐一には「大病して子供を産めない、辛くなるから子供の話はしないで欲しい」「不倫は嫌だ」と
伝えていたからてっきり理解してもらえていると思っていた。
なのに...。(おバカ丸出し)


既婚女を強引にヤッても訴えられることは無い。逆に欲求不満の女が相手探しに、売春まで何でもアリの世界。
自慢話や愚痴を聞いてもらって、性欲処理もできる人妻ほど都合のいい相手はいないだろう。(風俗より安上がりだしね)

既婚者合コンがここまで人気なのはこういった事情があるのかもしれない。
男性枠はいつも秒で満席。有名アーティストのライブチケット並みだ。
そんな実情を知らなかった私は、ほんの少しだけ〔大切にされている感〕を得たくて、
いい歳して勝手に浮かれ舞い上がり、愚かで虚しいだけの結末になった。
同情の余地すら無い。
賢い女は最初の違和感で深入りはしない。(エ?)が増える前に撤退する。
と言うより、最初からこういう世界に入らない。入らなくても良いのだ。普通に幸せな人たちは。

「賢いとか幸せとかじゃなくて、不倫する奴(特に女)はアウト!」って声が聞こえてくる。
ごもっとも。

こんなことなら[自殺プロジェクト]なんて勿体つけないで、とっとと死んでおくべきだった。
私の臓器で良ければいくらでも再利用して欲しい。増え過ぎる人間達。世界の食糧難、水不足等々...、
私が死ぬことで生きたい人間一人分は救われるかもしれない。
子供だったら2〜3人はいけるかな。

本来なら生きて他人様のお役に立つことが最良なのだろう。
でも、それは心と体が健康でなければ出来ないこと。

「何でも経験をした方が良い」と言える人は、今が幸せな人だ。

一生トラウマになるような経験や、どんなに忘れようとしても忘れられない悲惨な体験や悲しい思い出、
それらと共に生き続けることは必要? 生き続けられない人もいる。

「生きてるだけ丸儲け」だとか
「死んでいった人たちの分まで生きることは残された者の使命」 と言える人は本当に幸せなんだろうな〜。




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