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作品名:ロング・ロング・ラブ・ストーリーズ 4度目のさようなら 作者:杉内健二

第57回   第8章  1945年 マイナス18 - 始まりの18年前 〜 6 火事
6 火事
「そんなのあるわけねえだろって、だいたいがよ、そのなんだ? 福井地震って言ったっけか? それが起きるって知ってたんなら、どうして前もってよ、世間さまに教えてくださらなかったんだ? 後出しジャンケンならな、俺にだっていくらでも言えるってもんよ!」
「でもさ、この間の台風だって言い当ててるじゃん。それに俺、彼女のラジオずっと聴いてるけど、本当に前から言ってたんだぜ。テレビは一家に一台になるし、いずれ色付きになるんだって言っててさ、俺、その時は、映画じゃあるまいしって思ってたのよ。ところがさ、ほら、来年から始まるんだろ? テレビでもカラー放送ってやつがさ……」
 そこは新橋の安呑み屋で、二人のサラリーマンが言い合っていたのは、最近マスコミを賑わせている一条八重についてだった。
福井地震を予言した女∴齒八重……の館。
 そんなコラムが新聞朝刊に連載されて、もうそろそろ十年近くになっている。
 最初の頃は、ひと月に一回あるかないかという程度。それが四回目の掲載から週一回の連載となって、さらに一年後には、枠は小さいながらも日曜日以外は毎日となる。
「どうかな? まさか本名ってわけにもいかないし、けっこう神秘的な感じでさ、俺はいいと思うんだけど……」
 ある日浅川が、小さな囲み記事を書いてくれと言い出した。とにかく、思ったままを書けばいい。そう言って、彼はペンネームまでを用意してくれていた。
 そうしてその名を聞いた瞬間、智子は思わず己の耳を疑ったのだ。
 ――嘘! どうしてその名が出てくるの?
 ところが聞き違いでもなんでもない。
それはまさしく記憶にある名とおんなじだった。
 ――あれはわたし、だったってこと?
 一条八重≠ニいう占い師が大好きで、彼女の載った雑誌を読み漁っていた。
そんな記憶がしっかりあるのだ。ということは、自分はいずれ有名人に? それとも偶然という名のいたずらか? ただとにかく、有名になればきっと娘だって迎えに行けるし、もしかしたら自分に起きたこともわかるかもしれない。
 あっという間にここまで考え、智子は浅川の申し出をすぐにその場で受け入れた。
 たまたま枠が空いたから……で、反応がなければ一回で打ち切り。
 それでも浅川なりに狙いもあって、そこそこイケるとは思っていたらしい。
「それでさ、実はコラムのお題だけは決まっててね。記憶の中の未来≠チていうんだ。一応、そんな感じで、お願いできればなって思ってるんだけど……」
 あの不思議な記憶について、書いてほしいと彼は言った。
そこで一応、過激になりすぎないよう気をつけながら、智子は記憶にある未来についてさらっと書いた。すると思いの外大反響。
敗戦からそう経っていないから、誰もが何かしら辛い記憶を引きずっている時だ。
きっと智子のコラムに、明るい未来の姿を感じ取ったに違いない。見事に一回目の掲載から大評判で、やがて週刊誌までが彼女の特集を組みたがった。
 あの夜、浅川にプロポーズされた時、智子は不意に福井地震のことを思い出した。だから下手な嘘などつかないで、不思議な記憶についても彼に話していったのだった。
 もちろん浅川は半信半疑だ。
というより、その時点では信じてなどいなかったろう。
それでも智子の必死な頼みに、帰省だけは一日遅らせると約束してくれた。
 本当は、家族を福井市から遠ざけるようにも頼んだのだ。しかし電報でどう知らせても、向こうが信じやしないと言われて諦めた。
そして次の日の夕方、智子の記憶通りに福井地震は発生する。その一週間後、浅川の家族は全員無事だったと彼のもとにも電報が入った。
 そんなことから浅川の興味は、智子の記憶に移ってしまった。会うたびに未来のことを聞きたがり、終いには新聞に掲載したいとまで言ってくる。
 そうして新聞コラムが注目されると、あっという間にラジオや雑誌でも引っぱりだこだ。
 もちろん、否定的な言葉を並べ立てるマスコミもいた。それでも街頭テレビが現れる頃には、あまりの美貌に彼女の人気はうなぎのぼりとなっていく。
 さらにコラムが連載になったのを機に、智子はそれまでの仕事をピタッと辞める。濃いめの化粧はそのままに、ボリュームあるカツラを被って神秘的な雰囲気を装った。
 それだけで、ちょっと見ただけでは智子だなんてわからない。
そうしておいて、服装だけは上品なものを身につけるよう心がけた。さらにちょうどその頃、施設へ娘を迎えに行くが、我が子の幸せを考え身を引く決意をするのだった。
 それから智子は、ただやみくもに働き続けた。
 有名であり続ければ、娘はいつか自分のことを知ってくれる。もしかしたらファンになって、会いに来ることだってあるかもしれない。そんなことを思い描いて、与えられた仕事を日々一生懸命こなしていった。
 そして昭和三十四年の夏、ずいぶん久しぶりに浅川のことを呼び出したのだ。
 一条八重として有名になってからというもの、彼は一切連絡してこなくなっていた。
 単に興味がなくなったのか、それとも一条八重という名に気を遣ったか? 
どちらにせよ、それは八年ぶりとなる再会だった。
「あら、ご結婚なさったの? 言ってくだされば、披露宴くらい駆けつけたのに……」
「いやいや、披露宴なんてしてませんよ。近所にある町会の会館で、地味にお披露目をしたくらいでね。そんなところに、一条さんみたいに有名な方がいらしたら、それはもう大騒ぎになっちゃいますから……」
 顔を合わすなりの智子の言葉に、浅川は慌てることなくそんなことを言って返した。
 特に意識していたわけじゃない。それでもなぜか、まだこの頃珍しい結婚指輪にすぐ気づいたし、実際その前日には、結婚しているだろうか? と、気になっていたのも事実だった。
 しかし浅川も今年で三十九歳。結婚して子供がいたって当たり前だ。
それにそもそも、そんなことを知るためにわざわざ呼び出したわけじゃない。だから様々な思いが交錯する中、挨拶もそこそこに智子は本題を切り出した。
「実は来月なんだけど、紀伊半島から東海にかけてすごい台風が来るの。そしてまた、大勢の人が死んじゃうわ」
 そう言った時、浅川が少しだけ困惑したような顔をした。驚いたというのとも少し違う、もしかしたら、もっと違う言葉を期待していたのかもしれない。
 ただそんな雰囲気も一瞬のことで、浅川はすぐに真剣な表情を取り戻した。
「ねえ、本当なのよ。シロクナ≠チて覚えていて、どうしてそんな数字まで覚えたのかわからないけど、とにかく、その台風で4697人もの死者が出るの……」
 続いての言葉にも、どう言って返そうか考えあぐねている感じだった。
さっさと智子から視線を外し、遠くを見るような目であらぬ方へ顔を向ける。やがて大きく息を吸ってから、浅川は視線を再び智子へ戻した。
「驚きましたよ。まだそんな記憶があるんですね。それでも、そんなことを公表してしまえば、それこそまた、大変なことになるんじゃないですか?」
 真に受けた住民が多少助かったところで、世間やマスコミから大バッシングを受ける。
 過去に一度、具体的な日時もわからないまま、駅で火災事故が発生すると予言したことがあったのだ。その頃にはそこそこ認知度があったから、マスコミがこぞって大騒ぎし始める。
 いつ起きる!? どの駅で!? いったい被害はどのくらい? 
そんな言葉が週刊誌を賑わす中、ある日、火災が現実に起こってしまった。
その結果、百人以上の乗客が、ドアが開けられずに焼け死んでしまう。そうして智子までが警察に呼ばれるのだが、結局は事件性のない事故だったと判明したのだ。
 それでも一向に、マスコミのバッシングは収まらなかった。様々な憶測に尾ヒレが付いて、とどまる気配がまったくない。それから半年くらいが経った頃、ようやくそんな風当たりも弱まる兆しを見せたのだった。
「その台風の被害がどうなろうと、あなたが責任を感じることじゃない。知っていることと、それをどうにかできるのとは、まるで別のことでしょう。またマスコミに、嘘八百を並べ立てられて、あなたが辛い思いをすることになる。ですから、申し訳ありませんが、このことを新聞で告知するなんてできませんし、あなたもこのことは、早く忘れてしまった方がいい」
 智子とて、そんなこと言われなくたってわかっていた。それでも誰かに伝えたくて、となればそんな相手とは、浅川以外には考えられない。
「わかった、そうよね、そうするしか、ないわよね……」
 智子がそう答えてからは、他愛もない会話がしばらく続いた。
「せっかくこうして、ずいぶん久しぶりに会ったんだから、どこかで美味しいものでも食べましょうよ……」
 智子はいきなりそう言って、顔を浅川にぐっと寄せた。そうして彼の耳元で、
「もちろん、一条八重さんの奢りでね……」
 と、囁くように呟いてみせる。
 きっと浅川も、食事くらいはと考えていたのだろう。それからすぐに立ち上がり、
「じゃあ、久しぶりにコース料理でも、ご馳走してもらおうかな!」
 そう言って、さも愉快そうに舌を出した。
 二人はホテルのロビーを出てから、どこに行くとも決めずにタクシーに乗り込んだ。
智子はいつもよりぐっと薄化粧で、カツラも被っていないから誰の目にも一条八重だなんてわからない。
 そしてそんな彼女がいきなり、驚くような行き先を運転手に告げた。
 それは智子が昔、まさに夜の商売をしていた辺りの住所。浅川も地名を聞いただけでピンと来て、驚いたという顔を智子に向けた。
 ――どんな人なの?
 ――いや、ごく普通の、平凡な女性ですよ。
 ――可愛いんでしょ?
 ――歳が十以上離れてますから、可愛いというか、子供っぽいって感じですかね……。
 四年前に結婚した相手について尋ねると、浅川からはこんな感じの答えが返った。
 たったこれだけで、不思議なほどに智子の心がざわついた。そしてそんなざわつきを追い払うように、智子は思わず食事に行こうと声にする。
 さらにタクシーに乗り込んだ途端、急に懐かしい場所をのぞいてみたくなったのだ。
 ところがタクシーを降りて少し歩くと、そこに目指していた古宿はなくなっていた。連れ込み宿は新しい建物になって、それでも目立つところにお風呂あります≠ニいう張り紙はある。
となれば変わらずに、今も連れ込み宿ではあるのだろう。
「へえ、最近は、お風呂まであるのね」
 そう言って振り返った智子の顔に、微塵の躊躇も感じられない。
「いいじゃない。ちょっと寄り道してから、その後で、ちゃんと食べに行きましょうよ」
 そんな言葉に、もちろん浅川は驚いた。呆気に取られ、言うべき言葉が見つからない。ところが智子はさっさと宿の方へ歩き出し、気づけば彼も智子の後ろを追っていた。
 そうしてあっという間に、一時間くらいが過ぎ去った。
だいたいの場合こんな時、男と女では時間の流れだって違って感じるものだろう。
そんな印象を十分見せて、智子がゆっくり、それでも笑顔で言ったのだった。
「ねえ、何が食べたい?」
 鏡台の前で紅を引きながら、智子が浅川に向けそう声にした。
 一方浅川は、布団の上に寝転んでいて、美味そうにホープの煙をくゆらせている。
「なんならここに、店屋物でも届けさせる?」
 どうにも乗り気に見えない浅川に、智子は続けてそう告げたのだ。
ところが彼は意外にも、食事はいいと言って返した。
「こんなところ、ずいぶん久しぶりだから、俺は明日の朝までここでゆっくりしていくよ」
 そう続け、すでにフィルターだけになった吸い殻を灰皿目指して放ってみせた。
 この時、智子は心で思うのだ。
 ――浮気しちゃったって、まさか、後悔してるの?
 そんなことでないのなら、
 ――お腹いっぱいってことかしら?
 なんてことまでちょこっと考え、さらに思ったままを口にする。
「そうね、きっとそんなのも、たまにはいいかもしれないわね。それじゃ浅川さん、また、会う日までね……」
 夜の仕事をやめてから、智子は男に一度だって抱かれていない。だから気分が高揚していたのも事実だし、その余韻に浸っていたいくらいに思っていたのかもしれない。
 だから呆気ないくらいサラッとそう告げて、彼女はその旅館を後にしてしまった。

 その翌日、いつもよりかなり早い時間に、女性マネージャーから電話があった。
「テレビ、テレビ点けてください! 早く! 早く!」
 受話器から響くそんな声に、智子は一度はこう返すのだ。
「テレビ点けろって、寝室にテレビなんてないの、あなただって知ってるでしょ!」
 こんな強い言葉にいつもなら、気の弱いマネージャーは黙ってしまうことも多かった。
 ところがこの時はそうじゃない。
「浅川さんですよ! 浅川さんが大変なんですって!」
 さらに大きな声が響いて、そこでやっと何かあったんだと緊張感を覚える。
マネージャーはその後も何か言っていたが、智子は受話器を放って応接間に走り込んだ。テレビを点けて、画面が現れるなりチャンネルをガチャガチャと乱暴に変える。
 ところが一向に、それらしい映像など出てこないのだ。
 ――何よ、浅川さんがどうしたっていうのよ!?
 そんな苛つきに、再び寝室に戻ろうとした時だ。いきなりその名が響き渡った。
ちょうどニュース番組が終わるところで、アナウンサーが頭を下げながらの声だった。
「それでは、浅川隆文さんのご冥福を、心よりお祈りいたします……」
 ギョッとして振り返った時には、もはや声の主は映っていない。
 ――ご冥福って、いったい何よ!
 そんな思いとともに踵を返し、智子は慌てて寝室へ舞い戻った。
 ――お願い、繋がってて……。
 そんな祈りが通じたのか、マネージャーは電話を切らずに待っている。そして彼女から事の顛末を耳にして、全身から一気に血の気が引いた。そうして数秒、起きてしまった事実を頭の中でなぞってやっと、人生最大の後悔が智子の全身を包み込んだ。
 浅川が……死んだ。
 泊まった旅館が全焼し、焼け跡から焼死体で発見される。
黒焦げになった手に社員証を握りしめ、そのおかげですぐに身元が判明したらしい。宿泊客は他にもいたが、彼以外は逃げ出して全員無事。二階一番奥の部屋にいたのが災いし、彼だけが一階へと続く階段途中で力尽きてしまった。
 ――嘘よ、そんなこと、大嘘だわ……。
 つい何時間か前まで……一緒にいたのだ。
 目を閉じれば、昨夜の温もりだって思い出せる。
 ――なのに彼が死んだ? そんなことが、あるはずないじゃない!
 あの真新しい建物が、そうそう火事になんかなるものか? 
そう思ってさらに、同じ名前の旅館があったのかもしれず、そんなところに同姓同名がいたってだけだ。祈るような気持ちでそう念じ、智子はマネージャーからの電話を切ると、そのまま浅川の勤め先へ電話をかけた。
 ところが誰も電話に出ない。呼び出し音が虚しく響いて、智子は叩きつけるように受話器を置いた。するとひと呼吸もしたかどうかで、再びベル音が鳴り響くのだ。
それは再びマネージャーからで、決定的な事実を智子に向けて告げてくる。
「言われた通り、浅川さんのご自宅に電話をかけました。ご家族は警察に行かれていていらっしゃいませんでしたが、ご近所の方がお留守番をなさっていまして、やはりあれは、浅川さんご本人だそうです。それでお通夜、告別式ともに、まだ何も決まっていないそうでして、一応決まり次第、お電話を頂けるようお願いしておきました……」
 この後も、彼女はいろいろ話していたが、そのほとんどを智子は覚えていなかった。気づけば電話は切れていて、プー、プーという音だけがつれなく響く。
 智子はそれから応接間に行き、放心状態のまま点けっ放しのテレビの前に居続けた。
 そう遠くない自宅に帰らず、被害者はなぜ旅館などに泊まったか? そこがどう報じられているか知りたかったが、取り上げている番組は見当たらない。同伴者の有無についても語られず、それは彼が新聞記者だからか、もしかしたら旅館の主人は、智子の存在を口にしないでいてくれたのか……?
 たったそれだけのことが、今この時、唯一の救いとなっていた。
 浮気相手といた旅館で死んでしまった。残された浅川の妻と子供が、彼の死をそう思い続けるなんて辛すぎる。しかしそれ以外のすべては、智子にとって最悪だってことに変わりない。
 もしもあの時、変な感情に流されず、まっすぐ食事に向かっていれば……?
 少なくとも、浅川があの旅館に泊まるなんてなかったはずだ。すべては智子のせいだし、自ら旅館に残ったからって、彼女の罪が一ミリだって減ることはない。
 浅川はあの部屋から逃げ出して、一階へと続く階段途中まで来ていたらしい。
 その瞬間、彼は何を思ったろうか? 智子と会ったことを後悔したか?
 それとも家族を思って死んだのか? 
そして死ぬ間際には、炎はすぐそばまで迫っていたろうか?
 振り返れば火の海で、彼はもうダメだと諦めたのか?
 ついついそんなことばかりを考えて、目を瞑れば燃え盛る炎が浮かび上がった。
「ごめんな……さい」
 思わず声となったそんな言葉も、永遠に浅川の耳には届かない。
 ――さっさと結婚、しちゃえばよかったのよ!
 昨日の夜、やっとそんなふうに思えたのだった。
 あの頃の智子は、きっと浅川のことが好きだった。
彼の結婚を知ってさらに、その妻のことを尋ねた時だ。
 ――わたしは彼の返事に、確かそんな感じを思ったんだ……。
 しかしすべては遅かった。
 ――記憶のことなんて……どうだってよかったじゃない!
 結局、八年経ったって何もわかっちゃいないのだ。
もし、あの時一緒になっていれば、大金を手にはしていないが、少なくとも別の幸せはあっただろう。そして何より、火事で浅川が死んでしまうこともない。
 ――お願い……夢なら今すぐ、覚めてちょうだい……よ……。
 喉奥が震えて、吐き出す息に声が交じった。やがてそんなのは嗚咽に変わり、悶え苦しむような響きがしばらく続いた。
それから智子は、泣きながら知らぬ間に眠ってしまう。
そしてやっぱり、炎の夢を見て目が覚めるのだ。迫り来る火から逃げ出そうとするが、足がもつれて言うことを聞かない。
そんな夢は妙に現実感を伴って、なぜか旅館の部屋などではぜんぜんなかった。
――それでも、わたしは昔……、
夢の中で、ふとそう呟き目覚めると、すでに次の日の朝になっていた。
――こんな炎の中に……いたことがある。


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