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作品名:Go to 収容所 キャンペーン、実施中☆(令和12年) 作者:なおちー

第12回   喧嘩の続き。監禁が始まる。
西沢アキオ。まさかの二度目の脱走。大脱走である。

しかしミスズがそんなことを許すわけがない。
彼女の鍛え上げられた太ももの筋肉は、チーターのように収縮し、
ひと足飛びでアキオの背中にしがみついて激しく転倒した。

警察がするように腕を背中に押さえつけられたアキオは
痛みのあまり絶叫した。それでも逃げようと必死でもがくので、
身長さが20センチもあるミスズの力では押さえるのが辛くなってきた。

そこでミスズは、最後の手段で口で脅すことにした。

「私を捨てるんだったら、お金貸してよ」

「……え?」

「だから、お金。今までのお小遣いを全部返して。
 あれ、あげたんじゃなくて貸しただけだから。
 私これでもアキちゃんに貸したお小遣いの額ぜんぶ数えてるからね。
 総額でおよそ725万円だよ。
 別れるんだったら全額返してくれる? できれば今すぐに」

アキオはこんな時なのに、母親の交際相手との金銭トラブルで
困っていた小室ケイ君を思い出してしまった。自分も女の人に
執着されて無理やり交際を迫られている点については同様だ。

例の元内親王殿下は、どう見てもリアルヤンデレであり、
ケイ側に結婚の意志などなく、例の記者会見も
「愛している」と無理やり言わされている感が半端ではない。
実際に言わされているだけだろう。真の被害者はケイなのである。

「お、お金ことを言うのは卑怯じゃないかな……」

「あとでお父さんに話を通しておくから。そうしたらアキちゃんは
 明日から借金を背負うんだね。金融機関の個人向けの貸し出しでは
 200万を超えた場合はSMBC(三井住友銀行)で利率が21%だったよ。 
 だったらそれを適用しようか。だって私は貸した側だから利率の設定も自由だから。
 あと返済期限も決めておくね。一年で全額返してくれる?
 返せなかったら罰として収容所行きね。はい決定」

「わ、別れようと思ったわけじゃなくてさ。
 たまには一人で暮らしてみたいと思うことだってあるじゃないか。
 俺は静かに暮らしてみたかったんだ」

「それじゃ別れたいって言ってるのと同じじゃない!!」

「違うよ!! 少しだけ距離を取りたかったんだよ」

「……なんで? 私の事嫌いだから?」

「俺がミスズのこと嫌いになるわけないだろ。むしろ好きすぎるくらいだよ。
 でもこのままミスズに依存してたら俺はますますダメ人間になる。
 ミスズだって本当は自覚してるんじゃないのか。
 自分がダメ人間製造機だってことを」

「その言い方、すっごく気に入らないわ。ダメ人間って何?
 そんなこと誰が決めるの? 私とアキちゃんは真剣に愛し合っているのに。
 もしかして世間体とか気にしてる? 人にどう思われようと関係ないじゃない」

「親父からさ」

「うん?」

「年末に親父から電話があったんだよ
 母さんも俺のことを心配してたみたいでさ。
 令和12年の貧困地獄でどうやって暮らしてるんだって聞かれて。
 俺はずっと両親に連絡もしてなかったから、そりゃ心配もするわな。
 で、俺は素直にこう答えたんだ。優しい彼女にお金を出してもらっているから
 なんとか生活ができてるんだって」

「うん。それでお父さんになんて言われたの?」

「おまえなんか、俺の息子じゃねえって」

「なんですって!!」

「男として生まれて恥ずかしくねえのかって。
 俺の時代はそうじゃなかった。男は女を守るのが普通だった。
 そんな夫婦ごっこが何年も続くもんか。
 おまえみたいなクズは、いつか飽きて捨てられておしまいだって」

「あの男……自分の息子にそんなひどいことを言ってたのね……」

「でも親父の言うことはもっともだよ。令和12年では餓死者が年間で
 1万人は出てる。自殺者は30万人。外人奴隷の総数は240万人だ。
 こんな地獄でヒモなんてやってて言い訳がない。いつかバチが当たる」

「何ってるの!! この私が!! 雨宮美鈴が!! 
 好きで昭雄君の生活を支えてあげてるのよ!!
 私が好き好んでやってる事なの!! 
 なんであなたのお父さんに口出しされなくちゃならないの!!」

「ああ、君は優しいからそう言うよね。でも甘えてるだけじゃ
 俺のためにはならないのは本当だ。だから少しだけでもいいから
 ミスズの居ない世界で暮らしてみたら、少しは変われるんじゃないかと
 思ってホテルで生活してみたんだ。毎日スマホとテレビを見てるだけだったけど……」

「……分かったわ。アキちゃんの気持ちはよく分かった。
 男の子なら誰だって逃げたくなる時があるものね。
 たぶん28になって遅めの反抗期が来たのよ。
 いつまでも外に居たら風邪ひいちゃうわ。早く部屋に戻りましょう」
 
アキオは部屋に戻るなり、左の足首に何かをかけられた音がした。
なんとも冷たい感触だ。よく見ると手錠だった。
手錠から10メートルほどの鎖が伸びていて、
部屋の奥にある「黒い鉄球」につながっていた。

「この鉄球はアキちゃんが帰って来た時のために用意しておいたの。
 今日からアキちゃんの行動範囲は半径10メートル以内ね」

「わ、笑えない冗談だね。早くこれ外してよ。
 こんなのつけられたら生活できなくなっちゃうよ」

「ダメ」

「だ、だって買い物にも行けないよ?」

「買い物は私が行くから」

「外食は?」

「デリバリーを頼めるわ」

「風呂やトイレはどうするんだよ」

「私が付き添うわ」

「トイレも!?」

「うん。しばらくはね。アキちゃんがすきを見て脱走する可能性もあるから」

「は、ははは」

「うふふ」

「はははは」

「うふふふ。面白い?」

「ミ、ミスズ、君は少しおかしくなってるんだよ」

「私は真剣だから。マジだから。
 アキちゃんがしっかりと反省するまで一緒に暮らしましょう。
 片時も、どんな時でも一緒よ。私から視線をそらすことさえ許さないわ。
 だってアキちゃんは私のものだから。アキちゃんは私を頼りにしないと
 生きていけない。私はアキちゃんがいないと生きていけない。
 だから私達は離れちゃいけないの」

アキオはその場に崩れ落ち、泣いた。

たぶん彼女からもう一生分の愛情を受けている。
アキオだって彼女のことを愛している。

どんな時でも、アキオがどんなミスをしても、
株で大損しても家賃すら払えなくても、
ミスズは笑って許してくれた。無制限にお小遣いをくれた。

彼にとってミスズは姉のようでもあり、母親のような存在だった。
背丈は小学生のように小さいが、アキオには
どんな女性よりも大きくて偉大な存在に思えた。

「今日は怒鳴っちゃってごめんね。
 腕、痛かったでしょう。ちょっと久しぶりに本気出しちゃったから。
 腕を見せて。あざになってないかしら?」

「うっ……ううっ……ミスズぅ……ミスズぅ……」

「あらあら。そんなに泣いちゃってどうしたの?」

「逃げたりしてごめんよぉ……さみしい思いをさせてごめんよぉ……
 もう……二度といなくなったりしないから……約束するよ……」

「アキちゃんったら本気で泣いちゃって可愛い。
 お顔見せてごらん。鼻水拭いてあげるから」

アキオは鼻水をティッシュでふかれたあと、
思いきり抱き締められ、ディープキスをされた。
アキオの唇ごと吸い取ってしまうほどの強烈なキスだった。

「よしよし。もう泣かなくていいのよ。仲直りしましょうね?」

「うん。ありがとうミスズ。ありがとう。愛してるよぉ」

「私もよ?」

アキオが何気なく手を伸ばしたら胸に触れてしまった。
ミスズは「くすっ」と笑ってブラをずり上げた。
大人の女性にしては小さすぎる膨らみが露になる。
アキオはピンと張った乳首に夢中で吸い付いた。

「あっ……」

ミスズはたまに甘い息を吐きながら、彼の頭をナデナデしてあげた。
まるで赤ん坊をあやすような仕草で。

「うふふ。甘えちゃって。そんなにおっぱいが欲しかったの?」

「うん。なんだか無性にミスズに甘えたい気分なんだ」

「そう。なら好きなだけ舐めていいのよ」

そのあとも無性に胸を堪能した。
コリコリになった乳首が唾液でびっしょりと濡れる。
ミスズは女の子座りをしながら彼の欲望を受け入れていた。

アキオはミスズのミニスカートをまくり上げ、中に顔を突っ込んだ。

「アキちゃん……」

ミスズはふくらんだスカート越しに彼の頭をなでてあげた。
変態的な行為をする彼氏に対しても満面の笑みである。
アキオはしばらく荒い息を吐き続けていたが、
スカートの中が暗いからか、そのまま寝てしまった。

「うふふ。良い子ね。よく寝なさい。
 アキちゃんはお姉さんがいないと生きていけないものね?」

ミスズは彼が目覚めるまでそのままの姿勢でいた。


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