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作品名:令和の大不況。無職になった若者たちの行く末は… 作者:なおちー

第11回   鉄人28号で審議中の国会議事堂を襲撃する。
※ルナ

以上が、ユウナさんから説明された作戦の内容だった。

朝から宿舎の前で整列させられた私たちは、
あまりにも突拍子もない作戦に呆然とする。

鉄人28号……? 国会を襲撃……?

「同志諸君!! 少し長くなりますが、
 これから私の話すことをしっかりと耳に入れてください!!」

ユウナのさんの声は女性にしては少し低いけど、
温かみのある声で素敵。楽器で例えるとオルガンのように
きれいに響き渡る。昨日までのクールキャラと全然違って
身振り手振りをくわえて演説している。
もしかしたらユウナさんは熱血タイプの女性なのかもしれません。

お話の内容は本当に長かったので、私は頑張ってメモを取った。
その内容をまとめると

・この孤島には鉄人28号というロボットが地下に眠っている。
・自民党政権に制裁を食らわせるために、まもなく攻撃を開始する。
・28号は背中のジェット装置を使って東京まで15分で到着できる。
・同志諸君らは、ボリシェビキによる正義の鉄槌をここで見守ること。

見守るだけでいいんですか……?
それって意味あるんですか……?

他の訓練兵もざわざわ不可避の状況。

           (; ・`д・´) 28号ってなんだ……。
       日本にロボット兵器が存在したのか……? (;'∀')
            ( ゚Д゚) 同志閣下は戦争を始めるつもりなのよ……。 
        国会には野党も大勢いるはずだが……。(;^ω^)

   ※鉄人28号。
    同タイトルは、鉄腕アトムと並ぶ『日本最古のロボットアニメ』として
    世界中に根強いファンが存在する。「鉄人28号、バンダイ」でググると
    超合金フィギュアがヒットする。いかにもずんぐりとした体形に
    力強さを感じると同時に愛くるしくもある。
    筆者の手元には、鉄人28号の超合金が置いてある。これを参考に本文を書く。


「なお鉄人28号は、人が搭乗して動かすタイプのロボではありません。
 遠隔操作によって動きます!! 操作にはリモコンが必要となります!!
 ソ連製の鉄人28号を動かせることができるのは、選ばれた人間だけです!!」
 今日はその選ばれた人間を皆さんに紹介しましょう!!
 アユミ、出てきなさい!!」

「はーい」

なんか、やる気のなさそうな女の子が出てきた。
日本人形みたいに切りそろえられた黒髪のおかっぱ頭。
身長が低くて、目つきが悪い。でも色が白くて美形だ。
目元がユウナさんに似てると思ったら、なんと妹さんだった。

「新しい同志諸君に!! 自己紹介をしなさい!!」

「高倉アユミでーす。姉に命令されたんで
 嫌なんだけど我慢してこんな辺境の地までやってきました。
 見ての通りやる気はありません。おなしゃーす」

アユミさんは衆目の中、お姉さんに頭をひっぱたかれて、
説教されていた。私は思わず笑ってしまった。
だってそうでしょう。これから鉄人28号で国会議事堂を襲撃することに
なっているのに、ホームドラマを見せられてるんだから。

私たちは地下のコントロールルームに案内された。
「マジンガーゼットに出てくる光子力研究所」で
検索してみてください。あんな感じです。

そこではモニター越しに島を俯瞰してみることができる。
監視衛星からの映像らしいです。

アユミさんが大きなリモコンを両手で持ち、
顔を真っ赤にしながら「ロボ!! 発進よ!!」
というと、なんと森の中から鉄人28号が起き上がった。
地下には格納庫があって、そこの扉が左右に開いて出撃したのだ。

日本に巨大ロボット兵器が本当にあったとは!!
私のお父さんと、アツトさんたちは抱き合いながら感動しています。
これで自民党は終わりだと喝采する。

私たちボリシェビキは、普通選挙(衆議院総選挙)を何度やっても
自民党の一党独裁が終わらないので、最後の手段として
鉄人28号の力を借りることになったのです。

「これより28号作戦を開始する!!」

ユウナさんが檄を飛ばす。
28号の背中のジェットが噴射し、飛行するポーズ
(両腕いっぱいに背伸びする)で飛んでいきます。


さて。舞台が変わりますが、東京の国会議事堂前です。
この章では私の一人称となっているので、
議事堂の様子も私が中継させてもらいますね。

国会では今日も与野党に分かれて無意味なおしゃべりをしています。
7月というと、通常国会は先月で閉幕しているはずですね。
しかしコロナ対策の緊急予算について話し合うために
臨時国会が開かれているようです。

野党の批判が飛びます。
緊急事態宣言の発動の遅さとか、農林水産大臣が
鶏卵業者から500万のお小遣いをもらった件(史実)を追求しました。

アベースキー首相は、適当な言葉を並べて相手の
質問時間を消費させ、追及をかわします。
いつもの卑怯技であり、これ自体が税金の無駄遣いです。

そこへ、鉄人28号が突っ込みました。

衆議院の予算委員会に割り込んだ28号が腕を振り回して暴れます。

『グリコ。グリコ。ぐーりこー♪
 ぎゅーっと飛んでく鉄人♪ にじゅうはーちごう!!』

この鉄人のモデルになったのは、バンダイから発売されている
超合金フィギュアです。おもちゃをボリシェビキの科学力で
巨大化に成功したためか、戦闘中に内部スピーカーから
歌が聞こえることがあります。

鉄人が腕を振るう。
国会議事堂の屋根が吹き飛び、自民党を中心に議員が宙を舞う。

鉄人が足を前へ延ばす。長テーブルがぺしゃんこになり、
やはり自民党議員が下敷きになっています。
なぜか他党の人には被害がありません。

「う、うわあああ、くるなあぁぁぁあ」

鉄人は、特に年収の高そうな自民党議員をつかみ上げました。
大きく開けた口の中へと運び、そのまま食べてしまいます。

残ったのは、議員の腰から下だけ。そこから上は食いちぎられ、
ボタボタと流れる大量の血液が、赤いじゅうたんをさらに赤黒く染めていきます。

(フィギュアを見ると鉄人の口元は甲冑?で覆われているけど……。
 口ってあるのかな?)

『うがああああああああああ』
『ころされるううううううううう』

議員たちが逃げまといますが、全員が出入口へと集中したため、
混乱しています。卑怯な議員は、他の議員を殴ってまで
我先に逃げようとします。国民の代議士を名乗る連中なんてこんなものです。

鉄人は、また自民党議員をつかみ上げます。
必死に抵抗する中年の男性ですが、鉄人によって
手と足を引きちぎられ、切断面からの大量出血によって
そのままの状態でショック死しました。

阿鼻叫喚の地獄と化す国会。
警備員の人たちは真っ先に逃げてしまいました。
やっぱ議員の命なんてどうでもいいんですね。

さらに鉄人はみんなが逃げられないように、出入り口付近に
パンチを食らわせてがれきの山を作り上げる。
これで議員たちは、議事堂の審議室の中に閉じ込められました。

中には頭の良い野党議員がいて、この中国の秘密兵器であろうロボットは、
自民党議員だけをターゲットにしていることに気づきました。
そこで彼は、自民党議員を鉄人の前へ蹴飛ばし、鉄人のエサにしてしまいます。

鉄人は両手で持った議員四人を、うまい棒でも咀嚼するように
むしゃむしゃと食べます。首、肩、腕と味わうように
バキバキと引きちぎりながら食べるので、鉄人の口が真っ赤に染まっていきます。

次に鉄人は、最近悪さをした農林水産大臣の男の子(56歳児)を発見しました。
この男の子は、コロナ化による特別支出(事業者支援など)で国家財政が苦しい中、
鶏卵業者からお金をもらっていたのですが、そのお金の源泉となったのが
国民の税金であることが明らかになったのです。

(縦割りの行政を打破するといったスガ政権ですが、彼の任命により
 初入閣したこの男の子も、お金を私物化するクソ野郎なのです)

鉄人は、悪さをした議員を特に念入りに殺すように
プログラムされています。
56歳児の足にチョップを食らわせます。

「あぎいぃいぃぃぃ!!」

56歳の男の子は、右足を平らにされました。
粉砕骨折でしょう。患部から血がぴゅーと吹き出て、
足から木の枝のように骨がはみ出ていてグロいです。
ぎゅっと絞ったぞうきんのようです。

それでもこの議員は意識がはっきりしているのだから、只者ではありません。
鉄人は男の子の痛んでいる右足をつまんで、宙づりにします。

「もうころしてくれれえええええええええええええええ」

ぷらーんと、足からつるされる男の子。
鉄人は、彼が死ぬまで振り子運動を続けることにしました。

「く、くりゅなぁああああああ。ぼぼぼb、ぼくは美味しくナイぞおお」

次のターゲットにされたのは、アベースキー首相閣下です。
こんな時でも活舌が悪いのはさすがです。

鉄人は首相閣下をやさしく握りしめます。首相が恐怖のあまり
漏らして鉄人の手のひらを黄色く染めていきます。
鉄人は何を思ったのか、首相を持ったままジェットを噴射。

ちょうど15分で私たちの基地へ帰ってきました。
大変なのはここからです。


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