※ひとみん
今日はペンタックがお休みで本当に感謝しているわ。 きっと普段から主へお祈りをささげてるおかげね。
団地から歩いて7分の所に大きな公園がある。 沼の周りを全集5.7キロの遊歩道が囲む。
田舎だけにそれなりに大きな公園なのだ。 埼玉県の北部は関東平野の一角で、広大な湿原がある。 今でこそ開拓が進んだけど、大昔は広大な田園と葦(あし)に 覆われていたそうよ。そのため沼がそこら中にある。
湿原と言えば、かつてソ連の中核をなしていた国に ベラルーシがある。ベラ(白い)ルーシ(ロシア)。 別名湿原の民。ちなみにポーランドは平地の国という意。
「 (^○^) 本当に埼玉県は山がないよね。父部以外は」 「賢人君は山とか興味ある?」 「あるある。どっちかというと海に憧れる。海が見たい」 「私も海行きたい。潮風を浴びてみたいわ (*^▽^*)」
県外の読者さんには意外に思われるかもしれません。 日本にある内陸県はたったの8県。その中に埼玉も含まれています。 私達の周囲には山がないどころか、海もないのです。 したがって私たちにとって海は貴重です。 観光した時以外は見ることができませんからね。
その分、津波や土砂災害がありませんから、 日本で一番安全な場所に住んでいるとも言えますけどね。
「ひとみんとお散歩楽しいな(^○^) 今日は曇りだから熱くないし、お散歩日和だ」
賢人君はうきうきして私と手を繋いで歩いています。 私たちって仲良し!!! ( ・´ー・`)
美雪が見たらきっと嫉妬するだろうな。ざまーみろ。 今ごろ大学で堅苦しい経営学でも学んでるんでしょうね。 何が株式投資よ。利口ぶって馬鹿みたい。 あんなのいつか大損して後悔するんでしょ。
「ひとみん。のどかわいた (^○^)」
「(*^▽^*) あらそうなの。 あそこの自販機でジュースを買いましょうね」
賢人君は普段から歩き慣れてるのか、3キロ歩き続けても 疲れた様子がないのが意外だった。普段からジョギングと 各種筋トレをしてる私なら連続で7キロくらい歩いた頃に 少し疲れた感じるレベルだけどね。
「コカコーラでいいかしら?」 「うん (^○^)」
少し違和感が( ゚Д゚)
「賢人って炭酸水は苦手じゃなかった? 会社では毎日水筒の水を飲んでいるようだけど」
「だってコカコーラ(米国)は、美雪の保有している銘柄だからさ (^○^)」
「ふーん (* ̄- ̄)」
はい、でましたぁ。これで何度目でしょうか。 私をイラつかせるワード『美雪』『いもうと』『株式』
なんで!? ねえ、なんで!? 私と2人っきりでデートしてる時に妹のことを口にするの!? そのワードは禁句!! 押してはいけない核ミサイルのスイッチ!! 私の怒りは絶校長…じゃなくて最高潮に達する!!
「ち、ちがうんだよヒトミさん!!Σ(゚Д゚)」
私はまだ何も言ってません。 ただうつむいて震えてるだけです。 私の顔から全てを察してくれたのかな?
「俺は瞳のことが大好きだ!! 嘘じゃない!! ほら。これでも信じてくれないのかい?」
彼は私のおててをぎゅっと握り、きすしました
そんなんで騙され…
「俺は誓うよ。二度と君と二人でいる時に美雪の名前を出さないって。 俺には瞳さんだけいれば、他の女なんていらない。 瞳だけいてくれればそれでいい。だって君は俺の妻になるんだから」
「(´∀`*)ポッ」
どうせ口から出まかせだと分かっていても、 胸が熱くなるセリフね。そこらの独身の女が、 彼の顔と声で口説かれたらイチコロでしょうね。 彼の声って楽器みたいに素敵なのよ。
彼の顔も好きだけど、声はもっと好き。
「ひとみ。好きだぁ!!( ゚Д゚)」
今度は私をぎゅっと抱きしめてくれました。
もう (´ー`) セリフだけは男っぽいんだから。
しょうがいない。今回だけは許してあげようかな。
「おや (;・∀・)」
賢人がコカコーラを飲みながら唖然としています。
それもそのはず。この公園は芝の面積が大ききので 多目的運動場としても利用されます。 そして釣り人やバードウォッチングをしてる人など、 老人が多いのですが、様々な人がいます。
沼の中心部には、浮島弁天という名の、小さな神社みたい のがあるんですが、そこで不審な人物たちが集会を開いていました。
『各員整列せよ。今次作戦の襲撃予定時刻は、開店と同時の 10:00とする。作戦決行までの間に、各種装備の最終点検をせよ』
隊長の命令に部下たちが敬礼をします。
どうやら近くのお店を襲撃するために集まった、 武装戦闘集団のようです。 平日の朝から暇人ですよね。
「ひとみん(;゚Д゚) あいつらの話を聞いたかい? 最寄りのヤマダ電機を襲撃するつもりだ」
「山田がダメなら、ケーズ(電気)で買えばいいじゃない」
「だ、ダメだ、山田じゃないとダメなんだ。 株主優待券があるんだ」
※ヤマダ電機の株主優待券 100株持ってるだけで年間で3000円の割引券。 2年以上保有していると5000円くらいに増える(たぶん) 燃えないゴミが多い日本株の中では、配当・優待利回りの高い優良株。 実は筆者も保有している。
「(*^▽^*)あらそうなの。賢人ったらお母さまから 優待券をもらっていたのね。以前お母さまに ポートフォリオを見せていただいた時には ヤマダの株なんてなかったけど」
「母さんは、実はあれとは別に500万円分くらい 優待銘柄をたくさん持っていたんだ。 すかいらーくHDとか吉野谷とか外食ばっかりだったよ」
「(* ̄- ̄)ふ〜ん。日本株が生ごみの集まりって 言ってた割には持っているのね」
「優待銘柄を保有してるって子供たちに話すのが 恥ずかしかったみたいだ。桐谷さん(著名な投資家)だって たくさん持ってるんだから、恥ずかしがらなくていいのにね」
ギリギリリr キャリキャリ、ガタタガタガタガタ どどどどど
公園の広場には、戦車と装甲車と突撃砲が集結しています。 いつもの光景だから何とも思いません。武装した市民が 戦車に給湯をしたり、内部の清掃から点検をしています。
それにしても今日は数が多いですね。 軍用車だけでざっと20を超えます。 武装集団も上が70代から、下が小学生までいます。 混成舞台ですか。
短機関銃、軽機関銃、手りゅう弾、物騒な物ばかりが 芝の上に並んでいます。
「金融庁の発表した老後の資金問題のせいだよ(;´・ω・) 見てくれ。あんな小さな子供まで電気屋さんを 襲撃するために武装している」
小学生低学年の女の子が、相手の戦車を一撃で 再起不能にできるパンツァー・ファウストを手にしています。 かつてナチスが使った簡易ロケットランチャーなのです。
「これから夏場で暑くなる。各家庭に設置するエアコン、 扇風機、サーキュレーターなどの買うにしても、 お金がないから奪うしかない。お店の方も それが分かっているから、お店を要塞化する」
ヤマダ電機は各店舗がお客の襲撃に備えて防備を固めています。
私達が行こうとしている、 テックランド久喜店の武装は下記のとおりです。
コンクリの塹壕陣地 ×7 重機関銃多数(弾薬1億発) お店入り口前の地雷原 ×13 内蔵された地雷 4百超 20から30口径の野砲 ×21 弾薬 2万発 迫撃砲 ×11 弾薬 5千発
スーパー・カスミと同じく店回りは5メートルの厚さの コンクリで補強されており、正面以外の侵入は不可能。 お客を迎え撃つこの正面陣地は、高度に軍事化されている。
射撃訓練を受けた店員は、男女合わせて54名。 店長と副店長が中心となって客を迎え撃つ。 久喜店では、家電の他にも日用雑貨売り場も入っていますので 店員の数は多いのです。
店員の犠牲がでた時に備えて、お店の倉庫の一部は 医療施設となっています。持久戦に備えて 地下通路を利用して弾薬の補給が可能。
「(;´・ω・)令和10年の電気屋さんは地獄だね。 子供の教育費や税金を覗いた家計の消費支出で、 一番大きいのが家。次に車。その次が家電製品だ」
消費税率34%。物価の変動なし。 月あたりの年金支給額は、手取り660円。
これで襲撃するなというほうが無理な話ね。 お金のないはずの市民がどうやって戦車を手に入れたのかしら。
お店側も経営が大変だと思うんだけど、 迫撃砲とかどうやって買ってるのよ。 あと弾薬多すぎない?
「ひとみさん。俺はヤマダの株主優待券500円×5枚を、 なんとかして使ってみたいんだ」
「お店で買い物するのは不可能よ。 あそこはまもなく戦場と化すわ」
「店員の若林さんが死んじゃう(>_<)」
「若林さん?」
誰ヨ。わかばやしさんって。まさか女の名前なんじゃ…。
「男の店員さんだよ。 俺が大学時代にお世話になった人なんだ゚(゚´Д`゚)゚」
彼はヘッドホンやウォークマンに凝っていた時に、 色々相談に乗ってもらっていたそうね。 茶髪ですごくチャラい感じの人だから、 店内のあだ名がチャラ林さん。
明るくて販売成績を上げるために嘘をつかない人だから、 安心して買い物ができたそうよ。
「別に買い物ができなくてもいいから、 お店の様子だけを遠くから見に行こうよぉ (>_<)」
「(* ̄- ̄)何言ってるのよ。 戦車の主砲とか飛んでくるから危ないでしょ」
「それでも気になるんだぁ (>_<) 遠くから見てるだけでもいいからさぁ」
「しょうがないわねぇ。遠くから見るだけよ (^_^)」
「うん (^○^)」
私達は最寄りのファッションセンター・しまむらに行きました。 なぜしまむらなのか? しまむらの二階の駐車場からなら ヤマダ電機の駐車場が一望できるからなのです。 少し長くなったので次の話に行きます。
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