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作品名:令和10年 兄妹の物語 第二シーズン 作者:なおちー

最終回   30
--美雪

うるさいよ、三十路。
そんなこと言われなくても分かっていますよ。

昨夜団地に帰宅した、かぐや姫の娘さんたちから
詳しい事情は聞いてるから。

お兄ちゃんの服に盗聴器を仕掛け、行方を追って
くれたみたいだけど、そんなことしなくても私たちは
「小説に出演していることを自覚しているタイプのキャラ」
だから、問題ないの。

私は前話の内容を読み、心を落ち着けてから、壁に拳を突き立てました。
団地は壁が薄いので私のこぶし大の穴が開きました。

「賢人のこと考えるの疲れちゃた」

瞳が重苦しい雰囲気で何か言ってます。

「だって、どう頑張っても賢人と結ばれないじゃない。
 処女までささげたのに、彼が別の女と浮気中って
 どういうこと? 大手の少女漫画でもここまでの
 展開ってそうないわよ」

「市販の少女漫画もそんなに変わらない展開だと思いますよ。
 最近のは性的にだらしない作品が多いんですよね」

「あらそう。そうなのね。うふふ。( ̄▽ ̄)
 あーなんだか楽しくなってきたわ。
 何もかもうまくいかなすぎて逆にね」

瞳は何をするのかと思ったら、キッチンの包丁を自分の
胸に刺そうとしていました。目がぼーっとして危ないので
さすがに止めに入ります。

「止めないで(>_<)」
「その前にやることがあるでしょ」

過去に何度も書きましたが、
この作品では作者への攻撃も可となっています。

つまり私達が作者を痛めつけるなどして
執筆する権利を奪えばいいのです。
執筆権を奪うのは、前作午後2時55分〜でも
作中のマリー・アントワネットが実際にやっています。

「ふがーふがー」

私はさっそく団地の近くを散歩中だった作者を捕まえることに成功しました。
作者は手足を縛られ、麻袋に入っています。
本当ならその辺の川に投げ捨ててしまえばいいんでしょうけど、
まだ生活に行き詰っていないので人殺しはしたくありません。

「美雪さん(;・∀・) さすがにやりすぎ。
 作者の人にも人権があるんだから」

「でも、こうでもしないと物語がまともに 
 進展しないじゃないですか」

私が麻袋に強い蹴りを入れると、
作者の口から女々しい悲鳴が聞こえます。

「こら、よく聞きなさい」

私は作者を何度も蹴りながら、執筆権を
譲渡させることをしぶしぶ承諾させました。

これにて私が今日からこの作品の作者になったのです。

「待て」

作者が何か言ってます。

「俺は頭で考えてこの作品を書いていたわけじゃない。
 信じられないだろうが聞いてくれ。
 この作品は呪われている。その呪いとは」

は? 私は自分の耳がおかしくなったのかと思いました。
作者からサイコロを渡されました。
そのサイコロを振ると、出た数字に応じて物語が
コロコロ変わるとのこと。

意味が分かりません。だってこれって普通の六面体?
のサイコロで数字が1から6まで降ってあるだけですよ。

「早く振れ」

偉そうに。私はもう一度作者のお尻を蹴ってから
サイコロを振ってみました。サイコロを振るなんて
小学6年の時、林間学校でやった人生ゲーム以来かな。

6が出ましたけど。

「良い数字だね」

なにが?

「サイコロの一番後ろの数字が、一番悪い運命が
 決まる展開なんだよ。堀太盛が復活するぞ」

「復活って? 病気が治るってこと?」

「そうだ。奴は突然知性を回復させ、
 妻と浮気中の賢人に激怒し、修羅場になる」

なに……それ? (;゚Д゚)

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※ 三人称

  舞台は変わって学園本部。
  豪華な大塚家具が自慢の「ミウの小屋」である。

「ミウ……。これは、いったいどういうことなんだ?」

「こ、これは違うの。お願い。話を聞いて?」

翌朝。
ミウは賢人とベッドインした状態を太盛に見られてしまう。
隣に寝ている賢人は深い眠りについており、
太盛から放たれる矢のような鋭い視線に気づいていない。

「へぇー。お前って意外と浮気性だったんだな。
 学生の頃は太盛君、太盛君って俺のこと
 あんなに追いかけまわしていたくせに」

「だからこれは違うの!! せ、太盛君が
 いつまでも病気のままだから、ちょっと気分転換に
 男友達を家に招待したって言うか……」

「おいミウ」

「は、はい」

「つまらねえ言い訳してんじゃねえよ!!」

パシーーーン (>_<) ←ミウ

朝から平手打ちは効いた。

ミウは急変する事態についていけず、頭の中が
ごちゃごちゃしてボロボロと涙を流した。
まさか朝起きると太盛が元気になっているとは。
それに間が悪すぎる。賢人と不倫をし始めたタイミングで、
彼に現場を見られてしまうとは。

筆者は元モーニング娘のやぐ〇を思い出した。

「ミウ。お前には裏切られたよ。あんなに俺のことを
 愛してるって言ってたのは嘘だったのかよ!!」

「いやあああ!! 髪の毛引っ張らないで!!  
 そんなに強く引っ張ったら抜けちゃうよ!!」

「おまえにはたっぷりお仕置きしてあげないとな!!
 そこで寝ている男もだぞ。おいてめえ。
 いつまで俺の妻の隣でぐーすか寝てやがるんだ!!」

復帰したばかりの太盛は、相変わらず身長167センチの小柄だが
筋骨たくましくなっており、賢人を持ちあげて
8メートル遠くまで吹き飛ばしてやった。

(しかしよく考えたら12畳の部屋なので
 8メートルも距離がないことに気づいた)

「あがががが(;゚Д゚) いったい何が起きたんだ!!
 腰と背中を打ったΣ(゚Д゚)」

「ぶっころす!!」

太盛は、ジャッカルのように賢人に飛び掛かり、馬乗りになり、
彼の前歯が二本も折れるまで殴り続けるのだった。

「太盛君、お願い!! もうその辺で許してあげて!!」

「ああ?! 浮気相手が殴られてるのがそんなに悲しいのか?」

「そうじゃないの(>_<) お願い太盛君、ゆっくり話を
 きいてちょうだい。お願いだから怒りを鎮めてよ!!」

「おう。なら俺といますぐキスしろ」

「えΣ(゚Д゚)」

「できねえのか? だったらおまえとはこれで…」

ミウは、つま先立ちになって彼の頬にキスした。
すると今度は太盛の方が、おびえているミウの両手を握りながら
キスを返す。もう何年も忘れていた彼の感触を思い出した
ミウの体温が上がり、彼への情熱がにわかに高まってしまう。

「ミウ。君は俺の妻だ。そうだな?」
「はい。私は太盛君の妻です」

太盛はミウを愛おしそうに抱きながら続けた。

「さっきは髪の毛引っ張たりしてごめんな?
 痛かっただろ」

「ううん。もう全然大丈夫。だって私が全部悪いんだから。
 私が……私が……太盛君のことを信じて待ってあげられなかったから……
 うっ……うぐっ……うえええん。太盛くぅううん」

ミウはやっぱり自分の居場所は、彼の隣しかないのだと再確認した。
もう何が会っても彼のことを裏切ったりしない。そう誓ったのだった。

賢人⊂⌒~⊃。Д。)⊃ だ、誰か病院へ連れて行ってくれ……

数話前とすっかり立場が逆転した。
これは人生でも起こりうること。
まさに三日天下である。

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※美雪ちゃんの達は、
不思議な水晶に映し出された上の茶番劇を観ていた。

美雪「なにこれ?(´・ω`・)」
瞳「賢人がボッコにされてるじゃない」
美雪「考え方によっては、お兄ちゃんがミウに振られたわけだから」
瞳「私たちにとっては得な展開になった……?」

美雪「良いこと思いついたんだけど」
瞳「なにを?」
美雪「私が今すぐお兄ちゃんを助けに行けばいいんだよ」
瞳「(;゚Д゚) へ?」

---------------------------
※ 美雪は学園へワープした。

太盛「うあああああ、いきなり何だ君は!!
   小屋は部外者立ち入り禁止なんだぞ!!」

美雪「あっ、ご夫婦のお邪魔はしませんからお構いなく。
   私は兄の賢人を引き取って速やかに帰りますので」

美雪は、手慣れた様子で賢人の顔中に付いた血をハンカチでぬぐう。
賢人の左手首は吹き飛ばされた時の衝撃でねんざしており、
少し動かすだけで「あぎゃあああ(>_<)」 と叫ぶのだった。

「あの堀太盛さん。すみませんが、湿布とかないですか?」

「シップ……?Σ(゚Д゚) 英語で船のことじゃないよな。
 あ、ああ。湿布なら救急箱の中に」

太盛は湿布を美雪に手渡した瞬間、電流のような衝撃が
体中を駆け巡ったのだった。

(この少女、何て美しさなんだ!!)

今日の美雪はコンタクトを外して眼鏡をかけていた。
メタルフレームのクラシックな眼鏡なのでいつも以上に
知性を感じさせた。ガゼルのような黒い瞳に長いまつ毛。

若くてモチモチした肌。長く伸びた茶髪を左にまとめて垂らしている。
少しふくよかだが、胸もお尻も出ていて女性らしさがある。
太盛はミウのような細身の女性より、ふくよかな女性がタイプだった。

兄を献身的に看病する姿が、太盛をより感動させた。
あのナイチンゲールを連想させるほどだ。

太盛は実は看護師フェチで、自分の娘のレナが
看護師になった時は影で興奮していた。


美雪 (;´・ω・) お兄ちゃん。今顔を拭いてあげるからね
賢人 ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ すまん。世話をかける

太盛はこの思いをどう伝えたらいいか分からず、
思わず後ろから美雪に近づき、彼女の手を握ってしまった。

「ちょ、なにしてるんですか (; ・`д・´)」

「ちょっと君に伝えたいことがあるんだ」

「なんです?( ゚Д゚)」

「そんな兄貴のことは放っておけよ」

確かに太盛は賢人に一時的に妻を奪われてしまったのだから
賢人を恨むのは分かる。だが、美雪が看病している
傍らで、そんな奴を放っておけと言われて良い気持ちはしない。

(; ・`д・´)
堀さんの気持ちは分かります。本当にすぐ帰りますから、
少しの間だけ手当てさせてください

(;^ω^) あ、ごめん。君を怒らせるつもりはなかったんだ。
     お兄さんのことは好きなだけ看病してあげてくれ。
     ミウ。保健室から看護兵を呼んできてくれないか。

ミウは「はい。ただいま」と従順に従う。旦那にメロメロである。

太盛はミウが出て行ったのを横目で確認し、
美雪には見えない角度で賢人に手刀を食らわせた。

⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ぐえー。バタン

Σ(゚Д゚) あれ? お兄ちゃんがとつぜん寝ちゃった
(*^▽^*) ちょっと眠くなったんじゃないのか。それりさ

―君ってかわいいよね。
―はい?

(*^▽^*) 髪型チョーかわいいし似合ってるよ。
     朝時間かけてパーマ掛けてるの?

(;・∀・) 私はデジタルパーマにしてるんですよ。
      朝は時間がないので10分でセットを済ませています。

(*^▽^*) へえ。そうなんだ。すごいね。
     君若いけど女子高生? 俺より年下だよね?

(;^ω^) 女子大生ですけど……

(*^▽^*) 女子大生だったんだ。どおりで綺麗なわけだ。
     年はいくつ?

(;゚Д゚) 21です……

(*^▽^*) 俺とそんなに年変わらないね(←えっ?)
     俺は27なんだよ。
     ところで君は彼氏とかいるの?

(; ・`д・´) か、彼氏……

美雪はちらっと⊂⌒~⊃。Д。)⊃←兄を見たが、
まさか初対面の人相手に兄と結婚するとは言いにくい。

(>_<)  彼氏はいません
(*^▽^*) それは良かった。ならさ

――良かったら俺と結婚してくれないか?

最初は何を言われたのか理解できず、15秒固まった。

(*^▽^*)良かったら、俺と結婚してくれないか?

二度も言われてしまい、聞き間違えでは済まされなくなった。

いったい、何が起きたのか。
美雪は兄を回収する目的でこの本部に来たのである。
このミウ専用の小屋は、本来なら高野夫婦が食事をしたり
夜愛し合うための部屋であり、渋谷兄妹は邪魔である。

その邪魔者のはずの自分に、何を思ったのか太盛は求婚してきた。
美雪は美少女?(大学生なら美女か?)なので見知らぬ男性に
ナンパされたことは一度や二度ではない。

それにしても太盛みたいなタイプの男は初めてだった。
付き合うのを通り越していきなり「結婚」
しかも初対面で。しかも太盛は学園の支配者の夫なのに。
いろいろとぶっ飛んでいる。

だから遠回しに断るしかなかった。

「堀さんってミウさんと結婚してますよね」

「あんな浮気性の女は、もうどうでもいい。
 俺には君さえいてくれれば十分だ」

もうだめだ。きっと何を言ってもこの人は聞き入れてくれない。
美雪はそう思ったので兄を連れて元の世界?(団地)に戻ろうと思ったが。

「しまった(;´・ω・) 戻るにはサイコロがないと」

実は元の世界に戻るには「例のサイコロ」が必要だった。
サイコロの目がまた6を出すと元に世界にワープできるのだ。

実はマキシスカートのポケットの中に入っていたのだが
美雪はそのことをすっかり忘れてしまっていた。
美雪は女子大生の割には30代っぽい服を好み、
白のマキシスカートに紺色の夏物カーディガンでコーデしていた。

これがまた困ったことに太盛の好みだったので
太盛は死んでも彼女を元の世界に戻すつもりなどなかった。

「なんだかよく分からないけど、君は別の世界から来たようだね。
 だったらなおさら今すぐ帰る必要はないよ。
 しばらく学園の見学も兼ねて僕と一緒に暮らそうじゃないか」

「あの、はっきり言っていいですか?」

(*^▽^*)ん?

(´・_・`) いやです。

あっさり振られた。当然だが。
太盛はショックで血を吐き倒れたが、すぐに起き上がった。

(^ω^)私はお兄ちゃん萌えなんですよ
(;゚Д゚) お兄ちゃん萌え?‥…? なんだそりゃ

美雪はちょっとピアノを借りますねと言い、ピアノを
引きながら兄への愛を語ろうと思った。だがこの小屋には
ピアノなんてなかった。古風なデザインの棚にジュニア用の
鍵盤ハーモニカがあった。美雪はそれを拝借し、
伴奏を初め、よく通るソプラノで歌を歌い始めた。

(=゚ω゚)ノ 私が〜 兄を〜 愛してるのは〜〜〜 理由がございます〜

(∩´∀`;) な、なんだこの子は……。いきなりオペラの練習を始めたぞ

(=゚ω゚)ノ 小さい頃から〜両親は〜〜共働きで帰りは夜の11時〜〜
     兄と2人で家事を分担し〜〜買い物や料理も〜〜〜

美雪は18分もの間歌い続けた。鍵盤ハーモニカは口に付けて吹くので
歌の間は、演奏を中断させている。歌と伴奏を交互に繰り出すので
相当な腕前である。シューベルトの魔王をイメージした見事な
即興曲だったので、太盛は途中からスマホで彼女の美しい歌声を録音しておいた。
あとでパソコンで編集して夜のおかずに使うつもりだった。

(´ー`) なるほど。
     両親がエリート過ぎて兄妹(けいまい)の絆が深まったというわけだね。

( `ー´)ノ ですから〜〜あなた様と〜〜結婚はおろか〜〜〜
       お付き合いすることすら〜〜〜かないませ〜〜ん

太盛は完膚なきまでに振られたに等しい。だが諦められない。
一人っ子の太盛は以前から妹に憧れていたこともあり、
美雪が欲しくてたまらなくなったのと同時に、兄の賢人に嫉妬する。

すでに美雪の心は賢人でいっぱいだ。渋谷兄妹は真剣に愛し合っている。
賢人が美雪を振ったように、太盛も美雪に振られる運命なのだ。

(*^▽^*) 美雪ちゃん。やっぱり俺と結婚してくれ

( ゚Д゚)ハァ? あの、失礼ですけど、耳ついてますよね?
       さっき録音していた私のオペラを再生してみてくださいよ

(;一_一) 君はお兄さんと結婚するのは無理だ。
      君のお兄さんをみてごらんよ

(´・ω`・)エッ?

さっきまで⊂⌒~⊃。Д。)⊃この状態だった最愛の兄はいなくなっていた。
代わりにいつからいたのか、一匹の『ヘラジカ』がそこにいた。
でかい。体長が3.1メートルもあり、小屋を圧迫している。

太盛は、賢人はヘラジカに変身したと説明した。
実は太盛は病気から復帰してから魔法が使えるようになったのだ。

ここにいる太盛は、本物の太盛ではなかった。「ジン」である。
かつてクルアーン(コーラン)が伝わる前のアラビア半島で
古く言い伝えられていたジン。
コーランでもジンの存在は認められている。

煙の出ない炎の中から生まれた異端者。土くれから創造された
アーダム(アダム)とは根本が違い、悪霊の一種とされている。

ジンを階級別に表すとアラビア語で
マリード、イフリート、シャイターン(サタン)、ジン、ジャーンがある。
訳すと魔霊,鬼神,悪魔,妖霊,悪霊。太盛の場合はイフリートだった。

太盛・イフリートは人を動物の姿に変えることが得意なのである。
美雪の肩をポンと叩き、
兄を元の姿に戻してほしかったら自分と結婚しろと迫った。

(お兄ちゃんが、ヘラジカになった……?)

兄の姿は確かに消えているが、いきなり変身したと言われても納得できない。

美雪が見てない間に誰かが連れ去ったか、にしても
ヘラジカが小屋に入ってくるのをスルーするほどボケてない。
やはり兄はヘラジカになってしまったのか。

「お兄ちゃん」
「ひひーん」

ちゃんと返事をした。ヘラジカのつぶらな瞳は、確かに美雪を見ている。
愛おしそうに美雪に頬ずりまでしている。さらにありがたいことに
ヘラジカの首からネームプレートが下げられていて、渋谷賢人・ヘラジカと書かれている。


そもそもヘラジカとは何か。
筆者は適当に小説を書いているだけで実物を見たことがない。
辞書で調べてみよう。

wiki
ヘラジカ(箆鹿、Alces alces)は、哺乳綱偶蹄目シカ科ヘラジカ属に分類されるシカ。
本種のみでヘラジカ属を形成する。別名オオジカ。

ピクシブ百科事典
シカの一種。トナカイではない。
偶蹄目シカ科に分類される哺乳類の一種。
漢字表記は「箆鹿」。巨大な角をヘラに見立てての命名。
原住民による名前は「木を喰う者」の意味を持つ。

「ふざけないで!!」

美雪は切れた。
今すぐ兄を元に戻せと、大塚家具の8万もする椅子を持って
暴れ始めた。太盛・イフリートは顔を強打しても平然としている。

美雪は不良学生のように小屋中のガラスを割って回った。
驚いた護衛たちが外から駆けこんでくるが、イフリートがそれを制した。

「太盛君、これは何の騒ぎなの!!」妻がやって来た。
「パパが誰かと遊んでるのかな?」ジュニアも一緒である。

太盛は、ママに抱っこされているジュニアの髪を撫でたあと、こう言った。

「ミウ。突然だが俺と別れてくれ」

「は……。別れる!?」

「紹介するよ。俺の新しい奥さんの渋谷美雪さんだ」

ミウは早く冗談だと言って欲しかったが、太盛は馴れ馴れしくも
美雪の肩を抱き寄せ、頬にキスまでした。美雪は兄がトナカイ?に
イメチェンしたショックで対応する余裕がない。

(;゚Д゚) せまる……く……ん? なにを……いってる……の…?

(^○^) パパがよその女の人と浮気してるー 浮気だ浮気だー

太盛は、ショックで震えているミウの頬をつねったが、
反応はない。美雪も同様だ。ジュニアだけが元気だった。

「そろそろ第三シーズンに入ろうか」太盛は第二部の終了を告げた。


          ※ 令和10年 第三シーズンは性的描写を含むため、
                    星空文庫様へ投稿しております。


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