※ひとみん
前話の首相の演説はまさしく最低でした。 史上最低の演説でした。
この世界の労働者は生活費が足らず、 消費者金融や銀行カードローンで 借金をして生活をしています。個々人の平均の 負債残高は2000万から6000万と言われています。 しかも金利が14%から21%。つまり一生返せません。
あの演説は、今までギリギリのところで 努力して頑張って来た労働者に死を宣告したのに等しい。
(´・ω:;.:... 賢人はORZになり、 子供のように泣いています。
やっぱり死んだほうが良いと口にしています。 気持ちは分かるけどね。私だってパパから 生活費を支給されていなかったら自殺していたと思う。
「賢人はお金の心配はしなくていいのよ」
私は彼の頬にキスしました (*´ε`*) Σ(゚Д゚) あっ…
「生活費は今まで通り父に出してもらうわ。 父は会社の経営者で資本家よ。 私と結婚すればあなたも勝ち組に入れるの」
今まで私は金持ちなことを絶対に自慢したくなかった。 けど今は金持ちを武器にしてでも彼を口説かないといけない。 私の目的は彼と夫婦になること。そして夫婦関係を 一生涯継続すること。ただそれだけなの。 今の私には賢人以外の人間は視界に入らない。
「ひ、瞳と結婚すればお金に困らないのか」 「そうよ。だから自殺なんて考えなくていいの」
よしよし ヾ(・ω・`) (*´Д`) あ…
賢人の顔、かわいい (≧∇≦)(・∀・)!!
ほらね。最後はお金よ。 生きていくのに一番必要なのは…
旦那ですか? 愛する子供ですか? 一軒家ですか?
違いますよね。
『お金』です (∩´∀`)∩
この作品では第1シーズンから お金の大切さを繰り返し述べてきました。
これは何も小説の設定ではなく、現実そのものです。
『金』のない奴は将来死ぬ。野垂れ死ぬ。 政府も自治体も友人知人も会社も誰も 助けてくれない。
最後は……死ぬ!!!!!ヽ(^o^)丿
「賢人は今は若いからいいけど、 将来病気や怪我で動けなくなる時が来るわよ。 そんな時に病院に行くお金もない状態で死にたいの? (*^▽^*)」
「う、うう(;´∀`) 確かにそれは困る」
「(*^▽^*) すごく苦しいでしょうね。誰も助けてくれないのに 治療費を払うお金もないんじゃ。ご飯も自分で 作れない。買い物にも行けない。確実に飢え死にね」
「飢え死に…」
「飢えて死ぬ。これがどれだけ悲惨か分かる? じわじわと、生まれてきたことを後悔しながら 思考力を日々奪われ、腕や足も上がらず、 毎日食べ物のことを考えながら死んでいくのよ」
「い、いやだぁ。死にたくないよぉ。 死ぬのは怖いよぉ (>_<)」
「うふふふ。(´∀`*) ウフフフフフフ」
――でも大丈夫よ
(゚д゚)!え?
「賢人は私の夫になるんだから (´∀`*) 私は夫を一生金銭面で支えると今この場で誓うわ (*^▽^*)」
私達は、時給210円のブラック企業勤務。 ブラック企業とは、営業利益を稼ぐために 極限まで人件費をカットするクソ企業。
その手の企業は売上金を従業員に還元しないんだから、 内部留保金を大量に保有している。特に製造業に多い。
経営が苦しい外食産業などと違い、 私の会社(ペンタック)は主要な取引先が ファースト・リテイリングなので大儲け。 ファーストリ(略)は東証一部の時価総額ランキングでも ベスト8に入る優良企業。業績絶好調。
私はパパから年間の生活費他を受け取っていますが、 その源泉となっているのはブラック企業の売上金の 一部なのです。
こう考えてください。 私を含めて多くの従業員が奴隷にされている一方、 パパの会社の剰余金は私に流れてくる。 つまり私は会社の経営が傾かない限りは、 一生飢えることがないのです。
前作で散々書きましたが、私は個人資産の総額が 1000万を超えていまして、毎月の給料は 使い道がないので全額貯金してます。
さらに母から毎月お小遣いを5万円もらっています。 もはや会社で働いてるふりをしているニートとも呼べます。
冷静に考えたら、私ってかなりのお金持ちだったのね。
(∩´∀`)∩ ニート、ばんじゃーい
「瞳さぁん。助けてくれぇ :;(∩´﹏`∩);: さっきまで冷たい態度を取ったことは謝るよ」
「そんなの全然気ににしなくていいのよ。 私も悪かったんだから、お互い様ってことで仲直りましょう。 それにお金のことは大丈夫だって言ってるでしょ? (。・ω・。)ノ」
「((((;゚Д゚)))) ガクガクブルブル」 「こんなに震えちゃって。かわいー (´∀`*)ウフフ」
首相の演説のおかげで私寄りの展開へ変わりました。 グッジョブ!!!!! (∩´∀`)∩
賢人は一生私に縋り付かなければ 生きていけないのです。
これにてこの物語自体に終止符を打とうと思いましたが。
「(´・ω`・) 冷静に考えると、美雪も株をたくさん 持ってるじゃないか…」
問題はそこです。 美雪さんは外貨建ての資産とはいえ、 現物株式で1億円を超える資産を保有しています。 しかも長期投資のための高配当銘柄で無駄がない。
資産は渋谷家の父から譲渡されたものです。 説明すると一話丸ごと使うことになるので、 くわしくは前作(第1シーズン)を参照してください。
美雪さんは何もしなくても勝手に配当金が入ってきます。 外国株式は日本株より多く課税されますが、 それでも手取りで240万はくだらないでしょう。 (日本円での換算は、その時の為替レートにもよりますが)
「美雪も俺を一生守ってくれるって言ったんだ (;´・ω・)」
「賢人。こう考えてみなさい (; ・`д・´) この会社での雇用はどうするの? 賢人は…まあないでしょうけど、仮に万が一 私を振ったりしたらこの会社を首になるわ」
「首になるの? Σ(゚Д゚)」
「私とあなたの婚約は会社の規則になっているから。 規則違反の人は銃殺刑なんだけど、最低でも首になるわ」
「首になったら転職か……」
「今は令和10年。転職はうまくいかないわよ」
「((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」
転職したらどうなるのか。
まず派遣会社の営業に怒られる。 就業先のペンタックに迷惑を掛けたとして、 天井から宙づりにされ、 顔面が変形するまで殴打される。
転職先をあっせんするのは派遣会社の仕事。 紹介される会社はさらなるブラック。
直射日光を浴びながらの建築現場での作業。 作業員の6割は外人です。原発の作業員。 現実世界でも借金の額が多い人が優先的に配置されます。 上にあげた仕事は平均して時給400円です。
時給230円で三交代の医療介護のお仕事。 一日の労働時間は14時間を超えるため、 実質二交代なのに募集要項は三交代です。
外食店では人手不足によりワンオペが横行。 さらに食料品店、ドラッグストア、家電量販店は お金のないお客によって毎日襲撃されています。
戦車、装甲車、突撃法による攻撃を毎日 かわしながらの接客業です。平均時給210円。 こんな仕事をやりたい人はまずいないでしょう。
賢人の登録してる派遣会社は、製造だけでなく 事務やエンジニアなど幅広い職種を保有しています。 システムエンジニアやプログラマーなら 一日の労働時間が19時間が基本です。
時給は500円とかなりの高収入ですが、 勤務を始めて14日以内に病気になる人が大半。 無理な納期に追われ、発狂してビルの屋上から 飛び降りる人が後を絶ちません。
これらの就業先に共通するのは、会社に許可なく 遅刻早退欠勤を繰り返す人は拷問の末、銃殺刑になること。
「ひとみさん。やっぱり助けて ゚(゚´Д`゚)゚。」
「ええ (´∀`*) 助けてあげるわ。 ただし、結婚してくれたらね ( ・´ー・`)」
「分かりました (*・ω・)(*-ω-)」
「あら嬉しい (*^▽^*) ようやく素直になってくれたのね」
今の会話をスマホで録音しておいたわ。 あとで会社の本部に送信すれば公式記録として残る。
勝った!!! (*´▽`*)
これで渋谷美雪に勝ったわ!!! (∩´∀`)∩
どんな方法であれ、結婚すればこっちのものヨ!! 私たちの婚姻関係をペンタックの法律化してしまえば、 賢人を私の私物にすることすら……可能 ( ・´ー・`)
もう賢人は私を振ることもできない。 私の夫でいることを拒否する権利もない。 ついに目標の第一段階を達成した!!!!
あとで彼の苗字を坂上に変えておくわ。 坂上賢人。良い響きね。偏差値が3くらい上がりそうよ。
「あ・な・た (⋈◍>◡<◍)。✧♡ そろそろ職場に戻りましょうか。 お昼休みが終わってから48分も経過してしまったわ」
「うん (^○^)」
問題は彼と今後も婚姻関係を継続することよ。 私は絶対に他の若者みたいに離婚しないんだから ( ・´ー・`)
|
|