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作品名:令和10年 兄妹の物語 第二シーズン 作者:なおちー

第25回   郵便局を襲撃したらどうなるか
『かんぽ生命から国民を守る党』は、
瞳から手に入れた2兆円を有効に活用した結果、
なんと時空を超えてヒトラーのドイツ軍の精鋭部隊を
現代に償還することに成功した。

時は第二次世界大戦。
対ソビエト連邦侵攻作戦
「バルバロッサ作戦」のために用意された戦力である。

•北方軍集団(ヴィルヘルム・フォン・レープ元帥)
  第18軍、第4装甲集団、第16軍

•中央軍集団(フェードア・フォン・ボック元帥)
   第3装甲集団、第9軍、第4軍、第2装甲集団

•南方軍集団(ゲルト・フォン・ルントシュテット元帥)
  第1装甲集団、第11軍、第6軍、第17軍、ルーマニア2個軍

ドイツ語のアルファベートで
A(あー)、B(べー)、C(つぇー)
を頭文字にした、三つの軍集団とも呼ばれた。

高度に訓練されたドイツ兵が約300万。
戦車5000両、航空機が7000機、各種火砲4万門(たぶん)である。

それに加えて、枢軸国諸国の兵力

ルーマニア王国、
ハンガリー王国、
フィンランド、
スロバキア共和国、
クロアチア独立国
イタリア王国

の計100万を加え、総勢400万とした。

この戦力が目的としたのは、『ソビエト連邦の撃破』
『ソビエトの全野戦軍の撃破』である。

野戦軍とは、ソ連が保有する移動可能な全ての兵力を差す。

wikiより
開戦後三週間でドイツ軍はバルト、白ロシア、ウクライナの過半を占領し、500Km進撃した。
赤軍の被害は甚大であり、7月30日までに兵士65万人、航空機3468機、砲12000門、
物資集積所200箇所を喪失した[83]。軍需物資を前線に集中していた影響で
国内に蓄えられた物資のうち52%が失われ、前線の将兵は弾薬や燃料の欠乏に苦しむことになる。


久喜郵便局は、武装した職員が主な戦力なのに対して、
かん党が呼び出したのは、本物のドイツ軍であり、
あのフランスやイギリスでも歯が立たないほどの、
正真正銘の戦闘のプロ。欧州で最強の戦闘集団である。


久喜郵便局
「まいりました。降伏します⊂⌒~⊃。Д。)⊃」

久喜郵便局は、顧客から不正に預かっていたお金、
総額4億円分を返却すると申し出た。
かん党は、これに応じた。

美雪「 (;゚Д゚)ちょっと待ってもらっていい?
   なんでドイツ軍が現代によみがえってるの」

瞳「お金の力で何とかしました (*^▽^*)」

美雪「金でどうにかなるか!!」

賢人「まじでちょっと冷静に考えさせてもらっていいか?
   これってソ連の1200キロに渡る国境線を超えて侵略するための兵力のようだが…。
    まずこれだけの膨大な兵力が久喜市に集まるって、いくら
    小説でも不可能だろ。久喜市の人口って10万もないんじゃないの?」

瞳「久喜市は意外と広いのよ。
  公園とか使えばなんとか入りきるでしょ」

美雪「アホか!! (;´∀`)」

瞳「なによ!! Σ(゚Д゚)」


冷戦時に米英の軍首脳が、ソ連侵攻のために
ドイツ軍のバルバロッサ作戦を模倣した作戦を考えたが、
実現不可能だと判断し、最終的に断念するに至った。

まずソ連は国土が広く人口も多い。その他インフラ設備の不備、
過酷な気候条件など侵攻する側には相当に不利な条件である。

第二次大戦後の戦勝国側である米英は戦慄した。
米英が仮に1000万を超える兵力を有したとしても、
ソ連を滅ぼすことなど不可能だったのだから。
(核兵器の有無を考慮せずとも)

それほどドイツ軍が立案し、実行した対ソ侵攻作戦は
良く計算されており、合理的であることが明らかになった。

ドイツ軍が編み出した、航空機の爆撃と戦車の突撃を組み合わせた電撃戦。
敵側に防御したり考える暇を与えない。
現地指揮官による即断即決によって、戦場で発生する
あらゆる事態を速やかに解決していく。
ドイツの強さの源は、「速さ(臨機応変)」にあった。

いちいち上司の指示を仰がないと判断ができない日本の
サラリーマンとは対照的である。

末端に至るまで兵隊の士気が高く、教育水準も高く、訓練は行き届いている。
ドイツ将兵はまさに戦闘のプロ。ドイツに比べれば他の欧州軍はアマチュアである。

そして米英を中心とした連合軍は、地球人類で
ソビエト連邦のような巨人相手にあれほどの
大侵攻作戦を実施できたのは、後にも先にも
ドイツのみだという結論に至った。

ちなみにソ連軍が、ドイツのA・B・C軍集団を最終的に撃破するまでに
およそ2000万はくだらない損害を出しているのだから、
ドイツの戦闘力の高さに震えるばかりである。

ヒトラー「我らアーリア人種は世界の第一となるべき人種なのである!!」

↑事実だから困る。過去作、午後2時55分〜でも述べているが、
ミサイルや原爆も、そもそもドイツ系ユダヤ人が開発したものであり、
戦闘だけでなく理系の分野でも世界のトップである。

あとクラシック音楽の本場もドイツであり、
自動車、医学、歯科学、工学、光学なども有名だ。
筆者の趣味の分野でも、ヘッドホンメーカーも世界一はドイツ(ゼンハイザー)
双眼鏡メーカーもドイツ(カール・ツァイス)が最強。
他にも探せばたくさんあるだろう。


美雪「さっきからドイツ軍、ドイツ軍ってうるさいんじゃ!! 
   そもそもかんぽ生命とドイツ軍のどこに関連性があるんや!!
   もう小説の体を成しとらんわ!!
   はよ台本書き直さんかい、瞳のドアホが!!」

瞳「ドアホって……関東でアホって言葉使う人めずらしいわね。
  前から思ってたけど、美雪さんって関西(近畿地方)で生まれ育ったの?」

賢人「いや美雪は生まれた時から埼玉県育ちだよ。
   美雪は中二の時、関ジャニが好きだったんだよね」

美雪「うん。木曜のラジオとかよく聞いてたから、
   自然と喋れるようになったの」

瞳「えー意外ね(>_<) ジャニオタだった時期があったの?」

賢人「ジャニオタって程じゃないよ。
    友達に勧められてちょっとCDとかDVDを集めてみたんだよな?」

美雪「でもすぐ飽きちゃったけどね。お兄ちゃん離れをするためにって
   頑張ったんだけど。やっぱり駄目でした。
   だってアイドルなんてただの憧れ。話したり付き合えるわけもないじゃん。
   私のことを一番よく分かってくれるのは、お兄ちゃんだけなの (&#8904;&#9677;>&#9697;<&#9677;)。&#10023;&#9825;」

美雪(´っ・ω・)っギュッ 賢人(;´∀`) お、おい、ヒトミさんの前でダキツクナ…

瞳「さっすが生粋のブラザー・コンプレックス。昔からひどい病気だったのね。
   今からでも遅くないからジャニオタ・デビューでもしたらどう?」

美雪「やかまいしいわ (^_^メ)」

賢人「おーい、ひとみん」

瞳「なーに (;・∀・)?」

賢人「美雪のブラコンをバカにするなよ!!」

瞳 (´Д`)!??  美雪 Σ(・□・;)?

賢人「聞いてるのか? なに驚いた顔してるんだ。
   俺は瞳のブラコンをバカにするなって言ったんだ!!
   …間違えた。瞳じゃなくて美雪だった」

瞳 .o0 (>_<)私がブラコンなんてありえないわ。私の兄はクソよ。

賢人「美雪がブラコンで悪いか? 美雪がブラコンってことで
   瞳さんに何か迷惑かけたか!? ……かけてないだろうが!!
   いっつも俺の美雪をバカにしやがって!!」

瞳「あ、あの (;゚Д゚)」(思いっきり迷惑かけてますよね!!?)

賢人「もう君とは付き合ってられない!!
   これで何もかも終わりだ!!」

賢人は、瞳にきつめのビンタをした。

パシーン(>_<)

すると瞳嬢は、

(´Д⊂ヽ うっ……うう……いたいよぉ……

( ;∀;) うっ……ううっ……どーしてぶたれたの…

:;(∩´&#65103;`∩);: ぐっ……ぐすっ……

(ノД`)・゜・。びえええええん。賢人が私をぶったああああ

例によってこうなった(推定年齢、三歳)

美雪は、積年の恨みを込めて瞳のお尻を蹴飛ばしてやった。

ひとみちゃん( ;∀;) ぶわあああああああああああああああああ
      いだいよおおおお!!

美雪(;´∀`) ふふ。いい気味ね

美雪(´-`).。oO さすがにお兄の言ってること矛盾してるよ。
         どう考えても私のブラコンのせいで瞳の縁談を
         破談にさせていたのに、瞳に何か迷惑かけたかって……


(^ω^) 
  もう何もかも めんどくせえ ← 準備運動を始めた賢人。
 

美雪「お兄ちゃん。どこ行くの!! 私も行くよ!!」

賢人「ええい。おまえは着いてくるな!! これは男の戦いなんだ!!」


賢人は、スプリンターのごとく駆けだした。

美雪 (&#2669;&#2369;´・ω・`)&#2669;&#2369;&#8318;&#8318; おにいちゃーん!!!!!

……速い。

美雪は兄を見失わないよう必死に駆けるが、全く追いつけない。
男女の差があるにしても異常なスピードである。
賢人の脚力は、もはや人類すら超越し、チーターと同等かと思われた。

1分もしないうちに彼の背中すら見えなくなってしまう。
美雪はさすがにチーターと追い駆けっこをする気にならず、諦めた。

25歳にしては落ち着いており、ペンタックの奴隷労働にも耐え、
どんな時でも美雪の味方をしてきたはずの優しい彼がなぜ……?

美雪(着いてくるなって言われた……(>_<)ズキン)

それにしても、男の戦いとは、どういう意味なのだろうか。

事件の後に彼が語ったことは、こうである。

「男には、女の相手をするのに疲れる時がある」
「そんな時は一人になりたい。どこか遠くへ行きたい」
「あるいは、全く別の女の子と仲良くなりたい」

よくわからない理由である。

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チャプター25.5 美雪「お兄ちゃんが、家出した!?」
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その日、家に帰ると賢人はいない。

渋谷美雪と坂上瞳は、初めて彼のいない団地での生活を余儀なくされたのだ。

美雪「あれだけ探したのに見つからなかった……」

兄は今ごろ、どうしているのだろうか。
夜には必ず妹の自分のところへ戻ってくるはずなのに。
もう夜の7時半を過ぎた。夕飯時のはずだ。

美雪(お兄ちゃんの小銭入れには740円しか入ってないのに。
   どこでご飯を済ませるつもりなんだろう。
   今夜どこで寝るつもりなんだろう……)

警察に行方不明者の捜索願を出すために電話したが、繋がらない。
久喜市の警察署は、強盗の度重なる襲撃を受け壊滅していたのだ。
つまりこの市はもはや無法状態なのである。

最悪、兄がどこかで死んだ可能性すらあるのだ。

瞳「そのうち戻ってくるでしょ (;´・ω・)」

瞳は楽観。意外にも。

瞳「私達が悪いのよ。私達が彼を精神的に追い詰めてたんでしょ。
  逆の立場になって考えてみたら自業自得かもしれないわ。
  私彼に何度もビンタしちゃった。割と本気で
  嫌な女だって思われてる自覚はあるもの」

美雪は彼を心配している旨のラインメールを
80件ほど送っていたのだが、つい先ほど返信が来た。

『うるせー。ほっとけ』

これだけだった。顔文字もなしである。

(^_^メ) お兄ちゃんの馬鹿。
人がこんだけ心配してるのに (ノД`)・゜・。

怒りと悲しみ、やるせなさ。
ギュッと握った拳の上に、涙がこぼれ落ちる。

瞳「けんとぉ。(*´ε`*)チュッチュ」

瞳は自分のスマホに繰り返しキスしている。
一番イケメンに見える角度の彼の写真
(待ち受け。しかも隠し撮り)に対してである。

瞳「賢人さみしいよぉ。(*´ε`*)チュッチュ
  でも今は写真だけで我慢してあげる。
  気持ちが落ち着いたら、またいつでも戻って来てね
  (*´ε`*)チュッチュ」

美雪(キモッ。でも言うと喧嘩になるからやめとこ)


彼女たちは知る由もなかったが…

賢人は青信号を確認しないで歩道を渡ろうとした結果、
真横から走ってくるトラックにひかれてしまった。

ぽぎゃああ  ⊂⌒~⊃。Д。)⊃

現場から37メートル吹き飛んだあと、激しく吐血。
救急車で病院へ運ばれた。
彼は吹き飛ぶ際に肋骨の骨がバキバキ折れる音を確かに聞いた。

そもそも37メートル吹き飛ぶほどの物理的圧力が
加わった時点で怪我を通り越して即死だろうが、
小説なので細かいことは気にしない。

賢人「お、俺は……死ぬのか……」

見知らぬ、天井。
病院のベッドで点滴を受けていた賢人。
術後は全身がミイラのように包帯だらけかと思いきや、
意外にも外傷なく。むしろ普段通りだった。
体を動かしても、あえぐほどの激痛が襲ってこない。

変わっているのは病院服を着ていること、
左の腕に点滴注射がされていることだった。
キャスターに設置された点滴袋には渋谷賢人とマジックで書かれている。

マリ「おにーちゃん (∩´∀`)∩」
イズミ「お見舞いに来たよー (´ρ`)」

賢人「き、君たち。どうしてここに…」

(∩´∀`)∩ おかーさんに賢人お兄ちゃんを探せって言われたの
(^○^) 美雪おばさんが心配してるんだって言ってたよぉ

賢人(ミユキの奴、カグちゃんに捜査依頼をしていたのか。
   余計なことしやがって。この流れだと俺は…)

賢人「俺を団地に連れ戻すつもりかい?」

ヽ(^o^)丿 そんなことしないよぉ
(∩´∀`)∩ お兄ちゃんは 一人になりたいんでしょお?

賢人「(>_<) そ、そうだ。俺は結婚とか婚約とか、
   ああいうのに疲れたんだよ!!
   正直かんぽ生命のこともどうでもいい!!」

(`・ω・´) じゃあしらばく(・´з`・) 私達と一緒にあそぼー

賢人 Σ(゚Д゚)えっ

ちなみに彼が収容されているのは千葉県松戸市の総合病院である。
賢人は必死で走るあまり、埼玉県を超えてはるばる千葉県に来ていたのだ。
そして松戸市役所前の交差点でトラックにひかれてしまい、現在に至る。

賢人「遊ぶって……ごめんね。
   お兄さんはちょっと旅に出たい気分なんだよね」

(゜-゜) 私たちはお兄ちゃんといると楽しいよぉ
(*´ω`) どこへでも付いて行くよぉ

賢人(か、かわいい(*´Д`)ハァハァ)

同僚の娘だとはわかっいる。しかし、瞳や美雪など
大人の女のいざこざに巻き込まれてストレスを
ため込んでいた彼にとっては天使に違いない。

犯罪だと分かっていながらも、
どこか遠くの場所へ連れ去ってしまいたくなる。

賢人「じゃ、じゃあ。ちょっと遠出しようか」

(=゚ω゚)ノどこへー?

賢人「ヒマラヤ山脈」

Σ(゚Д゚)?! Σ(゚Д゚)?!

令和10年。まさかの海外旅行編!??


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