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作品名:令和10年 兄妹の物語 第二シーズン 作者:なおちー

第2回   賢人「会社のお昼休みのシーンから再開か」
※けんと

前回どんだけ中途半端な終わり方したんだよ。

今日は6/18日 火曜日の昼休み(12:00〜12:50)
俺はいつものように会社の食堂でお弁当箱を広げた。

美雪に作ってもらったお弁当は、
瞳の指示で道端に捨てられてしまった(;´・ω・)
美雪に後でどう謝ったら許してもらえるのか。
いっそ瞳に本気で抵抗すればよかったのか。でも逆らったら銃殺刑。

俺が死んだら、美雪は悲しむだろうな(;´∀`)
たぶんあいつは自殺して俺に続くと思う。

(*^▽^*)ジー

離れた席に座った瞳が、俺をずっと見てくる。
そんなに見られたら逆に食べにくいぞ。

瞳の手作り弁当は男としてうれしいさ。
こんな美人のお姉さんに作ってもらえるなんて
俺にはもったいないくらいだ。
だが問題はそこじゃない。

あの人は美雪の弁当を生ごみ呼ばわりした。
令和10年になってから一番傷ついた言葉だぞ。

「くそっ!!」

俺はお弁当抱えたまま走り出した。
ここだと瞳がいるから腹が立って仕方ない。

職場の机で食べることにしよう。
規則違反になっちまうが、構うものか。
この時間なら誰いやしないからな。

現場に行くと2人の男性オペレーター(印刷機械)が
机に突っ伏して寝てやがる。こいつら何してんだよ。
飯食わなくていいのか。

「あれ!?」

俺の机の上には、捨てられたはずのお弁当があった。
ちゃんとお弁当包みにくるまれている。
見た目も綺麗で泥汚れなどは見られない。

「おう、その弁当なんだがよぉ」

オペの一人が俺に話しかけて来た。寝てたんじゃねえのか。

「大塚さんちのカグちゃん(キャラは前作参照)が
 ここまで届けてくれたんだ。
 なんでも、朝っぱらから道端に不自然に捨てられてるお弁当が
 あったって話でよ。その包みのデザインはおめーのだろ、シブヤ」

カグちゃん……ありがとうヽ(^o^)丿
あとでお礼を言わないと!!
それにしても俺のお弁当だってよく分かったよな!!
普段から食堂で俺の姿を見てたのか?

「残すわけにもいかねえし、二人分食うか( ゚Д゚)」

もたもたしてると他の奴らがここに戻って来ちまう。
さっきも説明したが、現場で食事をする奴は規則違反だ。
この会社の法律(会社ごとに法律がある)に違反すると
監禁、拷問、虐待、銃殺刑が適用されることになる。

今の日本では資本家連中が日本の全ての権利を独占し、
意にそぐわない国民や従業員は好き放題虐待できるのだ。

「うっぷ( ゚Д゚)さすがに食いすぎた。(;^ω^)
 味わう暇なんてなかったし、少しでも体力を回復させるために寝るか」

昨日は瞳のヒステリーにおびえて、妹に抱き締められながら
眠りについた。俺は瞳に殴られて二度吐血したこともあり、
精神的にも肉体的にも激しく消耗したが、ギャグマンガ(小説)なので
一晩寝たら治った。しかし体は良くなっても寝不足の設定だけは消えてくれない。

「ねえ。ねえったら」

誰だようるせえな。俺は寝てる時に起こされるのが一番ムカつくんだよ

「お弁当の感想を聞きに来たの。どうだった?(*^▽^*)」

うわああああ!! 瞳がいるじゃないか!! 一瞬で目が覚めたぞ!!

( ゚Д゚) すごくおいしかったよ!! 
(*^▽^*) そう。残さず食べてくれてよかった
( ゚Д゚) 瞳は料理が上手だねぇ。ま、毎日作ってもらいたいなぁ
(*^▽^*) おかしなこと言うのね。今日から毎日作るって言ったのに
( ゚Д゚) あ、あはは。そうだったね

(*^▽^*) ねえ。ところで、それなにかな
(´・ω`・) え?
(^_^メ) どうしてお弁当箱が二つもあるの?

また修羅場だ。朝起きて修羅場。通勤途中で修羅場。昼休みも修羅場。
きっと家に帰ってからも修羅場なんだろう。もう疲れた(;´・ω・)

俺は馬鹿じゃないので瞳がヒスるパターンも大体把握できた。
ここで正直に大塚家具ちゃん(別名久美子さん)が拾ってきたと言えば、
カグちゃんが銃殺刑になりかねない。俺が拾ったとした場合も論外だ。

瞳は美雪の存在を認めない。美雪が俺と結婚したがっていること、
俺にお小遣いをあげること、俺にお弁当を作ってあげること。
全てが気に入らないんだ。それは良く分かったよ。
だったら俺はこう言うね。

「俺がそんなに悪いことしたのかよ!!」

キレた。お笑い界でも通用するキレ芸である。

「あえて理由は説明しないが。俺は君と妹の作ってくれたお弁当を
 ここで食べただけだ!! 残さず食べたぞ!! 何か問題があるのか!?
 ああ!? 黙って聞いていれば朝からごちゃごちゃ細かいこと
 ばっかり言いやがっていい加減にしてくれ!! うるせえんだよ!!」

「賢人…」

「だいたい美雪のこと何度も悪く言いやがって!! 
 今朝も歩いてる時ずっと美雪の悪口言ってくれたよな!?
 肉親を悪く言われたら誰だって傷つくだろうが!! 
 美雪は俺の大切な妹なんだぞ!! 
 人の気持ちを察しろとしつこく聞いてくる割には、 
 俺がずっと我慢して聞いてたの気づかなかったのか!?」

瞳は唖然としていた。
さすがに怒鳴られることを想定してなかったのだろう。
俺がおまえさんの奴隷だと思ったら大間違いだぞ。
俺は一人の人間だ。主張したいことは、はっきり言わせてもらうね。
もう赤の他人じゃない。同棲してるんだからよ。 

「あなたはおかしなことばかり言うのね。
 私は美雪のお弁当を捨てなさいと言ったの。
 もちろん食べる必要もないわ。
 あなたは私の指示に従わなかった。それが問題なの」

「そんなクソみたいな命令に従う義務が俺にあるのか!?
 ああ!? 社長令嬢だからって調子こいてんじゃねえぞ!!
 君の指示なんて知らねえよ!! 俺にムカついたなら
 さっさと銃殺刑にでも何でもしてみろよ!! おら!!」

「銃殺刑は言いすぎたわ。本気であなたを殺すつもりはないけど、
 お仕置きは必要だと思うのよ。あなたもこれからは坂上家のファミリーに
 なるのだから、母様直伝の腹パンによる制裁を食らってもらうわ」

ブオオオン

俺は、風を切る彼女の拳を、間一髪で交わすことに成功。
しかし体のバランスを大きく崩し、
オペ陣のいるテーブルへ突っ込んだ。

ドンガラガッシャーン!! ←昭和の漫画でよく使われた擬音。

いてえΣ(゚Д゚)パソコンの画面で肩を打っちまった。
痛すぎて午後の仕事に直ちに支障が出るレベルだ。
この騒ぎを聞きつけてフロアに従業員共が集まってきやがった。
へっ。ギャラリーがいたほうがちょうどいいぜ。

「あー。みんなもこの惨状を見てくれ!!
 俺は坂上瞳に脅されて婚約を迫られてるだけなんだ!!
 今も殴られて再起不能になるところだったんだ!!
 こんな女と結婚するなんて監獄行きになるのと同じだ!!」

( ゚Д゚) (*・ω・)(*-ω-)( ヽ(^o^)丿 Σ(゚Д゚) (=゚ω゚)ノ
なんだってー。坂上さんって暴力振るうのかよ。ヤダー。社内暴力?
なんだよ痴話喧嘩かよ。違うよ修羅場じゃない? 離婚するのか?

「俺は妹の美雪のことを愛してる!! 
 だから瞳との結婚は無理なんだ!!」

シーン ( 一一)( 一一)( 一一)( 一一)( 一一)( 一一)

あれ? 反応が薄くなったな

「賢人。こっちに来なさい」

俺は階段横の人影のない所へ
連れ出され、思いっきりほっぺたをひっぱたかれた。

またしても暴力。何より怖いのが、
彼女が俺を殴ることに全く抵抗のないことだ。
俺は衝撃と恐怖のあまり(m´・ω・`)mこんな
顔になってしまう。

「あなたのせいでみんなの前で大恥かいちゃったわ。
 今すぐ私に謝ってちょうだい(#^ω^)
 そしたらさっきの演技はなかったことにしてあげるわ」

演技か( 一一) 俺の渾身のキレ芸は、
演技だと言われればそうなのかもしれない。

しかしここでひとみんにいじめられたら
ずっとこのままの状態が続くことは確実だ。

嫌なことは、はっきり嫌だと言うべきだと小学校で教わったぞ。
なんで小学校? 俺の頭は小学生レベルのなのかヽ(^o^)丿
とにかくはっきり意思表示はした方がいい。お互いのためにも。

「ひとみさん。俺は」

ぱっしいぃぃぃぃぃぃん

そこまで言ったところでまたひっぱたかれた (>_<)

二度もビンタされるのは新鮮だな。
痛む頬を女々しく手で押さえてしまう。

「ごめんなさいね。
 今賢人が寝言を言おうとしていたようだから、
 つい手が出てしまったわ」

なんだこの状況……( ゚Д゚) 
俺はただ彼女を振りたいだけなんだが、
口にしたら、ぶたれるのでどうにもならない。

トランプに関税戦争を仕掛けられたが
有効な対抗策が思いつかず、
毎月フルボッコにされてる習近平ってこんな気分なの?

「あなたは物分かりの悪い子だから
 もう一度分かりやすく言ってあげる。
 私にさっきのことを謝って頂戴。
 さあ謝って。早く謝って。今すぐ謝って頂戴」

「( TДT)ごめんなさい」

「そうよ。それでいいの。私とあなたはこれから 
 結婚するのを忘れないでね。
 長い人生で喧嘩することもあるでしょうけど、
 ちょっと喧嘩したからって関係が壊れることはないわ。
 だって私たちは偽物の関係じゃないのだから」

「うう…(;´∀`)」

「なにその顔は。不満なの?」

「こ、心が」

「なに?」

「心が持たないんです。今も殴られたショックで
 足元がふらつく。イライラして吐き気がする。
 まだ同棲を始めて三日目。
 結婚する前からこれじゃあ、絶対に離婚すると思います」

「離婚?」

俺は壁際まで追いつめられ、逆壁ドンをされた。
相手が年上とはいえ、女に壁ドンされるとは。
どんだけドMなんだよ俺(~_~;

「離婚はあり得ないわ」

「はい?」

「離婚するくらいならあなたを銃殺にして
 亡き者にしてあげる。
 ほら。こうすればあなたは私の夫のまま死ぬのよ。
 離婚するのは不可能でしょ?」

目がマジだ。昨夜、俺の妹のことを
殺す殺すと念仏を唱えていた時の顔だ。

なぜ俺にここまで執着するのか理解に苦しむ。
正直この会社でも俺の他にも若い男いるぞ。
瞳のお母様に頼んで縁談をすれば
いくらでも金持ちの男がいるだろう。腐るほどな。

「私、クリスチャンなのよ」

休日は銀のロザリオを首から下げていたから、
なんとなく察していたよ。それが何か?

「私は運命論者なのね。この世で起こる全てのことは
 天にいる神様が決めてるって信じてる。
 私は神様のご意思に従ってあなたと結婚したいと思ってるの」

「他に男を見つければ」

「いや。あなたじゃないと嫌。
 この会社であなたと知り合えたのは絶対に運命よ」

「恋愛ドラマの見すぎだよ。ごめんね。
 これ以上瞳さんと話してると疲れるよ。
 俺は今日でこの会社を辞めようと思う」

「なんですってΣ(゚Д゚)」

「もう無理」

「本気で言ってるの?」

「俺は瞳さんが嫌いだ。
 あなたと出会ったのは間違いでした。
 もう二度と俺の視界に入らないでください」

「……あなたは誰に対して
 そんな無礼な口の聞き方をしているの。
 今すぐ訂正するなら許してあげないこともないわ」

「さよなら」

「ちょっと待ちなさい。待ちなさいってば。
 渋谷賢人。待ちなさいっ!!」

俺はそのまま歩き出し、現場からお弁当箱を持ってきた。
俺がフロアに入ると全従業員が注目していたが、
もう今日で辞めるんだから関係ないよな。

こんなクソみたいな職場でも去ることに寂しさを
感じてしまう。俺は自分の机を見て、少しだけ
涙がこみ上げて来た。へっ。ペンタックに情があったのかよ。

そのまま更衣室のロッカーで私物をまとめ、
靴箱で外用の靴に履き替えると…

「賢人ぉ。よくも私を無視したわね」

スタンガンを手にした瞳が俺の前に立ちはだかった。

「この会社の規則を忘れたわけじゃないわよね?
 特別な理由もなく早退する者は尋問、拷問、
 銃殺刑が定番のコースよ」

「好きにしてくれていいよ。
 俺が死ねば美雪も自殺すると思うから、
 それで物語は終わりだ。
 はっきり言って君と夫婦になるくらいなら
 死んだほうが良いよ」

俺は精一杯の敵意を込めて瞳をにらんだ。
俺がこの美人を睨んだのは生まれて初めてのことだ。
すると彼女にも思うことがあったのか、急に態度を変えてきた。

「……賢人は色々あってちょっと疲れているのね。
 分かったわ。今日は私も言い過ぎたところもあるし、
 家に帰ってゆっくりしていいわ」

「その上から目線がもう限界だ」

「なに?」

「俺は君に支配されるのが嫌だ。君に会うのも、もう嫌だ。
 俺はこの会社だけじゃなくて団地からも出て行くよ。
 もちろん俺の愛する妹と一緒にな。止めてくれるなよ。
 俺と君が出会ったこと自体が不幸の始まりだったんだ」

俺は呆然とする瞳の横を通り過ぎようとしたが、肩をつかまれた。

「待ちなさいよ。まだ話は終わってないわ」
「そのスタンガンを使えよ。一瞬で俺を動けなくさせられるだろ」
「私がそんなことをする人に見える? これは脅しよ」

「……どっちでもいい。放してくれ」
「いやよ。あなた、本気で会社を辞めそうな顔してるじゃない」
「さかがみさん。放してください。制服が伸びちゃいますので」
「さかがみさん……? そっちがそのつもりなら絶対に離さないわ」

「僕とあなたは赤の他人ですから。さようなら」

「分かったわ。どうしても帰りたいなら、私も付いて行くわ。
 一緒に帰りましょう。今の貴方を一人にするわけにはいかないわ」

「どうして赤の他人と帰らないといけないんですか。
 今日の夜までに荷物をまとめて団地を出て行きますので」

「その他人行儀な話し方を止めなさい!!
 私に対して失礼だと思わないの!!」

「僕はすぐ怒鳴る人は大嫌いです。
 そんなに僕のことが嫌いなら一緒にいる意味ないと思いますよ。
 そういうことで、さようなら」

「ご、ごめんなさい。今のはつい声を荒げてしまったのよ。
 決してあなたのことが嫌いなわけじゃないわ」

「嫌いなんでしょう?」

「嫌いじゃないわ!! 神様に誓って言うわ。
 ねえ怒ってるの? 怒ってるんでしょう?
 顔が引きつってるわ。ちゃんと私の目を見て話して頂戴」

今までの会話を、俺たちは歩きながらしていた。
会社の駐車場を出た歩道を、腕組みしながらだ。
瞳は無理やり腕組みしてくるが、俺は顔すら彼女に向けない。
彼女は怒鳴った時も絶対に腕組したままだから笑える。

どんなカオスな喧嘩だよ。
このシーンをユーチューブにあげたら人気になるんじゃないか。
瞳は靴箱で履き替えてないから内履き(安物のサンダル)のまま
外を歩いているぞ。

「賢人くぅん(。・ω・。)ノ&#9825; 怒鳴っちゃってごめんね?
 銃殺刑にするのも全部嘘なの(*^▽^*)
 本当は賢人君と離れたくなくて必死だったの。
 瞳ったら悪い子だよね。賢人君に嫌われたくなくて
 必死だったから、逆に変な性格になっちゃって」

令和十年で生きる意味があるのか。
消費税率34%。物価の変動なし。労働者の95%が派遣労働者。
労働者は派遣会社に拉致され、人権をはく奪される。

国を守るために命を懸けている自衛隊の皆さんでさえ、
時給350円だ。そのくせ国会議員の平均給料は4400万だ。
ふざけんじゃねえよ。

「賢人君のほっぺた、真っ赤になっちゃったね(>_<)
 あとでお水で濡らしたタオルで冷やしてあげないとね(*^▽^*)」

「賢人くぅん。さっきから顔が怖いよぉ? (∩´∀`)∩
 まさか……本気で私のこと嫌いになったわけじゃないよねぇ?
 どうしてさっきから黙ってるのかなぁ?
 激おこなの? 激おこぷんぷん丸? (ノД`)・゜・。」

自分に対し、好意を持ってくれている女に一番やってはいけないことがある。
それは相手にしないことだ。話さない。目を合わせない。
存在を無視する。これは女を一番傷つけることになる。

「黙ってないで何か言いなさいよぉおおお!!
 あなたの態度ムカつくわ!!
 あっ……、今のは違うのよ。嫌だった? ごめんね。
 短気な女だと賢人に本気で愛想つかされちゃうものね (*^▽^*)」

俺から言いたいことは一つ。耳元で怒鳴るのをやめろ。
あとこの時期に腕組みを続けてると暑苦しいんだよ。
瞳の汗ばんだ髪の匂いが妙なフェロモンを発しているが、もう関係ない。

俺たちはこのカオスな状態のままローソンの前に差し掛かった。
のぼりに、おにぎりのセールと書いてある。
全品100円均一で買えるらしい。なにがおにぎりだ。
税率34パーだから安くねえよ。死ねよ。

「どうしてローソンをじっと見つめているの?
 ローソンで買い物でもしたいの?
 欲しいものがあるなら何でも言ってちょうだい。
 私が何でも買ってあげるわ (*^▽^*)」

いや。自殺用の道具でも売ってねえかなと思ってさ。
本気で自殺してやろうかな。

瞳の大好きなキリスト教ってのは、死んだ後に
天国で魂が再開できるそうじゃないか。
なら俺と美雪はこの世界から消えても
復活の時に再開できるんだから問題ねえな。

「自殺なんてしたらダメよ (>_<)
 どうして自殺なんて言葉を簡単に口にするの!!」

あれ、おかしいな。俺口に出してたのか。

「私の賢人は自殺なんてしないわ。
 あっ。私のせいか。ごめんねぇ (ノД`)・゜・。
 私がうざい女だから賢人は人生が嫌になっちゃったのね。
 うええええん。( ;∀;) 賢人に嫌われたくないよぉ。
 賢人がいないと生きていけないよぉ。
 ねえ私がどうしたらいいのか教えて!?」

「喉が渇いたから、ローソンでジュースでも買おうかなと。
 朝は焦ってたから水筒忘れたんだよ」

(賢人がしゃべった!!!(≧∇≦))

「あっ、そうなのね!! (((o(*゚▽゚*)o)))
 分かったわ! 私が買ってあげるからね。
 賢人が喉乾いていたのに気づいてあげられなくて
 ごめんね!! さあ、中へ入りましょう (*^▽^*)」

自動ドアを二人で通る。
平日の昼下がりに工場の制服姿の男女がべったりしてるものだから、
女性の店長さんが奇異な目で見てくる。当然だろうな。

『あーあー、マイク入ってますよねwwww
 私はこの国の内閣総理大臣でありますwwww』

なんてタイミングで首相の演説が始まっちまったんだ。

この世界では各会社、自治体その他いたるところに
大型の液晶パネルがあり、不定期で
流される首相のクソ演説が映し出されるのだ。

北の将軍様のように首相の演説をどこにいても
国民が聞けるようにとの配慮だ。
コンビニのレジの前の液晶で放送されてるんだから笑える。

この前美雪たちが新幹線に乗ってる時でさえ
首相の演説が行われていたそうだぞ。

『最近年金額が少ないとかwwww老人だけじゃなくて
 若者までデモ行進とか初めてうざいですwwww
 現実世界でも参議院で立憲民主や共産のクソどもが
 ギャーギャーわめきやがってwww仕方ねーから
 俺様が新しい法案を作ってあげましたwww』

2019年6月の現実世界では、金融中が独自に
試算した結果、老後に必要な資産は
1500から3000万ほどだった。

一言でまとめると「金のない奴は死ね」これだけだ。

そして令和10年のこの世界では、
日本政府はマクロ経済スライドを悪い方向へ発動させた。
厚労省から布告されたのは以下の内容だ。

⇒従来は年金支給開始年齢は
基礎年金90歳。厚生、共済年金が95歳だった。

これを変更し、支給開始年齢を早めてくれるらしい!!

⇒60歳から基礎年金も厚生年金も満額支給

仮に第二号被保険者(厚生)の場合、
定額で2000円(偶数月に支給)

つまり月額1000円 (゚д゚)!
その中から健康保険と介護保険等を差し引くと

手取りはたったの660円 Σ( ̄ロ ̄lll)

『これでぇ、若者の生活は一生安泰ですwwww』

若者⇒令和10年では80歳以下の人間を差す。
    80歳を超えたあたりからようやく中年、高齢者。

『660円もあれば、スーパーの半額弁当を中心に
 各種お惣菜を購入することがぁ、できますwwww
 生活費の不足した部分(実質99.99%)はぁ、
 一生会社で勤めて補填していただきますwww』

『一億総活躍社会wwww 若者も老人も輝いて
 過ごせる日本wwwwこれこそがぁwww
 我々自民党が描く、日本の未来なのでありますwwww』


これでも暴動が起きねえんだから、日本人は奴隷だよ
俺は涙が止まらないぞ。(´;ω;`)

俺は会社で一日16時間労働を強いられているが、
月の手取りは7万にも満たない。
どれだけ働いても豊かになれず、
一生会社の奴隷として過ごすのだ。


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