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作品名:令和10年 兄妹の物語 第二シーズン 作者:なおちー

第13回   賢人「戦車はどこへ行くんだ(;゚Д゚)」
ヤマダ電機・戦車A中隊。通称貧民狩り部隊は、
賢人たちの住む市営住宅の目前まで接近した。

戦車、輸送車、兵員輸送車を含めた
この戦力が目的としているのは、

真理ちゃん 9歳
泉ちゃん  10歳

この両名の殺害である。

二人とも小さな女の子であるが、
前回のヤマダ電機襲撃の際の主戦力の一人だった。

「仰角をあげろ」

戦車長の命令だ。重戦車と軽戦車が、
3階部分の部屋を狙って主砲を高くする。

女の子二人は学校をさぼって自宅にいた。
ニンテンドースイッチで遊んでいた真理ちゃんと
泉ちゃんは、窓の外から異常な殺気を感じるので
何かと思い、ベランダから様子を眺めたら
怖い顔をした戦車の店員さんと目が合った。

「やめろおおおおおおお(; ・`д・´)!!!!!!」

貧民狩り部隊に追いついた賢人は、
この虐殺を止めさせるために、戦車部隊へと近づいた。

「なんだ、貴様は」

賢人は筋骨たくましい店員に裏拳を顔に食らい悶絶した。
鼻血が流れ涙で視界がぼやける。

「お兄ちゃん(´・ω・)!!!」
「けんとぉぉぉ(;゚Д゚)」

大粒の鼻血でベージュのTシャツを染めた賢人を美女二人が介抱する。
瞳に渡された高そうなハンカチで鼻を押さえても気休めにしかならない。

しかたないので女二人で彼の体を離れた場所へ運び、
仰向けに寝させた。女二人がかりでも
ほどよく筋肉のついた男の体は重かった。

(ケント君って見た目よりもガタイが良いのね(´∀`*)ポッ
 見た目は引き締まってるのに筋肉がついてるのってポイント高い)

その時であった。

戦車隊の一斉射が始まったのだ。

発射の轟音。303号室のガラスがはじけ飛び、煙と灰を巻き上げる。
粉々になった家具がベランダから落ちる。

「次は機関銃の一斉射。うてえ」

輸送車と戦車に設置された重機関銃が、それぞれ
200発以上の弾を打ち込んだ。これで303号室のみならず、
周囲の部屋も巻き込みながらの容赦ない攻撃である。

ひゅんひゅんと、弾が風を切る。
市営団地の影が穴だらけになり、
割れたガラスが破片となって地に落ちてくる。

「あ、ああ……(;゚Д゚)」

瞳は、言葉もなかった。美雪も同じである。
ようやく鼻血が止まった賢人は、ゆっくりと体を起こし、
せめて女の子二人を弔ってやろうと思った。

あの二人は確かに犯罪を犯したが、すべて貧困が悪い。
令和10年の日本が一般市民を犯罪に走らせるのだ。
これは政治の責任であって、断じて子供のせいではない。

「そこにいるのはシブヤじゃない」

「カグちゃん!? カグちゃんだよね?」

「おっす。こんなとこで何してんの」

突然の大塚家具やさんとのエンカウント。
大塚カグヤ姫、別名久美子さん。
それらはあだ名で誰も彼女の本名を知らない。

賢人の同僚で離婚歴三回。六人の子供を持つやもめ(シングルマザー)だ。

賢人はジャイアンにいじめられ、泣きながら家に帰った後、
ドラえもんに一部始終を説明するのび太君の顔でいきさつを説明した。

「なんだ。そんなことか。そんなに心配しなくても大丈夫だよ(^○^)」
「は……?」
「マリとイズミは強い子だから、大砲を撃たれたくらいじゃ死なないよ」
「マリとイズミ……? まさかとは思うが」
「私の娘だよ」

賢人は衝撃を受ける。カグちゃんは子だくさんだから
娘が二人いることは不思議ではないが。

仲の良い同僚だから市営団地に住んでいることは知ってたのだが、
なんと彼女は賢人たちの下の階の住民だったのだ。

「おっ、住民たちが出て来たね。もうすぐ反撃が始まるよ(´_ゝ`)」

何が起こるんだと、賢人たちは団地の方を見た。
すると、満足して引き返していく戦車たちのケツを狙い、
団地の屋上に集結した武装住民が武器を構えているところだった。

団地の屋上に展開した武器は、下記のとおりである。

精密誘導装置付き、対戦車用ロケットランチャー×23
クルップ製 42センチ 榴弾砲×3
スコダ製 30、5センチ 榴弾砲×5 
狙撃銃×80

住民は、暇な老人や無職、バツイチが主力となって23名となっている。
今日は平日のため戦力が少ないのだ。

ところでこのクルップ製の42センチ方だが、
第一次大戦のドイツ軍が使用したものである。
弾薬数は700発あり、一つの弾の重さが630キロもある。

これは、大戦初期のベルギーのリエージュ要塞攻略戦に使用された。
リエージュ要塞は、日露戦争で使われたロシア軍の
旅順要塞を超える規模の大要塞として知られる。

リエージュ市を守るために、
同市を取り巻く12個の堡塁を中心とした、

半径10キロに渡る環状型の要塞である。
ちょうど、山手線より一回り大きい規模に、
各重火器、弾薬、地雷、鉄条網、地下通路が仕掛けられていた。

ドイツ軍は、この人類史上最大規模の大要塞を、
たった二日で陥落させた。ドイツ軍は上にあげた二種類の
攻城砲を使い、堡塁の天盤ごと撃破し、
内部に潜むベルギー兵を生き埋めにしたのだ。

※堡塁 ほるい
コンクリート製の、極めて強固な防御陣地。
並みの大砲ではかすり傷しか与えられない。

コンクリで固められた要塞を落とすには、
強大な砲で倒すのがベスト。
旅順要塞攻略戦で半年も苦戦した日本軍が、
巨砲を使って形勢を逆転させた教訓を
ドイツ軍がしっかりと学んだ結果である。

ドイツは、20世紀の歴史において
運用、用兵技術(作戦レベル)で最強の軍隊である。
先の要塞だが、米国、英国、フランス軍などが攻撃を仕掛けたら
陥落までに一ヵ月以上はかかったことだろう。


「うちかたよーい」 「うてええ」

団地の屋上で、クルップ製の42センチ方が発射された。

あの「リエージュ要塞」を陥落させた攻城砲である。
弾の重さは600キロを超える。
音がうるさいとか、そんな生易しい話ではない。

賢人「な、なんだこの音は((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」
瞳 「ゴロゴロって、空で雷が鳴ってる?」
美雪「空の上を蒸気機関車が通過してるみたい……」

弾が、先頭を走る重戦車に命中した。
初段から命中するのは奇跡に近い確率である。

天と地が裂けるほどの、轟音が鳴り響く。

戦車の主砲部分が千切れて道路先へと飛ばされた。
内部にある弾薬にも着弾し、
誘爆を起こして、上空5メートルに及ぶ火柱を発生させた。

黒煙を上げ、燃え盛る戦車の残骸。
タイヤ以外でまともな部分は残っていなかった。
戦車の中にいた人は、高温で殺されゼリー状の液体となっていた。

他の店員が、恐れをなして戦車や輸送車から降り、
少しでも安全な場所へ逃げようと走り出していた。

そこへ、狙撃銃の容赦のない攻撃が襲い掛かり、
店員はわずか3名を残して全員撃ち殺されてしまうのだった。

賢人たちは呆然。言葉もない。

「ママー」
「今回の敵は強かったよぉ」

マリとイズミである。
年子なのだが双子といえるほど仲良しである。
長い黒髪のツインテールがマリ。
後ろで縛っているのがイズミ。

すれ違えば人が振り返るほどの美少女ではないが、
十分に可愛いらしい容姿である。
子供らしく無邪気さにあふれるところも好印象。

そして困ったことに、ここにいたいけな少女が
好きなロリコンがいたのだ。

(か、かわいい(*´Д`)ハァハァ)

説明するまでもなく渋谷賢人である。
ところで私の書く作品には必ずロリコン男性が
登場していることに気づいた。
本編と関係ないので深く考えないことにする。

「あんたたちは無茶するわねぇ。(´ー`)
 ま、死ななければそれでいいんだけど」

まだまだママに甘えたりない年齢なのだろう。
マリとイズミは身長165センチの
カグちゃんの腕にぶら下がってキャッキャしてる。

「カグちゃん。ちょっと待ってもらっていい?」

サカガミ・瞳嬢である。会社では仲良しの同僚である。

「その子達どうやって生き延びたのよ。
 戦車の主砲が発射される直前までは部屋にいたのよね?
 時間的に考えて脱出する余裕とかなかったと思うんだけど」

「うちの子は、ちょっと特殊なのよ」

「特殊とか、もうそういうのいいから。
 ちゃんと読者の皆さんが納得できる説明してよ」

「うーん、説明すると長くなるんだけど……これでいい?」

手帳を見せてくれた。

『ネオナチス・国家防衛委員会、幼年部・陸軍特殊部隊の訓練課程修了書』

瞳(;゚Д゚)いみが、わからないのだけど? 

カグ(*´ω`) 
もっとわかりやすく言うと、
娘たちは西側諸国の戦車の5割は運転することができってこと。

すさまじい訓練をされたらしい。
カグちゃんはバツ3で生活に困窮していると思うのだが、
どうやって娘に高度な訓練を受けさせたのか。

「日本はスパイ天国だから、ネオナチスのメンバーとか普通にいるのよ。
  安倍政権に支配された国家を破壊するために工作員や兵隊の
   教育訓練を無料でやってくれるのね」

なんと、カグちゃんの娘二人は学校に通ってないという。

「最近の学校はいじめとかひどいを苦に自殺することか増えてるじゃない。
 まじなイジメってシャレにならないし、あんなクソみたいな
 環境で子供を育てたって意味ないかなって思ったのね」

茨城県など各自治体には教育委員会があり、
いじめ対策に取り組んでいると声高には言うが、
実際には担任がいじめを認めない、
教育委員会、児童相談所、第三者委員会も放置する。
これらのスーパーコンボによって子供の自殺率は減ることがない。

さらに家庭での離婚、育児放棄、暴力、貧困など
子供が育つ環境は、もはや先進国とは言えなくなりつつある。
2019年度の国会は自民党が子供の虐待防止をテーマに
発案とか審議をしていたようだが、はたしてうまくいくだろうか。

ここで筆者の意見を述べるが、ずばり学校教育とは
子供の精神的な発達のためには害悪だと思う。
理由はクラスの存在である。

クラスとは、一部の仲の良い友達と、
多くの会いたくもない連中と
毎日顔を合わせるための監獄である。

これは社会人の皆さんも同意してくれると思うが、
嫌な奴と毎日顔を合わせるのが人間にとって一番の苦痛なのである。
これは長年連れ添った夫や妻にも同じことが言える。
夫婦仲悪化の原因も、実は「時間」なのである。

「同じ人とずっと一緒にいる」
これが人間関係を悪くさせる決定的な要因なのだ。

学校は社会の縮図といわれるが、全く同意する。

40人もの人数を同じ箱に詰め込むな。
昔と違い、今の子供は片親の人が年々増加し、
朝食抜き、給食費すら払えない人もいる。
そして不景気によるストレスからさらにイジメが増加する。

親の経済力に差があり、育った環境も違う40人もの男女を
同じ部屋に揃えて、「対人トラブル」が起きないわけがない。

どこの州か忘れたが、アメリカのご家庭では、
子供を小学校に通わせずに母親が完全家庭教師となって
13歳まで教育する人が存在するらしい。
教材は日本でいう文科省当たりから取り寄せて
学校と同じ教育のレベルにするらしい。すごい発想である。

アメリカでは肌の色、宗教、移民の違いによる人種差別、
スクールカーストが相当ひどいらしい。
親たちもスクールカーストの上位にいられないことで
肩身の狭い思いをした経験から、多くの人が学校に通うことが
悪だと考えているとか。筆者が高校生の時に聞いた話だ。

また日本では教員の奴隷労働も深刻化している。
中学校では、土日も部活の指導という名目で
強制的に出勤させられ、しかも日曜手当てが、
たったの2000円という事例もあった。

さらに平日も部活の顧問をした後に残業を
済ませなければならず、長時間労働を強いられている。

NHKの発表によると、全国の自治体で働く小中学校教員の内、
精神疾患が原因で3か月以上求職したことのある教員は、
なんと55%にも及ぶそうだ。

さらにモンペ。モンスター・ペアレンツという
人類史上まれにみる低能の母親集団によって
子供の成績が上がらないことなどを全て
教員のせいにされてしまい、クレームを受け続け、
うつになる教員が増加しているのである。

民間の職場のみならず、教育の現場でも人の足を引っ張り、
人間関係を悪くするのは、おばさんなのである。
もちろん教養があり上品なご婦人もいるのは分かるが、
目立つのは口うるさいババアばかりである。
死んだほうが良いと思う。

子供とは、国家繁栄のための宝である。
国家とは人が作り出すものだ。

教育機関が腐ってしまえば、国民の平均的な
教育レベルは低下の一途をたどるばかりであり、
最悪末端労働者でさえ外人労働者に奪われることになりかねない。

そもそも20代の世帯の過半数が離婚していると
厚労省が統計を取っている。事実だろう。
各年齢別の調査結果を見ても、若年者の離婚率が最も高い。
10代の離婚率に至っては、なんと8割である。

深刻を通り越して絶望である。
やはり早期結婚は破滅への道なのだ。

明治の富国強兵は、国民の教育レベルを
高めることを第一とし、出生率を高め、
国民としての連帯意識を高めて
のちの日清日露戦争の勝利へとつながった。

我が国の教育レベルは、清国露国と比べても高かった。
ロシア兵は伝統的に農奴が中心。
露国兵の捕虜を尋問したところ
文盲で掛け算すらできない人も少なくなかったという。

それを今の日本は、いじめの横行。自殺、DV、親の離婚。
学校教員のウツ、精神疾患。子供の列に高齢者の車が突っ込む。

ただでさえ少子高齢化の影響で一人の子供でさえ貴重なのに、
早い段階で子供を産むのは金髪茶髪のDQNばかり。
そして離婚後、育児放棄、虐待による殺害は
ニュースでパターン化している。

報道されてないで、今この瞬間も虐待されている
子供はたくさんいるのだろう。
どれだけ親に殴られ、食べ物を与えられなくても
死なない限りは報道されないのだから

悪い材料が多い。
教育の視点から見ても我が国の衰退は進んでいるのは間違いない。


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