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作品名:令和10年。財政破綻と強制労働と若い兄妹の絆の物語 作者:なおちー

第8回   坂上瞳は自己評価が低いことで有名な美女だ
俺と美雪は長考した結果、彼女の自宅をお邪魔することにした。
はっきり言って行きたくないが、
そうしないと物語が進まなそうだから我慢した。

彼女も俺と同じ派遣社員。

粗末なアパートに住んでいた。お金持ちのお嬢様からしたら
自宅のバスルーム程度しかない、手狭なワンルームだ。
一応トイレ風呂キッチンはついてるんだけどな。

「どうぞ」

美雪は不快な顔をした。俺もだ。

見た目は普通の紅茶だが、この女が出すものだから
青酸カリなどの毒が入っていてもおかしくない。

つーかこの女は見た目は綺麗なのに中身が変人だよな。
ほんと残念だな。

「さっきのこと、気にしてますよね?」

俺は目をそらし、美雪はうなずいた。

「悪気はなかったんですよ。信じてもらえないでしょうけど、
 本当にごめんなさい。私は自分に自信がなくて、
 私より美人な人を見かけたらつい腹パンをしちゃうんです」

この女は鏡で自分の顔を見たことがないのだろうか?
30代なんだろうが、根本的に顔つきがその辺の女と違う。
どう見ても芸能人だろ。
座り方、話し方も品がある。生まれも良いんじゃないか。

すっぴんでも美雪より美人だと思うが、
俺の妹に嫉妬する要素がどこにある。年齢か?

「シブタニさんの彼女って若くて可愛いから嫉妬しちゃって」
「彼女じゃない。妹ですよ」

あとシブタニって誰だよ。

「えっ、手を繋いでたから彼女なのかと」
「兄妹なら手くらい繋ぐと思うけど」
「全然普通じゃありませんよ!! 仲良いんですね!!」

坂上さんには3歳年上の兄がいるようだが、内気な彼女とは性格が合わず
喧嘩ばかりしていたらしい。どうやら兄のことが本気で嫌いなようで
いつ死んでくれても構わないとまで言っていた。どんだけ嫌いなんだよ。
2個下に弟もいるらしいぞ。弟のことは大切に思っているらしい。

「シブタニさんはシスコンさんなんですよね。
 いつからシスコンに目覚めたんですか?
 もうずっと前からですか?」

いやいや。なぜ俺がシスコンであることを前提で話を進める?

「私が生まれた時からです」

おまえは勝手に答えるなよ美雪!!

「お兄ちゃんは妹のことが大好きなので
 よその女の人と付き合ったことが一度も無いんですよ」

「へー。本当に面白い人なんですね。
 妹さんのことをそんなに愛してるなんて。
 実は血は繋がってないとかじゃないんですよね?」

興味深そうな眼で俺を見るな。
俺は珍しい動物じゃねえんだぞ。

確かに彼女のいない歴=年齢なのは事実だ。
自分で言ってて泣きたくなる。

ええい。話題を変えよう。

「坂上さんはいつからペンタックに勤めてるんですか?」
「今月でちょうど3年です」
「ずっと検品の仕事を?」
「そうですよ。入った時からずっとですね」
「へ、へー」
「はい」

会話が止まってしまった。
ほとんど初めて会話するようなものだからな。仕事のこと以外では。
こんな会話をしただけなのに妹が怖い顔をしてるから困る。

「シブタニさんは」

うん?

「ここに来る前はどんなお仕事をされていたんですか?」

俺は低金利の時代に銀行マンだったのを恥だと思ってるので
適当に消防士だったと嘘を教えておいた。そしたらこの女、
すっかり信じてやがる。意外に純粋なんだな。

あとシブタニって誰だよ。

「妹さんのご職業は?」

「私はまだ大学生ですけど、卒業後もお兄ちゃんと一緒に暮らすつもりです」

「シブタニ君は寮生活をしてるはずですよね。
 同じ寮で暮らすってことは、同棲ってことになりますよ」

「実はすでに同棲しているんですけどね」

「ええっ!! そうなんですか!!
 兄妹なのに同棲してる人っているんだ……」

坂上さんがドン引きしてる。
俺と美雪が法律的にまずい関係だと思われてるのかもしれん。
早めにフォローしないとまた勝手な妄想をされてしまう。

「俺も兄として美雪には若いうちに結婚相手を見つけて
 幸せになってほしいと思ってるんですよ。
 美雪は家事が得意ですごく家庭的な子なんです」

「へえ。そうなんですか。見た目からして女子力高そうですものね。
 本当に私が嫉妬しちゃうくらい綺麗な子。
 もちもちしてて張りのある肌、うらやましいな。若い子は」

なぜか身内を褒められると悪い気はしない。

「でも近親相関はまずいと思いますよ」

俺は飲んでいた紅茶を盛大に噴き出した。

「特に避妊はしないと」

「ちょっと待ってもらっていいですか?
 俺と美雪がそういう関係だと一言でも言いましたか?」

「いいえ。でもさっきから美雪さんがお兄さんに
 デレデレしてるから、そういうことなのかなって。
 私とシブタニ君の会話中もよく睨(にら)んできますよ」

ふざけんな。

「美雪ちゃんがこんなにお兄ちゃんを慕ってるってことは、
 夜の生活の方はすごいんでしょうね。きっと官能小説も顔負けですか」

おい。

「面白いネタを提供してくれてありがとう。
 明日、会社の女の子たちに報告しておきますね」

おい!! まじでふざけんな!! 何考えてんだ!!

つーか女の子? っているのかよ!!
八割バツイチのバアサンばっかりだろうが!!

変な噂を流されたら
女ばっかりの職場で俺の居場所がなくなっちまうよ!!

「ふふふ。嘘ですよ。私がそんなことする人に見えたんですか?」

見えるから困る。記憶が消し飛ぶほど殴っていいですか?

「じゃあ条件があります。今すぐ!! ここで、二人でキスしてください」

え……なに?

まじで言ってる意味がさっぱり分からん。
この女、薬でもやってるんじゃないの?

「よう おんりぃ はぶ わん ちょいす。じゃすと どぅいっと」

なんで英語で言ったんだよ。

ますます意図が読めん。

俺は付き合ってられないので席を立ち、帰ろうととした。

「帰ろうとしたら妹さんの命はありませんけど、それでもいいんですか?」
「お、お兄ちゃん。助けて」

ハリウッド映画でありがちな、女が人質に取られているシーンだ。
美雪は立った状態で後ろから押さえられ、背中越しに銃を当てられていた。
最近の市民は平気で銃を持ってるから困る。どこで買うんだよ。

訊いたらドラッグストアで売ってるらしいけど、どうせ嘘だろ。

「この状態で良いから、早くキスしてください。さあ早く」

どんなカオスだよ。まず実の妹とキスするとか、全身が拒否反応を示すわ。
身内びいきでも美雪は美形だとは思うが、血がつながってるんだぞ!!

一緒に住んでて風呂上がりでバスタオルだけの姿のこいつを見たことが
何度もあるが、肌がきれいだと思うだけで欲情はしないぞ。

待てよ……。今考えたらあいつはわざと俺の前で
タオルだけの姿をさらしていたとしか考えられん。
美雪も何考えてんだよ。

「私はいいよ」

美雪はそう言って目を閉じるが、俺は良くねーよ。
俺はお前の彼氏じゃねえんだ。
俺とキスしたって気持ち悪いだけでメリットがないだろ普通。

高校生の時からイケメンの彼氏でも作れと繰り返し言っていたのに、
全然俺の言うことを聞きやしない。

妹ってどこの家もこんな感じなのか。
まさか他の家の妹はこうじゃないよな?

「ちょっと!! 女の子を待たせて恥ずかしいと思わないの?
 早くしろって言ってるのよ!!」

うるせー。
今すぐ殴ってやりたいが、銃を持ってる相手を刺激するわけにはいかねー。

「私がやれって言ってるのよ!? 早くしなさいよ!!
 それとも人に見られて怖くなったの? 
 渋谷君は根性なしね!! この玉無し野郎!!」

殴りたいけど我慢だ。

「ヘボタニくん!! 早くキスして!! 一瞬ですむことでしょ!!」

だから俺の名前はシブヤだって!!
あれ? さっきは渋谷って言っていたような…。
なぜそこまでキスにこだわるんだ。絶対こいつ薬やってるだろ。
くそ。怒りが頂点に達したせいで倫理観とかどうでもよくなってきた。

俺は美雪をラブドールだと思うようにした。
肩を力強くつかみ、俺の方を引き寄せ、くちびるを奪ってしまう。

おえー。

やっぱ実の妹とキスなんかしても後味が悪いだけだ。

こいつとキスごっこをしたのは幼稚園の時だったか。
あれは子供だったからノーカンだ。

美雪は顔を真っ赤にしてる。リンゴみたいだ。
まさか興奮してるんじゃないだろうな?
こいつはたまに何を考えてるのか分からない時がある。
寒気がしてきたぞ。

「今のは感情がこもってなかったわね」

あ?

「やり直しよ」
「いや、やり直しって」
「やり直しなさい」
「1回やれば十分じゃ…」
「ちゃんと舌まで入れて、感情を込めてキスをして」

俺は、これ以上坂上と会話を続けるのが苦痛になってきた。
こいつの顔を二度と見たくないほどには大嫌いにはなった。
こんな奴に恋していた頃の自分を殴りたい。そんな気持ちになったこと、
皆さんも一度くらいはありますよね。特に倦怠期夫婦の皆さん。

さっさと任務を遂行するのみ。
この馬鹿に俺と美雪が変態だと思わせれば満足するのだろう。

ならば。

「美雪、苦しいだろうがすぐ、終わるから我慢しててくれ」

「んん!!」

ディープキスなんてするのは初めてなんで勝手がわからんが、
舌を絡ませればいいんだろ。俺は息を止め、絶対に美雪の顔を
見ないようにしながら、適当に時間を過ごした。

し、舌が少し絡まるだけで美雪の唾液が……。
吐き気がヤバい……。腕に鳥肌が……。

今思えば俺達、歯を磨いてなかったかも。
ええい。何も考えるのな。

30秒くらいたったか、口を一気にはがすと、
坂上からささやかな拍手が送られた。

「ぷっ、くくく。あははっ。バカな人。まさか本当に妹とキスするなんて。
 本当にシブタニ君って妹さんが好きなのね。だって本当に愛してないと
 兄妹でキスなんてできないでしょ。気持ち悪くて」

まじで殴りたい。なんなのこいつ。まじでなんなの?
頭の中身が女子高生で止まってるの?
冷静に考えたらこれイジメだよ。
社会人じゃなくて学生のやることだよね?

「ち、違う。俺はおまえに命令されて仕方なくやっただけだ」

「嘘ね。口ではそう言っていても愛しているのよ。妹さんのことを心からね」

「だから違うって言ってるだろ!!」

「バカな人。こんなに好かれているなら受け入れてあげればいいのに。
 ねえ、美雪ちゃんもそう思うわよね?」

「え、ええっと……」

美雪は両手の人差し指を重ね合わせて恥ずかしそうにしてる。
トイレで吐きたかったら今すぐ行ってきなさい。
まさかとは思うが、今の茶番を楽しんでたんじゃないよね?

「今のシーンは動画で撮影しておいたから。
 ごめんね。もう会社の知り合いに送ってしまったの」

「は……?」

頭の中が真っ白になった。

そのあとのことはよく覚えてない。
猟銃で撃たれたヘラジカのように弱り切った俺を、
美雪が引きづるようにして自宅まで帰ったのは覚えてるんだが。




その次の日から、俺は妹とキスをする変態として社内で評判になってしまった。
嘘だと信じたかったが、これが現実だ。
これが小説じゃなかったら会社を辞めてるレベルだぞ。
この世界だと正当な理由もなく会社を辞めたら銃殺刑になっちまうが。

今日はいつも以上に女たちの視線が痛い。
坂上は、動画を拡散させた張本人のくせに
素知らぬ顔でニヤニヤしてる。ぶっ殺してやりてえ。

「今日の生産予定なんすけど、俺がタグと洗濯ネームを中心に進めていいですか」
「う、うむ。君に任せるよ。私は用があるので席を外すからね」

直属の上級派遣さんに仕事の確認をしてもこんな感じだ。
みんな俺に対しよそよそしくなった。

避けられてるのって精神的にじわじわ来るのな。
廊下ですれ違う時もみんなは全力で俺と距離を取る。
女性はもちろん男性陣からも俺は腫物扱いだ。

そんな生活が1週間も続くと、
俺はストレスで禿げそうになってしまった。

「よお。変態」
「っせーよ。家具ちゃん」

俺に普通に接してくれるのは「かぐや姫」だけだ。
彼女は不思議なことにあの動画が作為的なものだったことに
気づいており、俺に同情してれている。

俺は親しみを込めて彼女のことを「家具ちゃん」と呼んでいる。
最近はずいぶんと仲良くなり、互いの近況などを報告するのだが、
カグさんの住んでる家は、実家から近くなので
ご両親に子育てを手伝ってもらっているらしい。

×Bで子供六人なんて普通に考えたら無理だよな。
ストレスで自殺しないだけすげーメンタルだと思うよ。

「私も世間からうとまれるのは慣れてるから、あんたの気持ち分かるよ」

……良い人じゃないか。初めて会った時はムカついてしまってごめん。
一人でも話せる相手がいてよかった。

その日も一日16時間の長時間勤務を終え、クタクタになって帰宅。
美雪がお夕飯のおかずをレンジで温めながらこう言った。

「私は一晩寝て考えたんだけど、
 やっぱり、どうしても許せないの。
 この怒りをどうやったら抑えられるのかなって考えたら、
 あの女をぶっ飛すしかないって思った」

美雪の目は、本気だった。

「あの女ってのは」
「決まってるでしょ。坂上瞳だよ」



ぶっ飛ばすと言っても簡単なことじゃない。

噂によると坂上は空手の経験者だ。小学6年生まで空手を続けて
休み時間に同年代の男の子をぶっ飛ばすなどしていたらしい。
細身の割には筋肉が発達しているようだ。

あのハイキックは空手の上段蹴りだったのか。
よく死ななかったな俺。

余談になるが、英国に留学した日本人男性が、
夜に暴漢に襲われたことがあった。彼は自衛のために
空手の上段蹴りで暴漢を撃退。暴漢は打ち所が悪かったらしく、
転倒した際にコンクリに頭を強打。その後、死んでしまった。

英国の司法は、日本人男性に過剰防衛による有罪判決を下した。
判決内容が理不尽すぎて腹が立つが、それ以上に空手技の破壊力の高さに震える。
空技は「相手の骨を砕く」ことを基本としているらしく、
まさに一撃必殺だ。日本のブドウは恐ろしい。

すなわち空手の有段者と本気で喧嘩をするなら、
骨折程度の怪我は覚悟しないといけないのだ。

俺と美雪は安物のスパゲッティを食べ終えてから一つの結論を出した。
(今日の夕飯はタラコ・スパゲッティとインスタントの野菜スープだけだった……)

「あのアパート、燃やしちゃおうか」
「そうだな……」

坂上を襲撃するのはリスクが高いので
彼女の住居を破壊することにしたのだ。

その辺の道端で拾った日本酒のビンがここにある。
ネットで調べると火炎びんの作り方なんてすぐにヒットする。
小学生でも作れるほど簡単なものだ。そして威力は絶大。

かつて日本陸軍がソビエトの戦車を撃破するのに使ったことがあるらしい。
あまりの損害の大きさにジューコフ将軍以下幕僚が真っ青になったほどだったとか。
(気になる人は、日ソ決戦・ノモンハン紛争を参照してください)

俺と美雪は2セットの火炎瓶を作ることに成功した。
二人で仲良く投げるために使うのだ。

なぜアパートを燃やす必要があるのか疑問に思う人がいるかもしれない。
最近会社でうまくいってなくて、むしゃくしゃしていた。

それだけで十分だろう。犯行の動機なんてささいなものだ。
そもそも、そこら中の商店が火炎放射器などで襲撃されてるのが日常だからな。
何と言っても増税の影響が大きいよ。

永田町付近では政治家を守るために自衛隊戦力の9割が集中してる。
国会議事堂付近は強力な戦車師団が睨みをきかせており、
全盛期のソ連軍の兵力がなければ攻略できないとまで言われている。

言い忘れていたが、この国の国防予算は平成時代の6.7兆円から
40兆円まで増大した。
ちなみに戦力の強大さと裏腹に自衛隊員の給料が時給350円くらいだ。
命を懸ける仕事なのにだぞ? 俺だったらやらないね。

この国のあらゆる財政、経営は、人件費を極限まで引き下げることによって
企業などの利潤を最大化させることが法律で許可されてるからな。

例えば企業の決算書で損益計算書を見てると殴りたくなってくる。

一、売上(収益)に対して原価は高く、粗利はほとんどないのに、
  人件費等が安すぎるので営業利益だけが異常に高い。
二、そのくせ仮に利益剰余金(内部留保)が豊富でも

『絶対に従業員の賃上げはしない』

一、は小説の設定であり、現実ではありえないが
二、は現実世界でも当たり前に行われている。


日本の企業の最大の欠点を教えよう。

それは、「純利益」でどれだけ稼いでも
 「極限まで従業員を安く使いたい。
  そのくせ少しでも業績悪化の懸念があったら即クビにする」

ここ数年で儲かった会社…、株価ベースでみると
ファースト・リテイリングとかソフトバンクなどがあげられるな。
リテイリング傘下のユニクロは新卒の給料引き上げを発表したらしいが、
詳しくは知らん。中年を首にして若者と入れ替えるのはどこの企業もやってるな。

じゃあ儲けた金はどこへ消えるの?

いきなりすぎて申し訳ないが、ここから先の説明は妹にバトンタッチする。


※ミユキの一人称


で、お金の使い道ですが、

そのまま取っておく。(←老舗企業に多いパターン)

あるいは、「投資」に使います。人件費には回りません。

会社の規模を大きくするために海外の企業の買収(M&A)を行います。
様々な設備投資をします。
投資に対して借り入れでなく自己資本で
まかなえば必然的に将来の借金が減りますよね。

さらに株主資本(自己資本)を増やすために株の配当に回します。
(株を多数所有しているお金持ちの人は非常に有利になります)

困ったことに日本株の所有の7割が外国人。
日経平均株価を変動させてる主な要因は、主に外国人なのです。
外国の機関投資家ですね。

「今日本株いらねーよなー」「そーだなー。売っちゃおーぜ」

例えば執筆時点(2019/5/27)で日経平均は21000台を推移、
2018年度の相場と比べて下落し続けていますが、

米中貿易摩擦で両国の偉い人が「ぎゃーぎゃー」
英議会がEU離脱問題で「ぎゃーぎゃー」
と騒いでることが主な原因なのです。

特に英国議会の幼稚っぷりは日本の国会並みです。
議会制・民主主義の代表国として日本の100年先を言ってるはずなのに……
例えば日本の自民一党独裁のように党内で意思が統一されておらず、
各議員が好きなように意見を主張できるので余計に話がまとまりません。

英国首相のメイちゃん
「議会のみんなが言うこと聞いてくれないから
 私、もう首相辞めるね……」

メイがかわいそう。議会で不信任決議案とか出されてたものね。
かつての超一等国も地に落ちたものです。

トランプと米国通商部
「おい習近平。おめえの国とおめえの企業(主にハーゥエイ)死ねよ」

習近平「えっ」←膝が震えてる

米国の真の目的。

一、中国の台頭の阻止。2040年までに中国のGDPがアメリカに匹敵する。
  最大の問題は、GDP比で中国の軍事費が増大し、アメリカの安全保障を脅かすこと

二、ムニューシン財務長官が実行中と思われる、為替の操作。おそらくドル安への誘導

米英中の3馬鹿さんが「ぎゃーぎゃー」「わーわー」すると
市場の先行きが怖くなった外人投資家ちゃんにより日本株は売られます。
ついでに安全資産の円とスイス・フランが買われるので為替が動きます。

日本の企業は貿易で設けているところが多く、また原材料の仕入れも
主に中国に頼らなければ生きていけない乞食集団なのです。

本音を言うと英議会とトランプには死んでほしいです。
為替は円高になるので米国株に投資する(両替え)人にはありがたいのですが。
特に私がね。え? どうして私が為替相場を意識するのかって?
うふふ。それは……まだ秘密です☆

さて。日本の企業の話に戻りましょう。

企業は『従業員の生活の安定』は基本的に考えません。

人手不足により、統計上は毎年3万人の労働者が不足しておりますが。
外国人材の受け入れを拡大するため、

『労働市場の供給不足による賃上げ』の可能性がまた遠のきました。
今作では銃殺刑の乱発によって労働力がさらに不足しておりますが、
それでもお兄(おにい、と読む)の時給は210円と薄給すぎます。

そのくせ政治家連中の生活の安定、巨大な軍隊の維持のために
消費税は34%です。34パーセントとか舐めてるんですか。
そのくせ社会保障は一つも充実してません。

年金・介護・医療? 介護施設などの入居者のうち、
少しでも痴ほうの疑いがある人は
施設や病院で毒殺されているから老人の人口は減り続けています。

その日の夕食に致死量の毒物(シアン化カリウムって名前だっけ?)が
混ぜてあるそうです。もしくは注射一本でイチコロです。

「こんなご時世だと、むしゃくしゃしてもしょうがないよね」

私の言葉に兄は強くうなずいた。



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