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作品名:令和10年。財政破綻と強制労働と若い兄妹の絆の物語 作者:なおちー

第24回   瞳のママ「娘のレオパレス21が燃えたですって!?」
これも小説の設定だったらどんなによかったことか。
レオパレスは、現在までに少なくとも3000棟の
建築基準法違反(施工不良)が明らかになり、株価が光の速さで暴落した。

株は、今や生ごみと同等の価値しかない。
つまり日本にある生命保険会社の存在価値と同じレベルだ。

(しつこいようだが、生保はクソである。
 私は生命保険会社が大嫌いだ。生保は詐欺だ。悪徳だ。
 このような会社に勤務している全ての従業員に告ぐ。
 君地たちは死後、必ず地獄に落ち、生前の行いを悔いることになる)

「あの」レオパレスである。英国の一部の企業が、この会社の
株の空売りをしていると聞いたが、はたして何が目的なのか。

忘れてはならないのが、この小説の主人公の一人である、
坂上瞳の住居もまた、レオパレス21だったことである。

瞳「布団が…ふっとんだぁ!!」

レオパレスは、もろい。

私はどこかのニュースで聞いたのだが、台風が通過した後に
レオパレスの「屋根が吹き飛び」雨が建物内に直接入って来たという、
笑うに笑えないことがあったとか。

信じれない事態である。

「お〜い大変だぁ、(# ゚Д゚)レオパレスの屋根が吹き飛んだぞ!!」

「や〜ね〜(屋根)(´▽`)」

シャレに、ならない。

今回はダジャレが言いたかっただけである。
これにて筆者の語りを終える。


※さかがみ ひとみ (もうすぐ33さい)

私は愚かにも布団を干した状態で買い物に行ってしまい、
途中で雨が降りそうだった、まではいいんですが、
帰ってきたらアパートメントが良く燃えていました。

ごおごお。と音を立て。レオパレスの周囲にある住宅地にも
火が燃え移り、周囲一帯は火炎の地獄と化してしまいました。

「危ないから現場の近くに寄らないでください!!」
「お嬢さんは離れていろ!!」

必死で消火活動を続ける、消防隊員の男の人達です。
お嬢さんって言われたってことは、まだまだ若者っぽく
見えるってことよね (*´з`) ちょっと自分に自信がついた。

「これはどういうことなのかしら、ヒトミさん ( 一一)」

「お母さんがなぜここに…。(・_・D
 いつもとうとつに登場しますよね」

「この話が始まった時からいたわよ。
 そういう設定なの ()」

「設定、ですか ('_')」

「そう。設定よ (-_-)」

母様は品よく腕を組んで、消防活動を見守っていました。
危ない危ない。ぼーっとしてると風に乗って火の粉が服に飛び散るわ。
今日の天気は小雨と強風。夕方だからタチが悪い。
燃え盛る炎。まるで地獄の光景を眺めてみるみたい。

私のアパートが、燃えているのです。
壁が薄くて隣の部屋のテレビの音は漏れまくり。
上の階の人がどしんどしんと夜にうるさい。
住民が階段を上る音で目が覚める。

けっして住みやすい場所ではありませんでした。
それでも住めば都。あそこには私の生活が、
思い出が詰まっていたのです。 

私は実家の広いお屋敷じゃなくて、
他のみんなと同じような
暮らしをしてみたいと思っていたから。
皮肉なことにレオパレスに住むようになってから
自分がお嬢様だったことに気づきましたが。

『キッチンのやかんの湯を沸かしたままで、
 30分以上かけて買い物をしてきなさい』

私のバッグの奥に締まっている、作者からの指示書です。
ここまで読んでもらえば読者の皆さんは
分かってくださると思うんですが、
アパートの放火の原因を作ったのは私です。

罪悪感なんてありません。
ここが現実じゃないって分かってますから。
しょせん小説。
それに指示ならしょうがないでしょ?

「ヒトミさん (-_-;)」

「はい。お母さん (;´・ω・)」

「あなたの新しい住居を用意するのに少し時間がかかるわ。
 それまで渋谷賢人君のおうちにお邪魔させてもらいなさい (-_-;)」

はいはい。☆侵略イカ娘★

そんなこんなで、私は賢人くぅんの
アパートメントで同棲することになりましたとさ。

いかにも少女漫画やラノベとかでありがちな設定です。
若い男女の突然の同棲。しかも親公認。
もしくは親は海外転勤か、既に死亡している。
どうして市販の作品は画一的な設定ばかりなのでしょう。

それは読者受けしやすい王道展開ばかりの「設定」に凝った
作品を発売したほうが、利益(販売益)になりやすいからです。

出版社等の利益を追求した結果、つまらない、
どこかで読んだような作品ばかりが量産され、
3年ごとくらいのサイクルで少しづつ飽きられ、
以前とは違った傾向の作品が作られ、
斬新だともてはやされ、
それがのちに循環していくのです。

市販作品には、
出版までの納期、ページ数の上限、
編集部のダメ出し、言論統制(倫理何とか)により、
本来の作者の意図した作品とは異なる内容が展開されているのです。

真の個性的作品がネット小説に集中しているのは必然ですね。



・さっそく賢人の家へ

「てことで今日からよろしくぅ (*´▽`*)」

「ひ、ヒトミさん、今は来ちゃだめだ……。゚(゚´Д`゚)゚」

私は思わず吐きそうになりました。
玄関のチャイムを押しても反応がなかったので、
無理やり扉をこじ開けて中へ。それでも賢人君の気配がない。

おかしいと思ってお風呂場を開けてみると、「うっ……(;一_一)」いるいる。
2話前で群馬県まで吹き飛んだはずの美雪さんと、
そのお兄ちゃんであるはずの賢人君が。いん ザ ばするーむ。

つまり二人で浴槽に入っていたのです!!!!! (# ゚Д゚)

「きんしんそうか…(゜-゜)」

「断じて違う!! マジで違うんだ誤解なんだ!! 
 頼むから俺の話を聞いてくれ!! ('Д')」

あれから数日。美雪さんは群馬県から電車(JR高崎線)に乗って
埼玉から帰って来たそうです。「おにいちゃんのバカぁ」といつもの
ように泣きわめき、手が付けられない状況になった。

群馬県の山奥で熊やニホンザルの襲撃を撃退しながらの
下山で精神的にも肉体的にも消耗し、
優しかった彼女(どこが優しいの!!)をすっかり変えてしまった。

「あの女にぶっ飛ばされたせいで死にそうになったんだよ!!
 熊から逃げるのって本当に命がけだったんだから!!
 しかも臭いし!! お兄ちゃんに言っても分からないだろうけどさ!!
 もちろん責任取ってくれるんだよね!?」

「あの女と早く別れてよぉ!! 別れて!! さあ別れて!! 
 今すぐ別れてくれたら許してあげるから!!(>_<)」

賢人君はそれでも私との婚約の意志は固かったようです。
言うことを聞かない妹さんを
往復ビンタするなどして事態の鎮静化を図りました。

でも美雪さんも引きません。
ついに最終兵器・自殺未遂を図りました。

おにいちゃんの見てる前でケダモノナイフ、じゃなくて果物ナイフを使い、
リスカをしようとした。その前にケント君が飛び掛かり、
暴れ続ける妹を力で押さえつけていたら、体がもつれて
妹さんを抱いてしまい、自然とキスをしてしまったとのこと。

この兄妹は何度キスをしたら気が済むのでしょう。
その後、妙な雰囲気になってしまい。どちらとも話しかけられず
沈黙と戦っていると、美雪さんの方からひと言。
一緒にお風呂に入ってくれたら許してあげる。

――そして現在に至る。

「俺は何も間違ってないんだ (;'∀')」

ケント君のあそこは東京スカイツリーのように大きくなっていますが。

「だから違うんだ!!」

(;・∀・)ドン引き(=゚ω゚)ノ

もうね、最低。
妹さんとキスするのは生理的に受け付けないんじゃなかった?
確かに美雪さんはスタイルが良いし、私より若いけど (。-`ω-)
この小説に出るの、もうやめようかな。

美雪さんが「どうぞどうぞ」( ・´ー・`)
こんな顔で言うものだから、殺意が抑えきれません (^_^メ)

「美雪さん。この際だからはっきり言っておくわね。
 私はあなたのこと、大っ嫌いだから (-"-)」

「奇遇ですね。私も瞳さんのこと死ねばいいと思っていたんですよ。
 レオパレスと一緒に燃えちゃえばよかったんじゃないですか? (-_-)」

私はEVA第一話で暴走した初号機並みの勢いで美雪に襲い掛かりました。
一撃必殺の願いをこめ、軸足の踏み込みを中心に
しならせた私の右腕が、腰の高さからアッパー気味に
繰り出されます(;^ω^)

相手はたかが女子大生(;´∀`)

「うそっ……!! ( ゚Д゚)」

美雪さんはお風呂場で裸ということもあり、まるで対応できていません。
てゆーか私たちはお風呂場に三人もいたのですか。きっと狭いでしょうね。

坂上家の子供が限界まで体を鍛えてるのは前述しました。
子供たちは栄養バランスの良い食事を徹底し、
有酸素運動と無酸素運動をしていました。

例え平日の夕食後でも最低10分は体操か筋トレかジョギングを
するようにしていたのです。食べた後にごろごろすると
本当に将来病気になりますから気を付けてくださいね。
不健康な人は、お金持ちにはなれませんよ。

ぐおおおおおっ ←私の右腕がスローモーションで動いてる音。

この一撃なら、美雪さんを再起不能にできる。
そう確信できるほど、力のかかり具合が最高だったのです。

私の残像すら残すほどの拳は……

「ごはっ!!(>_<)」

なぜか賢人タソのわき腹にヒット!!

信じたくありませんが、賢人ちゃんは妹をかばうために
自らの体を盾にしたようです。

「ああ、神よ。どうしてこんなことに……
 賢人君、ごめんなさい。手加減せずに全力で殴ってしまったわ(/ω\)」

「おにいちゃん、顔が真っ青になってるよ!! 大丈夫なの(´・ω`・)
 お兄ちゃん? お兄ちゃん……!! お兄ちゃんっ……!!Σ(・□・;)」

ケント君はお腹を押さえながら、うずくまって震えています。
妹と会話する余裕すらなく、ひたすら痛みと戦っています。
まさか、内臓や骨で異常があるんじゃ…(~_~)

どうでもいいことかもしれませんが、
こんな時でも彼のあそこはボッキしたままでした。

「お、俺はだいじょう……ぶはぁ……!! (;´Д`)」

ケント君の口から吐き出された血が、バスタブを汚していきます。
私の見たところ、彼の吐血量はコカ・コーラの
ペットボトル500ミリ分に相当します。

ところで美雪さんの所有している米国株の銘柄に
コカコーラが含まれているそうです。

「株の話なんかしてる場合じゃないでしょ!!(´゚д゚`)
 坂上瞳、あんたはあとでフルボッコにしてあげる!!
 まじであんた何しに来たの!! 
 金持ちお嬢様の甘ったれ女、年増の若作り!! 
 死ね!!(`´)ガオー」

美雪さんは私を罵倒しながらお兄さんの看病をするという
器用な真似をしていました。

「み、みゆき('Д')」
「しっかりして!!Σ(゚∀゚ノ)」
「俺は……ここまでだ。俺のことは忘れろ(+o+)」
「忘れろって、何を言ってるの!?Σ(゚∀゚ノ)」

「俺がいなくても、おまえならきっと大丈夫だ。
 お金は、親父から譲渡された株式がある。
 大切に……するんだぞ (´Д⊂ヽ ガクッ」

「おにいちゃん……うそでしょ。ねえ。嘘だって言ってよ。
 うそだあああああああああああああああああ!!」

ケント君は首をがっくりさせた後、動かなくなったのです。
美雪さんがどれだけ彼を揺さぶっても反応がありません。

まさかと思って心臓の鼓動を図ると、なんと動いていません。
呼吸もしていないそうです。

渋谷賢人25歳。時給210円。個人資産740円。(郵貯は含めない)
一人の若者が、あまりにも短い生涯を終えた瞬間でした。

「あはは」

美雪さんが、

「あはははは。あははは(゜-゜)」

なぜか笑っています。その雰囲気は尋常じゃありません。

「ほんと面白いよね。瞳さんって」

無表情になり、私を感情のこもらぬ眼で見つめます。
私は彼女の無表情から、猛烈な殺意を感じずにはいられません。

美雪さんが、少し姿勢を低くした。
私が覚えているのはそこまででした。

その次の瞬間には、私のお腹には鉄の球でも直撃したとしか
思えないほどの衝撃に襲われました。

「うぷ(&#9694;&#8248;&#9695;)」

私は盛大に吐きました。
胃の中に入っていたものが全て外へ出て行きます。
とっさに口を両手で塞いだのですが、
指の隙間から嘔吐物が容赦なく漏れていきます。

なんて暴力的な腹パンなの……。

「殺してやるよ。絶対に殺してやるよ。坂上瞳」

私はあまりの恐ろしさに奥歯のかみ合わせが合わないほどでした。

美雪は私の左腕を優しくつかんだかと思うと、
本来曲がってはいけない方向へひねりました。

「あぎゃぁぁああああああぁぁぁぁあああああああああああああああああああぁ」

肩の関節が外されたのでしょうか。
痛みのあまり頭の中に火花が飛び散るかのごとくです。

無様にお風呂場の床の上を
行ったり来たりする私を美雪は足蹴にしました。
冷静に考えるとお風呂場には
言ったり来たりするほどの広さがありませんでした。
適当な描写ですみません。

「こんなんじゃ終わらないんだから。
 生まれてきたことを後悔しながら死んでいけ」

このままじゃ殺されるのは確実ね。
ケント君を殺してしまった以上、そうなるのは仕方ないことだけれど、
私だって無駄に32年も生きてきたわけじゃない。

気力だけで頭をはっきりとさせ、歯を食いしばり、声を絞り出す。 
全身の冷や汗がすごいわ。

「き、来なさいよブラコン娘。
 私だってただでやられるわけにはいかないわ」

私は動く側の腕で、隠し持っていた拳銃を構えました。
近所のウェルシアで買ったのです。
先週は重火器が全品半額セールでした。

「殺す」

美雪さんが獣のごとく低い姿勢で、私に飛び掛かろうとしました。
彼女の次の一撃を食らえば、今度こそ私の人生は終わる。
そう確信が持てるほどの迫力でした。


「はい、かっとぉ」

作者さんが『どっきり、昼ドラのような修羅場』と書かれた
プラカードを掲げています。

作者さんはすぐに逃げて行きました。
美雪さんが唖然としていて、寝たふりをしていた賢人君は
眠そうな顔で起き上がり、とりあえず美雪さんにハグしました。

「はぁ……どっきりとはいえ、疲れたわ」

私は外された関節を直すために最寄りの整形外科へ行くことにしました。
一人じゃ動けないからタクシーでも呼ぼうかな。

「心配しないで。俺が連れて行くよ(^−^)キリッ」
「イケメン……(≧∇≦)」

私の名前は坂上瞳32歳。人からは若作りで美人だと言われますが、
どうせお世辞なんでしょ? これにて茶番を終えます。


※本編へ戻る。


お題。お金について語りなさい。貯金や運用など。

賢人「今回も貯金の仕方、お金の運用について学ぶか(・_・」

瞳「前回の金融庁のギャグの原案を考えたのは
  厚労省だったみたい。ニュースでやってたわ!(^^)」

賢人「厚労省の試算結果をもとに金融庁の審議会で精査した。
   そしたら正しい試算だと明らかになった(*´ω`)」

瞳「ギャ、ギャグよね?Σ(゚Д゚)」

賢人「正しいんだって。だから世間が騒いでるんだよ( 一一)」

瞳「えー(>_<) 私2000万円も用意できる自信ないよー」

賢人「そうかな……?(-ω-)」

瞳「(´・ω`・)えッ?」

……。

瞳「ねえねえ。私と賢人君が結婚した場合の
  シュミレーションをしてみましょうよ(^○^)」

賢人「いいね( ^ω^) さっそく資産状況を確認だ」

賢人の資産
・小銭入れの現金 740円
 以上

瞳の資産
・お財布の中に        2500円。
・アパートの金庫に      15万円
・埼玉りそな銀行の普通預金  470万
・お父さんのデビットカード  500万
・お父さんのクレジット(イオン)カード 200万
 以上

二人の合計でおよそ1200万円超え

夫(25)妻(32)にしては十分すぎる。
日本全国を見渡しても、これほどのお金がある状態で
結婚をしている夫婦は稀であろう。

内容を分析すると、瞳のカードの割合が大きい。
父からの愛が、娘の結婚資金にまでなっている良い例だ。
娘は父から渡されたカード類は金庫に大切にしまってある。
たまに使ってもすぐ補填してれるので助かっていた。

夫婦の資産の99.998%を奥さんが保有してる。
確かに瞳は賢人より7歳年上(学年では6学年上)だが、
それにしても夫側がお金を持ってなさすぎる。


実は賢人には資産がまだある。

「よーっす。賢人ぉ(^^♪」

「母さん!?(。´・ω・)?」

とつぜんだが、この小説に初登場。渋谷家のママである。

FP一級、日商簿記一級、宅建二級、TOEIC870点、その他
多数の資格を保有する、いわゆるキャリア・ウーマンである。

市販のラノベでよく出てくるような、
学校の美人の先生の容姿をしている。
長い黒髪。長身でナイスバディをしたママなのだ。

肌の艶がよい。化粧の乗りも良い。はつらつとしたしゃべりかた、
ハイヒールを履いてさっそうと歩くその姿から、
今でも30代と間違えられることもある。嘘である。
いくら小説でも25歳の息子がいる人が30代に見えるわけがない。

賢人のママが大切にとっておいた、賢人の給料口座があるのだ。

「賢人が結婚するなら返してやるよ。ほらよ。
 あんたのキャッシュカードと預金通帳('ω')」

乱暴に渡された、埼玉りそな銀行の普通預金口座だ。
賢人が2年半銀行で勤めて溜めたお金。
自分で見るのは初めてだった。

気になる残高は……なんと310万円!!
たった2年半務めただけなのに、こんなに入っているとは!!

「魚おぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!」

賢人は、生まれて初めて100万円以上のお金を手に入れ、
パプア・ニューギニアの先住民族、グルルンバ族
のように小躍りしたい気分だった。魚市場。

(よかったわね。賢人君 (ノД`)カンドー)

瞳は思わず拍手したくなった。

たった2年半とはいえ、銀行でも色々とあったはずだ。
上司に怒られ、顧客に追い詰められ、取引先には脅され、
散々な目にあってきたという。

労働とは、組織(企業など)に対して自らの
労働時間を提供し、生み出した製品やサービスの
対価として賃金を受け取ることを差す。
労働賃金の本質とは、『労働者の勤務した時間』の価値なのだ。

これをカール・マルクスら社会主義者は投下労働価値説と呼称した。
実はこれはデタラメで、筆者が独自に解釈しただけの経済理論に過ぎない。

ちなみにリカードやアダム・スミスも投下労働について
持論を述べているが、複雑すぎて筆者には伝わらなかった。
筆者のようにもっと簡単な言葉で説明してほしい。
どんな素晴らしい学説でも万人に伝わらなければ意味ないのだから。

賢人は、およそ2年半分、時間にして395時間分の労働対価を
今まさに受け取ったのである。時間の計算は今思いついたので適当である。

「うええええええい( ・´ー・`)!! 俺様最高っす!!(∩´∀`)∩」
「やったわーーー(^O^)/ さすが私の旦那様(^o^)丿バンジャーイ」

賢人らがこのような顔になってしまうのも無理はない。
一時的に大金を手にすると人は感動するものだ。

夫婦の資産額がまた増えた。

賢人のりそな銀行の310万を追加すると、実に『1500万円!!』

別に令和10年でなくとも、令和元年の現実世界でも
確実にお金持ちの方に分類されるべきであろう。

それでも野村総研の分類ではマス層(3000万以下の最下層)に
なってしまうのが哀しいのだが。

お給料も考えてみよう。令和10年では時給210円。論外である。
ライフ・プランニングができるわけがない。

そこでペンタックが現実世界にあるとして。
埼玉県北部。派遣での軽作業。工場である。
時給の相場は、950〜1100の間だ。
1200を超える場合は、3Kに該当するクソ職場の場合が多い。

ここでは仮に1050円としよう。
ペンタックの一日の勤務時間が8時間15分。
お昼休みなどを除いた実勤務時間が7時間半だとすると、
日給がおよそ7875円である。二人合算で15750円。

20日出勤して月収が、およそ31万5千円。
ここから社会保険等を差し引くが、計算がめんどくさい。
手取りは26万と考えておこう。

基本的には定時帰りだが、繁忙期には残業がある。
土曜出勤も毎月1日はある。
月(会社カレンダー)によって出勤日数が変わるので、
社員の固定給と違って毎月の給料に変動がある。
時給制の痛いところだ。

しかも派遣社員は雇用が不安定なのだが、
これは東証一部企業を始めとして
日本の会社員なら誰にも当てはまる時代に
なってしまったので、あえて考えなくてよろしい。

特に年次昇給をして勤務年月が10年を超える、
正社員の人には筆者から強く警告をしておく。

例えば上場企業のニコン。
脂の乗った中年の社員を大量に解雇し、
経営体制の一新を図ったと社長がどや顔をしていた。

一番危ないのが、新卒から同じ会社に長年勤務してきた人だ。
一生同じ会社で勤めあげるなど今の日本では夢物語である。

そしていざ転職市場に流されて、自分の居場所を失った際に
どうやって生き延びるのか、知恵と機転が必要になる。
プライドも捨てなければならないだろう。

むしろ派遣なら首切りにあった場合、速やかに派遣会社が
次の仕事をあっせんすることを法律が義務付けているから、
転職のフットワークは軽いといえる。

賢人と瞳の話に戻る。
この夫婦が安価なアパートや団地に住み、
子供を作らずに今まで通りの質素な生活を続けた場合を想像する。

今後も一定の可処分所得を確実に貯金として積み上げていくだろう。
老後までに3000万程度保有しても不思議ではない。

賢人は学生時代に培った教養と、銀行勤務の経験から
お金の本質を知っている。余剰資金は株式投資や
不動産投資に回してさらに増やすことを考えるだろう。

したがって、金融庁の2000万持たない世帯は
飢え死にしろ、には当てはまらないのが分かる。

まず結婚時点で1500万円保有しているのが大きい。
さらに賢人と瞳は、おそらく一生涯無駄遣いはしない。

なぜ言い切れるのか。

「20代の時に溜められる人は、一生溜められるんだよ( ・´ー・`)」

ママのセリフである。

ママの言葉を借りると、溜められる人と溜められない人は、
実は社会人一年目の段階で既に決まっているそうだ。

「18か22で社会人になって初めてお給料をもらう。
 先が見据えてる奴は初任給を
 もらった時点で無駄遣いはしないもんなのさ(; ・`д・´)」

ふむ……。

「逆にぱあっと使っちゃう奴は、あとで溜めればいいやと
 思って、次の月の給料も全部使っちまう。
 これがずっと続く( ・´ー・`)」

やはり性格の違いなのでしょうか?

「性格もある。育った環境の違いもある。
 一番大事なのは『先』が見えるかどうかだね。
 お金の運用に必要なのは、先を見据えて
 じっと我慢していられる心の強さ。忍耐力。
 バカにはこれがないんだよねぇ」

今明らかに筆者をバカにする顔で見てきたが、
私は馬鹿ではないと信じたい……。

「人生設計で必要なのはあらゆる場面を想定することだ。
 夫婦なら子供は何人必要なのか。賃貸か分譲か一軒家か。
 車は所有するのか。病気、退職や転居のリスクをどう管理するか(-.-)」

家庭のリスク・マネジメントである。

「そこまで計算も出来ねえのに、若い奴らはどんどん結婚してんだから
 バカだよ。離婚率が増えてんのはどう考えても自己責任だろーが(; ・`д・´)」

「資本主義では、将来起こりうるトラブルの90%は金で解決できる。
 金を持たねえってのは、ドラクエで武器も持たずに洞窟に
 進むようなもんなんだよ( ・´ー・`)」

「リスク回避のために保険は利用するべきだ。
 例えば損害保険は便利だが、保険だけに頼るんじゃねえ(; ・`д・´)
 一番重要なのは自己資金だよ。会社だったら株主資本のことだな。
 自分で用意し、なおかつ、すぐに使える金をたくさん持ってる奴は強い。
 経営体制の盤石な企業は、自己資金で固定資産を購入して
 のちに凄まじい利益を出している」

「うちの賢人やヒトミちゃんは、仮に億の金を持ってても
 そんなに使わないタイプだと思うね。堅実なタイプってやつ。
 まあうちの家族はそんなのばっかりなんだけど。
 血筋なのかねぇ(;一_一)」

あまりこんなことを言うのはあれですが、離婚した場合のリスクについては…。

「子供がいない状態での離婚なら、子供の親権や養育費の
 問題でもめることもない。それに夫婦がそれぞれ
 一定の貯金額を持っているから、お金の心配もない。
 よって現状ではリスクと呼べるほどのものはない」

離婚した場合、二人が持っていたお金はどうなるんでしょうか?

「財産の分与なら、法的には独身時代に溜めたお金が
 個人資産として考えられる。夫婦生活を送ってから
 溜めたお金が共通財産。離婚後はこれを均等に分けることになる」

もっと噛み砕くと、上の資産で計上した各々のお金が、独身時代のお金。
これから溜めていくお金が夫婦の共通財産で、
離婚した場合の分与に値するとのこと。

「賢人も素敵な愛人を連れて来たみたいじゃないか。
 今まで女にモテなかったあんたにしては上出来だよ( ・´ー・`)」

ばしばし、と賢人君の肩を叩くお母さま。
噂に聞いた通り豪快な女性である。

(ま、賢人の顔はそんなに悪くないと思うけどね)

ふむ。たしかにどうみてもイケメンだろう。
ジャニーズ系である。それはいい。

私は先ほどの発言で気になったことがあるのだが……

「あの、賢人君のお母様。さっきの愛人って言うのは('Д')」

「いやだから、あなたは賢人の愛人だろ?(-_-)」

「( ゚д゚)ポカーン」

筆者も同じ顔をしてしまう。

ちょっと待ってほしい。
私は先ほどから一貫して瞳さんのことを
ケント君の奥さんとして物語を進めてきたつもりだ。

愛人がもし誤字だとしたら、今すぐ訂正してほしい。

「あんたは……なんにも分かってないんだねぇ」

――賢人と瞳ちゃんを結婚させて、誰が得するんだ。

そう言われましても……。(;´・ω・)
二人を結婚させてハッピーエンドじゃだめですか。

「そんな散々使いまわされた展開なら書かないほうがマシだよ。
 あんたみたいな脳みそはまさに化石だね(; ・`д・´)時代遅れ。
 よく人から30代なのにジジ臭いって言われない?」

えっと…。

「これからの展開は私が考える。あんたの退化した脳みそで
 展開を考えても誰も続きを読んでくれないよ
 この小説は長く続きすぎて途中でダレてるし、
 起承転結がなさ過ぎて退屈だったんだよ」

我々の視界は暗転し、暗闇のはるか先から、一人の女性が歩いてきた。

「おにいちゃん。ただいまぁ」

群馬まで吹き飛んでいた妹の美雪。再来!! グンマァアアアアー!!ガオー(´っ・ω・)っ

「私ね、ついに気づいちゃったの。どうしたら
 みんなが望むハッピーエンドを迎えることができるのか」

そして物語は進化する… 新制・令和十年。兄妹の絆の物語!!
 妹の美雪、再来!! 瞬間、心重ねて。真っ暗な天井。

日本初公開!! 全米が泣いた!!


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