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作品名:令和10年。財政破綻と強制労働と若い兄妹の絆の物語 作者:なおちー

第17回   美雪「私はお兄ちゃんを見捨てたりしないから」
※ミユキさん

私も前回の話を読んでいます。
スマホでこの小説のページを開きっぱなしにしているので
学校のお昼休みとかに開くと、たまに更新してるんですよね。

更新頻度はそんなに多くないけど、一度更新すると
結構な分量が投下されているので楽しみです。

……私が出演してなければ、もっとね。

「はぁ……」

今日は平日です。キャンパスの片隅にある林の奥のベンチで
私はお弁当を食べています。自分で作ったお弁当なので
初めからおかずがわかっているし、
安い冷食ばかりで正直美味しくもなんともないです。
何より隣に愛する人がいません。

私は兄のことを愛していますが、坂上瞳の大馬鹿のせいで
2兆円もの借金を背負ってしまいました。私は一時期、瞳さんのことが
好きだった描写があったようですが、すっかり冷めてしまいました。

前回の話で私のパパがボロボロになっていたけど生きてるんでしょうか。
モンゴルにはいつ行くのでしょうか。兄はあの後どうなったのでしょうか。
坂上瞳は兄へ求婚をして断られたようです。気になることばかりです。


閑話休題。

めんどくさくなった時は、話題を変えて物語を進めてもいいかもしれません。

「ぎーぎー」 ←電車の連結部が揺れる音

私は午後の授業(講義)をサボって、電車に揺られていました。
目的地は関東から南下して福岡へ。福岡にはペンタックの本社があるのです。

私はペンタックの本社にいる瞳のお父さんを抹殺しようと思っています。
手は打ちました。お父さんは実はロシアの外務省にコネのある人物だったのです。

ロシア外務省と言えば、最近、日本維新の会の元衆議院議員の丸山穂高君の
暴言によってビビりまくり、北方四島の防備を強化しました。

あれはホディ(ホダカちゃんのあだ名)のギャグで、
国家レベルで侵略する意図はゼロなのに馬鹿な奴らです。

ロシアの軍事力を舐めてはいけません。
私は(ソ連の元閣僚だったという裏設定の)お父さんに
泣きながら頼んで、ロシア軍の力でペンタックの本社を叩き潰すことにしました。

はたして簡単にいくでしょうか。
日本の企業は労働者の暴動を
恐れるあまり独自の軍事力を保有するに至りました。

どこの企業も本社を攻撃されることを想定し、
最低でも200発以上の短距離迎撃ミサイル(攻撃用に転用可能)
120000発通常の毒ガス弾(砲戦力)
11万人の特殊部隊

を保有しています。つまり一企業が北朝鮮並みの戦力を揃えています。
日本はこれほどの戦力が集中する危険地帯なのです。

ちなみに日本国自衛隊は、予算を当初の6兆円から40兆へと増額しました。
その結果戦車5千両、航空機10万機、空母11隻、原子力潜水艦6隻を
有する巨大な軍隊へと変貌しました。自民党独裁に不満を持つであろう
国民の暴動を押さえるには十分すぎる戦力です。

「美雪さん!! あなたはお父さんの会社をどうするつもりなのかしら!!」

つもりなのかしら? じゃないよ。お嬢様っぽい口調がマジでムカつく( ゚Д゚)

なぜか電車の隣の席(対面席)には瞳さんが乗っていました。
なんか、作者から主演しなさいと言われて来たそうです。
よく分からない理由です。

「日本語読めないんですか? 文盲ですか?
 上に書かれた文章を読んでください(*´▽`*)」

「お父さんの会社を軍事攻撃したら許さないわよ!!(;´Д`)」

「うーん、正直私も滅ぼせる自信がないんですよねぇ( `ー´)ノ」

「いったい、どれだけ戦力を用意したの!? (; ・`д・´)」

しつこいので戦力リストを見せてあげました。

戦車      5万5千両 ←注目☆
装甲兵員輸送車 7万両
歩兵戦闘輸送車 2万4千両
砲       3万3千門
自走りゅう弾砲 9千両
ロケット弾   8千両
防空車両    5千両
対空砲     1万2千門
ヘリコプター  4千3千機

うん……。なんていうか、既視感がすごいです。
前々前作の斎藤マリー・ストーリーのコピペです。
ごめんなさい。

ヘリコプターが4千なのか? 3千なのか?
おそらく4万3千機の書き間違えなんでしょうけど、
多すぎるからどっちでもいいや。

「戦車5万両!? 自衛隊のおよそ10倍の戦力よ!!
 たかが会社の本社を襲撃するのにこんなに必要!?( ゚Д゚)」

「実はぁ。これでも足りないかもしれないんですよぉ(^^♪」

「足りるわよ!! (;´Д`)
 会社どころか九州一体が吹き飛ぶわよ!!」

「ちなみに兵力は550万人用意しましたので(*´▽`*)」

「……ごひゃく、私の聞き間違えかしら?(>_<)」

「550万人ですよ。人種国籍は旧CIA諸国で24か国です ( ゚Д゚)」

「(^○^)オワタ」

(私のパパは死んでしまうんでしょうか……?
 正直父とはそんなに仲良くなかったんですけど、
 てゆーかうちの家族のメンバーは弟以外苦手な人ばかりなんですけど、
 全盛期のソ連軍の全戦力で攻撃されるのが分かってると
 涙が止まらなくなってしまいます) ←瞳ちゃんの心の中。

「あーあー」

ここで電車内に設置されたテレビが何か言ってます。
この世界では、いつでもどこでもテレビが見れるようにと
公共の場所だけではなく、全ての車両にもテレビが備え付けてあります。

国民を洗脳するのに昔はラジオ。今はテレビ。
ネットユーザーは賢い人が多いので洗脳には向いてないそうです。
令和10年で画質は24Kまで進化しました。こんなに画質必要?

「わたくしはぁ、内閣総理大臣で、ありまス」

でた。聞き苦しいアクセントの日本語。
リズムが滅茶苦茶。活舌が悪いから、歯切れも悪い。
ナポリ地方のイタリア人が話す日本語のほうがマシだよ。

「つい先ほど国会で可決した、新しい法案について
 国民の皆様に、ごせつめぇい、使用と思います。
 年金の支払いについてですがぁ……」

無駄に長いので要約します。

・人生100年時代
・70年前に作られた本来の年金制度は、寿命が65歳を想定
・したがって60歳支給開始の65歳で停止を想定。5年間だけ☆彡
・今の平均寿命にもそれを適用

・基礎年金の支給開始年齢を90歳
・厚生年金(共済年金)支払いを95歳
・介護保険の適用は95歳
・後期高齢者・医療保険の適用は95歳

これは政府与党案である。
野党は存在しないので衆参両院で満場一致で可決された。

「日本の苦しい財政を、皆さんと一緒に乗り切っていこうと思っております。
 これからもぉ、一億総活躍時代をめざしぃ、若者の皆さんには、
 各企業で毎日16時間の勤労に励んでいただきたいのであります!!」

「もちろん労働者として働いてる間は、厚生年金や介護保険に
 代表される各種保険料を国に納めていただきます!!」

95歳まで第二号被保険者として働き、5年以内にぽっくり死ぬ。
これが令和10年の日本国民の基本モデルなのだ。

社会保険料関連の歳出が減ったことにより、
政府閣僚の給料の引き上げが密かに可決。
理由は、増税の影響で
自分たちの親の介護やリフォーム等でお金がかかるから。

反対する野党議員は銃殺されるか
国外通報されてるので反対者はいない。

内閣総理大臣⇒年収1兆5千万円
その他の大臣⇒年収1兆円

国民やマスコミの反応は、明らかに自民党に配慮したものになるのだった。

私たちの電車。車内の人たちは、

「さすが首相閣下だぁ!!」「日本のためなら仕方ないな!!」
「俺達はもっと頑張らないとな!!」「首相すてきー!!」

と言って手を叩いて血の涙を流しています。
喜ぶ振りをしないと粛清されちゃうんですよね。

後期高齢者・医療保険制度の改正に伴い、
厚生労働省、総務省、文部科学省の指示により、
国内のあらゆる機関での「若者」の定義の変更を余儀なくされる。

・50歳は? 若者
・65歳は? ぎりぎり若者 もしくは中年
・85歳は? 少し年を取ってきた

・90歳は? ようやく老人
・95歳は? 後期高齢者 

つまり65歳までの全ての国民は「若者」「若年者」の定義に入りました。
したがって、「50歳」の息子が80歳の父親を刺し殺しても

「最近は若者の殺人事件が増えてきました」
「若さゆえの過ち」などとニュースで報道されるのです。

この国では、自分が90歳になるまで年金を払う義務があるのです。
年金支給開始前に死んだ人は一円も年金をもらえません。
途中で痴ほう症になった人は、市役所の市民課の人か
病院の人に毒殺されます。

年を取り、体が満足に動かなくて働けない人は
「なまけてると判断し、銃殺刑」になって終わり。
仮に足腰が弱くても政府の定義では「若者」ですから。

まさに日本は北朝鮮以上の軍事国家です。

「うぅっ。こんなことってないわっ。
 私達は死ぬまで働かなくちゃいけないのっ」

瞳が泣いてます。瞳の瞳から大粒の涙がこぼれる。
そんな君の瞳を見ていると、僕の瞳からも涙が出る。
そんな私は人見知りです。

「私の名前で遊ばないで(>_<)」

ごめんね。

「賢人君はあれからどうしてるのかなぁ……?(*‘∀‘)」

「相変わらずミドリガメのように固まってますよ(^○^)」

説明が遅れましたが、お兄ちゃんはお父さんにボコボコにされた
末に借金額の多さに打ちのめされ、家で引きこもっています。
布団にくるまったまま、何もする気力が起きないようで
どうにもなりません。そのうち連続殺傷事件になりそうです。

「ニュースをネタにするのはよしなさいな!!(>_<)」
「はいはーい('_')」

こうして横顔を見ていると、ヒトミさんはやっぱり美人です。
色が白くって、髪の毛がサラサラで、手足が華奢なのに
空手の有段者並みの戦闘力を誇る。女性にしては肩幅は結構あるね。
ガリガリ君ばっかり食べているのにお腹は出てません。
でも年だからそのうちお尻がたるんでくるんでしょうね。

「そうならないようにジョギングとかしてるのよ!!(`・ω・´)ゞ」
「ふーん(-_-;)」

やっぱりこの女と一緒にいると無性に腹が立ちます。
背も私より高いし(サカガミは164センチ)
細身で外見にスキがない。その上、父親は経営者で
四半期ごとにブランド物がプレゼントされてる……?

私だったら喜んで使うよ。それなのにこの女、
押入れの奥にコレクションして、
いらなくなったらアウトレットに売る?

売るくらいだったら私にちょうだい!!

「な、なによその目は。それよりお腹すいたわね。
 まだお昼食べてないのよ(-_-;)
 急な出演依頼だったから食べる暇がなかったの」

今は昼の2時過ぎです。

「駅のホームで駅弁買ってきたのよ。たまには奮発して
 一番高いの買ったわ。3400円もするのよ(*‘∀‘)」

えび、いくら、中トロ?とか、高そうな食材が
入っているお弁当でした。坂上は海の幸が好きなのね。

「もぐもぐ。たまには高級品もいいものね。
 普段は質素な食事で、もやしとかお野菜を中心に食べてるの。
 ドラッグストアで安売りしてるカップ麺もよく食べるのよ(^^♪」

うわぁ……。こいつ、背筋を伸ばして食べてる……。
あごの角度とか、小さく口を開けて食べるとことか、
わざわざお茶のパックを両手でつかむところとか、
『完全にお嬢様だ!!』 

どんなに庶民の振りをしても「育ちの良さ」まで隠せない♪
本人は気取ってるつもりはないんだろうけど、私より何倍も上品だ!!
なんか、すっごい、むかつく('ω')

「金持ちは死ねよ!!(´Д’)」
「な、なによ。とつぜん大きな声出さないで頂戴!!(; ・`д・´)」

「あんたばっかりずるい!! 顔も良くて体も細くて、
 生まれた時から何もかも手に入って!!(;´Д`)」

「ちょっとちょっと、落ち着きなさいって!!
 私は30過ぎても独身だし、時給210円で働いてるし!!(;・∀・)」

「本当はニートで生きていけるんでしょう、この馬鹿ぁ!!(;´Д`)」

「バカって言ったほうが馬鹿なのよ!! 
 お金はいらないって言ってるのにパパ達が
 払ってくれるんだからしょうがないでしょ!!('Д')」

---パパ。家賃代だけは自分で払えるから間に合ってるのに。
---分かったよ。じゃあ、これで最後にするからね。
----うん。ありがとう。

そんな感じで終わりがなく、大学を卒業後も毎月生活費をもらっていたそうです。
正確には毎月じゃなくて年単位でもらっていた。
というか大家さんに電気ガス代等含めて親が直接納めている。
毎月くれるのは、生活費とは別枠の「おこづかい」なのです。

なにそれ………(^^♪ ふざけてるの?(-.-)
なんで社会人のくせに
「おこづかい(5万も!!)」がもらえるの……?

社会人が親からお小遣い? 私の感覚がおかしいんですか?
読者の皆さんも普通キレますよね?

自立心ゼロ。お金に困ることが一生涯ない。
30過ぎても親から施しを受けて恥ずかしくないの!?
会社でいじめられるのも納得の理由!!

生まれてから32歳になるまで生活費を
一度も払ったことがありません。
嘘……私の人生、イージー・モードすぎっ……!!

「そのモノローグを辞めて頂戴!! 
 またみんなに誤解されちゃうじゃない!!(>_<)」

誤解じゃなくて事実でしょうが。ドアホ!!
やっぱりこいつ……全力でぶっ飛ばしたい(*´▽`*)

「その振り上げた腕をどうするつもりなの!!('_')
 私はお小遣いをガリガリ君を買うのに使ってるって言ったでしょ!!(´・・`)」

確かに嘘ではないけど、やはり人間なので
たまに散財したくなる時もあるそうです。
先月にどうしても欲しくなった10万もする化粧品の
セット(2か月分)を買ったとか。

「ちょ……(+_+) なんで化粧品のことバレてるの!?
 誰にも話してないはずなのに!!(*‘∀‘)」

※小説だからです。

時給210円の人が10万の化粧品……?(+_+) 
一ヵ月分の給料より高いじゃない。
豚に真珠と言ってやりたいけど、
くやしいけど私よりずっと美人だぁ(*_*;

私大学生なのに30過ぎの女に勝てないんて信じられない!!
これでも小中高とクラスで一番かわいい女子の称号を得ていたのに!!
担任の先生やお兄ちゃんの友達からもずっと可愛いって言われてたのに!!

くやしい!! くやしいよぉおお!!

賢人お兄ちゃんがよく言っていた。
女は人と比べるのが好きな生き物だって!!
その通りだから困るぅぅぅ(>_<)!!

「たまには高価なものを買ってもいいでしょ('Д')
 お金使いたくなる時くらい誰だってあるわ!!(^○^)」

私のお兄ちゃんは2兆円の借金を背負ってるのに!!
私がお父さんからもらった9千万の
株式なんてゴミみたいなものじゃない!!

「その辺で私の話をするのはやめましょうよ!! (;´Д`)
 このタブレットの記事を見て頂戴!!!
 金融庁が何か言ったそうよ!! (; ・`д・´)」

ロイター日本語版の記事でした。

これは作品ではなく、読者の皆さんが生きている
現実世界の設定なのですが、

『夫婦そろってリタイア。年金生活を送る場合、
 100歳まで生きるのに必要な現金は2000万』

旦那さんの厚生年金を収入源にすると仮定し、
夫婦の生活資金は月平均で4万前後不足する。
必然的に貯金を切り崩すのです。
貯金を切り崩しながら、病気や介護におびえながら
過ごす日々。生きた心地がしないことでしょう。

この試算は、金融庁だけでなく多くの
ファイナンシャル・プランナーが指摘していることです。

『国民の皆さんは、自己責任で資産の運用などをして
 財産を増やすか、もしくは働く場所を見つけて
 生き延びてください。アホが手を出すと株は危ない、
 不動産、先物取引、信用取引、外国為替(FX)も同様です。
 ちなみに金のない奴は、さっさと死んでください』

「どう思うこの記事!? 
 二千万なんて大金普通モテないわよね!? (T_T)」

持つの漢字が違うわよ。瞳のドアホ。

「うるさいわ(>_<) そこじゃないのよ問題は!!
 金融庁はお金を持ってない人は死ねと言ってるのよ!!」

「事実だからしょうがないでしょ。
 日本なんて昔からこんな感じじゃない」

「真顔やめてよ! 顔文字使って(;´Д`)」

「はいはい(´・・`) これでいい?」

「美雪さんはこの記事についてどう思ってるのかしら(*_*;」

「だから、事実だって(-_-;)」

「事実!?(^○^)」

ここから私はパパ直伝の経済学と政治の話を聞かせてあげた。
私の話は長く、難解で専門的だったため、坂上は
途中で話に付いていけないようだったのが滑稽だった。
こいつ、お嬢様で良い教育受けてきた割には経済のことはさっぱりじゃない!!

一つでも瞳に勝てる要素があったことに感謝!! パパに感謝!!


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