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作品名:午後『2時55分』に何かが起きる 作者:なおちー

第20回   私(マリー)がなぜかミホさんの決闘することに
「今後裁判を中止し、別の方法での解決法を
 考えるべきだと私は思う」

ロベスさんの主張を下にまとめます。

・第12回 織田信長「そろそろ本気出すわwww」
 以降に裁判が行われていない

・第15回 ミホ「ふざけんじゃねえよ」
 から作者が作品に登場し、読者を混乱させた

・数話前に自分がミホにぶっ飛ばされ、
 出演していなかった期間がある

・その間に〜お兄ちゃんと妹のお話〜が執筆され、
 また余談が多すぎることもあり、さらに読者を混乱させ、
 小説でなく『作者の日記帳』となってしまった
 
・作者の罪は収容所行きに匹敵する。


「諸君は!!」

ロベスさんが両手を広げました。

「作者の日記帳を小説と呼べるのかね!?
 自分の好きなことをダラダラと書いて
 自己満足するのが本当に小説だと言えるのか!!」

トロツキーとバルサンが拍手して称えています。
信長君はせんべいを食べながら笑っています。

ロベスさんはそう言いますけど、代案でもあるのかしら。
ここまで複雑な設定になったストーリーを終わらせる案でも?

少なくとも私には思いつかないわ。
もちろん〜お兄ちゃんと妹〜の続きはごめんよ。

「代案ならあるよ」

自信満々に言ったわ。

「弁護人と検察官の言い争いでは決着がつかなかった!!
 おそらく今後話し合いをしても無理だろう!!
 ならば、最終的解決のために武力に頼るしかない!!」

武力ですって……?

まさかこの人、検察側と弁護側で戦争でもしろとでも言うの……?

「そうだ。国と国の外交でも交渉決裂の末に戦争を
 するではないか。ならば我々2年4組の
 裁判も戦争で解決するしかない!!」

戦争と言っても。私たちは学生なのよ?

「それは分かってる。検察と弁護人から一名ずつ
 代表者を選び、彼らの決闘によって裁判の決着をつける。
 勝った方の主張が通り、この物語は完結する!!」

ざわつきました。よくざわつきますねこの教室。

「確かに!! 諸君の懸念は分かる!!
 武力に頼るなど野蛮なことは私もしたくない!!
 しかし事ここに至り、他に代案があるのか!?
 あるものがいたら、今すぐ私に言ってほしい。今すぐ!!」

私達は理論整然とした彼の主張に反論できませんでした。

時間を書けて考えれば解決法があるかもしませんが、
確かにこの小説は長くなり過ぎました。

生前の作者さんは言ってました。
できれば14話あたりで話を終わらせたかったと。
今私の書いている話で20話ですか。

「異論がないようなので、さらに話を続ける」

ロベスさんは賢者なので、みんなの視線が自然と注目します。
あっ、ポト君が起き上がった。目が覚めたのね。

「この野郎っ!!」

ポト君がロベス君に殴りかかったわ。
ロベス君はひらりとかわし、ポト君を説得しています。

「今はそれどころじゃないのだよ。
 こういう茶番はもうやめようではないか」

「ならなぜ俺を殴った!? けっこう痛かったぞ!!」

「君は聖なる犠牲になったのだよ」

「ぎせい?」

「これから神8は、暴力によって諸問題を
 解決することにする。私はミホ君に殴られてから全てを
 悟ったのだよ。もう話し合いなどしてる場合ではない!!」

「そんなので納得できるか!! 
 俺にもお前を殴る権利がある!!」

「いいから聞け!! 我々神8は常に一つの明確なる意思のもとに
 行動を共にしてきた!! 我々は貞子と戦い、時に媚を売り、
 時に接待し、時に裁判をし、そして解決に至たらず悩んだ!! 
 今、再び我々の力を結集し、小説を完結させようではないか!!」

彼の背後に後光が指しているかのようです。
さすがはフランス国民公会でトップの頭脳を
誇ると言われた人です。

彼の演説に全員が真剣に耳を傾けています。

「我々はもはや貞子対策のために集まった集団ではない!!
 小説を完結させる。その遂行なる使命のために
 知恵を結集するための組織と化したのだ!!
 現に作者は追放された!!」

「全員の意思を統一する必要がある!!
 そのために私は決闘によって決着させることを
 提案したのだ!! 反対者がいたら遠慮なく手を挙げてほしい!!」

彼の言葉は、どうしてこんなにみんなを納得させてしまうの。
ポト君は黙ってしまったわ。

独裁者のレベルの違いを感じてしまったみたい。

「反対者がいないようなので、決闘の具体案をこれから述べる!!」

無理もないわね。私だってロベスさんに口では勝てないわ。
ロベスさんに対抗できるのはケイスケさんくらいじゃないかしら。

「議長権限により、決闘の代表を選出する!!
 検察側代表、本村ミホ!!」

「はぁぁぁぁ!? なんで私!?」

ミホさんは戦闘力が高いので適当でしょう。
あっ、適当は、適切であるという意味も
含まれているのですよ? うふふ

「次に弁護側代表は……」

誰が呼ばれるのか知りませんけど、
ミホさんにボッコにされてすぐ試合終了でしょう。
最悪死ぬかもしれませんね。

「マリー・アントワネット!!」

とにかくこの作品が終わるならこれで一安心です。
一体いつまで続くのか不安でもありました。

決闘とは楽しみですわ。優雅にお茶でも飲みながら
観戦さていただきましょう。

「聞いているのか?」

……はい?

「弁護側の代表は君だよ」

なんと……。

私? このわたくしが?

まさかとは思いますが、私がミホさんと
戦えと? 武力を行使しろと?

「ちなみにこれは議長権限だ。拒否権はないぞ」

嫌ですよ。私は平和主義者で鉛筆より
重い物を持ったことすらありません。

「おいトロツキー。強制収容所はまだ空いてるな?」

「あと一クラス分空いてますね」

何の話をされていますの?

「マリー君。君が愚かにも拒否しようものなら、
 強制収容所送りにする」

バカなことをおっしゃるのね。
この平和な日本のどこに収容所があるのよ。
どうせ脅しでしょ? 

「君を作者と同様にこの作品から追放する。
 そして別作品に移動してもらう」

別作品?

「学園生活〜ミウの物語〜に登場する強制収容所だ。
 君も明日から二号室の囚人として収容されるかね?」

横暴ですわ。

それに議長権限とは何よ。そんなの聞いたことないわ。
神聖なる神8でそんな暴論が通ると思って?

「お願いだよ。アントワネット。
 ロベス君の言う通りにしてよ」

ミホさん……。自分が何を言ってるのか分かってるの?

「物語を終わらせるには、これしかないんだよ。
 私があなたをぶっ飛ばしてあげるから、安心して?」

何を安心しろと言うの。
ぶっ飛ばされるのが分かってて
決闘に応じる人がいるのかしら。

そもそも私を弁護側代表に選んだ意図が分かりません。

「マリー。君はある意味最高に有利だぞ」

ロベスさん……。どうしてですか?

「君は執筆権があるから、現作者でもある。
 ミホ君に殴られたくないなら、君が強くなった設定で
 彼女をボコボコにしてしまえばいいではないか」

確かに私がどのようにも書けるのを忘れていました。
作者って便利なのですね。
ミホさんがすごい顔で私をにらんできます。

「ただし、それで面白い話になるのだったらな」

え?

「君は作者である以上、面白い話を書く義務がある。
 元作者のように駄文を書くだけなら、
 責任をとって君も追放してやる」

そんなに重い話だったのですか……。

私は小説を書くのが初めてなので
物語を完結させるという大役が務まるか
自信がありませんわ。

「大丈夫っすよwww超能力とか使って派手な
 戦闘をすればそれらしく終わるからwwww」

今しゃべったのは信長君よ。
今度から信長君のセリフ説明は省略しようかしら。
wwwがついてるのは信長君だもの。

超能力とか言われても。私は元18世紀の
人間だからSFっぽい設定はよく分かりませんわ。

「マリー。僕も君と一緒に続きを考えるから、
 安心してくれ。できるだけ君が傷つかないような
 設定を考えよう」

ポト君は最後まで紳士ですわね。
私の手を優しく握って語り掛けてくれます。

日本の男はどうしてこういう積極性がないのかしら。

そんなこんなで話はまとまってしまい、
私とミホさんの決闘が議決しました。

期日は一週間後。

それまでに決着の方法を
考えるのが私の宿題となりました。

考えることが多すぎるわ。
他の人と変わってほしいくらいです。
忙しすぎて倒れそうですわ。

「うぅ……こんなのあんまりですわ。
 どうして私がミホさんと戦わなければなりませんの。
 ロベスさんは私に死ねと言っているのと同じですわ」

「マリー。こんなに脅えちゃってかわいそうにな」

屋敷に帰った後、私はケイスケさんの
胸の中で泣いていました。

こんなに悲しくて胸が張り裂けそうになるのは、
フランス革命の動乱以来です。

平和な日本で生まれ変わって楽しく毎日が
過ごせると思っていたのに。

「ちょっと」

貞子さんが鬼の形相で私をにらんでいますが。

何か用ですか? 良いシーンが台無しです。

「なに人の彼氏に勝手にだきつ……」

うざいので貞子さんにはリングに帰っていただきました。
これも作者の権限ですわ。だって貞子さんがいたら
私とケイスケさんの純愛物語が書けないではないですか。

冗談ではなく、これで貞子さんの出番は終わりです。
物語が終わるまで今後一切登場しないでしょう。

え? 貞子の裁判はどうなるのかって?

そんなの知りません。私はこれからミホさんとの
決闘に臨み、この作品を終わらせるのです。

この作品の主人公、兼作者、兼メインヒロイン、
兼決闘者、兼弁護側代表、兼元フランス王妃なのは私です。
兼業が多すぎて自分でも覚えきれませんが。

キャラなのに執筆権があるのは、
人類の小説史上私くらいでしょう。
あとであらすじも書き直してミホさんは、
わき役にしておきますね。

さらにもう一つ兼業を増やしておきますか。

「ケイスケさんの脳内から貞子のことは消えました。
 あなたは今から私の彼氏になりなさい」

「はい。分かりました」

ケイスケの彼女のポジをゲットしましたわ。
Je l'ai fait.(やりましたわ)
うふふ。うれしくてついフランス語が。

「ケイスケさん。私はミホさんに負けることよりも、
 物語が終わってあなたと会えなくなることの方が
 さみしいの」

「マリー。それは俺だって同じさ。俺なんて
 直近の5話分くらい出番がなかった」

「あなたは〜お兄ちゃんと〜に出演されてましたわ」

「ノーカウントで頼むよ。あの作品読んでたら
 3回くらい吐きそうになったわ。
 俺がミホと寝るシーンとか勘弁してくれよ。
 実の妹に欲情するとか気持ち悪すぎてヘドが出るわ」

「確かに。兄妹の恋愛なんて普通じゃありませんわ」

「俺には君がいる。それだけで十分だよ。マリー」

またギュッと抱きしめられました。

ケイスケさんはこんなにも女性の扱いがうまいのですね。
女性が言って欲しい言葉をさらっと言ってくれますの。

「ごめんください」

あら。私の部屋に誰か入ってきましたわ。
ケイスケさんが驚いて私から飛びのきました。
ずっと抱きしめてくれていいのに。

「マリー。作者だからって横暴しちゃだめじゃないか」

ポト君です。

「君がケイスケさんに気があるのは知ってるけど、
 貞子を消しちゃうのはどうかと思うよ。
 ちゃんと前作者の設定を意識して書いてくれよ」

「それとケイスケさんを洗脳するのもよくないよ」

正論なのは分かっているわ。でもね。

「貞子を呼び戻せないのか?」

無理よ。

「貞子は裁判の被告人だぞ。
 君の彼女を救うために弁護してたんじゃないのか?
 貞子がいないと物語の根底が…」

「いやよ」

「へっ?」

「いやよ。いやよ。絶対にいやよ!!
 いくらポト君のお願いでも絶対に嫌よ!!」

私は感情に任せて思いのたけをぶちまけました。

「私はずっとケイスケさんと一緒にいたかったの!!
 私がずっと弁護側に回っていたのも彼と一緒に
 いたかったからなの!!」

「君は……ユキオさんと結ばれそうな流れだったのに」

「ルイは私の友人ポジションよ。元夫だけど、
 この世界では違うわ。私の恋人はケイスケさんなの!!」

「そうか。そんなにケイスケさんのことが好きだったのか」

「そうよ!! 裁判でロベス相手に戦う彼の姿とか
 すっごいかっこ良かったわ!! 貞子を守ろうとする姿も
 カッコいい!! 妹のミホさんに嫉妬したこともあったわ。
 私もこんなお兄さんが欲しかった」

ポト君があきれてるわね。
さすがにまくし立て過ぎたかしら。

フランスの女は情熱的で恋愛が大好きよ。
日本の女みたいに受け身の恋愛はしないんだから。

「いいじゃねえかよ。ポト君」

ケイスケさん……。

「マリーだってこの作品でずいぶん苦労してるんだからさ。
 少しくらい自分の好きな展開を書いてもバチは
 当たらないんじゃないのか? それにマリーに
 執筆権を譲渡したのは、元議長の君だろう?」

「ふ……。ケイスケさんがそこまで言うのだったら、
 僕は引き下がりますよ。譲渡したのは確かに僕ですしね」

ポト君は悲しそうな顔をして帽子を被りました。
彼は外を出歩くときは探偵帽をかぶるのです。

「一週間後を楽しみにしていますよ。
 どんな展開にするか二人でよく話し合ってください」

ポト君は扉に手をかけました。
そのまま行ってしまうのかと思ったら、
私を振り返りました。

「最後にこれだけ言わせてくれ。
 僕は君のことが好きだったよ」

「ポト……」

「君が決闘に勝つことを心から祈っている。
 そしてケイスケさんと幸せになってくれ。
 今夜はお邪魔してすまなかったね」

去っていく彼の姿は、とても印象的でした。
廊下から彼のすすり泣く声が聞こえた気がしました。

ポト君。気持ちに答えてあげられなくてごめんなさい。
あなたと付き合うことはできないけれど、いつまでも
友達でいましょう。

……湿っぽい話になってしまいました。

そろそろ五千字を超えましたか。
短いですが、私は長文を書くのが得意ではありません。
今回の話はこれでいったん閉じましょう。

ではみなさん、また21話で会いましょう。うふふ。



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