20代から中高年のための小説投稿 & レビューコミュニティ
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作品名:午後『2時55分』に何かが起きる 作者:なおちー

第19回   作者は作品から追放されてしまった
この作品の作者は、つまらない話を書いた責任を問われ、
神8の本拠地である2年4組の教室へ連行された。

「まじめに小説を書きなさい」

この会議の議長に就任したポルポトにそう言われる。

彼は人徳から議長にふさわしいとして、
賛成多数により選出された。

部屋の中央に位置するイスに座らされた作者は、
何も答えられずにうつむくのだった。

今回集まったメンバーは、ロベスとユキオを除いた神8。
ロベスは群馬県の山中まで吹き飛ばされ、ユキオは仕事が忙しい。

つまりここにいるのは6人のみである。
みんな作者を尋問したくてうずうずしている。

「みなさん。ちょっとお待ちになって」

彼らをマリーが制した。

「まず作者さんはなぜこの会議に呼ばれたのか
 分かっていないと思います。そこで作者さんの
 何が問題だったのかを明らかにしましょう」

「よろしい。仮にこれを訴状とでも呼びますか」

ポトの許可のもと、作者の問題行動が指摘された。

@ 第16回から18回にかけ、本編と関係ない話を書いたこと
A 事前に読者に何の通告もなかったこと
B 内容は人を選ぶ近親相関ものであった

「作者さん……。あなたと言う人は」

マリー・アントワネット嬢の視線が冷たい。
これから説教が始まるのだろうが、
今度は彼女を制して信長が発言した。

「長くなりそうなんで先を言っていいすかwww?
 この人、たぶん自分で何を書いてるか分かってねえっすよwww
 直ちに執筆する権利とか人権をはく奪したほうが良いっすよwww」

「うん。私も心からそう思う。今すぐぶっ殺したいし」

ミホは怒りのあまり震えていた。
大嫌いな兄と近親相関の末に妊娠。
発狂したいほどの内容だったことだろう。

「私たちは文明人として!!」

ミホは席を立ち、作者を指さした。

「この作者の罪を明らかするため、
 徹底的な尋問をするべきだよ!!」

「そのあと、こいつに処罰を加えればいい!!」

極めて合理的な思想だった。

嫌いだから殴る、殺すのではなく、裁判などの
経緯を得て合法的に処罰する。これぞ法治国家として…

「うっせえ!! そういう文章が余計なんだよ!!
 何回話を脱線すれば気が済むんだ!!」

ミホが吠え、ポトは咳払いをして引き継ぐ。

「これから会議(尋問)を行うにあたって、
 直ちに作者から執筆する権利を奪います。
 そして私は……」

「元フランス・ブルボン王室の王妃にして、
 ハプスブルク家の生まれのマリーに
 その権利を譲渡するべきだと思います!!」

20台から中高年のための〜が始まって以来の事態となった。

この案は『全会一致』によって直ちに可決され、
なんと私は書く権利を失ってしまった。


★★ 〜〜〜〜〜〜〜〜(^○^)〜〜〜〜〜〜〜〜〜^ ★★


始まるのかしら♪ 始まるのかしら♪

知性と美貌と流行とスキャンダルの固まり。
マリーが綴る正しき物語の歴史が。

みなさま。まず私の出生について申し上げますわ。
私はオーストリアはハプスブルク家、
マリー・テレジアの第11子として前世で生を受けました。

母国後のドイツ語名は、

『マリア・アントーニア・ヨーゼファ・
 ヨハンナ・フォン・ハプスブルク=ロートリンゲン』

かっこいいでしょう?(どや顔)

イタリア語やダンス、作曲家グルックのもとで身に
付けたハープやクラヴサンなどの演奏を得意としましたの。

今でも日本の若い女性の一部から熱狂的な人気がありますし、
日本の国会議員の名前よりは知名度が上だと思いますわ。

うふふ。けっして国会議員さんたちを見下してるわけではないのよ?

これから書く文章は、わたくしの一人称とさせていただきます。
今回の執筆権の譲渡につきましては、わたくしが
この作品のメインヒロイン権作者として昇格したものと解釈しております。

これからはメインヒロインのマリーとお呼びください。
作者さんの書く作品にはMarieに準ずる名前のキャラが
必ず登場しますね。それだけ思い入れが強いのですね。

さてと、前置きはこれくらいにして、
さっそく会議の様子を見てましょう。

「なんであんな作品を書いたんだ、こら!!
 しかもバッドエンドじゃねえかよ!!」

男子ではなくミホさんですよ。
作者さんの胸ぐらをつかんで叫んでいますわ。
つばが、作者の顔にかかってますわね。

そんなことをするから、作者に嫌がられて
わき役にされてるとも知らずに。

「本村よぉ。ヤクザじゃないんだからその辺にしておけ。
 お前最近怒り過ぎだぞ」

影の薄いわき役その@、ではなくバルサンが何か言ってます。

「はいはい。ミホは騒ぎすぎると退場だからね。
 僕らは紳士淑女の集いだと宣誓したのを忘れないように」

「ふん」

まあ怖い顔。ミホさんの本性は恐ろしいですわ。
ポト君が言っている宣誓ですが、私達神8は、
この作品の秩序を守るためにみんなで誓ったのです。

作者の勝手な暴走により話が脱線しないよう、
彼を監視する。それがわたくしたちの
神から与えれた神聖なる役割。

「ああぁぁぁぁぁぁぁぁ、おまえら、うぜえんだよ!!」

佐川元国税庁長官の顔で作者さんがとつぜん怒鳴りました。
ペテン師のような顔です。

「今日は久しぶりに土曜出勤がなくて家で休みたいんだ!!
 俺は作者だぞ!! 何を書こうが俺の勝手だろう!!」

この発言により、トロツキーが切れたようです。

トロツキーは、作者の目の前まで歩いて近づき、
鋭いナイフを取り出しました。面白い展開です。

刺すのでしょうか?

ドン!!

ナイフは作者の机に突き刺さりました!!
作者はあまりの迫力にビビってます。

トロ君はこう言いました。

「どっちが本編なのかはっきりしろや!!」

「は……?」

「〜お兄ちゃんと妹のお話〜(16回から)の展開、
 正直わくわくしたじゃねえかよ」

「え」

「こっちを本編にしても良いって言ってんだよ!!
 ああ、はっきり言うよ。俺はこういう話の方が好きだ!!」

本編と無関係の話を擁護しました。
信じられません。作者を擁護する人がいるとは。
彼は作者に買収されたのでしょうか。

「俺も賛成していいっすかwwwwあの家族のドロドロした感じ、
 まじ最高っすwwwwあれ、最後はどうなるんすかねwww
 やっぱ殺されてバッドエンドっすかwww」

信長君も支持してるみたい。みんな頭イッちゃてるのかしら。
それにしてもうちの男子は美男顔とブサイクの差が激しいのね。

作者はまた下を向いて黙っている。
そこでポト議長から答えるよう催促されたわ。

「展開は僕次第ですが、どうにでも考えられます」

「それは、続きが書けるという意味ですか?」

「そうです」

ポト議長の質疑に答える作者さん。

「まずあの別作品を定義してください。
 作者さんにとってあの作品とは、なんだったのですか? 
 まさか余談を書いたわけではありませんよね?」

「はい」

「はい…?」

「余談だと言いました。あれは余談です」

会場が騒然としてしまいました。

ここで席順を説明させてください。

作者を教室ど真ん中に位置させ、
その向かい側に私たちが横一列に並んでますわ。
1対6で十分な圧迫感を加えております。

「余談とかwwwwwどんだけ長い余談なんすかwwww
 三話丸ごと余談とかパねえwwwwしかも内容が濃いwwww」
 気合い入れて書きすぎっすよwww面白かったけどwww」

「うちの家族を勝手に破産させるなよ!! 
 なんで私と兄貴がカップルになってんだよ!! 
 吐き気がして読む気にもならないわ!!」

信長とミホさんです。信長君は口調が特徴的なので
説明しなくても分かりますよね。

ちょっと余談の定義を辞書で調べてみましょう。

余談 よだん

何らかの役に立つことを見込まれていない話。
雑談の類。話の内容の事柄と『多少は関連』しているものの、
本筋から外れており、理解の助けに
及ぶ見込みが殆どないとされるものを指す。

「そういう話が書きたいなら新作として
 書けばいいものを……。何の前触れもなく
 余談を書くから問題になるのが分からないのか」

バルサン君が吐き捨てるように言います。
作者さんは返す言葉がないのか、まだ下を向いてます。

そこへ追い打ちをかけるように、トロツキー君がまた
席を立って作者の前に行きました。

「言いたいことはまだあるぞ!!
 君は『余談の中で余談』を書いてしまった!!」

なんのことだと作者さんがしらけます。

「シンガポール要塞の話とか、なんなんだよあれ!!
 あれ、話の本筋に多少も関連してねえ!!
 まったく関連してねえぞおおおお!!」

「その時のノリで書きました。
 何を書いたのかはよく覚えてません」

作者が震えた声でそう言うと、信長君は爆笑して
イスから転げ落ち、トロツキー君の怒りは火山の噴火のごとく。

「いかにもイギリスを強い国と思わせたいのが
 ムカつくんだよ!! 第二次大戦のイギリスなんか
 ドイツ空軍に空襲されまくってフルボッコだったろうが!!」

そういえば、トロツキー君の作ったソ連軍が
ドイツ軍を倒したという話が前にありましたね。

「日銀の話とかもいらねえんだよ!!
 日本の議会の話も兄妹の話と何の関係があるんだ!! 
 しかも余談なげえよ!! あんなの誰が読むんだ!!」

「そうだそうだ!! もっと言ってやれ!!」

ミホさんがトロツキー君に声援を上げています。
わき役同士、仲のよろしいことです。

トロツキー君の言っていることは正論ですね。

作者は〜お兄ちゃんと妹のお話〜という余談を
書いておきながら、その余談の中でさらに余談を書くという
前代未聞の小説を書きました。

ポト君が口を開きます。

「ふたりとも静粛に。作者を怒鳴りたい気持ちは痛いほど
 よく分かります。ミホとトロツキーは席に戻って。
 続いて僕が質問しますが、その前に、マリー」

私を見ましたね。

「君はさっきから一言も発言してないね」

私は手元にあるノートPCを指しました。
会議中にPCで続きを書いているのだから、
話す暇がありません。

「質問権は全員にあるから、マリーも何か質問して」

めんどくさいですぅ。
小説書くのは初めてだから書くので精いっぱい。

「でもルールですから。君だって性悪女として
 書かれていたのだから、言いたいことの一つや二つは
 あるでしょう。遠慮なくどうぞ」

全員が私を見てきましたから、少し気まずいです。
国語の時間に朗読の指名をされたみたい。

仕方ないので質問しますか。

でも、何を聞こうかしら。

疲れるけど、前の話をざっと読み直してみます。

うーん……。

ああ、ここね。

「では作者さん」

「は、はい!」

なんで緊張しているのかしら。

「第18回 ミホ(お兄ちゃん。バカな妹でごめんなさい)
 について質問したいのですが」

「はい!! なんでもお答えします!!」

「堅苦しくならずに普通にしゃべってよろしくてよ。
 文章量およそ1万の内約ですが、4千文字は余談です。
 ユキオさんのオーディオ、国会と金融のお話で占めていました」

「ぶひ」

「余談の中の余談にしても、少々長すぎると
 思うのですが、どうお考えですか?」

「すみませんっ。確かに長すぎました」

「16話(回)から18話まで余談をはぶけば、
 二話分でまとまった話だと思いますが?」

「その通りでございまっす!! さーせん」

「さーせん、ですって?」

「え(´・ω・`)」

私は、こういう話し方が許せませんの。
家でお堅い教育を受けて育った影響なのかもしれませんが、
日本の若者のチャラい話し方はどうしても許せません。

「あ、マリーがぶち切れそうなのでそこまで」

私は席を立ったのですが、ポト君に制されます。
いけない。私もトロツキー君状態になるところでした。

「はいはい。みなさん。冷静になりましょうね。
 では次の議題に移りましょう」

ポト君がプラカードを机の上に置きました。
こんなことが書かれています。

@ なぜ、兄妹の近親相関ものを書いたのか。
A 本編の内容(255)をドラマの話として扱った。
B Aにより、余談ではなく本編を
上書きする意図があったのではないか

「まず@について説明させてください」

作者さんが饒舌に話し始めます。

「私は作品を書き始めた当初、
 妹のミホは兄思いの子として描きたかった」

「普段は喧嘩するが、いざ家族が貞子問題に
 巻き込まれると、兄を救うために右往左往する。
 そこで家族の絆が描けると思いました」

「証拠としてあらすじを抜粋します↓」

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ミホとは性格が合わず、喧嘩が絶えない仲だった。
そんな兄も女好きが引き金となって
怪奇現象に巻き込まれてしまい、廃人と化してしまう。

時を同じくして、ユキオは銀行の業績悪化により、
出向(退職と同義)を命じられてしまう。
いったい本村家はどうなってしまうのか。

これは一つの家族の絆を描いた?つもりの
世にも珍しいホラー・コメディ作品である。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

「ところが、劇中ではミホが兄をぶち殺すなどと
 発言し、実際にロベスをぶっ飛ばすなどしてます。
 どうしたら妹らしいミホが描けるか考えたところ、
 例の余談を考えてしまいました」

「余談の呼び方では混乱を招きますから、
 〜お兄ちゃんと妹のお話〜で統一します。
 意義のある人は?」

またしても反対者なし。ポトの結束力は見事ですわ。

私はタイプに忙しくて手を挙げませんでしたけどw
あっ、ポトがにらんできた。

作者に対し、トロツキー君が問い詰めます。

「妹らしいミホって言い方が分からん。
 そのまま本編を続ければいいだろ」

「確かに。ネタが切れたから苦し紛れに
 書いた話にしか思えん」

バルサン君も腕組しながら同意します。
お家にカビが生えたらバルサンしましょう。

「今、バルサンからネタ切れを指摘されましたね。
 作者さん。どうなのでしょう?」

「認めますよポト議長。あの裁判での決着の仕方が
 僕には思いつかなかった」

「第15回 ミホ「ふざけんじゃねえよ!!!」の冒頭で
 ロベスピエール君をぶっとばしましたが、
 あの展開も突拍子がなく、無意味だと思います。
 ネタ切れと関連性がありますか?」

「あれはミホが勝手に殴りました。僕の意思ではありません」

「その説明は無理がありませんか? あなたは続きを
 書く権利があることを自分で認めていましたが」
 
「前も言いましたが、頭の中でキャラが勝手に動くので
 僕は『自動タイピング』をしただけです。
 つまり手が勝手に動くので僕の意思ではありません」

ブチッ。

堪忍袋の緒が切れた音ですか。

ミホさんが席を立ちますが、なぜかトロツキー君も続きます。
彼は共産主義者じゃなければ美男子なのにもったいない。
私は東欧系の男子は好みですわ。

おふたりは作者の目の前に立ち、説教を始めました。

「小説を書いたのは、あんただろうが!!」
「人のせいにするな!! 作者のおまえに聞いてるんだよ!!」
「兄妹で妊娠とか現実にありえるのか!! キモいんだよ!!」
「あのあと、本村家どうなるんだよ!! 気になるだろうが!!」

作者さんは(>_<)となっています。
かなり効いてるようですね。

「2人とも、席に座ってと何度言ったら……。
 作者を萎縮(いしゅく)させると逆効果ですよ」

ポト君が少し怒っています。

「作者さんはBについて答えなさい。
 〜お兄ちゃんと〜を本編とする意思はありましたか?」

「最初は一話だけの短編を書くつもりでしたが、
 書き始めたら本編より面白くなってしまい、
 止まらなくなりました。特にミホのキャラが良い」

「あなたは現在、元の話(本編)の
 続きを書くつもりがありますか?」

「ありますよ。ただ、トロツキー君や信長君のように
 楽しいと言ってくれる人もいる。
 僕の会社の同僚も続きが気になると言ってくれ、
 誇らしく思い、今は調子に乗ってます」

「調子に乗らないでください。
 仮にあれを続けたとしてもバッドエンドにしかならない」

「それは分かっています。というかあれ以上書いたら
 マジで出産シーンとか始まりますよ。いいんですか?」

信長君がまた笑ってます。本当にヘラヘラした男ですね。

「ぜんぜんおkっすよwwww
 本編の貞子の裁判とかより絶対面白いっすwwww
 俺たちのこの茶番は飛ばして、続きはよwww」

信長君はたぶん、昼ドラが好きなタイプね。
分かるわ。私も宮廷時代は不倫が趣味だったもの。
不倫をしないフランス王室なんてフランス王室ではないわ。

今のところ、〜お兄ちゃんと妹のお話〜 について

信長・トロツキーが支持派ね。
バルサン、ミホさんは反対派に回ってるわ。

え。私はどうかって? うふふ。秘密ですわ♪

私が一番気になるのは、ポト君がどう思うのかよ。
彼は議長だから中立なのは分かるけど、
本当のところはどう思っているのかしら。

「え、俺?」

そうよ。

「僕は議長ですから、私情を挟まないようにしてます。
 よって発言は控えさせていただきたい」

ちょっとあなた……。

自民党の官房長官ではないのだから。
素直に思ったことを口にしてくださいな

「作者の尋問を続けます」

無視されましたわ。

「短い言葉でお答えください。
 作者さんは本編の小説をどのように
 終わらせようとお考えですか」

「ずばりハッピーエンドです」

また、4組がざわつきました。

「ハッピーエンドとのことですが、本村家の女性と
 貞子、ケイスケをめぐる複雑な人間関係の
 整理が必要となります」

「議長のおっしゃる通りです。あの裁判の結果を
 どうするべきか考えましたが、現在に至るまで
 答えは出ませんでした」

「貞子を無罪にして、なんとか本村サイドにも
 納得してもらえば終わりになりませんか」

「僕もそれは考えましたが、なんだか普通過ぎる気がして」

「普通でも構いません。作者の努力義務として
 一つの作品を完結させましょう」

「実は頭の中では次回作の構想を練っています」

またまた4組がざわつきました。
ミホさんとトロツキーが怒鳴っています。

まだこの作品が終わってないのに
次回作とはどういうことでしょうか。

私達のことはどうでもいいのでしょうか。
もしここに鈍器のようなものがあれば、
作者さんの頭をカチ割ってあげたいです。おほほ。

「君もなかなか物騒なことを言うのな……」

バルサンから言われました。
私ったら口に出ていたのかしら。

「あのー作者さんに聞きたいんすけどwwww」

「なんでしょうか。織田信長」

「なんでハッピーエンドにこだわるんすかwww
 〜お兄ちゃんと〜 も面白いと思いますよ。
 あっちを本編にしてバッドエンドで終わらせても
 納得する人いると思いますけどwwww」

「駆け出しの作者はバッドエンドにしないほうが良いと
 どこかのサイトに書いてあったからね。
 ネット小説の読者はハッピーエンド支持者が多いらしい」

「支持者とかwwwこんなに余談ばかりの作品を
 支持者する人がいるんですかwwwつか俺らなんで 
 作者と普通に会話とかできてるんすかねwwww」

「みんな当たり前のように話してるけど、
 これ、小説的にアウトじゃねえんすかwww」

「それについては…」

作者さんは喉が渇いたのか、
ペットボトルの水を口に含みました。

「作者が思いつくままに自由に作品を書いたら
 つまらない作品になってしまうと思い、
 キャラと一緒に考え直す機会を作りました」

「すでに変な展開にしかなってねえすよwwww
 まともな話の流れなんてほとんどないっすよwww」

「だから、なんとか終わらせる方法を考えないと!!
 俺だって真剣に作品を書いているんだよ!!」

「なにキレてるんすかwwwうぜえwwww」

信長君は馬鹿笑いしています。
この会議を一番楽しんでいるのは信長君でしょうね。

ふわぁ。眠い。そろそろお茶の時間でしょうか。

「マリー君は真面目に話を聞きなさい」

また議長に、にらまれてしまったわ。いけない。

「みんな!! 聞いて!!」

ミホさんが席を立って声を張り上げました。
彼女は何度席を立ったら気が済むのでしょうか。

「この作品がつまらない理由が今分かった!!
 作者が作中に登場するからだよ!!
 まず作者がこの作品から退場するべきなんだよ!!」

あらあら。会場内が拍手で包まれていますわ。
そんなに作者さんが嫌われていますの。

私は作者さんを尋問するの楽しみだったのですか。
だって彼の困った顔美留の楽しいじゃないですか♪

ほら彼の顔見て。

(>_<) ←

真の文明人とは暴力ではなく、言葉(法)によって
相手を追い詰めるべきなのよね。彼のあの顔、たまらないわ♪

「あんた、ドSだったんだ……ちょっと引くわ」

ミホさんが私の顔を見て言いました。
あれ? また口に出てたのですか。

「本村ミホ君の言う通りだ!!」

トロツキーが吠えます。

「この作者は次回作を構想してるなどと寝言をほざいたぞ!!
 もはやこの作品を自ら否定したに等しい暴言だろう!!
 ポルポト議長!! この作者をこの作品そのものから退場さろ!!」

「議長としては、おおむね賛成しますが、その前に一つ。
 作者さんはどんな次回作を考えているのか具体的に」

「スピンオフです」

またしても会場がざわつきました。
何回同じ表現を使えばいいのでしょうか。
私も分かってはいますが、こう表現するしかないのです。

スピンオフの意味を辞書でざっくりと調べましょう。
長いので要約すると

・過去作品の派生 
・キャラの立ち位置変更
・設定等の変更

「ちなみにどの作品をスピンオフしたいのですか?」

「学園生活。ミウの物語です」

何度目か数えておりませんが、また会場がざわつきました。

『学園生活』は『モンゴルへの逃避』の次回作でした。
それをスピンオフさせるということですか。
スピンオフさせる余地があるのでしょうか。

次から次へと奇策が思い浮かぶのはある意味才能ですが、
たぶん作者さんはB型ですね

「いえ、A型です」

つっこまれました。ぶっちゃけ私の文章は
会話してるのかナレーションしてるのか不明ですね。

「俺から質問していいか?」

とバルサン。

「学園生活だが、俺は共産主義者だから支持しているよ。
 だがあの作品は綺麗に完結したじゃないか」

「主人公のミウの鬼畜成分が不足しました」

「鬼畜成分? 初めて聞く言葉だが、どういう意味だ?」

「第21回、ミウは太盛と再会したが、やんでしまった。
 が消化不良でした。もっとミウをヤンデレにしたかった。
 彼女に臨んでいたのは冷酷なボリシェビキになることです」

「なら、そう書けば良かったろうが」

「あの作品もハッピーエンド前提で書いておりました。
 そのためにミウは清く正しい子でなければなりません。
 今度は逆にバッドエンドにするために
 ミウを鬼畜で書いてみたい」

「そんな内容を読んでくれる人がいるのか?
 自己満足の日記帳となるのではないか」

「ちょっと最近会社のストレスが深刻なので、
 残酷な作品を書いてすっきりしたいなぁと」

バカじゃないの。

「はい。バカです」

認めてしまいましたわ。素直な方は嫌いではないけど。

このつまらない会議はいつまで続くのかしら。
今何時かしら。午後の3時……10分前? 
いけない。お茶の準備を始めないと。

「茶なら不要だよ君」

こ、この声は……!?

「待たせたね。君たち」

4組の扉を開けて突如姿を現した方は、
群馬県まで吹き飛ばされたはずの
ロベスピエールさんでした。

「な、なにぃ……」
「ちょwwwあいつ生きてたんすかwww」
「ロベスピエールさん……」
「なんで生きてんの。どんだけタフなんだよ」

みなさん、ざわついてます。

ロベスピエールさんは以前とは貫禄が違いました。
群馬県北部の山中で鍛えたのでしょうか。

肉体的にたくましくなっており、顔つきも
戦場から帰還した兵隊のようになっています。

「ポト君。そこの席は君にふさわしくない」

「う……」

ポト君は目にもとまらぬ速さでアッパーを食らい、
激しく吹っ飛ばされました。

どうやらロベスさんは格闘技を習得したようです。

「今回の会議の内容は聞かずともだいたい分かっている。
 今この瞬間から私が議長を務める。よろしいね君たち?」

ロベスさんの言葉には重みがあり、
有無を言わさない説得力があります。

私と裁判中に意見を戦わせたのは良い思い出です。

「まず作者に対し、即決裁判で刑を執行する。
 この作者は直ちに作品から消えてもらう。
 賛成の者は挙手を願う」

私を含めた全員が手を上げました。
正確には手をあげさせられました。

「それでは刑を執行する」

ロベスピエールさんが助走をつけた強烈な
右ストレートを繰り出しました。

「うわー」

作者さんは窓ガラスを突き破って空の星となりました。

「さて。これから話し合いを続ける。
 議題は単純。今回の貞子裁判の決着の付け方だ。
 いかにしてこの作品を完結させるか」

どうやらロベスさんは〜お兄ちゃんと妹のお話〜を
読んでないので、本編を続けるつもりみたい。
まあ私も反対はしないけど。

こうして作者さん不在のまま話し合いが続くのでした。
ポト君は大往生してますけど、大丈夫なのでしょうか。

長くなりましたので次回に続きます。

                  著作・マリー・アントワネット


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