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作品名:午後『2時55分』に何かが起きる 作者:なおちー

第10回   ……4組で貞子の『裁判』が始まった!!
「山村貞子と本村ケイスケ氏を捕えろ」

これは、神セブンの委員長(代表)と
なったロベスピエールから出された命令である。

貞子が疾走して以来、飽きることもなくバルサン、
トロツキー、ロベスの間で激論が交わされ、
貞子問題に対する最終解決案を出すに至った。

それが貞子の処刑である。

今回の貞子事件では生徒多数を含む犠牲が出た。
その責任を貞子に取らせること、そして学園の恒久的な平和を
維持するための最終的な措置とした。

神セブンは一つの委員会として新しい組織を結成したのだ。
ロベスピエールの頭脳に敵うものはなく、たとえば日本の戦国武将の
織田信長は、彼と議論しても10分もすれば論破されるといった具合だ。
ポルポトも同じだった。

この組織には副委員長がいた。

「どうしても貞子君を処刑するつもりなのかね」

なんとミホの父である。本村ユキオ。
彼は学生でもないのに神セブンに参加していた。

ここは中学校の教室だ。
まず社会人の彼が学校にいること自体が大問題なのだが、
学園側は全力でスルーした。仕事はどうしたのだろうか。

ユキオの熱烈な希望により、神セブンへの加入が認められたのだ。
(彼を副委員長に推薦したのはアントワネットである)
これにより神セブンは神エイトと呼称しても問題なさそうである。

いや、神ナインと呼ぶべきか。
なぜなら今回の会合には、特別顧問としてミホのママが参加していた。

「貞子問題が解決した後は、あなたのこともぶっ飛ばしてあげる」

ママが紅茶を飲みながら、アントワネットに殺意を向ける。

「それはそれは。不愉快な発言をありがとうございます」

「余裕ぶったしゃべりかたが、ますますカンにさわるわね。
 人様の旦那に手を出しておいて何様のつもり?」

「手を出したわけではありませんわ。ユキオさんとは
 お友達として関わらせていただいております」

「あくまで友達と主張したいのね。分かったわ。
 あとであの人を肉体的に尋問してあげるわ」

「暴力では何も解決しませんわよ?
 私は今回の貞子さんの死刑へも反対の立場でした」

女二人がテーブルの一角で
殺伐とした会話をしながらも会議は進んでいった。

貞子処刑の件だが、アントワネットが言うように全員が
賛成したわけではない。

今回のメンバーで多数決を取ったら6:3で死刑が可決した。
実に倍の差である。

その内約は……

賛成派 ロベス、バルサン、トロツキー、織田信長、ミホ、マリエ
反対派 アントワネット、ポルポト、ユキオ

反対派について考えてみよう。アントワットは分かる。
ユキオは息子から愛する人を奪ってしまう残酷さに
耐え切れかったため反対派に回った。では、ポルポトは?

「俺は……マリーの哀しむ顔を見たくなかった」

ポトは絞り出すようにしてそう言った。
バルサン、トロツキーは弱弱しい彼の態度をバカにしたが、
ミホは決して笑うことはなかった。

ミホは死刑大賛成派だが、ポトの意見もあくまで
ひとつの主張として尊重してあげるつもりだった。

血なまぐさいことを誰よりも嫌うマリーが処刑のシーンを
見たら卒等することだろう。ポトはそう思ったのだ。
彼は女性に優しいから、ミホやアントワネットから
一目置かれていたことは前に述べた。

「ポト君。私は君のことが気に入ったよ」「本村のおじさん……」

男二人は固い握手を交わすのだった。
ユキオは、これだけの大事件に巻き込まれても貞子への
復讐を考えなかったポトを心から称賛した。

穏健派の一員だった織田信長でさえ、貞子の死刑には即賛成したほどである。
生徒らは貞子に恨みを持つのが普通であった。

「本村さん。兄上からの返事はあったかい?」

ロベスピエールが議員風の腕組みをしながら問うた。

「うん。俺たちはたとえ地の果てまでも逃げて、生き延びてやるって」

「本気で逃げるつもりなのか。それとも比喩的表現なのか」

「ただの冗談じゃない。兄貴たちお金ないでしょ。
 それに衛星から監視してるからどこに逃げても無駄だし。
 そうだよね? アントワネット?」

「ええ……」

苦しそうに答える元フランスの王妃。

彼女はどういうわけか監視業務が得意だったため、
グーグルアースを駆使してPC上からケイスケたちの動向を見守っていた。
グーグルアースは確かに便利だが、どうやったら正確な追尾ができるのかは
彼女だけが知る秘密である。

「マリー君」

「は、はい!!」

ロベスピエールに背筋を伸ばすアントワネット。
彼はアントワネットの許可もなくマリーと呼ぶようになった。
軽いセクハラなのだろうか。

(筆者は今でもセクハラの正確な定義が分からない。
 どこからどこまでがセクハラなのか。
 世間では逆セクハラという言葉もあるらしいが、ますます混乱する)


「PCを起動してみてくれ。今あのふたりはどこにいる?」

「ええっと……。まだおばあさんの家にいるみたいです。
 日中で暑い時間だからクーラーの部屋で涼んでみるみたいです」

「何をしているのだ? 昼寝中か?」

「その……俗世間風の言い方をすると同じ布団の中で
 イチャイチャしてます。ラブシーン?」

ロベスピエールは飲んでいた紅茶を盛大に吹いた。
ミホが吹いたのもほぼ同時だった。

「ふははははははは!!」 

チョイバルサンが野太い声で笑う。

「我々はなんと残酷なことを始めようとしているのだろうか。
 愛する彼らの仲を永遠に引き裂いてしまうのだからね」

「全くだね。ケイスケ氏も落ちたものだな。幽霊もどきと
 本気で恋をするなど正気の沙汰とは思えない」

トロツキーも楽しそうに笑うのだった。まさに悪党二人である。
そんな彼らをアントワネットは鋭い目つきでにらむのだった。

「諸君。下劣な会話はその辺にしたまえ。
 ここにケイスケさんのご両親がいることを忘れるな。
 これよりケイスケ氏らの捕獲作戦の具体案を考えよう」

当初は武装戦闘集団を結成して誘拐するつもりだったが、
そんなことよりマリエとミホが直接行った方が早いという結論に達した。

ミホは直ちにその旨を兄のスマホ(正確にはアントワネットが置き忘れた)に送信。

『明日にでも兄貴たちを迎えに行くね。私らは貞子を許すつもりないけど、
 そっちが自首してきてくれたら少しだけ罪を軽くしてもいいよ』

それは、実の妹からの譲歩だった。暗に自首したら死刑に反対するとでも
言いたそうな内容だが、ミホにしか本心は分からない。

それに対するケイスケの反応はこうだった。

『うるせー。おまえら、みんな死ね』

なんとも直球な返事である。

ケイスケに貞子を引き渡すつもりがないことがないことは明らかである。
そのうえ、みんな死ねとは、神エイト全員に対する暴言である。

ケイスケは、黙って捕まるつもりはなかった。

非道の限りを尽くす(と思われていた)神エイトに捕まれば最後。
貞子は今までのリングシリーズで犯した全ての罪の責任を取らされる。

貞子は世間的には殺人鬼だが、好きで殺人をするようになったわけではない。
彼女にも辛い過去があったのだから仕方ない面もある。

これを読んでいる読者諸兄らはどう思うだろうか?

貞子は本当に悪なのか? 悪などと定義できる存在なのだろうか?
少なくとも貞子はケイスケとの関係に満足し、
これ以上の殺人はしないと言っている。


舞台をおばあさんの家に移そう。

旅行用のキャリングケースを持ったケイスケと貞子。
セミの鳴き声がやかましい真夏の日中。
玄関前でおばあさんに最後の別れを告げていた。

「いつまででも居てくれていいのに。もう行っちゃのかい?」

「俺たちはこれから二人だけで住む場所を探そうと思ってるんです。
 誰も俺たちを知らない、もっと遠くの場所へ」

「ここじゃ、だめなのかい?」

「ここは埼玉県ですから、うちの実家からそんなに遠くないんですよ」

「それの何が問題なのかねぇ」

貞子が口を開く。

「私たちも本当はずっとおばあちゃんの家にいたかったです。
 おばあちゃんは信じてくれないかもしれないけど、私達
 ある人に追われてるから、ここにいたらいずれ捕まっちゃう。
 おばあちゃんにも迷惑かけるかもしれないの」

「スパイ映画みたいな話をするね。まあ、貞子がそこまで
 真剣に言うんだったら信じてあげるよ。あんたらふたりは
 働き者だから助かってたんだけど、残念だよ」

「ごめんなさい、おばあちゃん。
 この事件が解決したら、また帰ってくるからね」

ふたりは玄関から手を振ってくるおばあさんを何度も振り返り、
手を振り返した。8月の猛烈な日差しから肌を守るために
日傘をさしている貞子。ケイスケは大リーグのキャップをかぶっていた。

家の先の道路にはタクシーが待機している。
あらかじめ電話で呼んでおいたのだ。

「お客様。どちらまで?」

「成田空港までお願いします」

外国行きのチケットを手にした貞子が言う。
なんと彼らの新たな逃亡先はニュージーランドであった。

なぜNZ(ニュージーランド)なのか? 答えは簡単。

『NZで酪農家をやって
 牛乳やチーズに囲まれた生活がしてみたいから』

まさしく子供が考えそうな夢だった。
彼らにとって逃げられればどこでも良かった。
国内にいると捕まる可能性が高いため、
ほとぼりが冷めるまで国外逃亡を考えたのである。

「かしこまりました。ただちにご両人を○○学園の
 二年四組の教室へお連れいたします」

最初は聞き間違えかと思ったが、
中年の運転手は確かにそう言ったのだった。
車は静かに走り出してしまい、すぐに時速60キロに達した。

(こいつもミホ送り込んだ刺客!!)

貞子は後ろから運転手の首を絞めてやろうかと思った。

「マダモアゼル・貞子。お待ちになって」

フランス語でお嬢様を意味する言葉を口にするのは、
もちろんアントワネットである。
彼女はタクシーの助手席に乗っていた。

「どこの国に逃げようとしても無駄です。私たちは貞子さんたちが
 NZ行きのチケットをネット予約したのも知っていますわ。
 どこで何をしても私たちに情報は筒抜けです。
 神エイトからは絶対に逃げられません」

「バカなこと言わないでよ。
 殺されるのが分かってるのに抵抗しないと思ってるの?」

「私は貞子さんの処刑反対派です。ユキオさんとポト君も同じです。
 暴力に頼るのはやめて、あとは裁判に全てをかけましょう」

「いやよ!!」

貞子はこれまでにないくらい大きな声で言った。

「私はいつまででもケイスケと一緒にいたいの!!
 私からケイスケを奪おうとする奴らは全員許せない!!」

「あなた達の味方はいますから、まだケイスケさんと
 離れ離れになると決まったわけでは」

「決まったようなものじゃない!!
 私は絶対に二年四組の教室には行かないから!!」

少し前までは頼まれてもいないのに四組に現れていたのに。
時間の流れとは残酷であり、皮肉なものである。

ケイスケも興奮のあまり鼻息が荒かった。

「な、なあ、アントワネットちゃん?
 ちょっと冷静に話し合わないか?
 このままだとマジで貞子は殺される流れみたいだな。
 ミホと母さんも死刑に賛成なのか?」

アントワネットは無言で首を縦に振った。

タクシーは、なおも国道を走り続けている。
今日は信号待ちがほとんどなく、どんどん進んでいった。

「頼むよ。俺たちを見逃してくれないか? 君も神エイトに
 命令されて仕方なくこんなことやってるんだろ?
 アントワネットちゃんもフランス革命で愛する人を
 失った辛さはよく覚えてるんだろう?」

アントワネットは窓の外の景色を見ていて、
ケイスケの言葉を聞き流していた。

「なあアントワネットちゃん!! 頼むよ。話聞いてくれよ。
 お、俺たち……裁判にかけられるなんて嫌だよ……。
 貞子がいなくなったら俺も頭おかしくなっちまうよ……。
 お願いだよ。俺から大切な人を奪わないでくれ」

アントワネットは行儀よく助手席に座っているだけ。
ケイスケには何も答えなかった。冷酷ですらある。

「アントワネットちゃんよぉ!!」

ケイスケは後部座席から彼女の肩をつかみ、
揺さぶるが、やはり返事はない。

「やめなさい。苦しいのは彼女だって同じだよ」

運転手が言った。部外者のくせに、どの口がそれを言うのかと、
ケイスケがカッとなって運転手につかみかかろうとした。

「アンシャンテ。ジュ・マペル・ポルポト」
(初めまして。僕の名前はポルポトです)

運転手の正体は彼だったのだ。中年男性と思われたのは
きついマスクをしていたからだった。彼はそのマスクをはぎ取り、
アントワネットに手渡した。夏の暑さのため汗がべっとり
ついてたそれを、アントワネットは窓の外へ捨ててしまった。

「ここでの会話は盗聴されています」

ポトが語る。

「マリーがめったなことを口にしないのはそのためです。
 ここで失言したら裁判で不利な証言として残りますよ」

盗聴器は、タクシーの中に少なくとも5個以上設置されていた

「あんたは」

貞子が口を開く。

「中学生なのにどうして車が運転できるの?」

もっともな質問である。
しかも現在運転している車はタクシー会社の所有である。
道路交通法の第70条をはじめとした、あらゆる法律に抵触している。

「僕の前世はカンボジア共産党の最高指導者です」

答えになってない。

ポトは右ウインカーを出し、追い越し車線に移動する。
彼のタクシーはすでに高速道路を走っていた。

運転技術には問題なさそうだったので、
貞子はそれ以上つっこまないことにした。
シュールの極みである。

このタクシーによる誘拐計画は極めて穏便に実施された。
当初はママとミホが武力によって拉致する予定だったが、
アントワネットがロベスピエールに
色仕掛けまでして止めさせた結果である。

ケイスケたちの望むと望まないにかかわらず、
二年四組にまで連行されてしまい、裁判は始まってしまった。

「被告人の名前は山村貞子に相違ないか?」

「はい。間違いありません」

裁判官はトロツキーが任命された。

ソ連人のレフ・トロツキーである。


★★(以下の内容は余談なので読み飛ばしてほしい)★★

本編から激しく脱線してしまい恐縮だが、
トロツキーのことを説明したい。

トロツキーは前世でソビエトの国防大臣(国防人民委員)の地位にいた。
この作品の彼の活躍では、なんともザコキャラに思えてしまうが、
とんでもない。彼は20世紀の歴史に輝く超大物である。

彼の最大の功績は、のちに史上最大の陸軍となる
『ソビエト赤軍』を組閣したことである。

時は第一次大戦でドイツから屈辱的な敗北を喫した直後。
フランスやドイツなどの工業先進国との国力差が明白になった。
ロシア帝国では西洋列強には勝てないことを認めざるを得なかった。

敗戦直後、ロシアは戦車の設計図すら持っていなかったが、
フランスはすでに2千台の戦車を実戦配備していた。

「わがロシアは、フランスなどの一等国に比べて50年遅れている。
 ソビエトが工業化を成し遂げなければ、来たる次の戦争で確実に敗北する」

上はウラジーミル・レーニンが部下に語った言葉である。

次はヒトラー政権が台頭し、欧州を席巻しつつあった時に
トロツキーが委員会で語ったことである。

「次もまた大きな世界大戦が発生する。我が国はドイツなどの先進諸国と
 戦争になった場合、確実に負けるでしょう。万に一つも勝てない。
 ですから重工業化が何としても必要なのです」

第二次大戦(独ソ戦)の危機が迫る中、スターリンが赤軍幕僚を招集し、
極めて正確な図上演習をさせた。結果は、正面からドイツ軍と
戦っても勝てないということだった。

ドイツ軍が攻めてきた場合、少なくとも300キロ深くまで
ソ連領に侵攻されるが、ソ連軍はそれを防ぐことはできないと結論された。

ドイツ軍が補給などの問題により消耗しない限り、
反撃すらできないとジューコフ将軍は言い切った。他の幕僚も認めた。

まさに恐慌である。

ソ連軍は全兵力が300個師団以上。兵にして700万近い。
戦車は『2万6千両』以上。(←おそらく地球上の戦車をかき集めた数より多い)
ソ連は地上最大の軍隊をしっかり用意していた。
(重工業化は十二分に達成していたのだ)

その正面兵力は単純にドイツの二倍以上はあった。

にもかかわらず、赤軍最高の頭脳らが出した結論は、

『ドイツとまともにやっても勝てない』

冗談のように聞こえるかもしれないが、国土面積10倍以上を
有するソ連ですらドイツには勝てないのだ。

『欧州最強のフランス大陸軍ですらドイツには勝てなかった。
 しかも三ヵ月で降伏。普通に考えてドイツに勝てる国存在すんの?』

列強各国の政府でさえ上のように考えていた
(もちろんアメリカや日本帝国も)

ドイツがポーランド、ベルギーなどを瞬殺なのは良いとして、
陸軍大国のフランスまで瞬殺とは、欧州を制覇したに等しい状況だった。

スターリンは図上演習の結果に震えあがり、外交などあらゆる方法で
ドイツとの戦争を防ぐことにした。同じく極東方面の
日本陸軍にも極端におびえていた。

ソ連にとって、ドイツの反対方面に位置する日本と同時に戦うことは
国家の破滅であると、のちにジューコフ将軍が語っている。

第二次世界大戦におけるソ連軍は、全ドイツ陸軍の8割に
達する強大な戦力(300万)を初め、フィンランドや
ルーマニアなどの枢軸国に攻撃されながらも数年間戦い、
(少なくとも)2千万人もの死傷者を出したという。

この2千万と言う数字だが、およそ日本やイギリスの陸軍が
2セットは壊滅している数である。
これでも戦争が遂行できるのだから驚異的な動員力である。

戦争当初、ドイツ機甲部隊の奇襲攻撃を食らい、国境付近のソ連軍部隊が
次々に撃破されたことを知ったスターリンは、ショックのあまり
執務室に二週間以上引きこもり、職務を放棄したという。

ソ連軍は戦力数と国土でドイツをかなり上回っていたが、
肝心の『戦闘能力で致命的な差』があり、
どこのどの戦場で戦っても完敗した。

戦術理論を極め、戦車や爆撃機の集中運用を実現させた
『機動戦の名手』と呼ばれたドイツ。ソ連野戦軍の撃破など
赤子の手をひねるように簡単なことであった。

やがてドイツ軍主力が首都モスクワに迫ったころには、
スターリンは絶望を通り越して精神的に危険な状況に陥っていた。

「ドイツはどうしたら戦争を辞めてくれるのだ……。
 もうソ連は終わりだ……。私はとんでもないことをしてしまった……。
 私がレーニンの作ってくれた国家を台無しにしてしまった……」

それでも紆余曲折を経て挽回に成功するのが『ソ連クオリティー☆彡』である。


第二次大戦では米英ソの三大国がドイツを包囲して
何年もかけて勝つことに成功したわけだが……

☆『ドイツ第三帝国の撃破に最も貢献したのはソ連である』☆
 (ヒトラーの野望から地球を救った)

↑筆者はこの事実を、声を大にして主張したい!!

太平洋方面ではアメリカが日本(海軍)を倒すのに最大の貢献をした。
(開戦当初306隻の艦艇を有する日本海軍を倒すことが
できるのはアメリカ以外に存在しなかった)

連合国は日本とドイツという強大なる軍事大国を倒し、
地球をファシズムの脅威から救うことに成功したのだ。
(何年もかかったが)

のちにアメリカのジョージ・ブッシュ大統領が、
「日独伊三国同盟」は『史上最悪の三国同盟』だったと公式に発言している。

今の国連は、もちろん連合国が進化したものである。

つまり、ユナイテッド・ネイション(国連)は、
『日本、ドイツ、イタリア』をはじめとする枢軸国を倒すために
作られた国際組織であり、今現在でも日独は『国連憲章の敵国条項』に入っている。
(破棄すべきとの声が多いが……。改正にはすごく手間がかかるのだ)

ちなみにソ連の2千万以上の損害だが、一度の戦争としては人類史上最大である。

スターリンは実際に何人殺されたかは多すぎて数え切れないと言っている。
ドイツの主力部隊を撃破したのだから、大損害なのは仕方ないと筆者は思っている。

(他方、ドイツは全世界の全ての戦線での死傷者が計900万)

このトロツキーという人の最大の功績は、ソ連軍を作ったことにあるのだ。
(ある意味、ドイツ打倒により地球人類を最も多く救った人なのかもしれない)


★★ 余談を終える ★★

激しく本編と関係ない話をしてしまったが、反省はしてない。
書いてみたら思っていたより長かった。
しかも軍事史に興味ない人にはどうでもいい内容だった。


「検察側からは以下の内容で起訴されている」

トロツキーが訴状を読みあげると、以下の三つに要約される。

・二年四組の生徒を中心とした快楽殺人
・過去に出演した小説作品や映像作品での殺人
・本村ケイスケ氏を秋葉原で誘拐し、彼を恋人として洗脳した

「被告は起訴内容を認めるか?」

「上のふたつは仕方ないけど、最後のは認められないよ!!」

貞子は怒鳴り散らした。

「ふん。威勢だけは良いな。化け物め。では検察側の供述を頼む」

トロツキー裁判官にうながされ、検察側代表のチョイ・バルサンが席を立った。

「〇月×日に貞子が本村ケイスケ氏を拉致したのは明白である!!
 証人としてママさんと彼の妹も来ている。
 これは今更証明するまでもないだろう」

「だそうだが、貞子君は拉致の事実を認めるかね?」

「認めるわよ。クソ裁判長」

これにロベスピエールが突っ込みを入れる。

「被告人の貞子君は裁判官に対する口に聞き方に気をつけなさい」

「分かったわよ。いちいちうるさいわね」

貞子は、初めて見たロベスピエールの鋭い視線に圧迫されていた。
超生命体の彼女でも彼の超人オーラにビビるほどだった。

ロベスピエールは、なぜかミホたちと同じ席に座っている。
そこは傍聴席であり、証人席でもあるなど自由度が高い。
ただ見てるだけではなく、場合に応じて発言する許可があるのだ。

今回の裁判は、ロベスピエールが考えた制度なので
普通の裁判とは異なる形式となっていた。

「彼女が絶対なる悪だと言い切れるのでしょうか!!」

弁護人のアントワネットが感情を込めて話す。

「彼女の残酷な過去はみなさん、すでにご存じのはずです!!
 あんなことがあったらどんな聖人でも心がすさむでしょう!!
 それに貞子さんはこれ以上の殺人はしないと言っているではないですか!!
 彼女の生まれ変わった聖なる心を見なさんが信じてあげましょう!!」

「裁判長!! 弁護人は意図的に貞子に対する同情を集めようとしています!!」

とバルサン。トロツキーは彼の訴えを認めようか迷う。
バルサンの言い方は攻撃的に過ぎるため、客観性に欠けるが、
弁護人を否定したいのは死刑賛成派のトロツキーも同じだ。

代わりにロベスピエールが声を張り上げた。

「検察側の主張は無効だ。弁護人は供述を続けなさい」

「はい」

アントワネットはうれしそうな顔をした。

「そもそもですね!! ケイスケさんが貞子さんを高校でナンパしたのが
 全てのきっかけではないですか!! ケイスケさんは当時貞子さんだと
 知らずに好みの女性だからとナンパしたという話です!!」

「きみ」

ロベスがつっこむ。

「ナンパは裁判では不適切な表現だ。訂正しなさい」

「は、はい。では、仲良くなるために……口説いた?」

「よろしい。口説いたなら適当だ」

ロベスはこうやって途中でよく口を挟むのだった。

アントワネットの主張は、恋仲になる遠因はケイスケにあるから、
誘拐の件は、貞子だけが原因ではないとしている。
これには一定の合理性があった。

「証人としてケイスケさんがここにおりますわ!!」

「おうよ。遠慮なく答えさせてもらうぜ」

ケイスケは証人席から立ち上がり、その場で発言する。

「あー、みんな。俺はうそを言うつもりはないから、よく聞いてくれ。
 俺は貞子に洗脳されたとか、そういうことは一切ない!!
 確かに拉致されたのは事実だが、なんか普通にあいつと仲良くなっちまった。
 あいつといると、不思議と心が落ち着くんだよな」

「ではケイスケさん。弁護人としてお聞きしますが、
 貞子さんに暴力を振るわれたことはありますか?」

「まったくないぜ。むしろ俺のピンチには助けてくれるよ」

「また、貞子さんが今後も殺人を続けそうに見えますか?」

「ないね。本人は殺人からは足を洗うって何度も言ってるさ」

「ありがとうございます。お聞きしたいのは以上で終わりですわ」

ここでロベスが手を挙げる。

「弁護側の証人に対し、質問がある。裁判官、よろしいか?」

「どうぞ」

トロツキーに許可された(させた)ので席を立つロベス。
挑発するようにケイスケを指さした。

「まず最初に言っておこう。本村ケイスケ氏。
 僕はあなたに貞子事件の連帯責任があると思っている。
 むしろ別件で起訴したいと思っているのだよ」

「はぁ? なんで俺が起訴されるんだよ」

「まず事実確認だが、あなたは貞子と埼玉北部の田舎に逃亡し、
 貞子の祖父母の家ですごしていた。その間高校を欠席していた」

「そうだよ。そんなのここの人達はみんな知ってるんだろうが」

「逃亡を実施する前夜。夜の公園での出来事だが、
 実の母と妹の再三の要求を無視し、貞子との逃亡を実行した。
 これも認めるな?」

「そうだよ!! いちいちうるせえな。何が言いたい?」

「きわめて浅はかな行為だったと言わざるを得ない。
 あなたのことをあれだけ心配していた肉親らを無視し、
 殺人鬼の貞子と逃亡した。これについて何か思うことはあるか?」

「て、てめえ、裁判官でもねえくせに、
 ずいぶんと偉そうなことを言う中学生じゃねえか。
 つかおまえにそんなこと質問する権限あるのかよ」

「問いに答えよ。ここは法廷だ」

「く……もうすぐ本編が一万文字を超えるから、
 次の話に飛んでから答える……」


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