痛みは、誤魔化す度に疼くものだ。 私のその痛みは、疼くほどにぐるぐると胸の辺りをごちゃ混ぜにして、 モヤモヤとなり、心を少しずつ黒くしていく。 綺麗なものを綺麗と、良いものを良いと、思いたいのに、私はどうしようもなく汚いものを見たくなるのだ。
空はどんよりと曇っていた。こんな空を見ると私の心みたいだといつも思う。 行くあてもないのに、私は歩き出す。 大宮駅で降りるとマルイに繋がるコンコースの目の前にあるカフェに入った。 店の中には、ムッとしたような湿気の帯びた空気が漂っていた。 ー...気持ち悪くなりそう。 私は店から出ようか悩んだが、行くあてもなないのだと思うと出る気は失せた。 カフェモカを注文し、喫煙席に腰を下ろした。 流行らないよな、と思った。23歳の女が煙草を吸うことについて。 今は煙草を吸う人は、少ないようだ。 私たちの父親世代は吸う人が多いのに。 小さい頃は、煙草の匂いで気持ち悪くなっていたのに。 もう私の中で、煙草のない生活というものが想像出来ない。
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