へえ、17歳のわりには波乱万丈だね」 「そうだすか」 「そうだすかってカゼダイザエモンかよ」 「17歳なんで、そのギャグ通じません」 「涙ぶらーん、人差し指合わせてチョンチョーン」 「だから分からねえって、しつけーな」 「17歳にして、悟りきった仏のような境地に達したわけですね」 「そんなこと一言もいってませんよ」 「言わなくても分かるよ」 「いや言ってないんで。勝手に分かってしまわないでくさい」 「ごめん、くさーいい」 「変換ミスにいちいちツッコミ入れなくていいから」 「気を使ってるんですよ」
中高年向けのサイトには禁じ手のアバンギャルドなプロローグをぶつけて申し訳ありません。反省を込めて、まっとうな「小説」を開チンします。 登場人物紹介 イッシー 本名・石田徹男。50歳。中堅出版社の編集者。やる気なし。日当たりの悪い「第三編集部」に所属し、文芸月刊誌「塩鯨」を担当する。大型新人発掘企画で投稿してきた17歳の新人・怜治くんと打ち合わせ中 怜治くん 東高校2年。5教科赤点で出席日数も足りず留年確定。不潔恐怖症で、吊革とドアノブが触れない。日常生活に支障がある。でも作家としては天賦の才があるのでナントカ人生の荒波を乗り越えていけるであろう。童貞。
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