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作品名:北の嵐山物語 〜皐月〜 作者:森野 鯨

第2回   2
4時間目は地理だ

まぁまぁ面白い部類の先生で

地理は暗記科目だとかって言っておきながら

未だに教科書をめくることなく

地図帳一本で世界のいろんな話をしてくれる

東南アジアからはじまって 

南アジア 西アジア ヨーロッパ

アフリカ 北アメリカ 

そしてこないだは南アメリカの話だった



「平山くん」

ボクトツ少年 ザ☆平山があてられた

「自分の苗字を10回早口で言ってみて」

「え、え、え…」

「いいから言えよ」

田中が背中をつついた

この列の一番後ろが僕 その前が田中 田中の前がザ☆平山だ

「平山、平山、平山…」

「よし、じゃ次みんなで せーの!」

「平山、平山、平山… ひらやま!」

「世界で一番高い山は?」

「ヒラヤマ…」全員が引っかかったところでの

「じゃなくてエベレストだ!」

田中がヒーローとなったはずだった

「惜しい!」

「?」

「標高8848メートルのヒマラヤ山脈のエベレストは世界最高峰だとされているが〜」

「うんうん」

「はい 南米エクアドルを探して〜」

こうして引っ張るんだ

「地図帳 何ページだ?」

「78ページです」

「そうだ 赤道直下にあるね、実はエクアドルっていう国名は〜」

「うんうん」

「スペイン語で赤道っていう意味でさ〜」

「へ〜」

「このあたりはスペインが征服していたから…」

しばらく歴史の話が続いた後

「で なんで惜しいか だったな」

そうだった

「エクアドルの領内にチンボラソ山ってあるだろ? 標高は?」

「6310mです」

「そこが世界一高い山なんだ」

「?」

「先生 2538mも低いですけど」

さすが暗算クイーンの森川さん

「それに アンデス山脈にはそれより高い山がたくさんありますけど」

「よく気付いたね! そうなんだよ〜」

ノセるのも上手だ

「実は地球は楕円形をしていてさ」

「うんうん」

「地球の中心から計ると この山は地球の一番膨らんだ場所にある山だから 

 エベレストより2100mも高いんだ〜」

「へー」


ってな感じを思い出していると鐘が鳴って先生が入ってきた 


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