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作品名:北の嵐山物語 〜如月〜 作者:森野 鯨

第7回   7
何度も寝返りをうち

その日の夜は なかなか寝付けなかった

もともと自分は マイナス思考の人間なんだと思う

ただ それだけでなく

なんとなく 外に気配を感じていたからもあった

キツネか クロテンか いや …幽霊?

ばあちゃんが心配して 来てくれたのかな

あれこれ 眠れない理由を考えていたら

いつの間にか 寝ちゃっていたけど…




…アラーム 

休みなのに 設定切るの忘れてたか…

ん? 電話?

着信あり 9:33

「トワさん!」

飛び起きた

すぐにかけ直した

「ごめんね、まだ寝てた?」

「いえ、どうしたんですか?」

「昨日、聞きそびれたんだけど、今日、何か予定ある?」

「いえ、何も」

「じゃ、お昼一緒にどうかなって思って」

「え、全然いいですけど」




待ち合わせは 駅のオブジェ前

安田なんとかさんの作品だそう

「てんぴ?」

そういえば 最近テンキって呼ぶのは 担任だけになったな

「お待たせ、待った?」

「ううん」

「よかった、じゃぁまず何か食べよっか」

駅直結のショッピングセンターのフードコートで

ナポリタンを食べることにした

トレーを持って席に着くと

「はい、コレ」

赤いリボンの小箱が手渡された

「ハッピーバレンタイン! 1日早いけど」

「あ、ありがとうございます」

こんなとき 何をどう話していいのか

正直 わからなかった

「じゃぁ…ホワイトデイにはお返しを」

「お返しなんていいよ、でも食べたら一緒に行きたい所があるの」

「行きたいところ?」

「ちょっと橋を渡って歩くけど」

「全然OKです!」

「よかった!」

いろいろ聞きたいことがあったけど

世の中 すべてわかってなくたっていいのかも

これってプラス思考? じゃないよね


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