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作品名:北の嵐山物語 〜如月〜 作者:森野 鯨

第6回   6
「いつもご馳走様デス」

「なんだよ他人行儀に」

「だって まだ他人じゃない」

「他人じゃなくて フィアンセ、だろ」

助手席でドキドキしてた自分に驚いていた

「じゃ、また明日」

って言うか言わないかの瞬間に

抱き寄せられ キスを交わした


「じゃぁおやすみ」

正直 なぜだか今夜は離れがたかった

 
またサラッと積もった雪に

玄関に続く足跡があった

「天樹?」

唇を気にしながらふと玄関脇をみると

足跡が工房の方にも続いている

「ただいま」

「お帰り」

やっぱり帰ってきていた

「早かったのね」

「まぁ」

「で、どうだった?面談」

「合格できるように頑張るだけだって」

「そうね、でもあと1年あるんだから大丈夫よ」

「どこ行ってたの?」

「ちょっとトシと用事、ついでにご飯も」

「ふーん」

「そうだ、帰ってきて工房行った?」

「うん、鍵取りに 朝 部屋に忘れてったから」

「それでか」

「何が?」

「ううん なんでもない そうだ、お風呂洗わなきゃ」




僕は頭の中で 今日の放課後からの出来事を巻き戻していた

もしかして母さん

デートがあったから

三者面談に来なかったとか?

そもそも忘れてたとか?

覚えてたけど デートを優先したとか?

そして研二さんとトワさん

「まぁ そのうちわかる」

どういうことだ?

家も知ってたし

福神漬けは買ってきてたし…

もーなんかヤダ!



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