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作品名:北の嵐山物語 〜如月〜 作者:森野 鯨

第15回   15
知らない男の人が立っていた
 
「瀬川さん ですね?」

「はい…」

「息子さんかな?」

「そうですけど…」

「中央署の佐々木といいます」

そう言って 小さな手帳を取り出した

後ろにもう一人 若い男の人が立っていた

「お母さんは?」

「今いません 病院の方に…」

「そうですか」

二人は顔を見合わせた

「母が何か?」

「あ、いや お母さんがどうこうではないんです」

「はぁ」

「最近、こういう男を見かけませんでしたか?」

若い方の人が写真を取り出した

見たことないおじさん顔だった

「いえ ないです」

「そうですか」

「誰ですか? この人」

また 顔を見合わせている

「いや 防犯上のことで」

若い方に目で合図している

「もし 何かお気づきのことがあったら ここに連絡ください」

そう言って カードを手渡された

中央警察署の電話番号とメールアドレスだ

「お母さんは 病院には何か…」

「あの おじいちゃんが倒れて入院するので」

「そうでしたか 大変なところ失礼しました」

「いえ…」

「では」

二人は家の前に止めた車に乗り込んで去っていった

「本物の刑事!」

ドラマでしか見たことがなかった

拳銃とかも持ってたのかな

「中央署の佐々木です」

手帳を差し出す格好を ひとり真似てみた

「かっけー!」

ひとりで興奮していると トシさんの車が来た

僕は慌てて居間に戻り 戸締りを確認して トシさんの車に乗り込んだ


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