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作品名:北の嵐山物語 〜如月〜 作者:森野 鯨

第1回  
また降ってきた

大粒の雪

ボツ ボツ ボツ ボツ ボツ

音を立てて積もっていくようだ

「珍しく残ってると思ったら お前今日だったか」

バスケ部の副キャプテンになった田中が

机の中にスマホを置きっぱにしていたらしい

そう 僕は6時間目が終わったら

いつも速攻で帰る

汽車時間があるという理由と

近文駅でトワさんに会える日があるという理由で

でも 今日トワさんの上がりは8時ごろだって言ってたから

汽車通生は昼休みが原則の三者面談を

金曜放課後に入れてもらった

「田中は いつ?」

「俺は来週の水曜」

「進学?」

「俺が? まさか」

「そうなんだ」

「え? お前 まさか!」

携帯が鳴った 母さんだ

「ごめん …もしもし 遅いよ」

「ごめんごめん でも全然進まないのよ 事故みたい」

神居古譚は冬 事故が多い

「ちょっと代わりに研二さんに行ってもらうから」

「まじ! なんで?」

「電池もないの 電話しとくからよろしく」

「ちょ、ちょっと…」

切れた…

「前途多難だな ガンバ!」

田中に無意味に励まされ 

なぜか血のつながりのない巨人を待つことになった





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