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作品名:魔女の絵本・改 作者:孤独な七番街

第5回   【恋する少女 - アメルン・エリーゼ】
【恋する少女 - アメルン・エリーゼ】
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進捗 :未完
作成日:2015年04月10日
更新日:
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WEBサイトで公開中:http://chaildman.wix.com/h2-holiday


王城の中にある教会の鐘が鳴る。
綺麗なこの鐘の音色が少女は大好きだった。

その教会で少女は少年に恋をした。
恋なのか友情なのか。友情なのか恋なのか。

どちらなのだろう。どちらなのだろう。

・・・どちらなのだろう?・・・恋であるような気がする。

とにかく、同じ境遇のその少年に親近感を覚え、
話すようになったのは3年前。

少年と話すと少女の心は生まれて初めて味わうような幸福感で満たされた。
ふわふわする。そわそわする。・・・そして、イライラする。

自分はこんなにも落ち着きがなかっただろうか。
そう思うほどに、少年との会話ははずんだ。

少年と出会ってから
この教会へ来るのが日課になっていた。

少年は商家の出なのだと聞いた。

だが、両親はもういないそうだ。亡くなったと少年から聞いた。
だからこそ、こうして孤児として教会に保護されている。

王家に生まれた少女は、
両親からは愛され、臣からは敬われ、多くの者から大切にされて育ってきた。

だが、彼女が9歳の時に両親は殺された。
暗殺されたのだと聞かされた。

実際は、ベットの上で臣とともに両親を看取ったのであるが、
後見人の叔父はいう。

「魔女に呪い殺された。」と。

さて、呪いなどという存在を少女は理解できなかったし
そもそも叔父のことも好きではない。

両親のそれとは違う、
叔父の貫くような鋭い眼光が少女は好きになれなかった。

だが、もし、
大好きな両親を手にかけた人物が本当にいるのだとすれば
少女はその者を許せないだろう。


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