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作品名:DESTINY 作者:把 多摩子

第74回   希望の光は故郷に有り
 弓兵が、一斉に矢を飛ばす。狙うは羽の付け根だ、落下してしまえば恐れる事はない。
 弓から逃れ着陸してきたハーピー達は、戦士達が斬り倒す。魔導士達は雨天を利用し、氷の呪文で応戦した。

「アーサー、私達はあの指揮官を潰しましょう」

 二人の賢者は応戦の為、一度強力な風の魔法を同時に唱えハーピー達の飛行を遮らせた。
 計画的な戦闘の場合、敵の指揮官さえ潰す事が出来たならば統率者がいなくなり、雑魚の行動があやふやになる。極力被害を最小限にする為に、アーサーとナスカは互いに深く頷いた。遥か上空、安全圏から指示を出している骸骨の指揮官は高位な魔導士であろう、頭上や手にした杖は光輝き相当な量の宝石をあしらっている。
 乗っているドラゴンは火を吐いているので火炎属性のようだ、真っ赤な皮膚が恐ろしい。

「あれが落下すると被害が……」
「魔導士だけを仕留めましょう。乗り手を失えばドラゴンも逃亡すると思うわ」

 舌打ちしたアーサーに、冷静にナスカは囁いた。自分に言い聞かせるように、そしてアーサーを励ますように言う。
 遠征から無事帰還できたのだ、これくらいの戦闘はこなしてみせる。二人は先頭に踊り出た、敵を見渡す振りをして、見つめているのはあの指揮官のみ。
 迂回し、こちらへと接近してきたドラゴンに跨った骸骨指揮官を見極め、同時に詠唱を試みた。

「煌く粒子破片となりて、絶対零度の冷気を纏い彼の者へと。全てを凍てつかせる冬の女王よ、ここに降臨し賜え!」
「呼びかけに応じるは無数の光、宙に漂う小さな破片よ。我の元へと集まり増幅せよ、眩い光となれ!」

 二人の声が合わさる、吹雪と閃光が骸骨指揮官を襲った。ほぼ、合成魔法だ。幼き頃より共に鍛錬に励み、まるで姉弟のように育ってきた二人であるからこそ可能な技である。呼吸も同じく、何より威力もほぼ同格であればこそ可能となった。
 ボルジア城の誇る若き賢者二人、アーサーとナスカ。二人の魔法に歓声が上がった、威力が他の者達を大きく凌ぐ。
 しかしながら、いとも軽々と骸骨魔導士は薄い霧を身に纏い魔法を消去してしまう。杖を一振りすれば怪しげな霧を発生させ、辺り一面を覆い尽くした。
 非常に厄介な代物だ、効果が判別できない。

「毒霧!? 皆、口を塞いで!」

 ナスカの大声に皆一斉にマントで口元を覆い隠す、片手を塞がれてはこちらの戦闘力が激減するというもの。噴出した霧の為、視界とて悪くなってきていた。士気が下がることだけは避けたい、アーサーは瞳を細めながら比較的弱い魔法を幾つか繰り出した。
 詠唱するは、風の魔法だ。
 声をかけられる限り、皆に風属性の魔法を詠唱するように指示を出す。風の力で霧を吹き消す作戦である、徐々に薄れ行く霧の中でアーサーは骸骨指揮官を見つめていた。
 真正面に迂回する、その好機を逃すことなく。

「光を纏い、灼熱を帯びし輝ける炎を降臨する。我の名の下に、一筋の弓矢と化しかの者を貫きたまえ!」

 アーサーの右手に、一本の弓矢。見えない弓で、その矢を放つ。燃え盛る弓の先が、正面の指揮官の胸を容赦なく貫いた。
 凄まじい断末魔を上げながら、骸骨指揮官の身体が灰化していった。急所を的確に貫いたようだ、所詮は仮初の命である。

「魔具で動かされていただけかもしれないわね」

 消え失せた骸骨指揮官に余裕の笑みを浮かべ近寄ってきたナスカは、おたおたと下りてきたハーピーを手にしていた杖で強打する。指揮官を失った敵は、思う壺だった。戸惑うハーピー達を薙ぎ払い、騎手を失ったドラゴンは一目散に逃亡していく。まごつくハーピー達を一掃し、皆の表情に勝利の確信が浮かぶ。
 ほっと一息、互いに手を合わせながら下を覗き込めば落下したハーピー達の処理をしている部隊が目に入る。だが、城門から突撃をかましてきているゴブリン部隊達は未だに、攻撃を止めていない。あちらはまだ片付いていないようだ、一部の者達は一目散に下へと急いだ。
 万が一に備え、怪我人を含めて数人はその場に留まった。誘導作戦であるならば非常に危険だからだ。
 狭い石畳の階段を下り、城壁まで雨の中を走りながら上空にも意識をやる。今のところ変化はない、ゴブリンを一掃すればこちらの勝利だろう。
 戦いに油断は禁物だが、アーサーは勝利を確信していた。
 戦況は上々であったが、怪我人も多く、武器の支給も滞り始めていた為大慌てで見張り台へと駆け上ったアーサーは荒い呼吸で風の魔法を放つ。
 威力は確かに強くはないが、それでも他の者達に比べれば強力だ。
 ゴブリン部隊を一気に城壁から離す、死者は不幸中の幸いで出ていないようだった。怪我人を下がらせ、魔法に抵抗力のないゴブリンに、一気に魔導士達が畳み掛ける。
 ナスカがこちらには来ていないので、合成魔法を狙わずに皆同じ属性で詠唱を開始した。
 雨が上がる。
 空には青空が広がり、小さな白い雲が何事もなかったかのように顔を見せた。大地はたっぷりと水気を含み、辺りの木々が緑の葉を輝かせ、小鳥達が元気良く啼く。香しい緑に染まった空気は花の香りを取り込み、人々を優しく包み込むかのようだった。魔王に侵略されていても、自然は優しく美しい。
 眩しそうに空を見上げたアーサー、この勝利に見合った相応の報告をこの後聞かされることになる。
 ナスカが小走りでやってきたので、軽く右手を上げた。満面の笑みを浮かべ腕を引き摺るように走り出したナスカにアーサーは一瞬たじろいだが、大人しくついていった。
 城の一室へ向かう、一言も会話なく案内されたその部屋のドアを開けば。

「リン!? ココ!? メアリ!? まさか!?」

 驚愕の眼で部屋の中を見渡す、救命室であり傷ついた兵士達が手当てを受けていたのだが。プロセインへ派遣されていた、ナスカの仲間達がベッドで眠っていた。
 とりわけ、ココは元気そうに両手を掲げてアーサーに笑みを向けている。リンは苦悶の表情を浮かべたが、うっすらと微笑し会釈した。メアリは額に包帯を巻いているが元気そうにぬいぐるみを抱いたまま、アーサーの名を呼ぶ。
 あまりのことに、思わずアーサーは言葉を失う。ナスカだけではなく、他の友人達も無事に帰還していたのだ。
 なんという、奇跡か。全滅の噂は、全く出鱈目だったのだ。
 震える身体を上手く動かすことが出来ない、ナスカに支えられ一歩ずつ床を這うように足を滑らせ前進する。
 治療にあたっていた神官の娘であるセーラも、アーサーの姿を見つけると駆け寄り、久々の挨拶を交わした。
 ココだけが陽気な歓声を上げるとベッドから飛び降りて、アーサーの肩を思いっきり叩いた。
 凄まじい音に唖然とする、身体が痺れる。
 思いの外強い力だった、しかし、この力が出せるならば彼女は元気だろう。嬉し涙が瞳に浮かび、思わず視線を逸らしたアーサー。
 死んだと諦めていた友人達が、まさか一斉に戻るとは。思わず、神に祈る。精霊神エアリーへと、祈りをその場で丁重に捧げる。
 アーサー、ナスカ、セーラの三人は協力して人々の治癒と看護にあたった、とりわけアーサーは仲間の生存に甚く感激し、必要以上に走り回っている。思わず笑みが零れる、嬉しくて嬉しくて堪らない。
 身動きできるものは薬湯を配り、怪我人の身体を拭き、懸命に皆で看病する。アーサーが惑星クレオから持ち帰った薬草も、早速使用された。
 本日の死者、0人。負傷者は、手当て全員終了。スパニッシュブルームの暖かい珈琲を皆で飲み、気分を落ち着かせて一息した。
 アーサーとナスカは満足そうに微笑むと、王の待つ広間へと直様足を向けた。止める皆を無視し、ココ、リン、メアリ、そしてセーラもその後を追う。
 リンの左足は骨折していたようで、皆より遅れ気味だがリハビリも兼ねて一人で壁を伝い追いかけている。
 広間ではアーサーを待ち焦がれていた王が、食事を用意して席についていた。豪華ではない食事だ、ボルジア城の王は民と同等の食事を摂っている。
 身分隔たりなく、分相応に。質素で構わない、食事のありがたみを忘れない……こういった謙虚な王の姿勢で、魔族達とも民は懸命に戦えるのだ。
 並べられていた料理をアーサーは覗き込んだ、非常食の干し鱈を水で戻し煮た後、バターソース、塩胡椒で味を調えて食する。ほんの僅かなハムに、白米が極僅かで他はイモ類と野菜のミルク煮。魔王侵略前に食べていたものとは比べ物にならないが、有り難い食事である。
 手を合わせ、席に恭しくついた六人は王に感謝の言葉を述べながらスプーンを手に取った。確かに、腹は空いている。今まで懸命に看病をしていた為忘れていたが、一食抜いたことになるのだ。
 アーサーは惑星クレオでの僅かながらの旅を思い出し、そして軽く溜息を吐く。惑星ネロの詳細は掴めないが、最も過酷を強いられているのはここ、チュザーレではないのか。魔王が全員クレオに移動しているが、チュザーレの人間達への侵略は先程の戦いが物語る通り、緩められていない。

「クレオは……如何なのじゃ?」

 王の問いにアーサーは面を上げる、注目している皆を見渡し包み隠さず数日前からの出来事を話した。
 戦闘前も簡易に話をしたが、先戦の報告も兼ねて再度する。ナスカ達はまだアーサーの報告を耳に入れていないのだから、興味津々だった。
 勇者の中で、最も優れている惑星クレオの勇者アサギ。その不思議な力と魅力、急成長する能力の高さ、しかし、魔王によって攫われてしまったこと。
 部屋中の者が言葉を失い、悲観的な溜息を同時に吐く。勇者が魔王に攫われて、生きているはずなどない、と。
 あちらこちらで絶望のすすり泣きが聞こえ、発狂しそうな勢いである。聞き間違いを願っていた大臣も、落胆して食事が喉を通らなくなった。

「そんなことになっていたの……」

 ナスカは戸惑いの瞳を投げかけながら、自分もテーブルにがっくりと肘を下ろして頭を抱え込んだ。絶望、しかやってこない。
 ようやく勇者に出会えたのに、よりにもよって”魔王に攫われた”とは。

「しかし、他の勇者達は無傷です。そして、アサギを救出すべく惑星クレオの仲間達が現在散っています。私も……アサギが生きていると信じておりますし」

 気休めの言葉にしかとれない皆だった、アーサーはともかく、皆”アサギ”を知らない。そして、何故ハイがアサギを攫ったかなど、到底知る由もない。誰が思うだろう、今現在丁重に扱われているなどと。

「惑星ハンニバルの魔王……いや、暗黒神官ハイといえば、血の通っていない冷酷無慈悲な男だと……あぁ、世界の崩壊だ!」
「えぇ、間近で私も”暗黒神官魔王ハイ”を見ました。確かに放つ魔力は我らの比ではありません、ですが、妙な事に私達を殺さずに生かして消え去ったのです。……絶望しなくとも良い気が致しまして」

 そうなのだ、殺す気であったのならばあの場で全員惨殺されていてもおかしくはないのだ。
 だが、あの時のハイは。
 アーサーは瞳を細め、あの時の情景を思い浮かべた。何故か、自分と似た空気を所持していたような、と思った。”似た空気”。アーサーと似た空気……いや、空気というよりも……感情。

「よもや……」

 アーサーは有りえない、と苦笑したが。有り得ないことが、起こり得るのだと。数奇な出来事に幾度も遭遇した、可能性が0ではない限り考え付く事は起こり得るのだ。
 そうである。

「魔王ハイ、まさかアサギに好意……を……?」

 誰にも聴かれぬように、眉を顰めてアーサーは呟く。馬鹿らしいが、しかし思いついてしまった。
 流石賢者だ、大当たりだ。
 けれどもそんなことを言っている場合ではく、アーサーは弾かれたように重苦しい部屋を見渡す。
 奇跡は起きたのだ、その話を聴こうと。奇跡の生還、ナスカ達の話を。視線を向けると、軽くナスカは頷いた。

「私達は、確かに死を覚悟したわ。突然神殿が崩壊し、天井は落下、生き埋めになるのだと。そうしたら、その神殿にはカラクリがあったのよ。床下から空洞が発見されて、慌てて皆で逃げ込んだわ。空洞は先が長くて、とりあえず進んでいったの」

 アーサー以外は知り得ている情報だった、だが、皆瞳を閉じて聴く。

「現時点で生存者は三分の二、ともかくこの場の全員の身の安全を確保したかった。だが先には大蛇が待ち構えていた、今思えばあれも奇跡か、全滅は免れた。十人程度に減少していたがな」

 リンが口を開き、口惜しそうに歯軋りをする。その際に骨折したらしい、自分の腕の未熟に腹が立っているようだ。
 足に響いたのか、次にココが口を開く。

「でも、希望は捨てちゃ駄目だしね。大蛇を辛うじて撃破し、必死に出口を探した。空洞は広いけれどどこもかしこも行き止まり、もう本当に食料も尽きて餓死するしかない、と。そうしたらさ、隠し部屋を発見したんだ。不可思議な場所、神殿の真下だったのかもな、誰が作ったのか祠もあった。ナスカとメアリが渾身の魔力を放ってそこを転移装置に換えたわけ!」

 身振り手振り、自分自身が一言一言を噛締めながらココが説明する。感謝の礼をナスカとメアリに向け、笑みを浮かべて胸の前で手を組んで祈った。全員で祈りを、奇跡の生還を遂げた仲間に、栄光を。
 城へと無事到達出来た生存者達は直様治療を受けた、後に解った事だがあの神殿の地下の空洞は太古の昔に造られたもので、意図は不明である。けれども何かしらの儀式を執り行う場所だったに違いないだろう、魔物に破壊されていなくてよかった。
 ココは乾ききった唇を舌で嘗め上げると、アーサーに力強く微笑みかける。
 犠牲者は多い、しかし絶望は回避したのだ。

「神殿内に入って、貴重な武器も入手したわ。崩壊は避けられなかったけれど、こちらとて無下にやられたわけではないし」

 柔らかに微笑んだナスカ、どこからかすすり泣きが聴こえる。アーサーの瞳からも、安堵の涙が零れていた。
 いつしか、拍手が巻き起こった。絶望の中に生まれた、最大の奇跡。状況が一変したわけではない、変わらずに絶望的なこの中で。それでも、ボルジア城の若き精鋭達は一同に揃っている。
 今まで伏せっていた皆の瞳が、微かだが輝きを取り戻した。

「まだ、諦めるな! 今魔王ミラボーは不在、この機に領土を奪い返すのだ!」

 その場の全員が、椅子から豪快に立ち上がり歓声を上げる。 
 賢者アーサー、賢者ナスカ、剣士リン、武術家ココ、神官セーラ、魔法使いメアリ。
 若くして有能な今後の主力メンバー達を囲み、久々に城から笑い声が聴こえる。平和を、取り戻す。ミラボー不在の、この機を逃してはならず。
 希望の光が、ボルジア城にもたらされた。それは、勇者ではなく以前から国に使えていた若者達が光り輝いた為だ。

「惑星チュザーレの勇者殿の名は、して?」
「ダイキ、と申します」
「彼がミラボーを倒してくれれば、尚良いのだが」

 王が溜息交じりにそう呟く、皆神妙に同意した。それまでは、こちらでやるべきことを。
 アーサーは窓からそっと星を見つめる。何故か、アサギは全くもって無事な予感がして。そして、また出会える気がして。薄っすらと、微笑んだ。
 宴は夜更けまで、ではなく。早々に終了し皆身体を労わる為に、部屋へと戻る。浮かれるのは、勝利を得てからで良いのだ。それまでは、必死に耐え忍ぶ。皆で、歓喜を分かち合えるその時まで。

 ぐっすりと眠っていたアーサーは、陽が高く昇る頃ようやく起きた。久々の愛用の寝床だ、眠れないわけがない。
 起きて焼きたてのパンと薬湯にサラダを食べてから、身嗜みを整えて家を出た。向かう先は城の図書館だ、何度も足を運んでいる場所である。直様埃の被った本を一冊一冊丁重に手にし、瞳を光らせる。アーサーが探しているのは、自身が所持していない魔法書だった。禁呪があれば良いのだが、そう簡単にお目にかかれないだろう。
 図書館の魔法書など、管理がされている為、可能性は薄いが0ではない。先人が書き記した魔法書でなくても良い、何か切っ掛けを作れる論文でも構わない。

「役に立つ、強力な呪文を。犠牲者を最小限に留め、皆を救える呪文を……」

 己のみが所持できる、禁呪。
 もし、この場に存在しているのならばアーサーに反応して現われるのではないか、とも期待をかけている。一途に、ただひたすらに。
 何かを呼び寄せるように、アーサーは真剣に手に集中した。相当の破壊力のある禁呪は、自ら持ち主を選ぶだろう。
 アーサーは、主に治癒魔法に定評がある。攻撃系としては火炎系が最も得意であった。平均的に一通りこなせるのだが、やはり足りない。例えば禁呪が無理であるならば、合成魔法はどうだろう。
 昨日、ナスカとほぼ合成出来たが、あれを一人でこなしたい。この世には存在しない独自の魔法を創り上げる……自身には可能だと、いや、可能に出来るはずだと。その為には火炎系の魔法と互角の他属性の魔法を、とりあえず手中にしなければならない。
 例えば昨日の火炎の弓、あれに電撃を帯びさせてみてはどうだろうか。もしくは、火炎と疾風を掛け合わせ、火力を倍増させてみたり。
 と、アイデアは水が湧き出るように生まれるが、実際問題難しい。
 二つの属性魔法を同時に唱え、操り、合成させ敵へと放つ。容易なことではないが、やらなければならない。
 魔王が姿を見せたのだ、圧倒的な魔力を痛感したアーサーであるからこその決意だった。
 アサギを救わなければならない、自分は剣士ではない、賢者なのだから最強の術で対抗しなければならない。アーサーは、眉間に皺を寄せ考え込んでいた。時折、大きな独り言を言いながら。


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