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作品名:宗教改革 作者:桃色吐息

最終回   1
 『三条友美の宗教改革』、という形で本が出たようで、俺はそれを読みながら、その内の主人公に成っていた様だった。やはり内容は、エロいものだった。


 有宗教者と、無宗教者とが何等かのゲームに於ける勝負をし、負けた方が罰ゲームを負う、といった半ばふざけながらにして「性」を対象に挙げているせいか、なかなか深いものであって、俺はいつもの通りに内容に浸りながらそのエロさに翻弄されていた様だ。


 内容は何か、二人の真面目な有宗教者と無宗教者とが、トイレの水を、ある程度トイレットペーパーをほうり込んだ揚句に流す、という、ある程度の障害物を便器の内に押し込んだ上でそのトイレを流せるか、といった ものらしく、先に俺はその結果を漫画の内容で読んで知っており、谷崎なんかが(無関係であろうが、)知れば、真っ先に読みたがる本の内容の様に思えた訳で、最近にしてはなかなかの作品が出た、として喜んでいた。


 その結果とは、有宗教者(詰まり信者)が負けであり、又その信者とは相手の女子学生程に若い無宗教者に比べてやや年増(30〜40歳台位)であり、罰ゲームとして、敗者の秘部の内に、その彼等の周りに居て立会人となりながらも若い無宗教者の味方と成った女子高生達をも含めての排泄物(大便)を、どんどん入れて行き、発狂、或いは、苦しめる、といった光景が成されてあり、俺はそれ等の光景と情景を観ながらひたすらに、興奮していた。


 しかし、俺がその結果を先に漫画で読んでいたからか、ストーリィに浸っている際は最後までをせず、楽しみは尻切れトンボの様になってささやかな楽しみさえも、飛んで行った。


 俺はその宗教じみた漫画を読みながら、いつもは馬鹿にしていた邪教に「オウム教」を重ねて見た事で、その時、一人部屋にいた事が恐怖感を増大させたのか、「この部屋の内にオウム教の誰かが潜んでいる、又、見ている・覗く事になるかもしれない」等という、こんな手紙を書き置きしても良さそうなものなのに、と、一点集中して行き自分で恐怖に埋没していた。誰の話も聞いていなかった。俺はその時、はじめて、オウム教が怖い、と思っていた。有名人に成らないほうが良い、と思っていた。


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