ギギギギー!
耳障りな音が辺りに響いた。 引くタイプの扉だったんだけど、すごく重そう。
A君は隙間から中を覗き込んでから、ゆっくりと入っていった。 私たちも顔を見合わせて、ゆっくり入っていった。
中は外見とは打って変わって、レトロな感じだがきれいに内装がされていた。
隠れ家のような感じで、どこか懐かしい気持ちになった。
「すみませーん」とA君が呼んだが声は聞こえない。 灯りはついているのに、誰も居ないのだろうか。
「すみませーん!」もう一度呼ぶ。
すると突然ギギギギー!と扉が開いて 強い光が私たちを照らした。
目をあけると1人のおばあさんが立っていて、 「なんね、あんたたちは?」と言った。
「あ、あの、僕たちは決して怪しい者ではなくて…」 A君、そっちの方がよっぽど怪しいし…
「僕たちは道に迷ってしまって困ってた時に、ここを見つけたんです。」 さすが、秀人君!
「ここってお店じゃないんですか?」と私は聞いてみた。
「お店だよ。ちょっとした食事処でね」とおばあさん。
「では、ここで頂いてもいいんですか!」 なおの目がキラキラ輝いている!
「ええ、どうぞ。 とりあえずそこの席に座りなさい。」
「はーい!」
メニューを見ながら私たちはおばあさんにいろいろ聞いてみた。
おばあさんは春代という名前で、お春さんと呼ばれており、お店は正午に開けるため、さっきは店に居なかったということ。
店の外観は都市化が進みビルやマンションなどコンクリート製の建物が増えた今、少しでもやすらぎを与えられるようにと木造のままにしているということも教えてくださった。
お春さんの料理はとても早く、そしてとてもおいしかった! 自分の畑で採れた新鮮な野菜を使っているという。
その後、お春さんに道を聞いて、お礼を言い、外に出た。
「はあー!おいしかった!またここに来たいね!」 みんなご飯も食べて元気いっぱいになったみたい。 最初はお春さん怖かったけど、とても優しくて素敵なおばあさんだった。
それからはみんな歩いて、小さい子のように探検!とか言って楽しんだ!
そしてなんとか駅にたどり着いた。 みんなホッとした感じである。
「最初はどうなるかとヒヤヒヤしたけど、楽しかったね!」 「ほんとだよー!」とみんな口々に言う。
あたしもすごく楽しかった!
〜自分の部屋〜
『今日はみんなとのお出かけだったんだけど、まさかの行き当たりばったりの旅で。 なんか迷っちゃうし、お腹空いちゃうし、どうなるのかと思ったけど、お春さんっていう親切なおばあさんに出会って、お話したり、美味しいご飯を食べたり、スッゴく楽しかった♪ みんなとの絆も深まったかな?
またみんなでお出かけしたいな!』
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