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作品名:あらすじ? 作者:あんぱん

第1回   修学旅行(初日)
 屋根から雪が滑り落ちるザザッっという音で目が覚めた。
ちょうど起きようと思っていた時間だ。ストーブのスイッチを押して、歯を磨きに眠い目を擦りながら向かう。途中で窓から外の景色が視界に入った。木、田畑の上に雪が積もる田舎の雪景色が広がっていた。
そういや、昨日から結構降ってたもんな。
俺は雪があまり好きではない。なぜなら、雪とは平等ではないからだ。リア充どもには、カップルと過ごす夢の一時(ひととき)にロマンチックな雰囲気を与え、俺のような彼女もいない奴には、寒さの中で苦渋の労働を与える。今後彼女ができようと一生俺は雪を敵視する。
洗面所では、冷たいというより痛いのほうが正しいような寒さが待っていた。
そんな出迎えいらねーわ。裸エプロンで待ちかまえられたって嫌だわ。
そんなことを思いながら、さっさと用を済ませた。うがいをするとき、冷水が俺にとどめをさした。俺君になにかした?(泣)
やっぱり冷たいというか痛い・・・
部屋に戻ると、先ほどつけていったストーブが室内を暖めてくれていた。
ストーブほんとすげぇよ。並の主婦でもここまで家庭内をあったかくするのは難しいと思う。
ストーブに感謝しながら、着替えを済ます。ひと段落ついて時計に目をやると、どうやらまだ余裕がある。テレビをつけるとネイル特集がやっていた。爪に、たくさんのアクセサリーをつけたり、写真やらカラフルな色の爪を装着しキャッキャしていた。
こいつら新しい部族?これから部族間戦争でも起こるの?そんなかわいくて重そうなアクセサリーつけてたら伊達政宗にぜってぇ勝てねぇよ。伊達政宗爪部門最強!ネイルのファッションショーでたら?あ、でも伊達政宗のは爪じゃなく刀か(笑)
てか、今の時代、爪に求めるのは機能性よりデザイン性なのか?どーせ爪なんか、シールはがしたり、包装を突破するためにつかうもんだろ。そんな爪に求めるな。
そんなことを考えながらテレビをみているとあっという間に家を出る時間になっていた。
家から集合場所までは大した距離ではないからあまり急ぐ必要はない。
道路には案の定軽く雪が積もっていた。だが、田舎の雪をなめてはいけない。軽くと言ったものの靴の高さぐらいまで普通にある。東京の人たちはこの状況を積もったというのだろう。
しかし、マレーシアの気温は三十度と聞いている。よって俺の格好は長袖一枚に半ズボン。
だって、途中で着替えめんどくさいじゃん。
雪は、俺の格好など気にせず降り続く。俺も雪のことなど気にせずキャリーバッグを片手に足を進めた。集合場所につくと俺以外集まっていた。こういうときってみんな集合早いよな。
俺の真夏のような恰好をみると保護者やクラスメイトが「さみべや〜」とか「さむ〜」とか言って笑った。いいんだよ、痛いほど寒くねーからセーフだ。と心の中で反論した。
先生が人数を確認し、一声あいさつすると俺らはバスに乗り込んだ。バスの中は暖められていて、俺にはちょうどいい。無論厚着してきた奴らは暑い。どーだ、先を見越しての行動とは多少の我慢を強いられてもメリットは大きい。ちなみにメリットは、荷物少なく済むこと。
俺の席は一番後ろの窓際、五人用なのだが人数が少ないため三人で使った。左から俺、和之(和)、武(軍曹)。
バスが出発すると恒例のお菓子が回ってきた。さっきから微妙なものしか回ってこない。原因は軍曹だった。おいしいものはすべてそこで止まっていたのだ。まぁ俺もそれに有り付けるから異論はない。軍曹がなにかの拍子にポテチをおとした。拾ってビニール袋に入れる、までは普通だ。問題はその後・・・
おすすわけかのように、そのポテチを悪意と一緒に回してやった。さすが軍曹。
俺も何事もなかったかのように回す。撤回、ニヤニヤして渡しました。
少しすると、DVD干渉が提案された。これはもともと計画されていたイベントだ。まぁ見る気はないけど。先生借りてきてくれてありがとう、そしてごめんなさい。
プチ上映会が開かれている中、窓からずっと景色を眺めていた。秋田でもすこし雪が降っていた。木々は赤、黄、緑と色を変えており、とても鮮やかで個々が目立っていた。
いろいろ考えていると眠くなってきた。目をつぶって数分、俺の脇腹に指がささった。「寝るな」という警告だ。寝たら死ぬぞと言わんばかりの勢いで何回もさしてくる。まぁたしかに、ここで「寝る」という選択は間違っている。一般人の考えで七時間もの移動時間どう考えても「寝る」という選択は外せない。しかし、ここで一般常識など通用しない。なんせ金高の二年生の巣窟のような場所。一般常識など常識ではない。そもそもゆっくりと眠りにつけるほうが不気味で怖い。しかも、ここで寝たら機内で「寝る」という選択肢は消えてしまう。今思うと寝なくて正解だった。正確には寝れなくてよかった。何回もトイレ休憩に寄っている内に成田空港に着いた。空港内は、新庄より近代的だった。というか時代の最先端走っている。田舎者の俺はもはや外国のように思えた。歩いていると、アニメのグッズショップやら免税店が俺の視界はいる。なにここ、夢の国?ネバーランド!?ティンカーベルとピーターパーソンいねーけど。
よってここは夢の国なんかじゃない。
俺らの用があるのは第二ターミナルだ。第二ターミナルでは各班で夕食をとる。俺らはマック派とちょっとしたレストラン派に分かれた。ちなみに班員は俺、阿部君(矢部君)、匡人(隊長)、昇太の4人だ。俺は最初マック派だったが、「金に余裕がある」と調子に乗ってレストラン派に寝返った。レストランはさすが都会というべきか値段が高い。コスト1200円を払い、照り焼きチキン的なものを召還した。俺らの座ったテーブルの隣でやぎの班も食べていた。会話していて自分のテーブルのほうに振り返ると、俺はコップに裏拳をかましていた。会心の一撃!
店員はすんげぇ嫌そうな顔をして床をふき始めた。
「すいません」と声に出して謝る。返事はない。
失敗くらい誰にでもあるだろ、プンプン(笑)と開き直る。
そんなこんなで食事し終わると、申し訳なさそうなオーラで代金支払ってさっさと店をでる。
自由時間は結構とられており、まだまだ時間はある。とりあえず、次はたこ焼き屋に行った。さっきのでは、まったくたりなかったのでたこやきにまで手を出す。マックのほうが得だったなぁ。たこ焼きはおいしかったが、かなりアツアツだった。真夏のカップルなみにアツアツ。真夏はただでさえ暑いのに、リア充どものせいでもっと暑くなる。恋のアバンチュールだかなんだかしらねぇけど、そんなの北極とかでやってくれ、小さいころから言われてんだろ、周囲に迷惑かけんなって。たこ焼きのせいでなんか口が悪くなった。テヘペロ
その後は本屋とかまわって時間をつぶした。いよいよ出国審査だ。ここ通ったらもう外国らしい。出国審査は、何か聞かれるとか聞いてたけど。よっぽどのことがない限りパスポートチェックだけだ。外国の入・出国審査にビビった自分が恥ずかしい。なんなく、事を終えるとお決まりのあれを見つけた。あれとはあれだ。よく芸能人が海外に行くときパパラッチが待ちかまえている場所。エスカレーターの平らな奴だ。不覚にも芸能人とパパラッチごっこをしてしまった。正直におもしろかった。うん、まだ子供だ(笑)
飛行機に乗り込むと席がエコノミークラスとかいろいろわけられていた。どうやら俺らは一番安価なエコノミークラスというやつだ。安いので当然狭い。バスの座席よりちょっと狭かった。
ここで7時間も過ごさなければいけないのか。しかし、「寝る」という選択肢が残っているからその分俺のほうが有利だ。離陸時は、エレベーターとおなじような感覚だった。しいて言えば、耳に空気がつまって痛くなったことぐらいが思い出だ。しかしそれもすぐに治った。離陸が終わると機内食が運ばれてきた。おいしくなかったとだけ言っておく。さて、あと6時間半どうやって時間をつぶすか。なんてことを考えている内に意識は途切れた。


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