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作品名:プリン王国 作者:シン

最終回   プリン王国
俺は毎日プリンを食べている。

理由は美味しすぎるから

朝に1つ、昼に1つ、夜に1つ。

ご飯のたびにプリンを食べている。

これはある日の俺の夢の様な話

* * *

「おきなさ〜い!」

母親の声に俺は起きた。

時は今、6時20分。
7時半頃に家を出て登校をするので、時間は十分ある。

「母さん、プリンは?」

俺は2階から降りるやいなや、プリンのことを心配していた。

たしか数が少なかった気がしたから・・・

「後1個よ。昼のはお金をあげるから買いなさい」

1個…やったプリンが食べれる…

そう思うと、俺の気持ちは有頂天だ

俺はご飯の前にデザートを食べる派なので、プリンを食べようとした…が・・・

昨日食べ過ぎたせいであろうか?

俺はお腹が痛くなり、すぐにトイレに行こうとした。

だが…!

俺はもうプリンを皿に出してしまった。

早く食べないと旨味が逃げてしまう・・・そうだ!!

『用をたしながら、食べよう!』

そう考えた。早速それを行動にうつした。

俺は皿をとり、猛ダッシュでトイレの前まで行った。

ドアを開き、中に入る…

その瞬間、忘れていたかのように追い打ちをかけるトイレの段差…

それにひっかかり、手から離れる皿…

その皿から宙を舞い、便器の中に入る。

プリンが・・・俺は絶叫した。

腹痛も忘れ絶叫した。

俺の最後のプリンが…便器の中に…

最悪だ…本当に最悪だ…俺の前には便器の中に入ったプリンが見えていた。

いや…取れる。これは取れるぞ?

このプリンをとって洗えば食える!!

俺の発想は腐っていた。

でもそれほど食べたかったんだ、わかってくれ…

そう、俺は便器の中に手を入れ、プリンを取り出そうとした。

目を閉じ、手をいれる。

水の中に手が入る…

プリンと思われる物に手があたった瞬間…

俺は何かに手を引きづられた。

* * *

ここは…どこだ?

さっきまでトイレにいたのに…

そんなことを思いながら、後ろを振り返ると

そこには大きな大きなプリンがあった。

「プリィィィィィィィィィィィィィィィィン!!!」

俺は叫んだ。

プリンに見とれていると、そこに1人の、いや…1つのプリンがやってきた。

「ここはプリンの王国です。好きなだけ、いろいろなプリンをお楽しみください」

といったのだが、俺はそんなことお構いなしにプリンに飛び込んだ。

プリンの王国?最高じゃないか!!

こんな王国に住みたい!!!!!!!!!!

俺はそんなことを思いながら、いろいろなプリンを堪能した。

そして最後に食べたのが、プリンアラモード。

俺もあまり食べたことのない。

俺が思うにプリンの完全上位互換だ。

それが数十個も!!

「うぇっへ〜いぃ!!」

俺は何個も、何個も食べ続けた。

* * *

目を覚ますと俺はトイレにいた。

便器に手を入れている俺がそこにいた。

「プリンの王国…夢かよ…」

そんなことを思い、俺はプリンを取り出そうと手にあたったものをとった。

それを手にとって見た瞬間。

俺は声にならない声を出した。

(終)


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