朋香「おはよう」
目を開けると朋香ちゃんがこっちをむいて座っていた。
俺も「おはよう」と返すと彼女が俺に見せたことのないような笑顔でニッコリと笑い、今度は走ってまなさんの所に言った。
今の時間は・・・朝の9時。
俺達の村はコンピューターの村だ。
だから、12時頃から少しだけ作業をしてそれだけで仕事は終わりなんだ。けど・・・
人数が少なくなってから、少しだけ忙しくなった。
俊介さんは数人人数を増やすと言っているが、今の状況で人を村に入れるのは、到底思えない・・・
少なくとも同票にしない限り、1日に2人は死ぬということになる
でも、会議でしか殺人者は殺せない・・・
ゆえに被害者を減らすためには、会議で殺人者を殺すしかない。
でも、その殺人者がわからない・・・どうすればいいんだ?
俺がまた深々と考えていると、まなさんの声が聞こえた。
まな「私達はもういくぞー」
その声はもちろん聞こえていたが、またいろいろと考えていたせいか、声を言葉として認識するのが大分遅れてしまった。
「わかった」と、とりあえず反応をした。
ドアの閉まる音が聞こえると、俺はベッドに倒れた。
白玖「俺もいつかは死ぬんだよな・・・」
そんなことをつぶやき、仕事の準備をした。
* * *
「さぁ、会議をしましょう」
俊介さんの声で会議が始まった。
第一次投票で一番多かったのは雅紀さんだった。
でもこの人は人間だ。
会議の少し前で朋香ちゃんに「雅紀さんは人間だったよ」と伝えてくれた。昨夜は雅紀さんを占ったようだ・・・
まぁ・・・雅紀さんは一ミリも動揺していない。「それがどうした」と言っているようだ・・・
とりあえず、言わないといけないことがあったと俺は慌てて口にした。
白玖「旭姫さん、湊さんは殺人者だったか聞いていいでしょうか?」
この答えによって、選択肢が変わるのだが・・・
旭姫「・・・話さないといけないことですか?それは?」
何を言っているんだ・・・?この人は・・・
旭姫「あなたは私を疑っていますよね?そしてこの答えで何かを試そうとしている・・・違いますか?」
俺は・・・何にも言えない・・・
旭姫「図星ですか・・・」
くそ・・・こいつは黒なのか?
昨日の考えでこの人が言わないなんて選択肢は考えなかった。
旭姫「私は知っている大事な情報ですので、言いませんよ」
こいつは俺達を裏切ったのか?殺人者側についたのか?
俺はまた深い思考の闇へと入っていった・・・
あやね「あの・・・発言いいですか?」
あやねさんが発言したその声に俺は意識が戻った。
「別に、もう殺人者いないんじゃないのかな?」
そうか・・・あやねさんの考えは正しい。
俺達みたいに襲われていないのだから、殺人が起きなかっただけということになる。
しまった・・・もっと客観的に見るべきだった。
会議が誤った方向にいっている・・・
殺人者がいるのに・・・いないという話に・・・
俊介「まぁそうですね。旭姫さんが何かを言わないでも結論は出ていたということですね」
クソ・・・言えない・・・言えば俺が怪しまれる・・・
俊介「会議は終わりにしましょう。お開きです」
俊介さんの言葉で会議は終わった。
会議が終わると俺の元には必然とまなさんと朋香ちゃんがきた。
まな「今日も白玖の家に行った方が私はいいと思う」
まなさんの言葉に朋香ちゃんは頷く。
もちろん俺も同感だ。この信用できる2人に死んでもらっては困る
白玖「そうだな・・・やばい時があったらまなさんが守ってくれる」
まな「あぁ、そのつもりだ」
もうわかっているように呟く。
これを知っているのは、俺達と旭姫さんだろう。
ここで警戒しないわけにはいかない。
知ってるのは俺達だけ・・・?
白玖「あのさ・・・あいちゃん呼んでもいいかな?」
まな「あい?なんでだ?」
心配だからと俺はいう。
こういうのは贔屓になるのだろうか?
まぁそうだろうな。俺は多分あいちゃんに特別な感情を抱いているに違いない・・・
まな「まぁいいだろう。あの人は悪い人ではない」
いいよな?とまなさんは朋香ちゃんに聞くと、大きく首を縦に振った。
白玖「ありがとう。じゃあ呼んでくる」
俺は彼女を呼びに走って行った。
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