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作品名:人のフリして人の不理 作者:シン

第4回   4
白玖「誰が犯人なんだ・・・?」

全く俺はわからなくなっていた。

俺が白ということはあいちゃんが示してくれた。

それには本当に感謝している。

でも・・・俺の存在なんかよりももっと俺達を困惑させることを言った。

そう、旭姫さんだ。

旭姫さんの主張は
『死んだ人が殺人者かわかる』だ。

これによって何が変わるか?

まず、死んだ人が犯人だとするとこの事件は終わったことになる。

違ったら違う人が犯人だったということになる。

ここで生まれてくる選択肢が

とりあえず殺そう・・・という選択肢が生まれる。

とりあえずというのはあまり良いとは思えないが・・・

でもそれが犯人だったらこの事件は終わりなわけだ

だったら・・・・・の話だ。

そうじゃなかったら・・・無駄死に・・・

俊介「今から二次投票を行う。各自紙に名前を書いて、この投票に書いてくれ」

俺達は書き始める。

会議は約4時間を迎える。

もう日が沈み、夜になってしまっている。

今日の夜も殺人者は動くのだろうか?

こんな会議があったんだ。犯人は身を隠すかもしれない。

でもこの投票で死ぬ容疑者が殺人者かどうかがわかる。

殺人者ならこれで終わり・・・殺人者じゃなかったらこの殺人が終わらない・・・

どうすればいいのか?

犯人は一人ではないはずなんだが・・・

俺は何を、どうすればいいのか??

俊介「じゃあ開票します」

沈黙にかわり、俺は深呼吸をした。

俊介「じゃあ言います。・・・一番票が入ったのは。悟志お前だ」

悟志「はぁ?な・・・なんだよそれ・・・?嘘だろ?」

雅紀「うるせぇな。とにかくお前なんだろ?処刑だな」

悟志「まて!?それは流石にダメなんじゃないのか?」

雅紀「ふざけるなよ。お前が言い出したんだ。さっさと死ねよ」

それに便乗したのか、周りの人からも死ねなどの声が聴こえる。

俊介「さぁどう殺そうか。普通に射殺でいいかな」

悟志「おい待てよ・・・おい!!!」

俊介「さようなら、犯罪者容疑者さん」

1つの銃声。その弾は頭を通過して、悟志さんを殺害した。

俊介「さぁ皆さん。殺人者は死にました。早速仕事に戻りましょうか」

白玖「待ってください」

俺は頭で考えるよりも早くこの言葉が出てしまった。

俊介「どうしたのかな?俺は殺人者を殺しただけだが?」

白玖「人を殺すことに抵抗はないんですか?」

俺は疑問を凪かけた。

なんでそんなに躊躇なく人を殺せるのかがわからなかった。

俊介「人を殺すのが悪いことですか?」

白玖「悪いことですよ!!何を言ってるんですか!?」

俊介さんは不敵な笑みを見せた。

俊介「笑わせないでください。この人は容疑者なんですよ」

そう言って俊介さんは悟志さんの死体を踏んだ。

俊介「たとえ殺人者じゃなくても殺されて当然。殺してほしいからみんなが投票したんでしょう」

白玖「何を言って・・・」

俊介「まぁいいです。明日になれば旭姫さんが殺人者だったと教えてくれます。それに今日殺人が起きなければいいんですから・・」

この会議でわかったこと。

一つ目は、旭姫さんは死んではならない人物だということ。

あの人は死んだ人が殺人者かどうかわかる。

二つ目は、俊介さんが一番怪しいということであった。

仕事をおえ、家に帰り、俺はベッドに横たわりながらいろいろなことを考えていた。

あのいつもは優しく、良い人が冷酷で・・・残酷な人だということ・・・

俺は自分の人を見る目が可笑しいのかと笑えてきた。

その時、俺の家に誰かが来たと思われる音がした

チャイムの音だ。

あい「白玖くん・・・いる?」

朝倉あいちゃんだった。

俺はびっくりして、ベッドから転げ落ちてしまった。

あい「ごめん!寝てた?」

白玖「いや!大丈夫今から出るね」

俺は急いでドアを開けてあいちゃんを招いた。

あい「ごめんねいきなり来ちゃって・・・」

白玖「ううん!大丈夫」

なんで俺はこんなに緊張しているんだ?

それもそうだ。

23歳になっても彼女ができたことのない俺にしては体験したことのないびっくりすることだ。

女の子がいきなり俺の家に上がってくるなんて・・・

あい「ごめん・・・家に一人でいるのが怖くって・・・」

白玖「そうだよね・・・怖いよね・・・」

確かに怖い。

いつ殺されてもおかしくないんだ。

怖くて当たり前なんだろう。俺だって毎日鍵なんかは厳重にしめている・・・

あれ?じゃあなんで殺せるんだ??

おかしくないか?

ここはコンピューターの村。

家はどれも玄関の鍵はセキュリティー万全なはず・・・

じゃあなぜ殺せたんだ?

犯人はどうやって家の中にはいったんだ・・・?

新たな疑問点に俺は困惑していた。

あい「どうしたの?すごい怖い顔をしているけど・・・?」

白玖「ううん。なんにもないよ・・・」

あい「そっか・・・わかった。なんか大変そうだから私帰るね」

白玖「うん・・・分かった。お休み」

そう言うと、あいちゃんは家に来て数分で帰ってしまった。

でも、俺の予想があっていれば・・・犯人が絞られて来るかもしれない・・・

俺は少しの期待と大きな不安を抱えて眠りについた。


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