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作品名:人のフリして人の不理 作者:シン

第30回   30
「俺、9月23日に出ることになった」

9月23日、この警察署を出る2時間前にこの事を言われた。

「65年の刑はどうなったの…?」

「反省が見えたから…5年に短縮だって…」

俊介さんの声は口ごもっていた。

「そして…1つの村を作るよ」

村…?どういうことだ?

俊介さんの言っていることは俺はついていけなかった

「ほら…プログラムとか得意だから…それを使ってどうにか…」

なるほど…と俺は関心をした。

確かにうまく出来るかもしれない。

でも…いきなりこんなことを言うなんて…

「住人とかはどうするんですか?」

俊介さんはそのことは決まったことがあるらしい。

ここの囚人を受け入れるらしい。

あぁ…これが警官の目的なのだろう…

行く宛のいない人に出た後の仕事を与える…

そういう考えだと、俺は勝手に思っていた。

「そういうことなら…俺、ついていっていいですか?」

そう言って俺は俊介さんについていった。

署で仲良くなった人を呼んで、5年が経って白玖が来た。

そしてこの騒動になった…

もう、この村を作った張本人、荒木俊介さんはこの世にいない。

この村を作った本当の意味はわからずじまいだった…

* * *

白玖「この村ができた理由か…」

夜になり、星が見える。

俺たちが全員服役していたということ…

確かにここの村は俺にとって、とてもいい刺激を受けた。

牢屋から出て、自由になっていく宛のなかった俺を引き受けてくれた俊介さんにはとても感謝している。

でも、何かある気がする…

俺が来てからこの騒動が起きたことに違和感があった。

何か…警察側の陰謀みたいな感じが…

あい「また考え込んでるけど?大丈夫?」

あいちゃんが声をかけてきた。

今は裏会議だ。

誰を殺すかの会議中に俺はまた考えこんでしまったようだ…

白玖「ううん…大丈夫…それで?誰を殺そうかな?」

あいちゃんも真剣に考えている。

でも、後2人殺さないと…俺の考えた作戦ができない…

白玖「あやねさんを殺すよ…後少しだから、もう少しで勝てるから…がんばろうね」

あいちゃんは頷く。

俺はもう何もかもがわかっていた。

でも、この場で言うべきではないと思う…

俺があやねさんを殺し、人狼が多分旭姫さんを殺すだろう…

全て俺の勘だが…

俺の勘がわかれば、全ての筋があう。

そう思い、12時になったのを見計らって俺はあやねさんを殺しに行った。

* * *

みなみ「会議をしましょう…」

もうすっかり人数が少なくなってしまった。

あやねさんを俺が殺し、人狼が旭姫さんを殺した。

俺の予想はあっていた…

作戦は開始してもいいのかもしれない…

今残ってるのは4人。

神田白玖、朝倉あい、相田みなみ、佐野雅紀

明日には全てが決まる…

白玖「もう会議なんかしないでいいんじゃないですか?」

雅紀「どうして?人狼はまだ2人いるのに?」

そうか…2人いると思ってるんだ…

でも…ここで誰かが死んだら…

あい「もういいんじゃないかな…?私はもう疲れたよ…」

みなみ「そうね…どうせ皆死ぬ運命だったのかもしれないね…」

俺はどういうことかわからず、質問を投げかけた。

白玖「どういうことですか?」

雅紀「警官の陰謀があったんだろう…何もかもあいつらの思い通りだ…」

警官の陰謀?

俺は意味がわからなくなっていった。

つまり、この人狼の騒ぎ事態が…警察の陰謀?

人狼を見つけ出そうとしすぎたせいか、そっちに頭が回らなくなってしまった。

みなみ「私達は全員死ぬ運命だったの、警察は私達を抹殺したかったんだと思うよ…」

抹殺?俺たちは皆死ぬ運命だったのか…?

白玖「なんでそんなことをしないと行けないんですか!?納得いきません!!」

俺はつい感情的になってしまった。

俺たちが抹殺される意味がわからない…

雅紀「受け入れるしかないんだ…社会から嫌われた俺たちは…」

そう、俺たちは確かに囚人だった。

でもしっかりと罪を牢屋で償ったんだ…

それに加えて死を…

死をもって償えということなのか…?

白玖「死をもって…俺の犯した罪を…」

俺たちはもう会議をしなかった…


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